ゴルフクラブ試打日記。          

ダンロップ スリクソン Z525 ドライバー

ダンロップ スリクソン Z525 ドライバー 
今日は、このゴルフクラブ試打しました。
試打クラブは ダンロップ スリクソン Z525 ドライバー です。
SV-3026J

シャフトは SV-3026J です。
ロフトは9.5度、クラブ長さは45.25インチ、シャフトフレックスはS、シャフト重量は56g、トルクは3.9、バランスはD2、キックポイントは中調子、クラブ総重量は308gです。
正面

スリクソンZシリーズの三兄弟の中で、最もサイズが大きいドライバーです。
このドライバーのヘッド体積はルールで認められた最大値である460cm3という大きさなのだそうで、今でもそれだけたくさんの需要があるのだと思いますし、大きくすることによるメリットも大きいのだと思います。
私は必ずしも460cm3がベストな大きさだとは思いませんが、大きいことによって安心感を得られる方が多いのは事実だと思います。
『物理的なことによるメリット』というよりは『心理的なメリット』のほうが大きいのかもしれません。
ヘッド体積や慣性モーメントではルールによって制限されていますが、『シャロー値』といいますか、ヘッドの薄さに対するルールは設けられていないと思いますが、いずれどうなるか解りません。
必ずしもシャローであればあるほど易しくなるとは思えないですし、人によって好みも様々です。
そして何より、もうこれ以上クラブに対しての規制がきつくならないで欲しいと思っています。
側面

こうして見ていても、これまでの『925』や『725』に比べ、かなりシャロー感が感じられます。
『三兄弟』の特徴は、それぞれかなり大きく異なるようです。
今回のZシリーズのドライバーを初めて目にしたときにも思ったのですが、この『Z』という大きな文字を見ていると、『怪傑ゾロ』や『マジンガーZ』を思い出します。
調整機能

当然ながら、このZ525にも調整機能が組み込まれています。
私はまだこのシステムを試してみたことがないのですが、結構いいようです。
こういったシステムがずっと定着するか解りませんが、プレイヤー自身が色々な組み合わせを簡単に楽しめるのは、とてもいいことだと思います。
ただ、こういったシステムは、あくまでも『補助的な役割』といいますか、頼りすぎないほうがいいように思っています。
このシステムを利用して、スライスやフックを修正していこう・・・。というのではなく、あくまでもスイングを直すのはプレイヤー自身で、そこに少し『味付け』をするというのがいいのではないでしょうか?
今は優れた機能のクラブがたくさんありますが、あまりそういったことに頼り過ぎることなく、プレイヤー自身の感覚や日々の練習の積み重ねのほうが重要なのではないか?と思います。
ネック長さ

ネックの長さは、これまでの725や925と大きく変わらないようです。
それにしても、このネック付近の調整の為の空洞が、まるで大きな口を開けて待っている魚のように見えました。
やはり、この大きさも重量配分など計算され尽くして決められたのでしょうか?
溝の無いスコアライン

Z925やZ725を試打したときにも感じていたのですが、フェース面はスリクソンらしくとても美しいですが、スコアラインには溝がありません。
プリントされているような感じです。
聞くところによると、今回のシリーズは、なるべくフェース面を薄くするように作られていて、強度を考慮して、スコアラインが彫られていないのだということです。
しかし、そのままスコアラインがないと、私たちゴルファーにも違和感が残ってしまうので、このような工夫が施されているのかもしれません。
スコアラインが無いと、インパクトのときにボールが滑ってしまいそうですが、実際はそんなことはなく、むしろ『ボールとの接地面積』が大きいほうがスピンも効きやすいのだということを以前TVで観て知りました。
しかし、雨の日のラウンドではどうなのでしょうか?
スコアラインの溝は水分を上手く逃がしてくれる働きがあると思うのですが、このドライバーはそれが上手く機能するのでしょうか?
おそらくダンロップが研究に研究を重ねて作っていると思うので、その点も心配いらないと思うのですが、その点が少し気になりました。
顔

顔もスリクソンのイメージに合致する男前です。
大きさは感じますが、キリっと引き締まった感じがします。
460という大きさでシャロー感を感じるヘッドの中では、かなり男前だと思いました。
何となく、以前試打したこともある『Z-TX』というドライバーを思い出しました。
あのドライバーと同じようなシャロー感を感じました。
シャローバック形状

これまでの三兄弟の中で、やはり最もシャローな感じがします。
しかし、今では『叩けるシャロー』もたくさんあるので、このドライバーがスインガータイプ専用だと決めつけるのはまだ早いような気がしました。
振り感

しかし素振りをしてみると、明らかにターゲットがこれまでの2つのモデルとは違うように感じました。
シャフトも軟らかいですし、重量も足りません。
正直、少し物足りない感じがしました。
これで大丈夫かな?と思いました。
初めて手にするメーカーのクラブであれば、「こういうものなんだろう・・・。」と思うこともできるのですが、『SRIXON』というブランドイメージを考えてみると、少し異質な感じがしました。
ただ、これはあくまでも『基本スペック』ということですし、自分の好きなシャフトを組み合わせたりすることによって、また大きくフィーリングも違ってくるように思います。
構え感

ボールを前にして構えてみても、変なクセが無く『中立』な感じなので、とても構えやすいです。
左右に曲げるというよりは、真っ直ぐな弾道をイメージしやすいです。
大型感は感じますが、ボールのつかまりが悪そうな感じはしませんでした。
ただ、これまでの2つのドライバーよりも明らかにボールがあがりそうな感じがします。
シャロー感が余計に伝わってきました。
私は高すぎる弾道はあまり好まないので、少し抑え気味に打っていきたいと思ったのですが、まずは普通の感じで打っていこうと思いました。
試打を開始しました。
フェース面

『打感』は『結構しっかり目』といいますか、いい感じで『ボールの抵抗感』が感じられました。
ボールを強く弾き飛ばしてくれているような感じもします。
やはり、今のドライバーの『トレンド』は、この『弾き感』なのかな?と思いました。
最近は、こういった弾きの良いドライバーが増えてきました。
『SLEルールギリギリの弾きの良さ』では、大量生産される大手有名メーカーのドライバーよりも、『少数精鋭』で作られる『地クラブメーカー』のほうが、一日の長があるように思うのですが、このスリクソンのドライバーはかなり弾きが良いように感じられます。
打球音

音は少し大きめでしたが、全く不快な感じはしません。
聞きごたえのある音です。
いわゆる『インパクトが良くなる音』といったらいいでしょうか?
この音で、色々とスイングの調整をしていけそうだと思いました。
球のつかまりが不十分だと、いわゆる『抜けたような音』に聞こえることもあるのですが、このドライバーはしっかりと『つかまった音』に聞こえました。
トゥ側

『球のあがりやすさ』という点では、やはりこれまでの925や725に比べ、かなり上がりやすくなっているように感じます。
明らかに弾道が高いです。
925も725も、想像していたよりも球は上がりやすかった印象があるのですが、このドライバーは、その特徴が顕著に感じられます。
やはりメーカーがターゲットにしているゴルファーが他の2つとは異なるのでしょうか?
正直、私にはちょっと高すぎる感じがしたので、できれば違うシャフトで試してみたいと思いました。
このドライバーのシャフトは前の2つと異なり『MIYAZAKIシャフト』ではないですが、今度機会があれば、同じシャフトで試してみたいと思いました。
バックフェース

『安定性』も高く、あまりシビアな感じはしません。
最初のうちは少しプッシュ気味の球も出たのですが、思ったよりも右へ抜ける感じはしませんでした。
上手くボールをホールドしてくれていました。
私はボールが逃げるよりも、つかまり過ぎのほうが怖いのですが、このドライバーは捕まりすぎることがなかったので、安心できました。
しかし、ウェイトを調整することによって、機能も変わってくるので、そこがまた面白いところだと思います。
飛距離性能
 
『飛距離性能』という点では、スリクソンらしい高性能さを感じますが、前の2つのモデルを経験しているので、それほど驚くことはありませんでした。
『想定内』の飛び性能だと思いました。
あくまでも私の好みですが、こと『飛距離』ということに関しては『Z925』に魅力を感じます。
操作性

『操作性』という点ではまずまずで、特に大型ヘッドによる扱いやすさは感じませんでした。
左右に曲げることも難しくありませんでした。
ただ、925や725に比べると、少し反応が遅いといいますか『早すぎない』感じがしました。
しかし、これは多くのゴルファーにとって、親しみやすさにつながるような気がします。
なるべく曲げたくない・・・。もし曲がるとしても、できるだけ小さい幅で抑えていきたい・・・。という方にマッチしやすいのではないでしょうか?
このヘッドの大きさやシャローさに加え、優れた調整機能でかなりの弱点を克服できるような気がします。
今のクラブの多くは、プレイヤーの『長所を伸ばす』というよりは『弱点をカバーする』という観点で作られているのかもしれません。
Z925を『マニュアル系』、Z725を限りなくマニュアル系に近い『セミオートマチック系』とするならば、このZ525はどちらかというと『オートマチック系』といえるのかな?と思いました。
ヒール側

スリクソンZ三兄弟のドライバーをようやく全て試打することができましたが、あくまでも私の好みとしては、
1位・・・Z925
2位・・・Z725
3位・・・Z525
の順です。
私はやはりZ925が忘れられません。
一番手に馴染んだような気がします。
Z725もすごくいいドライバーですし、購入したいドライバーのひとつではありますが、球を打っていて、より楽しいのはZ925でした。
ダンロップ スリクソン Z725 ドライバー 
Z725
しかし今回の、この三兄弟の中で最もバランスが取れているのは『Z725』ではないでしょうか?
ダンロップ スリクソン Z925 ドライバー 
Z925
最もサイズの小さいZ925は限定品ということで、メーカーもそれほど多く出荷しようとは考えていないのかもしれませんが、Z725と、このZ525を比べると、おそらくZ725のほうが人気が出るのではないかな?と思いました。
勿論、ラージサイズを好まれる方はZ525のほうが安心感を得られるのかもしれませんが、今は一時期に比べ、『460cm3未満』の大きさも見直されていると思いますし、人気が高まっていると思います。
Z725を試打して、一か月が経とうとしていますが、このZ525の印象よりも強く残っています。
かなりの傑作ドライバーだと思います。
DUNLOP SRIXON Z525 DRIVER

このZ525も当然ながら、これまでのZ925やZ725と同じように、かなり価格設定が抑えられているのも大きな魅力です。
これだけ性能が優れていて、しかも調整機能付きでありながら、この値段ということは、これまでのドライバーはなぜあんなに高かったんだろう?と思ってしまいます。
勿論、この価格はかなりメーカーの企業努力も伺えますし、良心的な部分も感じます。
クラブの値段が高いと、それだけで『高級』『高性能』と思ってしまいがちですが、実際はそんなことはありません。
勿論、その値段に見合うような素晴らしいクラブもたくさんありますが、なかには首をかしげてしまうような物にもたくさん出会ってきました。
DUNLOP SRIXON Z525 DRIVER

そういったことなどを考えてみると、今回のこのスリクソンのニュードライバーは、この性能でありながら、こんなに安くてもいいのかな?と思ってしまいます。
大手老舗メーカーであるダンロップが、このような値段にしてきたので、これから他のメーカーからも、たくさんの新製品が発表されると思うので、どのような変化が見られるのかがとても楽しみです。
低価格でありながら、高性能・高機能を実現しているドライバーだと思います。