GTD Blackice-FWを試打レビュー

先日、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは
GTD Blackice-FW の5番 です。

シャフトは 三菱ケミカル Diamana Thump FW です。
ロフトは17.5度、クラブ長さは42.5インチ、シャフトフレックスはSR、シャフト重量は66g、トルクは3.6、バランスはD1、キックポイントは中元調子、クラブ総重量は332g です。

GTDの、とてもカッコいいFWです。
先日、ミニドライバーを試打しましたが、今回はフェアウェイウッドです。
ソールのデザインがよく似ていて、ぱっと見では見分けが付きません。

シャロータイプで今のFWらしい形状です。
クリークということもあり、よくあがりそうです。

ソールには2つのウェイトが配置されています。

ヒール側

トゥ側
どちらも『4』という数字があるので、おそらく4gだと思います。
専用の工具は必要なく、ホームセンターなどで売られている、六角レンチで簡単に取り外せそうです。
他にも、いろいろな重さが用意されているのでしょうか?

ソールには溝があり、これはミニドライバーやBlack ice The MAXドライバーと同じです。

溝は浅いです。
この浅さが絶妙なのかもしれません。
ミニドライバーも凄いですが、それよりも特にBlack ice The MAXドライバーは強烈なパフォーマンスを発揮してくれ、強烈な印象として残っています。
そのシリーズのFWということで期待が持てます。

適度なネックの長さがあります。
最近は短いものが多かったので、このクラブは美しいな・・・。と思いました。
短いものには『短いなり』の利点もあると思うのですが、どうしても『頭でっかち感』が出てしまうこともあり、バランスが狂ってると感じることもあります。
重量バランスが下(ソール)にいけばいくほどいい・・・。というものではなく、『適度な高さ』があると、これまでの経験上感じています。
重心が低ければ低いほど、そして深ければ深いほどいい・・・。というものではありません。
なので、適度な長さのある、このクラブは好感が持てました。
クラブを見るとき、このクラブの重心はどこにあるんだろう・・・?と、よく推測していますが、今のクラブはヘッド内部にウェイトが組み込まれていることも多いので、外見だけでは分かりません。
ネックには調整システムが搭載されておらず、少し意外でした。

『Designed at TamaCity Tokyo Japan』ということで、東京多摩市で設計されたということでいいのでしょうか?
地クラブメーカーといえば、兵庫県や新潟県・愛媛県・福岡県・富山県などの有名メーカーが浮かびますが、考えてみれば東京だって地方のひとつです。
東京の地クラブメーカーもJBEAMという素晴らしいメーカーがあり、日本は地クラブメーカー天国といえます。
こんな優れた国は、世界中探しても無いのではないでしょうか?

フェース面はシンプルで美しいです。
このフェース面を見ているだけで、弾きが良くて重そうな球がイメージとして浮かんできます。

よく見られるシャローバックです。
この角度からだと、クラウン中央付近が盛り上がっているように見えます。

艶消しの美顔です。
昔は、こういう美顔がたくさんありました。
艶消しなのは、先日試打したドライバーたちと同じです。
GTDのクラブをそれほど試打していないので詳しいことは分かりませんが、艶消しで統一されているのでしょうか?
私は艶消しヘッドが昔から好きなので、好感度もあがります。
ミニドライバーと似たところが多いな・・・。と思っていましたが、顔という点では、こちらのほうが私は好きです。

どうやら、カーボンコンポジットではないようです。

素振りをしてみると、なかなかいい感じです。
ハードな印象はないシャフトですが、挙動も比較的安定していてタイミングもとりやすいです。
数回素振りを繰り返して、感覚をつかみました。

ボールを前にして構えてみても、すごくいいです。
整った顔と艶消し。
全体的に男前で、バルジが真っ直ぐに近く、いい味を出しています。
構えたときにちょうど日の光が射していましたが、眩しくありません。
違和感も無く、いいイメージが湯水のごとく湧き出てきました。
試打を開始しました

『打感』は良いです。
長く余韻が残るタイプではなく、小気味良くて後に残りません。
音符でいうところの、8分音符といったところでしょうか?
8分音符に『スタッカート』が付いた感じかな・・・?などと考えていました。
軽いというよりは、しっかりした打感ですが硬くなく、打っていて楽しいです。

『音』もなかなか良いです。
心地よい金属音で、高すぎず大きすぎず気持ちよく振っていくことができました。

クリークということもあり、球はよくあがってくれました。
直打ちでも充分あげていけるクラブです。
この形状らしいあがりやすさがありますが、ヒッター向けなのは間違いありません。
それはあげにくいというのではなく、ある程度HSがあったほうが、このクラブのもつ高いポテンシャルを発揮しやすいと感じたからです。
直打ちでも充分あげてくれましたが、ティアップしてもすごくいい球を放ってくれました。
これはコースでもティショットで使えます。

『安定性』は、なかなかいい感じです。
シビアさは感じませんが、曲げにくいと感じられるほどの高い直進性は無いように感じました。
大らかさがありながらも、『頑固』に感じられるほど真っ直ぐにこだわった感じはしません。
直線だけでなく、曲線で勝負していくことができます。

『飛距離性能』は、とても高いです。
今流通している5Wの中で間違いなくトップクラスといっていいのではないでしょうか?
すごく良く飛ぶので、5Wということを忘れて、3Wで直打ちしているような感覚がありました。
アイアンではずいぶん前から、『番手ずらし』が行われていますが、FWでも、このように飛びに長けたクラブが登場しているので、番手ずらしが当たり前になっています。
クリークは好きだけど、スプーンは苦手・・・。という方もいらっしゃると思いますが、そういった方に、このクラブを是非試していただきたいです。
あがりやすくて、かなり飛距離が望めるので、好感を持たれる方は多いのではないでしょうか?

『操作性』は良いです。
左右に曲げるのも難しくなく、マニュアルタイプに近い印象をもちました。
私はフッカーなので、ほぼ全てのクラブ(逃がし顔でも)で左に曲げるのは易しいので、あとはどう右に曲げていくか・・・。ということが大きなポイントになるのですが、このクラブは上手く反応してくれました。
ただ、基本的には球の捕まりがいいクラブです。
クリークということもあり、ロフトが寝ているので、さらにつかまりやすくなっています。
球の捕まりがいいFWが欲しいけど、強いフックフェースは苦手だ・・・。という方は合いやすいと思いますし、このクラブのバルジに好感を持たれる方は多いのではないでしょうか?
ヘッドの大きさはそれほどなく標準的で、どちらかというとマニュアル系という印象をもちました。
強弾道で高弾道という、『二度美味しい』クラブといったらいいでしょうか?
この高さと強い弾道は、多くのゴルファーに勇気を与えるような気がします。
高くあがるけど、弾道が弱い・・・。あるいは球は強いけど、球があがりにくく、安定して高さを出せない・・・。という親しみづらいクラブではありません。
試打後の感想

先日試打したドライバー同様、ポテンシャルがかなり高くて気に入りました。
シブめのデザインで、いかにも高い能力をもっていそうですが、実際もそうでした。

これまで、派手なデザインで目を引きながら、実際に打ってみると魅力に乏しいクラブというのは結構ありました。
それは弾道の伸びが足りなかったり、途中から吹き上がってしまって大きく距離をロスしてしまったり・・・。と様々です。
昔は多少自分に合わなくても鉛で調整したり、リシャフトをしたりして、何とか自分に合わせようとしたものですが、今はフィッティングして購入するのが当たり前になっていて、最初から自分に合わせた調整が可能になりました。
結果的に無駄な出費が抑えられますし、それがパーツ販売の長所です。

クリークらしく球はあがりやすいけど、『適度なロースピン』。
しっかり高さがでていながら、無駄なスピンが抑えられていて、確実に飛ばしていけるクラブです。

先ほども書きましたが、スプーンに苦手意識をもっておられる方には是非試していただきたいFWです。
今はスプーンを抜いて、ドライバー・クリーク・7ウッド・ユーティリティ・・・。といった流れも普通に見られるようになりました。
いわゆる『1・3・5』ではなく、『1・5・7』です。
型にはまったセッティングではなく、自分の得意なクラブでそろえるべきだと私は思います。
18ホール回って、一回も使わなかったクラブがある・・・。という経験をされた方は多いのではないでしょうか?
私はたくさんあります。
得意な番手とそうでない番手との差が大きすぎて、どうしても偏ってしまう・・・。という方もいらっしゃると思います。
クリークは易しくてそこそこ距離も出せるクラブなので、コースでも使い勝手がいいですが、このクラブの場合、飛距離は『そこそこ』ではなくて『バリバリ』です。
なので、アグレッシブで飛びを優先したい方にも頼もしい相棒になってくれると思います。

見た目のカッコ良さから、好感度がどんどんあがっていき、実際に打ってみると、さらに爆上がりしました。
よく飛ぶけど上がりにくくて親しみづらい・・・。というクラブではありません。
適度なあがりやすさを維持しながらも、飛距離性能が特に優れた5Wです。
練習場ではいくら飛ばしても、特に問題は無いですが、コースで(例えばパー5でツーオンを狙うとき)は飛ばしすぎて、グリーンをオーバーしてしまうかもしれません。
なので、自分なりの距離を掴んでおく必要があると思います。
それくらい、このクラブの飛距離性能が凄いです。
『カッコ良さ』『あがりやすさ』『飛距離』を求めていきたい方には、パズルで残り1つのピースが合うように、ガチッとハマりやすいのではないでしょうか?
今は性能がモヤッとしている・・・。といいますか、特長を見いだせないクラブもありますが、このクラブははっきりしています。
一番の特長は『飛距離』です。
たくさんのクラブを試打していると、このクラブは練習場ではいいけど、コースではどうかな?と思えるクラブもあり、その逆で練習場ではダメでも、コースでは活躍してくれそうだな・・・。と思えるクラブもあります。
そして、練習場で凄くいいだけでなく、コースでも大活躍してくれそうだな・・・。と思えるクラブもあり、そのひとつが、このGTD Blackice-FWというフェアウェイウッドです。
無駄なスピンを抑えて確実に飛ばしていきたい方には、試してみる価値があるのではないでしょうか?
☆
構えやすさ・・・☆☆☆☆
打感・・・・・・☆☆☆☆
音・・・・・・☆☆☆☆
あがりやすさ・・☆☆☆☆
安定性・・・・・☆☆☆☆
飛距離性能・・・☆☆☆☆☆
操作性・・・・・☆☆☆☆
※(100P満点)
☆1つ=0~20P
☆2つ=21~40P
☆3つ=41~60P
☆4つ=61~90P
☆5つ=91~100P
※追記 このクラブの紹介文(記事を書いた後、このクラブについて、調べてみました)
GTD Black Ice-FW:氷刀が切り裂く、新たなフェアウェイの概念
GTD Black Ice-FWの魅力
GTD Black Ice-FW。その名を聞くだけで、ゴルファーの心を躍らせる方も多いのではないでしょうか。
数々のクラブを手にし、無数のスイングを分析してきたフィッターの私が、このクラブの魅力を余すところなくお伝えします。
GTD Black Ice-FWとは?
GTD Black Ice-FWは、日本の匠の技が凝縮された、まさに芸術品とも呼べるフェアウェイウッドです。
GTDというブランド自体が、プロコーチとしての豊富な経験を持つジョージ・武井氏が設計を手掛ける、日本発のゴルフクラブブランド。
その中でもBlack Ice-FWは、その名の通り、氷のように冷徹なまでに計算され尽くした設計と、洗練されたデザインが特徴です。
誰のためのクラブか?
GTD Black Ice-FWは、単に飛距離を求めるゴルファーだけでなく、ボールコントロールを重視し、戦略的なプレーをしたいというゴルファーにこそ、その真価を発揮します。
コースマネジメントを重視するゴルファー: フェアウェイウッドでグリーンを狙う際、ピンポジションや風の影響を考慮し、最適な弾道でグリーンを狙いたいというゴルファー。
ミスヒットに強く、安定したショットを求めるゴルファー: スライスやフックといったミスに悩まされ、安定したショットでスコアアップを目指したいというゴルファー。
見た目の美しさにもこだわりたいゴルファー: ゴルフクラブは単なる道具ではなく、自分自身を表現するアイテムとして捉え、美しいデザインのクラブを使いたいというゴルファー。
なぜ、このクラブの存在価値があるのか?
GTD Black Ice-FWの存在価値は、その卓越した性能と高いカスタマイズ性にあります。
卓越した性能
低スピンで安定した弾道: バックスピン量を極限まで抑え、風に強い弾道を生み出します。
高い打ち出し角: グリーンを狙いやすい高い打ち出し角を実現し、ピンを狙いやすい。
低重心設計: 深く安定した重心設計により、ミスヒットにも強く、寛容性が高い。
卓越した打感: 打球感の良さも特筆すべき点です。軟鉄鍛造アイアンのような柔らかく、それでいて力強い打感は、打つ度にゴルファーを満足させてくれます。
高いカスタマイズ性
豊富なロフト角とライ角: プレースタイルやコースに合わせて、最適なスペックに調整可能。
シャフト選択の自由度: 多種多様なシャフトの中から、自分のスイングに合ったシャフトを選択可能。
ヘッド素材の選択: 異なる素材のヘッドを選択することで、打感や弾道を調整可能。
長所と短所
長所
高い操作性: フェアウェイウッドでありながら、アイアンのような操作性を実現。
美しいデザイン: ゴルフバッグに入れても映える、洗練されたデザイン。
日本製ならではの品質: ひとつひとつ丁寧に作られた高品質なクラブ。
短所
高価格帯: カスタムメイドのため、一般的な市販のクラブよりも高価。
慣れが必要: 高い操作性ゆえに、慣れるまでは扱いにくいと感じることがある。
GTD Black Ice-FWは、フェアウェイウッドでありながら、ドライバーのような飛距離とアイアンのような操作性を両立させた、まさに夢のようなクラブです。
セカンドショットで大きなアドバンテージを得たい、フェアウェイウッドでピンを狙いたいというゴルファーにとって、GTD Black Ice-FWはまさに最適な選択肢と言えるでしょう。
誰にオススメしたいか?
コースマネジメントを重視する中上級者: フェアウェイウッドでグリーンを狙う際、ピンポジションや風の影響を考慮し、最適な弾道でグリーンを狙いたいというゴルファー。
ミスヒットに強く、安定したショットを求めるゴルファー: スライスやフックといったミスに悩まされ、安定したショットでスコアアップを目指したいというゴルファー。
見た目の美しさにもこだわりたいゴルファー: ゴルフクラブは単なる道具ではなく、自分自身を表現するアイテムとして捉え、美しいデザインのクラブを使いたいというゴルファー。
最後に
GTD Black Ice-FWは、単なるゴルフクラブではなく、ゴルファーの潜在能力を引き出すための、まさに「相棒」と言えるクラブです。もしあなたが、フェアウェイウッドでスコアアップを目指したいと考えているのであれば、GTD Black Ice-FWは間違いなくあなたの期待に応えてくれるでしょう。



