GTD Black ice The MAXドライバーを試打レビュー

今日は、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは
GTD Black ice The MAXドライバー です。

シャフトは FUJIKURA SPEEDER NX50 です。
ロフトは10.5度、クラブ長さは45.5インチ、シャフトフレックスはSR、シャフト重量は53g、トルクは4.6、バランスはD0.5、キックポイントは中調子、クラブ総重量は301g です。

久しぶりに出会った、GTDのドライバーです。
試打した数はまだ多くないですが、とても好感を持っています。
高級感のある、美しい質感。
そして何より、あの強烈な飛距離性能が今も忘れられません。
GTD GT455 Plus ドライバーが一番印象深いのですが、このドライバーのもつポテンシャルはとても高く、そのようなドライバーを発表するメーカーに興味をもたないわけがありません。
私は球を打つ前に、まずは『目で楽しみたい』というタイプなのですが、このドライバーはとても楽しませてくれていますし、いい目の保養ができています。

ラージサイズ&シャロータイプで、この大きさや形状が今は最もポピュラーです。
全体的な質感も良く、チープさは全くありません。
こういう高級感あふれるクラブを手にすると、こちらのテンションも爆上がりです。
こうして見ても、いろいろな工夫が見られますが、ゴチャゴチャ感はなく、逆に機能美を感じさせます。
センスのいいデザインだな・・・。と思いながら見ていました。

ソールにある、この溝がとてもインパクト大です。
1本ではなく、2本というところに大きな意味があるのかもしれません。
通常は1本の大きくて深い溝だと思うのですが、このような細くて複数本ある溝は、以前試打したONOFFのドライバーを思い出します。

溝は浅めです。
強度の問題もありますし、深ければいいというものではないのだと思います。

トゥ側

ヒール側
トゥ側とヒール側にはそれぞれウェイトが配置されていて、どちらも『4』という数字があったので、4gということなのだと思います。
トゥ側を軽くして、ヒール側を重くすることで球のつかまりを良くするのも、これまで見てきましたが、このドライバーは同じ重さです。
いろいろな重さが用意されているのでしょうか?
易しくする為に、ウェイトの重さを変えたり、移動させたりすることができるようになりましたが、そうすることによって、重心もずれてくるので、必ずしもいいとはいえないですし、却って振りにくくなることもあります。
手に持ってみて、そして振ってみて、違和感があったら、自分の感覚に合っていないのかもしれません。
人の感覚はとても鋭いものです。

『Black Ice The Max』という文字が格好いいです。
最大の黒い氷ということなのでしょうか?
意味がよく分かりませんが、カッコいいですし、クラブの名前にIceが使われているのが珍しいな・・・。と思いながら見ていました。
氷のように冷たく冷静に・・・。ということなのでしょうか?
しかし私には、このドライバーがとてもHOT(熱い)に見えてしまいます。

By George Takeiの文字もカッコいいです。

GTDのマークもいい存在感を放っています。

ネックは短めですが、今のドライバーでは見慣れた長さです。

ネックには調整システムが搭載されています。
調整システムが搭載され始めた頃は、どれも長めになっていましたが、製造技術があがったのでしょうか?
このような短めがポピュラーになってきました。

試打するポジションは、この『N』です。

シンプルで美しいフェース面です。
ヘッド全体もそうですが、このように綺麗なフェース面はテンションがあがります。
フェース面を見て、おそらくこのような弾道だろう・・・。という予測が立つのですが、このフェース面はいかにも弾きが良さそうですし、速くて重い球が打てそうです。
ミーリングのようなものは見られませんが、フェース面の質感が良くて好感が持てます。
これまでの経験から、このようなフェース面は『飛ばし』に特化したものが多いです。

見慣れたシャロー形状です。
シャローではありますが、薄すぎないですし、厚みを持たせたいところにはしっかりとあります。

いい顔をしています。
こうして見るまでは、ちょっとクセのある顔をしているだろうと予想していましたが違っていて、思わず顔がほころびました。
艶消しなのもいいです。
『マットブラック』といったところでしょうか?
今日は天気が良かったので、反射させてみたのですが、このように眩しくありません。
これが艶消しクラウンの最も良いところです。
精悍さが増し、カッコ良さもアップするというところもありますが・・・。
艶消しはとても魅力的ですが、だからといって艶消しでないノーマルなものが良くないということではありません。

最近はカーボンコンポジットが多いので、このドライバーもそうなのか、近くで見てみたのですが、こうして見る限り、カーボンの模様は見られません。
おそらく通常のチタンなのだと思います。
ヘッド後方にある、この白い模様もインパクト大です。
どのような効果が期待できるのでしょうか?

素振りをしてみた感じはまずまずです。
ちょっと軽く感じましたが、特に難しく感じるところはありません。
シャフトのフレックスがSRということで、少し遅れてくるのかな?と思いましたが、そんなことはなく、しっかりついてきてくれました。
何度か素振りを繰り返し、タイミングを整えました。
黒いヘッドに青いシャフトが挿してあるのはカッコいいな・・・。と思いながら振っていました。
私は、ヘッドの色は黒やブルー、そしてパーシモンカラーや白など、比較的おとなしめでオーソドックスな色を好みますが、シャフトはいくらカラフルでも構いません。
同じ性能で色違いだと、無難な黒などを選ぶこともありますが、カラフルなシャフトも大好きです。
そのきっかけとなったのは、三菱の『青マナ』やグラファイトデザインのDI-7を使ってからだと思います。

とても構えやすいです。
フェース面だけを見ると、少しだけ左を向いていてつかまりそうな感じがしますが、バルジがいい味を出しています。
左に引っかけるイメージを消してくれているので、微妙に逃がすイメージも出せたのがいいです。
フックフェースが流行り始めた頃はフェース面だけでなく、バルジも左を向いていて、苦手意識が強く、テークバックを開始できないことも少なからずありました。
今はこのような『ねじれタイプ』が他のメーカーでも多く見られるようになり、フックフェースが苦手な私は嬉しいです。
球はつかまりやすいけど、フックフェースが苦手な人への、メーカー側の配慮なのかもしれません。
フェース面にフォーカスするのではなく、ヘッド全体を俯瞰して見るような感じで、全体的には、ほぼストレートのイメージが浮かんできました。
試打を開始しました

一球打って、「ひょえ~。エグいなぁ~。」という言葉が口から出ました。
かなりパワフルな弾道で、飛距離性能は凄いです。
初速も出ていて、昔高反発をよく打っていたことを思い出させる速さです。
こうして弾きのいいドライバーを試打すると、今でもメーカーによっても大きく差があることに気づかされます。
弾きが良く、かなり弾道が高いので、高弾道・超音速というイメージです。
ロフトが10.5度ということで、ある程度の高さは予想していましたが、高くて勢いがあり、なかなか落ちてきません。
いきなりパワー全開で、そのままフルスロットル・・・。といったところでしょうか?
これまでは高弾道は吹き上がりも多く、最初が良くても、すぐに勢いが落ちてしまい、落下角度も急なことが多いですが、このドライバーは違います。
なかなか落ちてこないですし、落下し始めてもその角度がとても緩やかで、明らかに『棒の球』です。
『棒の中の棒球』といったらいいでしょうか?
棒球の中でも、最高・最強クラスといって間違いありません。
普通、弾道が高いとスピンも多いというのが当たり前ですが、このドライバーはスピンが抑えられているのか、速い弾道で前へ前へと推進力が強く、明らかに低スピン性能に優れたドライバーです。
何球打っても、その勢いは衰えません。
昔、スピン過多で悩み、いろいろとスイングを変えていた頃があるのですが、その時の自分にこのドライバーを手渡してあげたい・・・。と思いました。
昔はスピンを抑えるのは高等技術が必要でしたが、今はこのようにクラブが簡単にやってくれます。
プレイヤーはいつも通り、気持ちよく『ぶっ叩く』だけです。
あとは全てクラブにお任せ・・・。という楽さがあります。
ドライバーは14本のクラブの中で、最も飛距離が出るクラブなので、その弾道を別の表現に例えることがあるのですが、このドライバーは間違いなく『大砲クラス』です。
過去には『拳銃タイプ』や『機関銃タイプ』もありましたが、このドライバーは違います。
明らかにパワフルです。
この圧倒的な飛距離性能は、『現役最強』といっていいのではないでしょうか?

『打感』は、なかなかいい感じです。
程よい手応えがありながら、硬くはありません。
余韻をしばらく楽しめるタイプではなく、むしろあっさりした感じですが、この潔さもいい感じです。

『音』は普通です。
高すぎず大きすぎずいい感じですが、私の好みからするとちょっと高めなので、もう少し抑えてくれると、もっといいです。
元々、私は叩いていくタイプなので、どうしても音が大きくなってしまいます。
このドライバーの音はインパクトが緩んでしまうほどではないので、気持ちよく振り切ることができ、周りも気になりませんでした。
私はもう少し抑えた音のほうが好きですが、むしろこれくらいはっきりとした高めの音がちょうどいい・・・。という方もたくさんいらっしゃるのではないでしょうか?

球はあがりやすくて、タフさは感じません。
低スピン性能に長けているのは間違いないですが、ハードルの高いドライバーだとは思いません。
むしろ多くのゴルファーから支持されるのではないでしょうか?
ロフト通り、球は浮きやすく弾道が高いですが、装着されているシャフトもすごく関係しているように感じました。
ただ、ある程度HSがあるほうが、このドライバーのもつ高いポテンシャルを発揮しやすいと思います。
できれば43以上~。
50以上の方でも充分対応できる、高いポテンシャルが、このドライバーにはあります。
セミヒッターからヒッター・ハードヒッター向けドライバーです。
インパクト音ではなく、弾道を音で表すと『ギュイーン』という感じだな・・・。と弾道を目で追いながら思いました。

『安定性』は高く、シビアさは全く感じません。
いい意味でアバウトなところがあり、ミスをミスと感じさせない寛容さと懐の深さがあります。
このようなカッコいいドライバーは難しいんじゃないか・・・。と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、そんなことはありません。
充分寛容で親しみやすいドライバーです。
スイートエリアも広く、特に球のつかまりがとてもいいです。
私自身、打っていて、少しフェースが開いたかな?少し肩の開きが早かったかな?と思ったときでも、球筋はほぼストレートから若干右にフェードしていく感じで、コースでも充分使える球筋でした。
このつかまりの良いドライバーで憧れのフェードヒッターを目指すのもアリなのかな?と思いました。
私はフッカーなので、さらに球がつかまりやすく、左への警戒が少し必要ですが、引っかかる感じはせずに普通に打っていくことができました。
高い安定性と『復元力』といったらいいでしょうか?
球はほぼストレートに飛んでいきました。
球のつかまりがいいので、スライサーの方やフェードボールヒッターの方にも、是非試していただきたいです。
スライスが出ない・抑制する・・・。というドライバーではありませんが、かなり球が右に流れるのを抑えてくれるので、頼もしい相棒となってくれるのではないでしょうか?
ただ私には装着されているシャフトのスペックが少しアンダー気味だったのか、もう少し重量があって、挙動が少ないともっと安定した球が打てたように思います。
これは人の好みも大きく関係しているので、一概には言えません。

明らかにオートマチックタイプのドライバーなので、操るタイプではないのですが、一応左右に曲げてみました。
先ほども書きました通り、私は左へ曲げるほうが簡単で、右には大きく曲げにくいです。
自分なりに、かなりカットに打ってみて、ようやく右に少し曲げることができました。
自分としては『大きなスライス』のイメージだったのですが、実際の球筋は『フェード』に収まっていました。
昔はミスショットしたら、その通りの曲球が出たものですが、今のドライバーはそれが出にくくなっています。
私は昔からチーピンを大事なところで連発してしまい、痛い目に何度も遭い、自分の技量不足を何度嘆いたことか分かりませんが、このような懐の深いイージーなドライバーがあれば、そういった辛い目に遭うことが少なくなるように思います。
クラブに頼るところは頼る・・・。それが今のゴルフにおける、クラブとの付き合い方なのかもしれません。
球のつかまりが良く、反発エリアも広いのが、このドライバーの特長の1つでもありますが、いくら球がつかまりやすくても、極端なフックフェースは嫌だ・・・。という方は、このドライバーの顔を好まれやすいのではないでしょうか?
逃がすイメージも出せながら、つかまりが良く、強い球が打てるドライバーは、なかなかありません。
顔の良さも、このドライバーの魅力のひとつです。
試打後の感想

今日は初球から凄い球が出て、ずっと圧倒された日でした。
圧倒されながらも、夢中になり楽しんでいました。
楽しくて我を忘れて打ち続け、ゾーンに入っていたのかもしれません。
実戦でゾーンに入ってくれよ・・・。と思ってしまうのですが、これはなかなかコントロールできるものでもなく、私はコースよりも練習場のほうがゾーンに入った回数は多いような気がします。
そしてふと後ろを見たら、数人の人が立っていて、このドライバーの放つ弾道を見入っておられました。
「凄い球ですねぇ。あの最上段まで行くのを初めて見ましたよ・・・。」などと言われたので、私は
「このドライバーがとにかく凄いんです。私もびっくりしました。弾道が高く、なかなか落ちてきません。普通に打っているつもりなのですが・・・。」と、このドライバーを紹介しました。
みんな初めて見るメーカーだということで、興味津々のようでした。
「どこで買えるんですか?」と聞かれたので、「今はネットで買えますし、専門のショップがあります。」と答えました。
インターネットが普及していない時代は欲しいクラブがショップに無くて、はるばる県外にまで車を飛ばして買いに行ったこともありますが、今はそんなことをしなくていいのですごく楽ですし、欲しいクラブを確実にゲットできるようになり、恵まれているな・・・。と感じます。
大手有名メーカーのクラブが素晴らしいのはもちろんですが、私は地クラブメーカーがもっとたくさんの方に認知されるように・・・。と願っているので、今日このドライバーを紹介できたことが嬉しくてたまりません。
メーカーの規模と、クラブの性能や品質は必ずしも一致せず、このような素晴らしいメーカーがたくさんある日本はレベルの高さで世界一ではないでしょうか?

これまであまり思ったことが無いのですが、「飛距離ってお金で買えるんだな・・・。」と、今日は思いました。
そう思えるほど、このドライバーのもつ飛距離性能に圧倒されました。
このように感じるドライバーは年に一本どころか、数年に一本かもしれません。
それくらい、このドライバーは飛距離に特化しています。
飛距離を求めたい方には、とても頼もしい相棒になってくれるのではないでしょうか?

逆に、このドライバーが合わないと思われる方は以下の通りです。
1.白いヘッドでないと嫌だという方。
2.円盤のような薄いヘッドじゃないと嫌だという方。
3.絶対に曲げたくないので、曲がりにくさを最優先するという方。
4.クラブの性能や品質よりも、まずは『低価格ありき』という方。
5.大手有名ブランドのクラブしか使いたくないという方。
6.海外メーカーしか使いたくないという方。
7.飛ばしたくないという方。
8.過去の自分の飛距離を超えたくない方。
9.K点越えを目指さない方。
10.もっと複雑な調整機能が欲しいという方。
11.ウェイトが移動できるタイプでないと嫌だという方。
12.オートマチックタイプのドライバーが苦手で、球筋を自由に操れるマニュアルタイプのドライバーでないと嫌だという方。
13.球のつかまりを最優先したいので、強いフックフェースじゃないと嫌だという方。
14.280g以下の軽量ドライバーしか使いたくない方。
15.クラブにすぐ飽きてしまうので、新しいクラブが出る度に買い替える・・・。という方。
16.HSが43以下の方。
ちょっときつい書き方をしたかもしれませんが、大切なことなので、正直に書かせていただきました。

シャローが出始めの頃は、球は確かにあがりやすいけど、高くあがり過ぎたり、スピンも多すぎて飛距離が出ず、頼りないな・・・。と思うものばかりでしたが、時の経過と共に技術が進んで、このような高性能な『パワフルシャロー』が登場するようになりました。
シャローは確かに球があがりやすいのですが、その大きな欠点として、『お尻が重たい』。
つまりどうしてもインパクトでフェースが上を向きすぎるところがあり、そういったことも不満でしたが、このドライバーにはそのようなことは感じませんでした。
イメージした通りの動きをしてくれました。
結構重心が浅いのかもしれません。
ロフトが二桁(10.5度)は飛ばない・・・。と思っておられる方もいらっしゃるかもしれませんが、そんなことはありません。
人によって、またクラブの特性によって、飛ばすには『ハイロフト』が有効です。
『高弾道・低スピン』は以前から言われてきたことで、それをこのドライバーは高いレベルで実現できています。
このようにするために、かなりの試行錯誤があったのではないでしょうか?

試打するのが楽しくて、あっという間に時間が過ぎていきました。
ドライバーでこんなに驚き、心を揺さぶられ楽しんだのは久しぶりです。
打って楽しいということもありますが、凄い飛距離性能と高い安定性があり、コースでも使えるのが分かっているので、購買意欲が強く刺激されました。
このドライバーでラウンドしたら楽しいだろうな・・・。と思いましたし、明日ラウンドの予定が入っているので、早速このドライバーを実戦で試してみようと思います。
その結果は別のサイトで発表させていただければ・・・。と思っておりますし、明日は晴天の予報が出ているので今から楽しみです。
☆
構えやすさ・・・☆☆☆☆
打感・・・・・・☆☆☆☆
音・・・・・・☆☆☆
あがりやすさ・・☆☆☆☆
安定性・・・・・☆☆☆☆
飛距離性能・・・☆☆☆☆☆
操作性・・・・・☆☆☆
※(100P満点)
☆1つ=0~20P
☆2つ=21~40P
☆3つ=41~60P
☆4つ=61~90P
☆5つ=91~100P
※追記 このクラブの紹介文(記事を書いた後、このクラブについて、調べてみました)
GTD Black ice The MAXドライバー完全レビュー:絶対的安心感の大型ヘッドで実現する棒球の飛距離性能
概要
GTD Black ice The MAXドライバーは、絶対的安心感の大型ヘッドでディープヘッドのような棒球を実現する、GTDの到達点とも言える低スピン・飛距離系ドライバーです。
開発者であるジョージ武井氏が「ゴルフをどんどん簡単で楽しいものにするGTDのある意味到達点」と位置付けるこのドライバーは、構えた時の投影面積を最大化し、GTD史上最高の優しさと安定感を実現しています。
基本スペック詳細
ヘッド仕様
- ヘッド体積: 460cc
- ロフト角: 10.5°(リアルロフト)可変±1°
- ライ角: 58°可変±1°
- 重量: 194~198g
- 価格: オープンプライス(右利き用のみ)
素材・構造
- フェース: ZA008N チタン(R&A公認)
- ボディ: 鋳造6-4チタン
- クラウン: 鋳造6-4チタン
- スリーブ: GTD新型スリーブ(従来品との互換性なし)
- ウェイト: 標準時4g×2個
- 付属品: ヘッドカバー、トルクレンチ
開発コンセプトと技術的特徴
開発者の想い
ジョージ武井氏は長年ディープヘッド専門でドライバーを開発してきましたが、シャローヘッドの開発は失敗の連続でした。その中でCodeKドライバーのみが「シャローぎみのヘッド」として発表できた唯一のモデルでした。
大型シャローヘッドは絶対的な安心感がある一方で、重心が後方になりがちでスピン量の多い「吹き上がる球」になってしまう課題がありました。吹き上がりを抑えるためリアルロフトを少なくすると難しいクラブになってしまうというジレンマがありました。
技術的革新
この課題を解決するため、スリーブから再設計して重量を軽量化することで、大型シャローヘッドでも重心位置を大きく動かしてスピン量を減らすことに成功しました。3〜4年の試作期間を経て、出球は一瞬低いものの最高到達点は少し早目で徐々に落ちていく「棒球」を実現しています。
設計の最適化
ドローバイアスのBlack ice460ドライバーのヘッド後端をさらに5mmほど伸ばし、新開発の軽量スリーブの余剰重量を最適配分することで、低スピンの棒球フェードも打ちやすくなりました。
特徴と性能
主な特徴
- 最浅重心設計: 飛距離性能を最大化
- 低スピン性能: 棒球フェードを実現
- 絶対的安心感: 大型ヘッドによる構えやすさ
- 優しさと安定感: GTD史上最高レベル
- コントロール性能: 遠心力でライン対してボールを放つ設計
弾道特性
- 出球は一瞬低いが最高到達点は少し早目
- 徐々に落ちていく「棒球」弾道
- 低スピン性能により飛距離アップ
- 方向性に優れた直進性の高い弾道
実際の使用感・口コミ分析
飛距離性能
複数のレビューで「方向性おばけ」という表現が使われており、「前にいくチカラ」による飛距離性能が特に評価されています。
長所と短所
長所
- 圧倒的な安心感: 460ccの大型ヘッドによる構えやすさ
- 優れた飛距離性能: 最浅重心設計による効率的な飛距離アップ
- 低スピン性能: 棒球弾道による飛距離ロス軽減
- 高い直進性: 方向性に優れた弾道特性
- 優しさと安定感: GTD史上最高レベルの扱いやすさ
- コントロール性能: 遠心力を活用した正確なショット
- R&A公認: 公式競技で使用可能
短所
- スリーブ互換性: 新型スリーブのため従来品との互換性なし
- 右利き用のみ: 左利きゴルファーには対応していない
- オープンプライス: 価格が不透明
- 特化性: 低スピン特化のため、スピン不足のゴルファーには不向き
- 重心設計: 最浅重心のため、高弾道を求めるゴルファーには合わない可能性
適合ゴルファー分析
このクラブが合うゴルファー
- 中級〜上級者: コントロール性能を重視するゴルファー
- スピン過多に悩むゴルファー: 低スピン性能を求める方
- 飛距離アップを目指すゴルファー: 最浅重心設計の恩恵を受けたい方
- 方向性を重視するゴルファー: 直進性の高い弾道を求める方
- 大型ヘッドを好むゴルファー: 安心感を重視する方
- 遠心力を活用したスイングをするゴルファー: ライン対してボールを放つ方
このクラブが合わないゴルファー
- スピン不足のゴルファー: 既に低スピンでキャリー不足の方
- 高弾道を求めるゴルファー: 最浅重心設計が不向き
- 初心者ゴルファー: 低スピン性能が扱いにくい可能性
- 左利きゴルファー: 右利き用のみの設定
- 従来のGTDスリーブを使用したいゴルファー: 互換性がない
- コンパクトヘッドを好むゴルファー: 大型ヘッドが苦手な方
ヘッドスピード別飛距離性能
ヘッドスピード40m/s以下
- 推定飛距離: 200-220ヤード
- 特徴: 最浅重心設計により効率的な飛距離アップが期待できる
- 注意点: スピン不足によるキャリー不足の可能性
ヘッドスピード40-45m/s
- 推定飛距離: 220-250ヤード
- 特徴: 最も適合するヘッドスピード帯、低スピン性能の恩恵を最大限享受
- メリット: 棒球弾道による安定した飛距離性能
ヘッドスピード45-50m/s
- 推定飛距離: 250-270ヤード
- 特徴: 高い初速と低スピンにより優れた飛距離性能
- メリット: 方向性と飛距離の両立が可能
ヘッドスピード50m/s以上
- 推定飛距離: 270ヤード以上
- 特徴: 最浅重心設計により極めて効率的な飛距離アップ
- 注意点: スピン不足による弾道の低下に注意が必要
GTD Blackiceシリーズとの比較
Black ice 460ドライバーとの違い
- ヘッド後端: The MAXは460より5mm延長
- 重心設計: The MAXは最浅重心設計
- 弾道特性: The MAXは棒球弾道、460はドロー系
- ターゲット: The MAXはコントロール重視、460は捕まり重視
Studio455ドライバーとの違い
- ヘッド体積: The MAXは460cc、Studio455は455cc
- 設計思想: The MAXは安心感重視、Studio455はハードヒット対応
- 弾道特性: The MAXは棒球、Studio455は低スピン・低弾道
技術的詳細分析
重心設計の革新
従来のシャローヘッドの課題である後方重心を、軽量スリーブの開発により解決。最浅重心設計により、大型ヘッドでありながら低スピン性能を実現しています。
スリーブ技術
新開発の軽量スリーブにより、余剰重量を最適配分。この技術により、大型ヘッドでも重心位置を大きく動かすことが可能になりました。
素材選択
- ZA008N チタンフェース: 高反発性能とR&A公認の両立
- 6-4チタンボディ・クラウン: 軽量化と強度の最適バランス
- 鋳造製法: 精密な重量配分と品質の安定性
使用上の注意点
セッティング
- ロフト角は±1°の可変設定
- ライ角も±1°の調整が可能
- 4g×2個のウェイトによる重量調整
メンテナンス
- 定期的なヘッドクリーニング
- スリーブ部分の点検
- ウェイトの緩み確認
購入時の検討ポイント
価格・購入方法
- オープンプライス設定
- 右利き用のみの展開
- 正規保証付きの公認ストアでの購入推奨
カスタマイズ
- シャフト選択の重要性
- グリップとの相性
- 総重量バランスの調整
試打推奨
- 実際の打感確認
- 弾道特性の確認
- 他モデルとの比較
競合モデルとの比較
同価格帯の競合
- 他社の低スピンドライバーとの性能比較
- 大型ヘッドドライバーとの安心感比較
- 飛距離性能の客観的評価
特徴の差別化
- GTD独自の技術力
- 開発者の哲学とコンセプト
- ユーザー層の明確化
総合評価とまとめ
GTD Black ice The MAXドライバーは、絶対的安心感の大型ヘッドでディープヘッドのような棒球を実現する、GTDの技術力の結晶と言えるドライバーです。
最浅重心設計により低スピン性能を実現しながら、460ccの大型ヘッドによる構えやすさと安心感を両立。コントロール性能を重視し、遠心力でライン対してボールを放つゴルファーに最適な設計となっています。
特に中級〜上級者で、スピン過多に悩むゴルファーや飛距離アップを目指すゴルファーにとって、その性能は期待を上回るものとなるでしょう。
一方で、スピン不足のゴルファーや高弾道を求めるゴルファーには不向きであり、購入前の試打による適合性確認が重要です。
GTDの「ゴルフをどんどん簡単で楽しいものにする」という理念を体現した、まさに到達点と言えるドライバーです。
出典元



