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2014年03月30日
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Zodia Z.T230 アイアン

今日は、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは Zodia Z.T230 アイアン の7番 です。

シャフトは ダイナミックゴールド です。
クラブ長さは36.75インチ、シャフトフレックスはS200 です。

久しぶりに出会った、ゾディアのアイアンです。
他のメーカーではなかなか見られない独特な雰囲気があります。
個性的で、とてもカッコいいアイアンです。

ゾディアらしく、輪郭がシャープです。
これも大きな個性です。
大量生産ではなく、『手作り感』があります。
細かすぎて写真では伝わりづらいと思うのですが、輪郭が一定ではなくて微妙に変化しています。
このアイアンはもちろん『完成品』ですが、『試作品』のような雰囲気もあり、そこがまた魅力的です。

彫りはかなり浅く、ハーフキャビティといっていいと思います。
こうして見ても、『ワンピース感』といいますか、『削り出し感』が感じられます。
今はアイアンもタングステンなど、色々な『付属品』が組み込まれていることも多いですが、このアイアンにはそれが見られません。
すごくシンプルに見えます。
パターなどもそうですが、『単一構造』のクラブには、シンプルさ故の魅力があると思います。

ソール幅は今のアイアンのなかでも、はっきりと狭いほうだと思います。
トゥ側からヒール側にかけて『テーパー』があまり効いていなくて、比較的真っ直ぐに近い形状になっています。
リーディングエッジが最初から削られていて、抜けも良さそうです。
この『削り』の部分も『ハンドメイド感』が感じられます。
機械による大量生産品には無い、『人の手による温もり』といったらいいでしょうか?
こういったクラブを手にすると、自然とこちらの背筋も伸びて襟を正したくなります。

ネックの長さはしっかりとキープされています。
今は短めのアイアンが多いので、そういったことで考えてみると、やや長めといったところでしょうか?
こうして見ても、本当に美しいな・・・。と思いました。
いい目の保養ができました。

ミーリングがあるのか確かめてみたのですが、見られませんでした。
ただ、この『フェース面の鋭さ』はゾディア独自のような気がします。
ボールがいったん乗っかると、食いついて離さないような雰囲気が感じられます。
すごく鋭いフェース面だと思いました。
この仕上げ感はさすがです。
他のメーカーのアイアンでは、なかなか見られません。

ボールを前にして構えてみても、すごくいい印象をもちました。
変なクセは全くないですし、ナチュラルな感じです。
『和製アイアン』のいいところがギュッと凝縮されている・・・。といったらいいでしょうか?
思わず心も和みます。
ボールを包み込んでいくイメージをもつことができました。
小顔感もありますし、『ボールとの大きさの相性』もいいと思いました。
ボールが大きく見えました。
思わず頬が緩み、余分な力が抜けていきました。
すごくリラックスすることができました。
試打を開始しました。

『打感』はとてもいいです。
適度な柔らかさと、球の乗っかり感がすごくいいです。
これまでのゾディアアイアンのグッドフィーリングそのものです。
なかなか止められません。
打感が良くないアイアンだと、一球一球の間隔がとても長くなってしまいますし、予定の球数にいかないまま返却することも多いです。
しかし、このアイアンは違います。
『後を引く楽しさ』といったらいいでしょうか?
この感触を楽しむことができました。
『一球のボールの価値』がとても高いと感じさせてくれました。

『球のあがりやすさ』という点では、今の多くのアイアンの中では、結構タフなほうかもしれません。
誰にでもあがりやすくなっているようには感じませんでした。
ある程度のHSがあったほうがいいのかもしれません。
『高~い弾道』というよりは、ややライナー系に近い球を打つことができました。
こういった球はとてもコントロールがしやすいです。

『安定性』という点では、結構シビアだと思います。
今のアイアンの中でも、はっきりとしているといいますか『正直』なアイアンだと思います。
バックフェースは一応キャビティ構造になっていますが、殆ど『マッスルバック』といえるようなシビアさはもっていると思いました。
ミスヒットに対する寛容さは、あまり感じませんでした。

『飛距離性能』という点では普通かな?と思いました。
今のアイアンの中では、それほど秀でているとは思わなかったですが、あくまでも私の感覚では少し飛ぶような気もします。
しかし、やはり『縦の距離感』で勝負していけるアイアンだと思います。

『操作性』はすごくいいと思いました。
構えたときに好感がもてたというのもありますし、『直線』ではなく『曲線』でイメージできたのも良かったのかもしれません。
左右どちらにも敏感に反応してくれました。
大きく曲げることも易しくできました。
今はドライバーに限らずアイアンでも、なかなか大きく曲げづらいタイプの物も増えてきましたが、このアイアンは違います。
昔ながらの『反応のいい』アイアンです。

ゾディアらしい、『食いつき感』『乗っかり感』が印象的でした。
一球打つ度に、私の脳を揺さぶってきました。
とても楽しむことができました。

なかなか出会う機会が無い・・・。ということもありますが、今日はいつもよりも多く球数を消費しました。
楽しい時間が少しでも長くなればいいな・・・。と思いました。

グッドフィーリングなアイアンですが、正直それほど機能的だとは思いませんでした。
今のアイアンは機能的で、比較的安価なアイアンがたくさんあります。
色々と研究されて、様々な工夫が見られるものが多いです。
『ワンピース感』ではなく、『ツーピース』『スリーピース』。
それ以上の物もあるのかもしれません。

そういったアイアンの多くは、ミスにも寛容で球があがりやすく、おまけに距離がでます。
今は多くの方がアイアンにも距離を求めておられるので、そういった方々のリクエストにメーカーが応えているのだと思います。
メーカーの努力にはいつも頭が下がります。

しかし、このアイアンにはそういった感じは全くしません。
ユーザーに歩みよっていく雰囲気は感じられません。
すごくシンプルで、高い機能性は見られません。
比較的安価で高い機能性をもっている今の多くのアイアンはコストパフォーマンスが高いといえるのだとしたら、このゾディアのアイアンはあまり高くはないのかもしれません。
かなり好みが分かれるところだと思います。

すごくいいアイアンだとは思いましたが、人気が爆発して品薄状態が続くようなタイプとはまたちょっと違うような気もしました。
今の多くのゴルファーのニーズとは、ちょっとかけ離れているところがあるように感じたからです。
しかし、『昔ながらのいいアイアン』を経験しておられる方には魅力的な存在といえるのではないでしょうか?
機能性も大切ですが、まずは『感性』を磨いていきたい・・・。という方にも、試していただきたいと思いました。
イージー系のアイアンではありませんが、私はこういった『孤高』といいますか、存在感のあるクラブには魅了されます。

輪郭がシャープなアイアンには惹かれます。
一球でも多く、このアイアンを楽しもう・・・。と思いました。
また何度でも試打したいな・・・。と思いながら、練習場を後にしました。
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