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2014年03月23日
パワービルト MS ウェッジ

今日は、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは パワービルト MS ウェッジ です。

シャフトは オリジナルスチールシャフト です。
ロフトは60度、クラブ長さは34.5インチ、シャフト重量は80g、バランスはD1、キックポイントは先中調子、クラブ総重量は445gです。

何て巨大なウェッジだろう・・・。と思いました。
目が点になってしまいました。
パワービルトのウェッジを試打するのは初めてだと思うのですが、それよりもこの大きさに圧倒されてしまいました。

まさに『NEW CONCEPT GEAR』です。
ドライバーはルールギリギリまで大きくなりましたが、ウェッジでここまで大きくするメリットは何なのでしょうか?
私には全く分かりませんでした。


マイウェッジと大きさを見比べてみたのですが、あまりにも違いすぎます。
見慣れていないせいか、頭がクラクラしそうです。

大きさだけでなく、形状にも特徴があります。
ソールが、かなり出っ張っている感じがするので、バンカー用なのかな?と思いました。

『超超超ワイドソール』です。
体験したことのない広さです。
残念ながら今日はバンカーやアプローチ練習場で試すことができなかったのですが、もし芝やバンカーで使うとなると、どのようにソールが反応するんだろう・・・?と思いました。
全く感覚が通じにくいような気もしました。



このソールの凹みにも、何らかの意味があるのだろうと思うのですが、何しろ全体的な大きさに圧倒されて、それを探っていく気持ちにはなれませんでした。

このオリジナルグリップは、まずまずです。
ラバーの柔らかさを感じることができました。

ネックの長さは普通だと思うのですが、ヘッドがあまりにも巨大なので、少し短く見えてしまいました。
かなり『頭でっかち』なウェッジです。

フェース面にミーリングがあるのか、近くでよく見てみたのですが、刻まれていませんでした。

素振りをしてみると、これだけ大きなヘッドですし、さぞかし全体的に重くてヘッドも利きすぎているんだろう・・・。と思ってしまいますが、実際はそれほどでもありませんでした。
見た目と振り感が、かなり違うので、何といいますか『狐につままれたような』感じです。

ボールを前にして構えてみても、かなり違和感がありました。
それは『形状』というよりも、やはり『大きさ』です。
形状自体は比較的オーソドックスに見えました。
ただ、どうしても苦手意識が芽生えてしまいました。
親しみやすいタイプのウェッジだったら、すごくフレンドリーですぐに受け入れてくれそうに感じるのですが、このウェッジは違いました。
何だか撥ねつけられているような感覚をもちました。
イメージが全く出ませんでした。
どのように打っていっていいのかが全く解りませんでした。
ボールもすごく小さく見えます。
ボールとクラブの『大きさのバランス』が合っていないように感じました。
昔、ボールの大きさで『ラージサイズ』『スモールサイズ』と分けられていたことがありますが、今日は、その『スモールサイズ』を連想しました。
しかし、そのスモールサイズよりも、ずっと小さく見えてしまいます。
ドライバーに限らず、ウェッジやパターまで、ヘッドが大きいほうが安心する・・・。という方もいらっしゃると思います。
しかし私は逆で、あまり大きすぎる物が苦手に感じることが多いです。
ボールの大きさは変わらないのに、そのボールが小さく見えてしまうとイメージが出しづらいですし、不安に感じます。
ウェッジは他のクラブよりも、より繊細なイメージを頭に描いてからショットしたいですが、今日はそれができませんでした。
かなりの『アバウト感』の中で打っていかなくてはならない・・・。と覚悟しました。
どのようになるか結果は、こちらでコントロールできないような気がしました。
『出たとこ勝負』で打っていくしかない・・・。と思いました。
ひとつ救いなのが、ここが練習場だということです。
ミスをしても、それが経験値として蓄積されていくだけです。
構える時間が長くなるにつれ、緊張感が増していきました。
なかなかテークバックのタイミングがつかめませんでした。
深呼吸をして、気持ちを落ち着かせました。
試打を開始しました。

最初からダフってしまいました。
イメージを描かず、アバウトに苦手意識をもちながらショットしたので、仕方ないような気もしました。
結構強くダフってしまったので、マットが少しズレてしまったようです。
巨大なヘッドが落下するエネルギーは、いつもよりは大きいのかな?と思いました。
数球打って、ようやくクリーンにヒットすることができました。

『打感』はまずまずだと思いました。
あまり感覚が伝わってきませんでした。
『繊細なフィーリング』を出していくことができませんでした。

『球のあがりやすさ』という点では、普通といったところでしょうか?
かなり大きなヘッドですが、それがあがりやすさを邪魔しているようには感じませんでした。

『安定性』という点では、正直難しく感じました。
それは『左右』というよりも『前後』のミスが出やすいと感じました。
感覚が出せないので、なかなか思ったところに落としていけませんでした。
これまでの経験が上手く活かせていないように感じました。
ウェッジはロフトが寝ているので、元々左右には曲がりにくいですが、それ以上にヘッドの大きさによる曲がりにくさもあるような気がしました。

スピン性能は普通だな・・・。と思いました。
特にスピン性能が優れているとは感じませんでした。
これだけ大きなヘッドなので、どんなスピンが掛かるのだろう?と興味があったのですが、実際はノーマルサイズと大きな違いは見られませんでした。

先ほども書きましたが、かなり距離感が出しづらいです。
どのようにして打っていけばいいのかも、よく解らないですし、イメージが出ないまま打っていたからなのかもしれません。
シビアに落としどころを決めて・・・。といったことが全くできませんでした。
改めて、今日は練習場で良かったな・・・。と思いました。

『操作性』という点では、かなり難しく感じました。
『操る』という感覚には全くなれませんでした。
色々な細工をしてみよう・・・。という気も起きませんでした。
この大きさですし、かなりの『オートマチック系』であることに違いはないと思うのですが、それ以上に私の心が超ビッグサイズに負けていたのかもしれません。
ビッグサイズ=ビックリサイズといっていいような気もしました。

今日は練習場のマットの上からだけの試打でしたが、これがもし実戦と同じようなシチュエーションだったら・・・?と思うと、少し怖くなりました。
特にバンカーだったとしたら、かなり苦戦したのではないか?と思っています。
ヘッド(ソール)の落としどころが普通のショットよりも、よりシビアなバンカーでは、このウェッジをどのように扱っていいのかが全く解りません。

ずっと『異次元』の中で試打しているような感覚がありました。
これまで出会ったことのない『未知』のクラブに出会いました。
私がこれまで経験してきたことが、殆ど通用しないというのを経験しました。
まだまだ私の知らないクラブは世の中にたくさんあるんだな・・・。と思いました。

今日はずっとこのウェッジの『大きさ』に圧倒されました。
形状自体は比較的オーソドックスだと思うのですが、『ヘッド全体の大きさ』や『ワイドソール』『ソールの出っ張り』に最初から負けていたような気がします。
このクラブの試打をこれから何度も繰り返しても、おそらく慣れるようなことは無いような気がします。
気持ちが逃げているように感じますし、改めてゴルフはメンタルが重要だと気づきます。
私はウェッジの練習が大好きで、練習時間の殆どを割いています。
しかし、今日は気持ちが『後ずさり』してしまいました。
予定の球数を終えて、すぐに返却しました。

私にはかなり合いづらいタイプのウェッジですが、その反面、とても個性的でいいという思いもありました。
聞くところによると、このクラブは公式競技でも使えるのだそうで、『実戦向け』といえるのだと思います。
いくら斬新な発想や奇をてらっていても、それが『ルール違反』であれば、あまり意味が無いのですが、ルールの範囲内であれば、どんどん新しいクラブが出てきて欲しい・・・。と、いつも思っています。
『クラブの個性』があまり感じられなくなって、気持ちが盛り上がらないこともあります。
いい意味でいえば、海でいう『凪(なぎ)』の状態なのですが、今日はかなり心の大波が立っていました。
しかし、その大波は期待感を込めた荒波でした。
私がこのクラブをコースで使うことは無いですが、既にこのクラブを愛用しておられる方もたくさんいらっしゃると思います。

『無用の用』という言葉を思い出しました。
昔、子供の頃見ていたアニメ『一休さん』で、安国寺の外観和尚が、一休さんに説いていた回を思い出しました。
それは、一見役になっていないように見えるものでも、実際は何らかの役に立っている。世の中に無駄なものなど何一つ無い。という意味だったと思います。
とても感銘を受けたのをよく覚えています。
ただ、正直いいまして、私にとって、この大きさは『無用』であると強く思いました。
大きくないほうがいいと思いました。
『大きすぎる』と実感しました。
『過ぎたるは及ばざるがごとし』という言葉も浮かんできました。
しかし、これはあくまでも私がこのウェッジの大きさに対応しきれていないからですし、私の対応能力が低いからに過ぎません。
この大きさを使いこなしておられる方はたくさんいらっしゃると思います。
このウェッジには苦手意識をもちましたが、これからも各メーカーには『個性』あるクラブを発表し続けて欲しいと思っています。
他のメーカーのヒットクラブの『後追い』をするのではなく、どのメーカーも『先行型』で私たちゴルファーにアピールして欲しいと思いました。
色々な個性あるクラブがたくさん登場することによって、ゴルフクラブがより洗練されていくのではないでしょうか?
こういった大きいウェッジを敢えて発売したパワービルトにはメーカーとしてのプライドを感じましたし、好感をもつことができました。
さすがは老舗メーカーです。
私がビギナーの頃から憧れ続けてきたメーカーのひとつです。
あまり見かけることはありませんが、これからもパワービルトのクラブには大いに期待していきたいと思っています。
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