Post
≪ヤマハ インプレスX RMX ドライバー | HOME | グランプリ GP PLATINUM GP-X3 & GP PLATINUM≫
2012年11月18日
オノフ フォージド アイアン

今日は、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは オノフ フォージド アイアン の7番 です。

シャフトは N.S. PRO 950GH です。
ロフトは31度、クラブ長さは36.75インチ、シャフトフレックスはS、シャフト重量は97g、トルクは1.9、キックポイントは中調子、バランスはD1、クラブ総重量は422gです。

オノフ2013年モデルのニューアイアンです。
オノフらしい、とても美しい仕上がりになっています。
遠くからでも、すぐに目に留まるカッコいいアイアンです。
オノフのクラブは独特な美しさがあるので、いい意味ですごく目立ちます。
すっかりブランドイメージを定着させることができたように思います。
ダイワのイメージは薄くなりました。

キャビティ部分も広くて、上品な感じのフルキャビティです。
しかし、前のモデルと、あまりにも外観が似すぎています。
かなり微細なマイナーチェンジということなのでしょうか?

ひと目見て違うと思ったのは、バックフェースのデザインです。
この三角形の物体がひとつ増えたように思います。
こうすることにより、微妙な重量配分がなされているのでしょうか?
しかし、おそらくデザイン的な要素のほうが大きいような気がします。
この形状を見ていたら昔、一世を風靡した、ツアステアイアンの『ダイヤモンドバック』を思い出します。
ツアステアイアンがすごく光り輝いていた時期です。
今のツアステアイアンもいいのですが、昔のツアステは何と言いますか、『風格』が感じられました。
憧れの対象でしたし、こうして見ているだけで昔の記憶が蘇ってきました。
このオノフのアイアンにも、魅力を感じました。

『彫り』もバックフェースの『ほぼ全体』といっていいほど広く、オーソドックスな『フルキャビ』だと思います。
しかし、昔のフルキャビと違い、この微妙な形状はとても手が掛かっている感じがしますし、美しいです。
キャビティアイアンを好まれる方には、とても魅力的に見えるのではないでしょうか?

『ソール幅』は、やや広めです。
こういったところは、いかにもオノフのアイアンらしいところだと思います。
今は少しずつ他のメーカーからも、『マッスルバック』が発売されているので、オノフからも限定でもいいからマッスルバックを見てみたいと思います。

写真ではちょっと見えづらいかもしれませんが、リーディングエッジの中央部分の凹みが少し大きいのが珍しいと思いました。
これまでは、どちらかというとヒールからトゥにかけて真っ直ぐな物が多かったように思うのですが、このオノフのアイアンは『真ん中部分』といいますか、おそらく『ヒッティングポイント』のあたりだと思うのですが、部分的に凹んでいました。
こうすることで、より振り抜きが良くなるのでしょうか?
昔はアイアンを使い込んでいって、尖ったリーディングエッジを削り込んでいったものですが、今のアイアンの多くが最初から削られています。
プレイヤーが使い込んでいって、プレイヤーの個性をアイアンに映し出していくことが困難になりましたし、昔ほど永くひとつのアイアンを使い込んでいく方も少なくなったのかもしれません。
自分のアイアンに愛着を感じながらも、今はたくさんの魅力的なアイアンがたくさんあります。

『ネックの長さ』は、少し短めです。
何となくなのですが、『頭でっかち』に見えました。
最近は、こういったタイプのアイアンがとても多いように思います。
そういった意味では『二極化』が進んでいるのかもしれません。

ソールのウェイトも、しっかりとコンポジットされていました。
おそらく、前のモデルよりも大きいと思います。
このウェイトが無くても、おそらく球はあがりやすいだろうと思うのですが、より『低重心』『深重心』にこだわっているのでしょうか?
重心が低ければ低いほど易しいとは思いませんが、こうすることによって生まれるメリットもたくさんあるのだと思います。

フェース面には、ミーリングがしっかりと刻まれていました。
このミーリングも、メーカーによっては控えめに感じられるほど目立たない物もあるのですが、このアイアンのミーリングはすごくよく目立ちますし、しっかりと主張しています。
ミーリングの形状は『X状』になっていて、昨年試打したヤマハ インプレスのアイアンを思い出します。
ヤマハのアイアンのミーリングは『フライヤーを抑える』という効果があったと思うのですが、このアイアンにも同じような効果が期待できるのでしょうか?
やはり製造元が同じなのだと思いますが、似通った部分はどうしても出てくるのかもしれません。

素振りをしてみても、軽量スチール装着アイアンの、ごくスタンダードな感じがします。
軟鉄アイアンを使いたいけど、軽量感が欲しい・・・。という方には、とても振りやすいのではないでしょうか?
今はアイアン用の素晴らしいカーボンシャフトもたくさん登場してきてはいますが、どうしても『信頼感』という点で、スチールを使いたい方には、このアイアンはとても魅力的だと思います。

ボールを前にして構えてみても、なかなかいい感じです。
とても構えやすいです。
グースもきつくなく、ターゲットに対して楽に構えることができました。
『小顔』というよりは、どちらかというと『セミラージサイズ』といっていいように思います。
ヒール側の出っ張り(いわゆるアゴ)も、少し目に入りました。
トップラインもちょっぴり厚めで、丸みを帯びているように見えました。
思わず見惚れてしまうようなことはなかったのですが、今風(いまふう)のすごく整ったアイアンだと思いました。
試打を開始しました。

『打感』は、まずまずだと思いました。
結構柔らかい感じです。
ミーリングが効いているのか、ボールをしっかりとホールドしてくれる感じがしました。
右へ滑っていく感じはしませんでした。
『つかまり感』のある打感ではありましたが、『厚み感』が足りないように感じられました。

このような形状のアイアンなので、予め打つ前から予想はできていましたが、実際に打ってみてもやはり少し物足りない感じがしました。
ヒッティングポイントがもう少し『肉厚』でもいいのではないかな?と思いました。
私は普段からマッスルバックを愛用しているので、こう感じるのかもしれません。
日頃、フルキャビを使っておられる方には、すごく愛着の湧きやすい打感なのかもしれません。
全体的に大きな不満のないフィーリングでしたが、少し物足りない部分も感じました。

しかし、音はすごくいい音だと思いました。
芯でとらえた時の音がすごくいいです。
何とも言えない心地よさが後に残ります。
『耳で楽しめる』アイアンだと思いました。
この音をずっと聞いていたくなり、ついつい球数も増えてしまいそうです。
このアイアンは打点のブレによって、球が大きく暴れる感じはしませんが、この極上の音を聞けるポイントは結構狭いと思いました。
いいところでヒットしないと、この音はなかなか聞くことができません。
『音』だけでいうと、マッスルバック並のシビアさがあるように思います。
ただ、違うところでヒットしても、決して悪い音ではないので、あまり気にし過ぎないほうがいいのかな?とも思いました。

『球のあがりやすさ』という点では、ハイレベルです。
とてもよくあがります。
やはり、ウェイトなどの色々な工夫がよく効いているのでしょうか?
『タフさ』は微塵も感じられません。

『安定性』という点でも、こういったフルキャビティらしい、大きな寛容さをもっていると思います。
シビアな感じはしません。
軟鉄アイアンを使ってみたいけど、難しそうなので、つい敬遠してしまう・・・。という方は、是非このアイアンを試してみられてはいかがでしょうか?
意外なほど易しく感じられる方は多いのではないでしょうか?
全体的なシルエットがとても美しいので、いかにも上級者用に見えてしまうかもしれませんが、敷居は決して高くなく、むしろ低い感じがします。
幅広い層に対応しているアイアンだと思います。

距離が出やすいところも、今のアイアンの流行だと思います。
このアイアンの飛距離性能も優れていると思います。
私には飛び過ぎるので、距離感をだしづらい部分はありますが、今日はターゲットを決めずに、どこまで飛んでいきたいか、ボールに尋ねる感じで打っていきました。
ストロングロフトアイアンですし、距離も比較的出ますが、今の『飛距離系アイアン』の中では、ノーマルなほうかもしれません。
ヒッタータイプの方は勿論ですが、スインガータイプの方も、試してみられてはいかがでしょうか?

『操作性』という点では、まずまずだと思いました。
ヘッドがやや大き目のアイアンなので、右方向へプッシュしてしまいやすいのかな?と打つ前は思っていたのですが、実際はフック系の球も打ちやすかったです。
意外と球のつかまりもいいアイアンだと思いました。
私がフッカーだということもあり、球がつかまりやすかったと思うのですが、それ以外にも今日はこのアイアンの『アップライト感』を感じていました。
初めて構えたときに、少しアップライトかな?と思っていました。
勿論、実際はそれほど極端なアップライトではないですし、今のアイアンの多くが昔のアイアンよりもアップライトになっているので、それほど珍しいことではないのですが、今日は何故かアップライト感を感じました。
また、ミーリングもつかまりやすくなっている要因のひとつなのではないかな?と思いました。

結構カットめに打ってみたりもしたのですが、なかなか大きく右へ曲がることはありませんでした。
グースはきつくないですが、スライサーの方にも試していただきたいアイアンです。
外見がカッコ良くて、ミスヒットに対する寛容性もあり、球があがりやすくて右へ逃げないつかまりのいいアイアンを探しておられる方には、すごくいいのではないでしょうか?
このアイアンにはDGもラインアップされているのか、店員さんに尋ねてみたのですが、このNSプロとカーボンの2種類だけなのだそうです。
勿論、『特注』となれば対応してくれるのだと思いますが、こういったラインアップを考えると、メーカーがターゲットにしているゴルファー像が浮かび上がってきます。

オノフらしい、とても美しくて易しさもあり、機能性が充分なアイアンだと思いました。
多くのゴルファーのニーズに応えることのできるレベルの高さが感じられます。
競技志向の方はもちろん、軟鉄を使ってみたい・・・。という方にも、適応してくれるアイアンだと思います。

ただ、正直言いまして、前のモデルと大きく変わったところは少なく、一番の違いはミーリングだと思います。
勿論、メーカーに言わせれば、もっとたくさんのところを改良している・・・。ということになるのかもしれませんが、それはあくまでも『微細な範囲』ということになるのだと思います。
驚くような進化を遂げたアイアンに出会えなくなって久しいですが、やはり今回もそんな感じでした。
しかし、それは言い方を変えれば、全ていいところを継承している・・・。ということにもなります。
いいところを継承してはいるのですが、アイアンはあまり変えようがないのでしょうか?
惚れ惚れするような美しいアイアンに出会いたいと思いつつも、心のどこかでアッと驚かせてくれるようなアイアンを待ち続けています。

私は購買意欲が刺激されることはなかったのですが、『美しさ』と『易しさ』が強く感じられたアイアンでした。
一番気に入ったのは、先ほども書きましたが『音』です。
音が一番強く印象に残りました。
このアイアンは、これからもたくさん試打する機会に恵まれると思うので、何度も楽しんでいきたいです。
コメント
初めまして!
オノフのアイアンはゴルフショップの店員さんに強く勧められて最後まで迷っていましたし、知り合いに打たせてもらって良いイメージをもっております。
結局、こちらのブログを参考に、MP52を購入しましたが、2~3年たちましたが未だに使いこなせていません、球筋やスピンのコントロールに憧れながら練習に取り組んでおります。
ゴルフ大好きさんは素振りが大事と一貫しておっしゃってましたので、毎日素振りをしていたところ、綺麗なスイングと褒められることが多くなりました(上手とは言われませんが)。
現在の課題は、練習場のマットでのナイスショットはコースではダフリやトップになり使えないということで、ダウンブローに打ちクリーンにヒットさせる練習をメインにしております。
最近はある程度の成果が見られて、カツーンとかパキーンのような音が多くなってきましたが、どれがいい音で、どれがミスの音なのかがなかなかわかりません。
また、打感との関係はどのようになっているのでしょうか?
私の感覚だと
芯に当たってない? パキーンと乾いたような音 少し手に衝撃が響く感じ
または
方向性は悪いが・・・カシャっと短い音で手に衝撃が少ない
上記の2種類が私の中でのナイスショットの認識でおりますが、正解はあるのでしょうか?
芯を食ったナイスショットの音と打感はどのようなものなのか教えて頂きたいです。
2012-11-23 02:44 もじゃもじゃ URL 編集
もじゃもじゃ様。初めまして!
この度は私の記事を読んでくださり、またコメントを寄せてくださいまして誠にありがとうございます。
アイアンはMP52をお使いなのだそうですが、間違いなく高性能なアイアンですので、どうかこれからもずっと使い続けていただきたいと思います。
ダウンブローの練習をされているようですが、とても素晴らしいことですね。
マットの上からでもいいですが、ダフっても気づきにくいので、もしできればティアップしたまま練習されてはいかがでしょうか?
アイアンの練習にはとても効果的な練習です。
ティの先のマットに意識をもっていかれると、いいショットが打ちやすいように思われますし、実戦でもすごく役に立ちます。
最初のうちはティの高さは低くても構わないですが、慣れてきたら少しずつ高くされるといいと思います。
気を付けなければならないのは、決して『あげようとしないこと』です。
下からすくい上げる打ち方だけはダメです。
あくまでも上から『ボールを潰すように』打っていただきたいと思います。
イメージの持ち方は人それぞれ違うと思いますが、地面すれすれの低いライナーを打つイメージをもたれると良いのではないでしょうか?
私はSWでドライバーの高さにティアップした球で低い球を打つ練習をよくしています。
慣れないと最初のうちは難しいかもしれませんが、とても効果的な練習方法ですし、私のスイングチェックをするするのにとても役立っています。
こういった練習方法も、人それぞれ個性があってもいいと思いますし、もじゃもじゃ様にマッチした練習法を続けていただきたいと思います。
オノフのアイアンも好きですが、私は断然MPのほうが好きです。
アイアンの音に着目しておられるのはとても素晴らしいことだと思われます。
よくスコアラインの下から2~3番目くらいでヒットすると良い・・・。と言われますが、まさにその通りで、そこでヒットすると『カツーン』という音がします。
プロのトーナメントのドライビングレンジに行かれると解ると思いますが、多くのプロがアイアンで『カツーン』という音を出しています。
つまり、下から2~3番目くらいで打っているのだと思われますし、私が知っているプロもそこでヒットしています。
その時の打感は、少ししっかり目で手応えのある打感です。
また、もう少し厚めでフェースの中央のやや下に近いところで当てる方法もあると思います。
ここでヒットしているプロや上級者も多いと思います。
この時の打感がまさに『無』といいますか、球の抵抗感が殆ど感じられない至極の感触です。
その時の音は『シュパッ』といいますか、何ともやわらかい音がします。
私はこの時の打感のほうが好きですが、これも色々と好みが分かれるところかもしれないですね。
下から2~3番目にヒットするときは、ヘッドの入射角が比較的緩めで、いわゆる『スイープ』に振っている状態といえるのではないでしょうか?
実戦でも『ディボット跡』などライが悪い時にも、この打ち方が有効だと思います。
それに対し、真ん中のやや下で捉えているときは、入射角が比較的きつく『厚め』にヒットできているときだと思います。
今のアイアンは昔に比べ、性能が格段にアップしているので、色々な打ち方ができるようになりましたが、昔はかなり高重心なアイアンが多かったので、上から潰すように打たないと球は浮いてくれませんでした。
『横からはらう』というイメージでは全く球は浮きませんでした。
もじゃもじゃ様が仰る、いわゆる『芯を食った』状態は後者の『厚め』にヒットした状態のことをいうのだと思います。
手応えがいいほうが正解なのではないでしょうか?
私は今は、どちらかというと下から2~3番目に薄く当てている傾向があるように思うのですが、上から潰すイメージを強くすると、厚めにヒットして、いい打感を得ることができます。
コントロール重視でいくと、私には『カツーン』のほうが合っているように思います。
以上が私の考えなのですが、参考にしていただけましたでしょうか?
打感による感じ方は、人それぞれです。
どうか、もじゃもじゃ様が打っていて心地いい・・・。と感じられる打感を大切にしていただきたいと思います。
これからも記事を書いていきたいと思いますので、お時間がございましたら、また私の記事にお付き合いいただけると幸いでございます。
それでは失礼いたします。
2012-11-26 21:15 golfdaisuki URL 編集