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2012年08月23日
ピン ANSER アイアン

今日は、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブはピン ANSER アイアン の7番 です。

シャフトは NS PRO 950GH です。
ロフトは32.5度、クラブ長さは36.75インチ、シャフトフレックスはS、シャフト重量は98g、キックポイントは中調子 です。

ピンアンサーシリーズのニューモデルです。
ピンのアンサーアイアンといえば、私は2年前に試打した、前のモデルが忘れられません。
構え感はちょっと独特でしたが、その『打感の良さ』『寛容性の高さ』『球のあがりやすさ』がとても印象的でした。
ただ、前のモデルはバックフェース真ん中の『PING』と表示されていたアクセサリーのような物が剥がれやすくなっていたところが気になっていました。
今回の、このニューモデルはどうなのでしょうか?
剥がれにくいように、強化されているのでしょうか?
それとも使っているうちに、やはり剥がれやすくなってしまうのでしょうか?

こうして見ていても、丸みを帯びていますし、それほどシャープさは感じません。
昔からのPINGのアイアンらしく『合理的』な雰囲気があります。
このアイアンを見回してみても、あまり『金属的』な感じはせずに、どちらかといえば『硬質プラスチック』のような質感を感じました。
『チープ』というほどではありませんが、正直、あまり高級感は感じませんでした。

ネックに凹みがあるところは、すっかりお馴染みです。
こういったところは、他のメーカーのアイアンには見られないところです。
この凹みを初めて見たときは、インパクトのときに少し不安を感じていたのですが、実際にボールを打ってみると、全く問題ありませんでした。
構え感という点でも、全く邪魔になっていないですし、違和感を感じさせません。
他のメーカーは採用しなくても、PINGはこれからもこの形状でいくのではないでしょうか?

フェースには、かなり小さなミーリングがありました。
これまで、他のメーカーのミーリングをたくさん見てきましたが、ここまで小さいミーリングは初めてのような気がします。
これで本当に効果があるのだろうか?と思ってしまうほど小さいです。

ソールにウェイトが組み込まれているのが一目瞭然でした。
こういったところは、他のメーカーでも数多く見てきました。
形状的に見て、このウェイトがなくても、おそらくかなり低重心だと思うのですが、それよりも更に低重心を目指しているのでしょうか?

彫りも深くて、いかにも海外メーカーらしい感じがします。
こうして見ていても、以前試打した ブリヂストン ツアーステージ X-BLADE GR FORGED アイアン に似ているな・・・。と思いました。
形状的に微妙な違いがあっても、この真ん中の部分の表示が『ANSER』か『X-BLADE GR』かによって、その名称の違いになるのだと思いました。
色々なニューアイアンを試打してきて、『既視感』といいますか、新鮮味を感じることが少なくなってきましたが、このアイアンもそのように感じました。
しかし、それ以外にも色々な工夫が散りばめられているのだろうと思いますし、『マイナーチェンジ』が今の『常識』といっていいように思います。

『ソール幅』は少し広めではありましたが、思っていた以上に広くは見えませんでした。
むしろすっきりとした印象があります。
こういったところは、少し意外でした。
しかし、ワイドソールが苦手な私にとっては『いい意外』です。

『ネックの長さ』は、今のアイアンの中では、長すぎず短すぎず・・・。といったところでしょうか?
ごく標準的な長さだと思います。
ちょっと前まで、アイアンのネックの長さには、かなりの個性が感じられていましたが、今は本当に揃ってきたように思います。
いずれ、またロングホーゼルや、逆に『超・ショートホーゼル』『スルーボア』が流行ったりするのでしょうか?
ファッションなどと同じように、ゴルフクラブにも『流行』があるような気がします。
その流行を繰り返しながら、少しずつ進化していっているように思います。

ボールを前にして構えた感じは、予想よりもすっきりとした感じがして、好感がもてました。
見惚れてしまうような美しい顔だとは、正直思わなかったのですが、違和感などは感じませんでした。
グースも効いてはいますが、強すぎません。
これくらいまでならば、『引っ掛け』のイメージを封印して振り切っていけそうです。
『トップライン』も厚くないので、腫れぼったい感じがせずに、インパクトもブレずに迎えられそうだと思いました。
ここが厚過ぎると私の場合、どうしても頭に描くイメージが曖昧になってしまうのですが、これくらいすっきりしているとある程度の鮮明さが出てきます。
グースが効いているのは間違いないので、フッカーである私はどうしても『つかまり過ぎ』を警戒しなくてはならないのですが、これくらいだと、こちらの上手く言うことを聞いてくれそうな範囲ではあるので、強い苦手意識は芽生えてきませんでした。
『シビアさ』というよりは、いい意味での『ファジー感』を感じました。
7番アイアンとしては、私にはやや軽すぎる感じがするので、まずは『様子見』的な感じで打っていこう・・・。と思いました。
試打を開始しました。

『打感』は『ややライトな感じ』といいますか、『球の重さ』をあまり感じさせませんでした。
嫌な感触が手に残ることもありませんでした。
ある意味、『今どきのアイアン』だと思いました。
私はこのアイアンの打感に好印象をもちましたが、『打感』ということだけでいえば、私は『前のモデル』のほうがいい印象が残っています。
今度機会があれば、打ち比べてみたいと思いました。

球はかなりあがりやすくて、タフな感じは全くしません。
軽量スチールが挿してあるということや、ソールのウェイト(おそらくタングステン?)が組み込まれていることなどからも、ある程度は予想できていたことなのですが、実際に打ってみても、かなり親しみやすいアイアンだと思いました。
PINGというと、いかにも『プロ用』といったイメージもありますが、このアイアンはそんな感じは一切しません。
スインガータイプの方にも親しみやすく感じられるのではないでしょうか?
今は女性ゴルファーの方でも、男性用の軽量スチールやカーボンシャフトが装着されているアイアンを愛用しておられる方がすごく増えてきましたが、こういったタイプのアイアンは、女性の方でも親しみやすく感じられるのではないでしょうか?
『重量』や『硬さ』などは別として、今は本当にゴルフクラブとしての男女の境が『ボーダレス』になってきたように思います。
私は女性用のクラブがとても苦手なのですが、私の友人はとても器用に打ちこなすので、彼の器用さが羨ましいです。
やはり『センスの違い』かな?と思ってしまいます。

『安定性』という点でも、このフルキャビティの長所が存分に感じられます。
かなりイージーなアイアンです。
ある程度のミスヒットは看過してくれる寛容さがあります。
私は一球目、ややトゥ寄りでヒットしてしまったのですが、それでも球はほぼ真っ直ぐに近い感じで飛んでいってくれました。
マイアイアンだと、確実に右に抜けていったと思うのですが、こういった寛容さは、やはりキャビティならではだと思います。
勿論、高いミート率があれば、それに越したことはないと思うのですが、こういった寛容性の大きいアイアンは、いわゆる『受け皿』が大きいので、上級者のみならず、幅広い層に対応できているように思います。

『飛距離性能』という点では、私の感覚ではやはり『飛ぶ』という感じがしますが、これくらいの飛距離性能は今では『ノーマル』といっていいのかもしれません。
弾道もかなり高いですし、ビッグキャリーを描いていけるアイアンです。
このストロングロフトと、軽量スチールが醸し出す『弾道の高さ』が上手くマッチしているような感じです。
アイアンに『球のあがりやすさ』『ミスへの寛容さ』『飛距離』を求めていきたい方には、とても魅力的なアイアンといえるのではないでしょうか?
メーカーは違えど、今は本当に同じようなタイプのアイアンが増えてきました。
それだけ、ユーザーである私たちゴルファーの好みがある程度まとまってきているということなのでしょうか?

『操作性』という点では、まずまずでした。
グースは多少効いてはいますが、面長過ぎないので、フェースターンもしやすく、左右へ曲げる球も容易でした。
球のつかまりが良く、右へ滑っていく感じがありません。
やや『セミオートマチック』的なところもあったのですが、曲げていくということに対しても、ある程度対応してくれる易しいアイアンだと思いました。
私はボールを大きく曲げたりする練習が好きなので、一球一球ターゲットを変えて、色々な曲線をイメージしながらボールを打っているのですが、おそらくこういったタイプのアイアンを好まれる方は、やはりある程度の『直進性』を求めておられるのだと思います。
そういった方々にも、このアイアンはすごく合いやすいような気がします。

これまでも感じてきていたことなのですが、PINGのアイアンは何故かダイナミックゴールドがラインアップされていません。
アメリカのメーカーであれば、メイドインUSAのシャフトが挿してあるのが、ある意味自然な気もするのですが、実際はそうではありません。
やはり日本向けということで、軽量感を出していきたいのでしょうか?
もちろんカスタムでDGを組むことは可能ですが、最初からラインアップされていないということは、ターゲットにしているゴルファーをある程度限定しているからなのでしょうか?
軽ければ『万人向け』とは必ずしも思わないですが、やはり今は軽量スチールのほうが需要は大きいのかもしれません。
今は同じ海外メーカーでも、キャロウェイやタイトリスト、テーラーメイドもモデルによっては、DGをラインアップさせてくれているのですが、PINGが違うようです。
タイトリストとテーラーメイドはマッスルバックも発表していて、私は嬉しく思っているのですが、PINGには見られません。
いずれ、PINGのマッスルバック(ノーマルロフト)でDG装着モデルに出会ってみたい・・・。と思っています。
勿論、マッスルバックはそれほど需要が大きくないことは、みんなが知っているところだとは思いますが、それでも限定品でいいから、是非一度見てみたいと思っています。

PINGのアイアンといえば、昔から『名器』と呼ばれる物が少なくありませんでした。
私の先輩にも愛用者がいました。
しかし、私はどうしてもあの個性的な顔が馴染めませんでした。
強いグースと出っ張ったトゥに苦手意識を感じていました。
なので、長い間敬遠してきたところがあります。

しかし、このアイアンもそうですが、以前試打したi20 アイアンやS56 アイアンのように構えやすくなったアイアンが増えてきました。
見惚れる・・・。というところまでは正直まだいってはいないのですが、コースで使っても全く不安を感じないほどです。
PINGというと、私は『合理的』というイメージが強くあったのですが、これからは『フィーリング』という言葉も付け足さなくてはならないのかな?と思いました。
これからもピンのクラブには注目していきたいです。
コメント
No title
試打されたクラブの多さに加えその表現力の豊かさに感心させられます。
特に顔とか面長といった言い方はすごいと思いました。それ以外にもたくさんあります。
僕はゴルフの本やメーカーのカタログなどをよく見るのですが、golfdaisukiさんの表現がすごくよく引用されているように思います。
多くのゴルファーはもちろんですが、メーカー担当者や雑誌の編集者たちも、このブログをよく読んでいると思いますよ。
今後も楽しいブログを読ませてください。
2012-08-24 15:51 大五郎 URL 編集
新しいピン
これまでのアンサーの何とも楽しげなデザインから随分とかわりましたね。
ちょっと驚きました。
私もピンに大変興味がありますが一回も実物を試したことがなく、記事を楽しく拝見させて頂いております。
秋が迫り、これからがゴルフの季節ですね。私も職場のゴルフ幹事として場所取り予約に勤しんでおります。
さて、スリクソンからマッスルバックのアイアンが発売になるそうです。限定ではないレギュラーモデルで価格も安いとのことです。カタログを見ると日本製であり、これは!と大変注目してお金も貯めている昨今です。ではまた、よろしくお願いいたします。
2012-08-24 19:20 たかし URL 編集
大五郎様。はじめまして
この度は私の記事を読んでくださり、またコメントを寄せてくださいまして誠にありがとうございます。
私はゴルフ雑誌などは全くといっていいほど読まないので、今の流行のクラブとかゴルフ理論とか解らないことも多いのですが、これからも私が感じたことをそのまま記事に書かせていただきたいと思っております。
これからもお時間がございましたら、また私の記事にお付き合いいただけると幸いです。
それでは失礼いたします。
2012-08-25 00:41 golfdaisuki URL 編集
スリクソンのニューモデルはとても楽しみですね
いつもコメントを寄せてくださいまして、ありがとうございます。
ピンのクラブはいい物が多いですね。
特に私はドライバーが気に入っています。
スリクソンのニューモデルも、とても楽しみですね。
もし試打する機会に恵まれれば、記事に書かせていただきたいと思っております。
こちらこそ、これからもよろしくお願いします。
それでは失礼いたします。
2012-08-25 00:44 golfdaisuki URL 編集
スリクソンZ925
さて、私は今朝も朝5時からの早朝練習に行き、7アイアンを短く持って軽く振り、130yにキッチリ落とす練習をみっちりやってきました。まだ成功率7割程度ですが、来月のコンペを目指して頑張っています。確かに飛び系アイアンよりマッスルバックやヤマハのアイアンはこうした距離合わせがやりやすいですね。XXIOも最近はようやく慣れてきましたが、アプローチの寄せにまで使える万能ぶりでは、ナイキのMBに軍配が上がりますね。PINGアンサーに飛びと、こうした操作の良さが両立した性能があるならば、素晴らしいですね。
今日はボールを買いにアメ横に行き、MBの新星スリクソンZ925の実物を見て来ました。未来のマッスルバックという雰囲気でカッコいいアイアンでした。SRIはフラットバックと呼んでおり、ミーリングの入ったフェイスなど先進性抜群な印象でした。
価格もビックリの安さでした。購買欲が爆発しそうでしたが、今日の所は単品中古で何と三浦技研のアイアンがあったので、それを買いました。
三浦を持って、また練習に行きました。どうも変だと思ったらシャフトがX!軽いけど硬いですね。曲がり続ける弾道を直して日が暮れて行きました。ではまた、楽しい記事をお願いします。
2012-08-25 20:01 たかし URL 編集
スリクソンのクラブが待ち遠しいです
毎日、本当に暑い日が続きますね。
早朝練習は涼しくて、とても気持ちがいいですね。
アイアンの練習もしっかりと行っておられるようですね。
その練習がきっとコースで役に立ちます。
ゴルフとは不思議なもので、距離を少し落としただけで、すごく易しくなります。
それはスイングを緩めるというのではなく、しっかりとインパクトをするのですが、短く持ったり、トップを少しコンパクトにするだけでも芯に当たる確率が上がったり、スイングの再現性も高まっていくものです。
目一杯の距離でクラブを使うことは実戦では少ないと思います。
殆どが距離を余らして、それを調整しながら球を打っているのだと思います。
スリクソンのニューモデルはとても良さそうですね。
私はまだ目にしたことはないのですが、もし試打する機会に恵まれましたら、また記事に書かせていただきたいと思います。
それでは失礼いたします。
2012-08-27 00:35 golfdaisuki URL 編集
カスタム
ピンの基本的に,フィッティングデータに基づいてオーダーするので,DGでもなんでもシャフトを合わせられます.もちろん,ロフト,ライ角もフィッティングデータに基づきオーダーになりますし,グリップの太さ,シャフトの長さもしかりです.僕はDGを挿しています.
NSではなく,ピンのCFSというシャフトのほうが標準シャフトという気がします.NSより10グラム重いシャフトです.むかしのピンのシャフトZZ65の流れを組んでいます.CFSもNSも日本シャフトで作られているようですが,性格は異なります.ぜひCFSのシャフトがついたクラブで試打して頂ければ,と思います.
2012-09-01 23:38 ミシェル URL 編集
ミシェル様。はじめまして
仰るとおり、ピンのフィッティングシステムはとても充実していますね。
私もそのことは存じ上げているつもりです。
今回試打したモデルがたまたまNSが挿してあったのですが、また違うシャフトでも試してみたいと思っています。
やはりピンはいいですね。
これからもお時間がございましたら、また私の記事にお付き合いいただけると幸いでございます。
それでは失礼いたします。
2012-09-04 00:13 golfdaisuki URL 編集