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2011年10月15日
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プロギア NEW iD フォージド アイアン

今日は、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは プロギア NEW iD フォージド アイアン の7番 です。

シャフトは ダイナミックゴールド です。
ロフトは32度、クラブ長さは36.5インチ、シャフトフレックスはS200、バランスはD2、キックポイントは手元調子、クラブ総重量は443gです。

プロギアiDシリーズのニューアイアンです。
プロギアはこれまで、TRシリーズなどが印象的ですが、これからはずっと、このiDシリーズでいくのでしょうか?
感性と科学データを融合させることは、ゴルフクラブにとって究極の目標ではないかと思います。

こうして見てもシャープな印象がありますが、昔からよく見られる、易しさ重視の『フルキャビティ』といった感じがします。
キャビティ部分がかなり複雑な形状になっていますが、これも何らかの理由があるのではないでしょうか?

『彫りの深さ』も、結構ありますが、決して違和感を感じてしまうほどの深さには見えませんでした。
ただ、こうして見ていても、マッスルバックやハーフキャビティのような打感の厚みはないだろうな・・・。と思っていました。
『易しさ』を取るか、『打感』を取るか・・・。
私は迷わず『打感』を選びます。
なので、このアイアンは易しそうな印象をもちましたが、打感はあまり期待できないのかな?と思いました。

『ソールの幅』は、ごく標準的な感じがしました。
ただ、こうして見ていても、少しソールが長く見えたので、それほどシャープな印象は持ちませんでした。
『芝を切る』といいますか、しっかりとターフをとっていくようなイメージは、この角度からだとあまり湧いてきませんでした。
『鋭さ』というよりは、やや『大らか』な感じがしました。

『ネックの長さ』は、少し短めだと思いました。
今のプロギアのアイアンには、マッスルバックやハーフキャビティなどが見当たらないので、おそらくこの『iDシリーズ』がアスリート仕様モデルとなるように思うのですが、アスリート仕様にしては、かなりのショートネックだと思いました。
しかし、最近は他のメーカーのアスリートモデルのアイアンでも、同じように感じる物もあるので、これもやはり流行なのかな?と思いましたし、『OEM』などが関係しているのかもしれないと思いました。

素振りをしてみても、すごく易しく感じられます。
昨日のMP-59などのように、最近は『易しさ』を重視したアイアンでも、シャフトにDGが挿してあることも多くなり、私個人的には嬉しく思っています。
プロギアのアイアンは、これまで『スペックスチール』が多かったように思うのですが、このアイアンは最初からダイナミックゴールドか、MODUS3がラインアップされているのだそうです。
ヘッドは見るからにイージーそうな感じがするのですが、シャフトはしっかりとしているので、この微妙なミスマッチ感が面白いと思いました。

ボールを前にして構えてみても、とてもいい印象を持ちました。
全体の形がすごく均整がとれていて、美しいアイアンだと思いました。
それほど『小顔』な感じではなく、私の感覚では『セミラージサイズ』に見えるのですが、大型ヘッドによく感じられていた『曖昧感(あいまいかん)』を感じることはありませんでした。
きちんとラインをイメージすることができました。
グースも弱いので、すごく好感がもてました。
引っかかり過ぎを気にすることもなく、最初から芯で打てそうな予感がしました。
形はとても美しいのですが、どことなく『大らかさ』を感じました。
『感性』の中にある『安心感』を大切に考えられて設計されているのでしょうか?
オーソドックスで形の美しいアイアンが好きだけど、いわゆる『小顔』なアイアンには、少し不安を感じる・・・。という方も、このアイアンは安心感を得られる・・・。という方がたくさんいらっしゃるのではないでしょうか?
『当たらない不安』を感じる方は、ほとんどいらっしゃらないのではないでしょうか?
あくまでも私の好みでいえば、もう少し小顔が好きなのですが、このヘッドの大きさにも、違和感を感じることはありませんでした。
試打を開始しました。

『打感』は、とてもソフトな感じで好感がもてました。
軟鉄キャビティの良さがじゅうぶんに出ていると思いました。
打感の『厚み感』でいえば、やはりマッスルバックなどとは異なりますが、このアイアンの打感もすごくいい感じだと思いました。
打ち終わった後、このアイアンがいわゆる『中空構造』であることを聞いたのですが、それを感じさせないほどの打感でした。
中空アイアンが出始めの頃は、その打感がどうも馴染めずに、あまり手にすることはなかったのですが、月日の経過と共に、やはりクラブはすごく進化するのだと思いました。
この意外性がまさに『PRGRマジック』だな・・・。と思いました。
昔からPRGRは、こういったいい意味での我々ゴルファーの予想を裏切るところがあります。
それは高い技術力と深い探究心などからくると思うのですが、このアイアンはまさにそんな『アンビリーバボー』な感じがしました。
中空構造はとても易しく設計できるとこが大きな利点だと思うのですが、その打感がどうしても犠牲になるところがありました。
ミスに強くても、打感が良くないので、距離感が全く合わなかった記憶がありますし、打っていても楽しくありませんでした。
しかし、このプロギア NEW iD フォージド アイアンのような高フィーリングなアイアンに出会うと、その悪いイメージが払しょくされます。
この打感ならば、打っていてもストレスを感じることもありませんでした。
まさに『iD(インスピレーション&データ)』だな・・・。と思いました。
よく飛ぶアイアンなので、なかなか距離感がつかめないところも正直あったのですが、この打感はさすがPRGRだ・・・。と思いました。
立派にTRシリーズの後を受け継いでいる感じがします。

球もあがりやすく、タフな感じは全くしませんでした。
見た目フルキャビティなので、すごく易しそうな印象もありましたが、実際に打ってみると、その印象以上に易しくて敷居の低いアイアンだと思いました。
ミスヒットに強く、球があがりやすいアイアンを作ることは、メーカーとしても、それほど難しいことではないと思うのですが、そこには『見た目』という問題が発生してくると思います。
やはり見た目が良くないと、いくら性能が優れていても、それを活かしきることができないように思います。
そういった点で考えてみても、このアイアンは『見た目の良さ』と『打ちやすさ』が上手く組み合わさっているように思いました。
最近のアスリートモデルと呼ばれるアイアンの中でも、かなり敷居が低いほうなのではないでしょうか?

『安定性』という点でも、フルキャビティ+中空アイアンの良さがじゅうぶんに感じられました。
見た目とってもカッコいいアイアンですが、そのカッコ良さがありながら、ある程度のミスに対しての寛容さが感じられました。
シビアな感じは全くしませんでした。
構えやすさに加え、高性能なシャフトが挿さってあるので、打点がブレる感じはしなかったのですが、打っていても広い寛容性を感じることができました。
とてもシャープなアイアンではありますが、クラブがプレイヤーに要求してくるものは、それほど多くはないような気がしました。
カーボンや軽量スチールを日頃使っておられ、その軽さに慣れておられる方には、やはり重量感が感じられると思いますし、そこに難しさがあるかもしれません。
しかし日頃、100g以上のスチールシャフトを使っておられる方には、とてもイージーに感じられるのではないでしょうか?
球をまとめていきやすいアイアンだと思いました。

『飛距離性能』という点では、先ほども書きましたが、よく飛ぶほうだと感じました。
思っていたよりも球が飛んでしまうので、もっと抑えていきたい・・・。と思うほどでした。
私の感覚では、完全に『6番アイアン』だと思ったのですが、最近はこれくらいのロフトはすごくポピュラーなので、このアイアンの飛距離性能に好感をもたれる方もたくさんいらっしゃるのではないでしょうか?
見た目のカッコ良さ、構えやすさ、打感の良さ、打ちやすさ、飛距離性能の5つが特に優れているアイアンだと思いました。

『操作性』という点では、ごくノーマルなカッコいい軟鉄アイアンそのもの・・・。といった感じのレベルの高さを感じました。
左右に打っていくことも、とても易しく行うことができました。
こういったカッコいいアイアンなので、そうでないアイアンと比べても、求めるものが自然と大きくなってしまうので、できればもっと小顔でターンしやすいほうがいいかな・・・?などと思ってしまうところもあったのですが、通常のアイアンで考えてみても、すごく高いレベルにあると思いました。
扱いやすいアイアンだと思いますが、どちらかというと『操作性』よりは『安定性』のほうが、少し勝っている感じかな?と思いました。
きっちりと自分の頭に描いたラインにそってボールを送り出すことが容易にできるアイアンだと思いました。

先日試打したドライバー同様、このアイアンもすごく好感度が高いですし、秀作だと思いました。
見た目のカッコよさだけでなく、色々なところに様々な工夫が施されているアイアンは、すごく好きです。
こういったところに、そのメーカーの実力が伺えるような気がします。
日々、色々なクラブを試打していると、個性的でない物も多く、他のメーカーの『後追い感』が感じられることもありますし、そういったクラブにはあまり興味が湧きません。
そんな中で、今日はとてもいい意外性を感じましたし、すごく新鮮な気持ちで試打を楽しむことができました。
アイアンはドライバーなど、体積を大きくできるクラブと比べても、設計自由度はそれほど大きくないと思うのですが、これくらいの高い創意工夫が施されているところがプロギアらしいところだと思います。
まさに『時代を作ってきたメーカー』といったところではないでしょうか?

先ほども書きましたが、このアイアンは見た目の印象以上に易しいアイアンなので、ぜひ多くの方に試していただきたいと思いました。
フィーリングもいいので、打っていても飽きることがありませんでした。
今日は最初から最後まで『プロギアマジック』に掛かってしまったような気がします。
こういった気持ちになるのは、最近では殆どないので、すごく印象深い一日になりました。

かなり幅広い層に受け入れられやすいアイアンだと思いましたし、こういったハイレベルなアイアンを作ってしまうと、また次のアイアンに対してのハードルがとても高くなるんじゃないかな?と思いました。
いつも色々なクラブを試打していると、今回のモデルよりも、ひとつ前のほうが良かったな・・・。と思うこともありますし、逆に最新モデルが前のモデルの欠点を上手く補っているな・・・。と思えることがあります。
毎回毎回、新しく登場してくるクラブがすごくいい・・・。ということも少なくて、ひとついいクラブが出れば、その次からはしばらく『停滞』といったらおかしいですが、少し落ち着いた感じがすることもあります。
そういった考えで、このアイアンを見ると、間違いなく突出している『いい周期』に入るアイアンだと思いました。
ここまで『至れり尽くせり感』を感じることは、最近では少なくなったような気がします。
『易しさ』と『美しさ』をアイアンの求めておられる方には、ぜひお勧めしたいと思いました。
間違いなく『今年下半期に出会った印象深いアイアン』の中にノミネートされるスグレモノです。
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