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2010年05月16日
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フォーティーン PC-66X アイアン

今日はこのゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは フォーティーン PC-66X アイアン の7番 です。

シャフトは MD370-hi カーボンシャフト です。
ロフトは28度、シャフトフレックスはR、シャフト重量は50g、バランスはC9、トルクは3.5、キックポイントは中調子、クラブ総重量は365g です。

フォーティーンのニューアイアンです。
全体的に『黒』が特徴的な、とてもカッコいいアイアンです。

かなり『彫り』が深いです。
見た目の印象からこのアイアンは、かなり打ちやすさに拘って設計されているのがすごく伝わってくるのですが、ここまでえぐり取られていると、かなり易しくなっているのでしょうか?
普通のキャビティやマッスルバックなどとは、かなり異なった形状になっています。
こういった形状は、だいぶ見慣れてはきましたが、やはり驚いてしまいます。

『ソールの幅』は思っていたよりも、広くありません。
ただ、こうして見ていても、かなり『ソールの長さ』があるような気がします。
それほどワイドソールではありませんが、かなり『面長』なタイプのアイアンだと思いました。

『ホーゼルの長さ』は、標準的といったところでしょうか?
『ロングホーゼル』というわけではありませんが、それほど短すぎる感じもしません。
かなりヘッドが大きく見えるので、頭が重そうな印象を受けました。

素振りをしてみると、かなり軽くて軟らかい感じがしました。
こういったタイプのアイアンなので、予め予想がついていたことではありますが、私にはなかなか馴染みにくい感じがしました。
アイアンというクラブは、ドライバー以上に『クラブの重さ』を利用して打っていくクラブだという認識があるのですが、これくらい『軽さ』が際立ってくると、どのように打っていいか解らなくなりそうです。
『重力』を利用して、落とし込んでいく感じが、なかなか出せませんでした。
どうしても『手』で下ろしていかなくてはなりません。
いかに『カーボンシャフト』とはいえ、アイアンのシャフトの重量が『50g』というのは、かなり珍しい感じがします。
日頃よく出会っているドライバーのシャフトよりも軽いです。
こういったスペックを見ると、かなり手強そうな感じがしました。
ドライバーならともかく、アイアンでこのような、かなり軽めのアイアンで球を打つと、最初のうちは『トップ・ダフリ』を覚悟しておかなければならない・・・。と思いました。

ボールを前にして構えてみると、予想していた以上に構えやすい感じがしました。
構える前は、もっと『ゴツさ』といいますか、『ヘッドの大きさ』や『グースのきつさ』『トップラインの厚さ』が目に入るだろう・・・。と思っていたのですが、意外なほどスッキリしている感じがしました。
『面長感』は否めませんが、違和感を感じるほどではありません。
グースもきつすぎないので、ラインを出しやすい感じがしました。
私はもっと『小顔』を望むのですが、これくらの大きさに安心感を持たれる方もたくさんいらっしゃるのではないでしょうか?
ヘッドが小さいのは苦手だけど、かといって変な形のアイアンはもっと苦手だ・・・。と感じておられる方には、とても安心感が得られ、構えやすく感じられるのではないでしょうか?
あまりたくさんの、いいイメージラインを頭に描いていくことは出来なかったのですが、とりあえず『真ん中に一本』イメージして、そのラインに乗せていこう・・・。と思いました。
試打を開始しました。

『安定性』という点では、本来はとても高い性能を持っていると思います。
最初の5球程は、この『面長』と『軽量シャフト』のせいなのか、フェースがターンしづらく、球がつかまりきらずに右へ抜け気味の球が出てしまいました。
明らかに私の日頃の打ち方では、なかなか攻略できないタイプのアイアンだと思いました。
クラブにプレーヤーが合わせていくのではなく、プレーヤーに合うようにクラブを合わせていくべきだと私は思っているのですが、今日に限ってはそんな感じでは、全く歯が立たない感じがしました。
明らかにこちらが譲歩して、このアイアンに合うように打っていかなければならないのだと思いました。
ただ、フェースをあまりターンさせずに打っていきたい方もたくさんいらっしゃると思いますし、そういった方々には、このようなアイアンはとても打ちやすく感じられるのではないでしょうか?
次第にいい感じで球を打つことが出来るようになり、このアイアンの高性能を実感できるようになってきました。
見た目通り、かなり『スイートエリア』が広いような気がします。
見ただけでは解らなかったのですが、店員さんの説明によると、このアイアンはネックの部分に『タングステンニッケル』が組み込まれており、かなりの『高慣性モーメント』『低重心』が実現できているのだそうです。
そのような『異材』を組み込まなくても、この形状だけで、かなり易しそうな印象を持ちますが、さらにこだわって作られているような気がします。
あまり易しすぎたり、ミスを気付かせないクラブは、いかがなものか・・・?といつも思ってしまうのですが、メーカーのクラブ開発に対する情熱には、いつも敬服させられます。
私は最初の数発は、なかなかいい感じの球を打つことが出来ませんでしたが、日頃このようなタイプのアイアンを使い慣れておられる方は、一球目からすごくいい球を連発されるのではないでしょうか?
全くシビアなアイアンではないと思います。
『イージーアイアンの極致』といってもいいのではないでしょうか?

『打感』は、まずまずだと思いました。
予想していた感じです。
日頃使い慣れていたり、いつも試打を楽しんでいるアイアンとは全く違う打感ではありますが、大きな不満は感じませんでした。
それほど敏感に反応してくれるアイアンではないような気がしましたし、多少の打点のブレにも気付きにくいところがあるかもしれません。
実際、今日はかなり打点がバラついてしまったのですが、それほど敏感に伝わる感じはしませんでした。

『球のあがりやすさ』という点では、かなり高い性能を持っています。
予想していたよりも、はるかに高い弾道でボールは飛んでいきました。
これまで見慣れた感じの『超・低重心アイアン』といった感じでもなかったのですが、かなり弾道は高いです。
私はかなり打ち込んでいくほうなので、余計弾道が高くなりがちなのですが、そうでない方でもかなり高く上がっていくのではないでしょうか?
球を拾っていく感覚で、充分過ぎるほど上がってくれます。
見た目はそれほど、色々な工夫が取り込まれているようにも見えなかったのですが、実際はかなりたくさんの物が取り込まれているのではないでしょうか?
ヘッドスピードだけで片づけられないところも多いですが、このアイアンで、このスペックだと『40m/s以下』の方でも、充分に上がりやすく感じられるような気がします。
『ヤングゴルファー』の方よりは、楽に振って楽に球を上げていきたいベテランゴルファーの方にマッチしているような気がします。
ヘッドを強く入れすぎるとバラつきが出やすいので、あまり強く入れない『スインガータイプ』の方にすごく合いやすいと思います。

『操作性』という点では、なかなかいい感じがしました。
このスペックですし、打つ前はもっと苦戦するかと思っていたのですが、結構扱いやすい感じもしました。
スイートエリアもかなり広いですし、おそらく慣性モーメントもかなり大きいのだとは思いますが、決して曲がりづらい感じはしませんでした。
曲げようと思えば、結構曲げてくれるアイアンだと思いました。
左右の打ち分けも、思っていた以上に苦戦することはありませんでした。
ただ、時々右へスッポ抜けていく感じの球が出てしまったのですが、それはクラブのせい・・。というよりも、私の打ち方が悪いからだと思いました。
私はなかなかこういったタイプのアイアンには慣れることが出来ませんが、このアイアンにかなり好印象を持たれる方もたくさんいらっしゃるのではないでしょうか?
『操作性』というよりは『安定性』『球のあがりやすさ』を最優先しているクラブだとは思うのですが、思っていた以上に扱いやすい部分を感じ取ることが出来ました。
やはり結構構えやすいところが、この好結果につながったのでしょうか?
それほど大きなクセのある『構え感』ではなかったので、こちらのフィーリングを伝えやすい感じがしました。

『飛距離性能』という点では、最近のこういったタイプのアイアンらしく、かなり優れています。
飛距離が出るということは、とても魅力的なことだとは思いますが、こうして打っていても、私は背中に汗をかきました。
ターゲットを決めて、そこに落としているつもりでも、実際はその遙か先へとボールが落ちていきます。
やはり私の認識の中では『5番アイアン以上』で打っていかないといけない感じがしました。
自分のイメージしたところよりも遙か先まで運んでいってしまうクラブは、実戦では怖くてなかなか使うことが出来ませんが、このアイアンに距離感を出していきやすい方もたくさんいらっしゃると思います。
そこで私は、このクラブは『アイアン』ではなくて、『ユーティリティ』と思うようにしました。
かなりアイアンに近い『構え感』を持った『ユーティリティアイアン』であれば、それほど怖い感じはしません。
アイアンだと思うから違和感を感じたり、その『飛びすぎ』に怖さを感じてしまうのですが、最初から、かなり構えやすい『ユーティリティクラブ』という位置づけで使っていったほうが、慣れやすい感じがしました。
かなりターゲットを絞り込んで狙っていく・・・。という感じは出せませんでしたが、おおよその距離を軽く楽に打っていくのに適しているクラブだと思います。
『2番手以上の距離』を軽く振り抜いていくだけで、楽に稼ぎやすいクラブだと思います。
刻印されている番手を気にするのではなくて、あくまでも『ロフト』を考慮していったほうがいいような気がしました。
最近は、ウェッジでも『P』や『A』『S』という刻印よりも、『ロフト表示』だけされているものが多いですが、こういった『ストロングアイアン』もそういった感じがいいような気がします。
アイアンの番手のロフト設定が、こうもバラバラだと、番手を表す刻印の意味はあまりないような気がしました。

今、色々なユーティリティを探しておられる方もたくさんいらっしゃると思います。
私もそうですが、出来れば『アイアン型』を使ってきたい・・・。という方も多いと思います。
やはりある程度狙っていくには、アイアン型のほうが有利だと思います。
このクラブを1セット、アイアンとして使うのではなく、単品(例えば4番だけ)をユーティリティクラブの代わりに使っていく・・・。という方法も有効なのではないでしょうか?
かなり打ちやすいユーティリティになってくれるような気がします。

この7番アイアンが、確実に『5番アイアン以上』の役割を果たしてくれるので、それ以上の距離を打っていきたいときは『6番』や『5番』で充分まかなえるのではないでしょうか?
こうして、このクラブはユーティリティなんだ・・・。と自分自身に言い聞かせるようになると、すごく難易度が下がってきました。
『軽量感』や『軟らかさ』が難しさを感じさせてしまうところが正直あったのですが、それ以外は極端に難しく感じるところはありませんでした。
『200ヤード以上』の距離が、確実に易しくなると思いました。

このクラブの何番か、一本だけをキャディバッグに入れておくのも『アリ』だと思いました。
店員さんの話によると、このアイアンはカーボンシャフトが『純正』ということで、スチールシャフトはラインアップされていないそうなのですが、もしスチールシャフト装着モデルがあると、もっと難易度は下がるような気がします。
このような『飛びすぎるクラブ』を、まだキャリアの浅い若い方が使うのは、正直私はどうなのかな・・・?と思ってしまいますし、どちらかというと年月と共に、距離が落ちてきてそれを補いたい方が使うべきなのだと思います。

上級者の方を満足させる性能を持っていると思います。
微妙なニュアンスは伝えづらいところがあるかもしれませんが、こういった『大らかさ』をもったアイアンに好感を持たれる方もたくさんいらっしゃるのではないでしょうか?
アイアンに『手動式』と『自動式』の二種類があるとするならば、このアイアンは明らかに『自動式』に属するアイアンだと思います。
これまで接してきた『フォーティーン』のアイアンは、どちらかというと『フィーリング重視の手動式』といった印象があったのですが、この『PC-66X』というアイアンは、それらとはかなり違ったタイプのアイアンだと思いました。
今年、私が出会ってきた全てのアイアンの中で、最も印象深いのが『フォーティーン TC-910 フォージド アイアン』です。
このアイアンの好印象は忘れることが出来ません。
今でも時々試打クラブを借りては、その好フィーリングを楽しんでいます。
かなり気に入っているアイアンです。
好フィーリングでありながら、打ちやすさにも磨きが掛かったアイアンです。
今回のこの『PC-66X』と比べても、どちらが易しいか・・・?と問われると、私は迷わず『TC-910 フォージド』を選びます。
しかし、これはやはり人それぞれの好みによるところが大きいので、一概に言えない部分もあるので、この『PC-66X』も、かなり多くの方の支持を集められると思います。
これまでのフォーティーンのアイアンのイメージとは、やや違った感じのするアイアンではありますが、高性能で素晴らしいアイアンだと思いました。
『飛距離』『球のあがりやすさ』『ミスに対する強さ』の三拍子が揃ったハイグレードなアイアンだと思います。
これからのフォーティーンのアイアンにも、大いに期待したいと思いました。
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