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2023年04月28日
METALFACTORY COMPOSITE CAST アイアン

今日は、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは METALFACTORY COMPOSITE CAST アイアン の7番 です。

シャフトは MURAKUMO-HAYATE です。
ロフトは29度、クラブ長さは37.25インチ、シャフトフレックスはR、シャフト重量は57g、トルクは3.4、バランスはC9、キックポイントは中先調子、クラブ総重量は370g です。

久しぶりに出会った、メタルファクトリーのアイアンです。
これまで、試打した本数は少ないですが、強く印象に残っています。
それは、この綺麗な質感です。
私が好む軟鉄ではなく、ステンレス系の質感ですが、とても綺麗で高級感があり、チープさは全くありません。

ハイテク感の漂う、ポケットキャビティです。
ポケキャビは、色々なパーツが組み合わさった、いわゆる『ゴチャゴチャ系』が多いですが、このアイアンはとてもシンプルで好感が持てます。

バックフェースには『MANUFACTURING STUDIO KOBE JAPAN』という文字がありました。
日本の神戸にある工房で作られたということでいいのでしょうか?

彫りはかなり深いです。

トップラインは少し厚めですが、それほど気になることはありません。

ワイドソールで、かなり重心が低そうです。

よく見ると、トゥ側に何らかの工夫が見られます。
ウェイトが組み込まれているのでしょうか?

ネックは少し短めですが、今のアイアンでは普通といっていいと思います。
グースタイプであることが分かりましたが、このグースの具合がいかにもステンレスという感じです。
軟鉄アイアンのグースと、違う雰囲気があります。
こういったところにも、工夫しやすい軟鉄と、工夫しづらいステンレスという素材の違いが垣間見られます。

フェース面にミーリングはありません。
このフェース面を見ても、ステンレスっぽい質感があり、軟鉄と大きく異なる部分です。

素振りをしてみた感じはまずまずです。
ヘッドは大型ですが、クラブ全体は軽量感があり、ギャップがあります。
重量があるほうが、安定感が増すと思うのですが、その重量は人によって違ってくるので、どの重さがベストかは一概に言えません。

ボールを前にして構えてみると、想像していたのと違って、好感が持てました。
もっとクセがきついものだと思っていましたが違います。
グースタイプでトップラインも丸みを帯びていますが、特にマイナスイメージは出てきません。
この顔を見て、懐かしいなぁ・・・。と思いました。
昔はこのような顔がたくさんあったからです。
外見はいかにもハイテクっぽい現代風でありながら、構え感が昭和時代に逆戻りしたようなクラシカルな雰囲気がありました。
試打を開始しました

『打感』は、やや薄く予想通りでした。
『球乗り感』は殆ど無く、弾き感のある打感です。
このようなタイプのアイアンで、硬くゴツいタイプのアイアンがありますが、このアイアンは硬すぎず嫌な衝撃も残らないので、好感が持てました。
私がアイアンに求めたい打感とは大きくかけ離れているのですが、こういう打感もアリなのだと思います。

球はあがりやすくてイージーですが、今のイージー系アイアンの中では普通といったところでしょうか?
タフさは全くなく、幅広い層をターゲットにしたアイアンだと思います。

『安定性』はとても高く、かなりイージーです。
重心が深く、それによる安定感(曲がりにくさ&直進性)が保たれているように感じられました。
彫りの深いポケキャビの長所が存分に味わえるアイアンです。
アイアンに限らず、ドライバーなどでも、重心が深いクラブは『後ろから押していく感覚』があり、それがフェース面の安定につながりやすいように感じます。
逆に『反応の速さ』による操作性の高さを求めるならば、重心が浅いほうが良く、それがアイアン本来の魅力ではないでしょうか?
ダウンブローが苦手で、レベルに近い感じで打っていきたい方には、重心の深いアイアンのほうが適しているのかもしれません。

『飛距離性能』はとても高く、私の感覚では5番アイアンから4番アイアンの間くらいの飛距離に感じられました。
つまり『4.5番アイアン』といったところでしょうか?
かなり飛距離が出ますが、それが簡単に打てちゃうのだから、技術の進歩による恩恵を確実に受けています。
フェースの弾きが良く、明らかに『飛ばし』に特化したアイアンであることは間違いありません。
しかもヒッターよりはスインガータイプの方に合いやすいアイアンです。

『操作性』は、まずまずです。
完全にオートマチックタイプのアイアンですが、顔がいいので、ある程度は曲げられるだろう・・・。と思い、トライしてみました。
結果的にマニュアルタイプのような弧を描くのは難しかったのですが、一応左右に少し曲げることができました。
どうしても『反応の良さ』というよりも、『大らかさ』『鈍感さ』が勝っちゃいます。
しかし、これは今のニーズに合っているので、凄いな・・・。と思いました。
試打後の感想

ステンレスをここまで美しく仕上げているのはさすがです。

ある海外メーカーは、ステンレス系アイアンにこだわっていますが、その質感がどうしても好きになれず、試打していてもあまりテンションが上がらないこともあるのですが、今日は楽しみながら試打できました。

かなり大らかで寛容なアイアンなので、この寛容さに慣れてしまい、それが当たり前になってしまったら、失う物も大きいだろうな・・・。と思いました。
易しければそれで良い・・・。というものではなく、ゴルファーとゴルフクラブは『二人三脚』で歩んでいくのだから、プレイヤーの成長を促してくれるクラブこそが、最高だと思っています。
そしてそういうタイプのクラブは、もう何十年も前から存在しています。

不安定だから面白い。
上手くいかないから、どうしたら上手く打てるのか?考えるのが楽しい・・・。という昔の自分を思い出していました。

簡単だけど、その簡単さがつまらない・・・。退屈だ・・・。と感じることもあるのかな・・・?と思いましたが、それはこのアイアンがそれくらい易しさに特化しているということです。
このアイアンもいわゆる『飛びすぎる』アイアンなので、縦の距離感が難しいですが、それを克服できれば、かなり頼もしい相棒へと変貌してくれるのではないでしょうか?

高い次元でも安定感と飛距離性能をもった、高性能なアイアンです。
私が求めたいアイアンの形とは違っていますが、こういうアイアンも面白いな・・・。と思います。
☆
構えやすさ・・・☆☆☆
打感・・・・・・☆☆
あがりやすさ・・☆☆☆☆
安定性・・・・・☆☆☆☆☆
飛距離性能・・・☆☆☆☆☆
操作性・・・・・☆☆☆
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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