テーラーメイド NEW P770 アイアン - ゴルフクラブ試打日記。


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2023年02月08日
  

テーラーメイド NEW P770 アイアン

                 



テーラーメイド NEW P770 アイアン
今日は、このゴルフクラブ試打しました。

試打クラブ
テーラーメイド NEW P770 アイアン の7番 です。



Dynamic Gold EX Tour Issue
シャフトは Dynamic Gold EX Tour Issue です。

ロフトは33度、クラブ長さは37インチ、シャフトフレックスはS200、シャフト重量は131g、キックポイントは手元調子 です。



正面
テーラーメイド『Pシリーズ』の新しいアイアンです。

以前、770というアイアンは試打したことがあるのですが、同じ名前でのニューモデルということのようです。

数字を変えてくるのが普通だと思いますが、それだけこの『770』という数字にはメーカーのこだわりがあるのかもしれません。



側面
シンプルでカッコいいアイアンです。

こうして見ても、前のモデルからどう進化(変化)していったのか分かりません。

実際に見比べてみると細かな違いが分かると思うのですが、このアイアンひとつしかないので、それができないのが残念です。



TUNGSTEN
ヒール側には『TUNGSTEN』の文字があり、これはもうお馴染みになりました。

アイアンに限らず、多くのクラブの『重心および重量調整』に使われてきた『異材』です。

タングステンは希少金属ではなかったのでしょうか?

あまりにも頻繁に見かけすぎです。

比重の重い素材を組み込むことで、重心やバランスを変え、設計自由度があがるのはいいことですが、肝心の重心バランスが狂ってしまったり、打感も悪くなったり・・・。と、いいことばかりではないと、これまでの経験から感じています。

見た目はナチュラルでも、実際はそうでもないのが、このようなシステムのクラブです。

通常は中央付近か、逆にトゥ側とヒール側に配置されることが多いと思うのですが、バックフェースのデザインを見て、ひょっとしたらトゥ側だけに配置されているのかな?と思いました。

アイアンやウェッジは中央から若干ヒール寄りでヒットすることが私は多いので、できれば中央かヒール寄りに重心があったほうがいいような気もするのですが、最近はトゥ寄りに重心があるアイアンが増えてきているようです。

キャビティのようにヒッティングエリアの周辺に重心をもっていって囲い込むような(いわゆる凹型)のアイアンもあれば、その逆の凸型のアイアンもあり、どれがいいかは一概に言えません。



ネック長さ
ネックの長さは標準的で好感が持てました。

そして長さよりも太さがいい感じです。

ネックが太くてボテッとしているのはあまり好きではありません。

テーラーメイドのアイアンといえば、ステンレスのイメージが強いですが、このアイアンは落ち着いた感じで軟鉄のような質感があります。

私はこの角度から見るアイアンに、『色気』『艶っぽさ』を感じることがあるのですが、今日はそれがありませんでした。

好感の持てる形状ですが、目の保養ができるほどではありません。



FORGED
ホーゼルに『FORGED』の文字があったので、やはり軟鉄のようです。

これは過去のモデルと共通しています。



ミーリング無し
フェース面にミーリングは見られません。

『スタンプ式』の大量生産モデルです。

スコアラインは14本で標準といっていいと思います。

2010年から角溝規制(まずはプロ向け)が始まりましたが、ルールに違反しない『ギリギリ』のところで攻めて欲しいといつも思っています。

今は『丸っこい』ものが多すぎます。

溝もそうですが、その『両端』も丸っこくなく、角があったほうが見た目の印象も良くて好きです。

実際はそうでもないのですが、丸っこいとどうしても『滑って』しまいそうで、ここに角があると『食いつき』『スピン』をイメージできます。

アイアンはボールを『止める』クラブなので、スピンをイメージさせて欲しいといつも思っていますが、ここの部分はルール上デリケートですし、手間も掛かるので、多くのメーカーが『無難』なフェース面を採用しているのかもしれません。

手を掛けるところはいつも同じで、手を掛けるところとそうでないところのバランスがとれていません。

テーラーメイドらしい『個性』を発揮して欲しいですが、なかなかそれが見られないのが残念です。

『保守的』ではなく、『先進的』で『革新的』なメーカーだと私は思っています。

テーラーメイドは『ウッドが得意な』メーカーですが、アイアンでも革命を起こして欲しいです。

一時期、テーラーメイドは安価でコスパが良く、ニューモデルが発売される頻度がナンバーワンでしたが、今では大きく変わり、他のメーカーと同じような頻度ですし、価格もあがっているので、できればもっと『手間』を掛けてくれると嬉しいです。

他のメーカーと同じことをしない、むしろ他のメーカーがやっていないことをやって流行を作り出すのが、テーラーメイドというメーカーの最大の長所といえるのではないでしょうか?

決して手を抜いているわけではないと思うのですが、『スピード(生産性)重視』でクラブを作っているな・・・。というのが、ひしひしと伝わってきます。

アイアンやウェッジのフェース面を見て、『スタンプ』ではなく、『削り・彫り』を連想させて欲しいですが、そのようなクラブはほとんどありません。

実際に球を打つだけでなく、見ているだけで良いインスピレーションが自然と湧いてくるのが、名器と呼ばれるクラブです。

私たちプレイヤーの心に残るクラブを作って欲しいです。



ソール幅
ソール幅は標準的ですが、ワイドに慣れておられる方には狭く見えるかもしれません。

ソールを見ているだけで、インパクトや『抜け』をイメージすることがあるのですが、今日は全く浮かびませんでした。

いい意味で『無難』。

逆の意味ではイメージ力をかき立てないソールです。

私はこれくらいのソール幅が好きなのですが、何故か今日は淡々としていました。

何かこう、訴えてくるものがありません。

残業続きで疲れているのかな?と思いました。

そうだとしたら、ときめかないのはクラブではなく、私の方に原因があります。



ソールの溝
テーラーメイドに『標準装備』されている、この溝もお馴染みです。

最初見たときは興味津々で、どういう意味があるのだろう?と思っていましたが、今は思わなくなりました。

良い効果をもたらしてくれているのだろう・・・。とは思っているのですが、それを体感できていないからなのかもしれません。

溝があるモデルと無いモデルで打ち比べてみたいです。

そうすると、溝の効果が実感できるのかもしれません。



装着されているグリップ
装着されているグリップはシンプルなタイプで好感が持てます。

グリップは黒が多いですが、このようなグレーっぽいものもいい感じです。



振り感
適度な重さがあって、タイミングが整いやすいです。

重力を使っていけるので、『上げて下ろす』。

もっといえば、上げるだけで、下ろすのは『重力任せ』にできるのがいいです。

軽量タイプだと、こちらの仕事も増えますが、適度に重さがあるクラブだと、重力を利用しやすくなります。

人の力加減はバラバラになりやすいですが、重力は常に一定で、必然的に安定性が高まるのが適度な重量のあるクラブの特長です。

軽いクラブのほうが易しい・・・。と思っておられる方もいらっしゃるかもしれませんが、実際はそうとはいいきれず、適度な重量のあるクラブのほうが安定感が増し、スイングの再現性も高まるので易しくなります。

とはいっても、人によって『適した重量』があるので、どの重さが一番とはいいきれないのですが・・・。



構え感
ボールを前にして構えてみると、クセがなく、好感が持てました。

歴代『Pアイアン』と共通する、構えやすさです。

実際に見比べていないので分かりませんが、おそらく『顔』はほとんど変わっていないのではないでしょうか?

グースが弱く、ラインを出しやすいです。

ボールとの『大きさの対比』も良く、イメージがぼやけることがありません。



試打を開始しました


フェース面
『打感』は中空らしい、ペチャッとしたところがあって、好みからは外れるのですが、これは予想通りでした。

易しさの代わりに、フィーリングが犠牲になるというデメリットは未だ改善されていないようです。

美しい外観に見合わない打感だから、余計に物足りなさを感じてしまうのかもしれません。

中空独特の、このペチャッとした打感も、少し和らいでいるように感じました。

打感や顔の好みは、『経験』が大きく関わっていると思うので、最初から中空アイアンでゴルフを始められた方は好感のもてる打感ではないでしょうか?

フィーリングは人それぞれで、正解はありません。

私の好む打感ではないですが、だからといって、このアイアンの打感が劣っているとは思わないですし、メーカーもあえてこの打感にこだわっているような気がします。



トゥ側
『球のあがりやすさ』は普通といったところでしょうか?

過去のモデルと変わっていないように感じます。

見た目シンプルでカッコいいアイアンではありますが、タフなアイアンではなく、適度に球があがりやすくなっているのが、このアイアンの特長です。

上から潰してダウンブローで・・・。というのが苦手な方で、レベルに近い感じで打っていきたい方にも親しみやすいアイアンといえるのではないでしょうか?

しかし明らかにヒッター向けのアイアンですし、重すぎて上がらない・・・。という方もいらっしゃるかもしれません。



バックフェース
『安定性』は高く、イージーです。

見た目のカッコ良さと反比例するような易しさ・寛容さがあるのが、中空アイアン最大の特長です。

見た目はマッスルバックのようでも、実際はノーマルキャビティのような易しさがあります。

大顔タイプではないので、少し苦手に感じる方がいらっしゃるかもしれませんが、スイートエリアも広く、シビアさは感じません。

親しみやすく、ハードルを下げたアイアンです。

ただ、スイートエリアは広くても『スイートフィーリングエリア』といいますか、『グッドフィーリングエリア』は狭く、ややボヤけた感じがします。

スイートエリアが広くても、打感の良いエリアが狭いアイアンがほとんどです。

それが広いのが、やはりマッスルバックやハーフキャビティのようなアイアンだと思います。

確実にここでヒットすれば、良い打感が得られると分かっているのが、マッスルバックやハーフキャビティのような『正直』なアイアンで、これは昔から変わっていません。



飛距離性能
『飛距離性能』は、やや飛びといったところですが、今のアイアンの中では普通といっていいのかもしれません。

私には1番手は飛ぶ印象ですが、今は『2番手以上』が当たり前となっているので、特別優位性は感じなかったのですが、メーカーもあえてそうしているのではないでしょうか?

飛びすぎることで生じるデメリットを回避するために、このようにしているのだと思います。

『やや飛び』のアイアンではありますが、明らかにヒッター向けのアイアンです。



操作性
構えやすく大顔ではないので、操作性は高いだろうな・・・。と思っていましたが、その通りでした。

左右どちらにも反応してくれます。

クラブの操作性はシャフトが関係するのはもちろん、それ以上に『ヘッドの反応速度』が関わってくると思うのですが、このアイアンはいい感じです。

マッスルバックのような敏感で『半径の小さい』反応速度(ハイスピード)ではなく、ややゆっくりでありながらしっかりと反応してくれる『ミドルスピード』といったところでしょうか?

車が好きな方であれば、『F1マシン』と『大型バス』のステアリングをイメージされると伝わりやすいかもしれません。

どちらも一長一短があります。

大顔だと反応が鈍くなるので右に抜けやすくなりますが、このアイアンは適度な大きさでそのような心配は無いですし、グースがきつくないので、逃がすことも簡単です。



試打後の感想


ヒール側
プレイヤーの中には、グースが易しくて、ストレートは難しい・・・。という『刷り込まれた感覚』をもっておられる方もいらっしゃるかもしれません。

実際はグースが易しくて、ストレートが難しいということではないですし、どちらが良い悪いというものでもありません。

実際に使うプレイヤーの好みで選ぶべきです。

これまでグースを使ってきたけど、何だか合わないな・・・。難しいな・・・。と感じておられる方は、このようなアイアンを試してみられるのもいいのではないでしょうか?

不調になったとき、スランプに陥ったとき、自身の使っているクラブを見直すことで、案外と『トンネルの出口』はすぐにやってくるものです。



TaylorMade NEW P770 アイアン
自分自身にベストマッチしていないクラブを使っておられる方はたくさんいらっしゃるのではないでしょうか?

今のアイアンはカッコ良くて易しいものが多いので、カッコいいからといって敬遠して欲しくはありません。

たくさんのクラブを試して、データに基づきながら最終的にはご自身の感覚で選んでいただきたいです。

経験を積めば積むほど、その感覚が研ぎ澄まされていくものだと私は思っています。



TaylorMade NEW P770 アイアン
決してクラブからは来てはくれないので、やはりプレイヤーからクラブに歩み寄っていく必要がありますね。

相棒を選ぶのはプレイヤー自身です。



TaylorMade NEW P770 アイアン
見た目はマニュアル系でありながら、実際は『セミオートマチック』的なアイアンです。

この見た目とのギャップもいいですし、打感以外で大きな不満はありません。

ヒッター向けのアイアンなのは間違いないですが、球もよくあがってくれ高さも出せました。



TaylorMade NEW P770 アイアン
アイアンで球があがらない・・・。という方の、インパクトのイメージは、『フェース面が上に向く』ということが多いかもしれませんが、それではあがりません。

逆にザックリやトップが出てしまうおそれもあります。

上では無く、その反対の『下』を向くイメージをもたれると、ボールはあがり、距離も出るようになるのではないでしょうか?

『逆もまた真なり』です。

インパクト(そしてその先)でフェースが下を向き続け(ロフトが立ち)、ボールがフェース面を駆け上がるようなイメージをもつといいのだと、私は練習を積んで掴みました。

とはいっても、これはソールが薄くロングネックな高重心のアイアンで得た感覚なのですが・・・。

しかし、これは応用が利くので、多くのアイアンで活かせます。

『上げようとするから上がらない・・・。』のだということを学びました。



TaylorMade NEW P770 アイアン
試打しながら、前のモデルと、どこが変わったんだろう・・・?と探っていたのですが、それをはっきりと感じ取ることはできませんでした。

ひとつ感じたのが、打感が少し良くなったことです。

これまでの中空独特の『ペチャ感』が少し和らいだような気がしました。

これは設計自由度の低いアイアンの宿命なのかもしれませんが、最新モデルでありながら、前のモデルとの大きな違いは感じられませんでした。

しかし、これは前のモデルのいいところをしっかりと継承していて崩れていないということです。

カッコ良くて易しいのが中空最大の特長といっていいと思いますが、私は全く同じ性能なら中空ではなく、普通のキャビティを選びます。


構えやすさ・・・☆☆☆☆
打感・・・・・・☆☆☆
あがりやすさ・・☆☆☆
安定性・・・・・☆☆☆☆
飛距離性能・・・☆☆☆
操作性・・・・・☆☆☆☆

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

テーラーメイド ゴルフ 直営オンラインショップ
                         
        
                         

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