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2023年01月19日
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テーラーメイド STEALTH2 ドライバー

今日は、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは テーラーメイド STEALTH 2 ドライバー です。

シャフトは Tour AD CQ-6 です。
ロフトは9度、クラブ長さは45.25インチ、シャフトフレックスはS、シャフト重量は64g、トルクは3.4、キックポイントは中調子、クラブ総重量は311g です。

テーラーメイドステルスシリーズのニューモデルです。
前のモデルが発売されて、まだ間もないような気がしていましたが、早くも新製品の登場です。
この『スパンの短さ』が、テーラーたる所以といったところでしょうか?

前作は比較的シンプルな構成でしたが、今回は『お約束』というべき、ウェイトが配置されています。
こうして見ると、デザイン的にはステルスでも、その前のモデルのSIMの特徴も取り入れたように見えます。
カッコ良さが増して、好感が持てます。
前作と見比べてみないと分かりませんが、少し質感も良くなったような気がします。
私は黒いヘッドは好きですが、前のモデルはちょっと『コールタール感』があって、あまり好きではありませんでした。
こうして見る限り、『黒いSIM』のように感じますが、クラブ自体の性能はそれほど変わっていないのかもしれません。

バックフェースには大きなウェイトがあり、これもお馴染みになりました。
かなり大きなウェイトなので、重心も深そうです。
『25G』という文字があったので、そのまま25gということでいいのだと思います。
専用の工具を使えば取り外せそうですが、ウェイトを交換できるタイプなのでしょうか?
ヘッドの重さは、だいたい『200g前後』が多いので、そのなかでの25gということは、かなりのウェイトを占めています。
こういったところは、PINGを意識しているのでしょうか?
デザインは違っていても、性能を近づけているように見えます。

このSPEED POCKETもお馴染みです。
今は『溝の無い溝』になってしまいましたが、今のところ、これがベストなのかもしれません。
こういったところを見ると、やはり今回も『フルモデルチェンジ』ではなく、『マイナーチェンジ』なんだな・・・。と思いました。

溝も深くなく、『段差』といっていいと思います。
もうRBZのようなクラブをテーラーメイドは作らないのでしょうか?
時が経てば、また形を変えて同じようなモデルが登場するような気もするのですが・・・。

ヒール側にも大きなウェイトがあり、重心を短くしているようです。
テーラーメイドのドライバーはどちらかというと、『重心距離長め』というイメージがありますが、ラージサイズで球のつかまりを良くする為に、このウェイトを配置しているのかもしれません。
しかし、トゥ側に重心があったほうが振りやすく、球をつかまえやすい・・・。という方もたくさんいらっしゃると思います。
シャフトを軸として振っていくか、それとも『ヘッドの先』を意識して振っていくか・・・。という、プレイヤーのイメージの持ち方によっても変わってくるのではないでしょうか?
私は重心距離が長いドライバーはどちらかというと苦手で、もっと言えばラージサイズ自体が苦手に感じることが多いです。
アイアンとの大きさの対比においても、ドライバーヘッドはあまり大きすぎないほうがいい・・・。という結論に達しています。
これまでも書きましたが、ヘッド体積『460cc』というのは、あくまでも『ルール上許された最大体積』ということであって、必ずしも『最適な大きさ』ではないからです。
今は殆どのドライバーが460ccだと思いますが、ドライバーが難しくなった・・・。と感じておられる方は思い切って、少し小ぶりなドライバーにチェンジしてみるのもひとつの策だと思いますし、私の周りにはそれで調子を取り戻し成功した人がいます。
多くのメーカーは『プレイヤーのためのクラブ』ではなく、『売れるクラブ』を作るのであって、それはビジネスである以上仕方ありません。
大切なのは、私たちプレイヤー自身が、自分に合ったクラブを選択していくことです。
最新のクラブが必ずしも最高ではありません。
最新のクラブを使って、かえって調子を落としてしまうゴルファーはプロアマ関係なくたくさんいます。

ネックには調整システムが搭載されていて、一時期少なくなったように思っていましたが、最近はまた少しずつ復活してきているようです。
ユーザーからの要望が多いからではないでしょうか?

ネックの長さは前のモデルと変わらないような気がしますが、今度機会があれば見比べてみようと思います。
『STD LOFT』のポジションで試打することにしました。

カーボンフェースということもあり、独特な質感です。
新品のうちは、このように綺麗ですが、使っていくうちに、かなり質感なども変わってくるように見えます。
ゴルフクラブには使っていけばいくほど『味の出るもの』と、逆に『摩耗して魅力的でなくなるもの』がありますが、このドライバーは後者のほうだと思います。
とはいっても、テーラーメイドはクラブを長く大切に使ってもらいたい・・・。という考えは昔からもっていないようで、できるだけ早いスパンで新製品を買い替えて欲しい・・・。というスタンスのようです。
ビジネスである以上、それが正解なのかもしれませんが、私は気に入ったクラブをある程度長く使っていきたいタイプです。

標準的なシャローで、前作と変わっていないようです。
テーラーメイドではよく見るシャローなので、『テーラーシャロー』といったところでしょうか?

顔はとても良くなったように思います。
先ほども書きましたが、前のモデルは『コールタール感』が強すぎて、あまり好きではありませんでした。
黒いヘッドが好きで、艶消しもいいですが、前のモデルはクラウンの質感もそうですし、フェースが被っているように見えたので、あまりテンションがあがりませんでした。
ソールのデザインなど、いろいろなところが変わっていますが、この顔の印象が一番違います。
明らかにこちらのほうが良くて、だんだんとテンションがあがってきました。

装着されているグリップはシンプルなタイプで、なかなかいい感じです。
テーラーメイドのドライバーにはあまり見られないグリップですが、これも今年の流行でしょうか?
その年によって、グリップの流行があるのかもしれません。
メーカーは違っても、同じグリップが挿してあることが多くなりました。
テーラーメイドはどちらかというとグリップにはあまり力を入れていないイメージがあり、今回もそうなのかもしれません。
ゴルフキャリアが長くなると、そのクラブの未来が見えるようになる・・・。といいますか、『経年劣化』をイメージすることがあるのですが、このグリップは使用して、しばらくすると、『細かなひび割れ』が生じ、『つるつる度』も増してくるような未来が通常のグリップよりも強く浮かんできました。
しかし、それはゴムである以上、仕方ありません。
ゴムは使わなくても劣化していくものです。

グリップエンドがとても変わっていることに気づきました。
これは、このグリップだからでしょうか?
それとも、ステルス2に対しての特別バージョンなのでしょうか?
シャフト専用のグリップエンドなのかもしれません。
以前試打したヨネックスのドライバーのグリップエンドに特別な工夫がされていたのを思い出しました。

素振りをしてみると、すごく良くて、いい意味で意外でした。
いつものようにアンダースペック過ぎて、しなりが大きく『当たり負け』しちゃうタイプなのかな?と思っていましたが、違います。
結構しっかりしていてタイミングもとりやすいです。
素振りをしていて、ヘッドの挙動が不安定でその位置を感じにくいシャフトは今もたくさんありますが、今日は違います。
しっかりヘッドを感じながら振っていくことができました。

このツアーデザインの『CQ-6』というシャフトを手にするのは初めてで、とてもカッコいいデザインだな・・・。と思いながら見ていたのですが、このシャフトが純正なのでしょうか?
それともカスタムシャフトという位置づけなのでしょうか?
詳しいことは分かりませんが、店員さんに聞くことなく、試打を勧めていくことにしました。
分からないまま試打するほうが、いろいろと想像力を働かせられるので楽しいです。

ボールを前にして構えてみると、いい感じでした。
『逃がし顔』というほどではなく、どちらかといえば、『ややつかまりそうな顔』に見えましたが、それはごくわずかで、かなり『中立』に近いように見えたので、方向性への不安はありません。
いわゆる『つかまえ系』の顔だと、私は予め少し右を向いて構えることが多いのですが、今日は普通に構えて試打することにしました。
フックフェースがきついと、どうしても『逃がすイメージ』で打ちたくなりますが、今日は自然な感じ・・・。といいますか、ニュートラルに構えることができ、まずは『お手並み拝見』といった感じで試打することにしました。
試打を開始しました

『打感』は、『ややしっかりめ』でありながら、硬すぎず好感が持てました。
ソフトな打感ではないですが、むしろこれくらいはっきりした『抵抗感』のある打感のほうが好きだ・・・。という方は多いのではないでしょうか?
前のモデルは少し『こもった』ような打感だったと記憶しているのですが、このドライバーは違っていて、はっきりしています。
実際に打ち比べてみないと、その違いは分かりませんが、おそらく大きな違いがあるように感じます。
程よい『抵抗感』と『球の質感』が感じられ、インパクトの瞬間、グッと乗せて『球を変形』させるイメージが浮かんできました。

『音』は、やや大きめですが、高すぎず、嫌な感じはしません。
しっかりと叩いていっても、邪魔になることはありませんでした。
『聞き惚れる』音ではないですが、何の不満もなく、気持ちよく振り抜けました。
テーラーメイドはこれまで、どちらかというと『フィーリングは後回し』で、とにかく『機能性重視』といった印象がありましたが、今回は変えてきているのでしょうか?
『構え感』『打感』『音』で、そのように感じました。
とはいっても、劇的に変わっているということではなく、少し改善されている・・・。というのが正しいような気もするのですが・・・。

『球の上がりやすさ』という点では、明らかにヒッター向けで、HSは40後半~を対象にしているのではないでしょうか?
それはロフトもそうですし、やはりシャフトの特性が大きく関わっています。
テーラーメイドのドライバーを試打して、久しぶりに『叩ける』ドライバーに出会ったような気がします。
もちろん、ロフトを選んだり、シャフトを選べば、以前から叩けるスペックのドライバーはあったと思いますが、試打する段階で、なかなかこのようなスペックに出会うことはありません。

『安定性』は高く、ミスに寛容といいますか、ミスを感じさせない、いい意味での『曖昧さ』があります。
球はよくつかまり、右に抜けることもなく、ほぼ真っ直ぐに飛んでいきました。
最近はイメージが出しづらいドライバーもあるのですが、このドライバーは構えたときにイメージがすぐに湧いてきましたし、実際に打ってもそのイメージにかなり近いものがありました。
スイートエリアも広く、『頑固』なまでのオートマチックタイプです。
私には少しつかまりがいい感じがしますが、スライスがフェードへと、実戦で使える球を量産できるドライバーといっていいのではないでしょうか?

『飛距離性能』は、好感が持てました。
叩いても球が吹き上がらず、強い球が打てるのがいいです。
後ろから押していけるのがすごくいいな・・・。と思いました。
これは特にシャフトが大きく関わっているのは間違いありません。
かなり昔から、テーラーメイドは『ヘッドとシャフトのバランスがとれていない』印象が強くありました。
それはどういうことかといいますと、せっかくヘッドはよく仕上がっているのに、肝心のシャフトが頼りなく『当たり負け』しちゃっているものがたくさんあったからです。
シャフトがしっかりしていれば、『ドライバー・オブ・ザ・イヤー』に輝いたのにな・・・。というドライバーも過去に何本かありました。
そういった残念なドライバーもたくさんあったのですが、今回はいい感じです。
早くも『前半のMVPか?』と思えるほど、高いポテンシャルを発揮してくれました。

『操作性』という点では、あまり秀でていないようです。
高い直進性が邪魔して、なかなか大きく曲げることができません。
自分では大きくスライスを打ったつもりでも、構えた方向へそのまま真っ直ぐ飛んで、大きなカーブを描くことができませんでした。
曲がりが小さく、かなり真っ直ぐに近い球で飛んでいくので、アドレスをしっかりとり、『出球の方向』が良ければ、後は全て良し・・・。と言えるドライバーです。
方向性を気にするあまり、『当てにいこう』と意識してスピードが減速してしまえば、それが曲がる要因となることもありますが、最近のドライバーはそれを気にする必要はありません。
昔のドライバーのように、打ち出し方向は良くても、途中から曲がってしまった・・・。ということが無いので、強く叩いていくことに集中できます。
インテンショナルなショットを打つのには向かないかもしれませんが、それが短所でもあり、長所でもあるドライバーです。
試打後の感想

前のモデル(ステルス1)は正直、あまり好きになれなかったのですが、今回のセカンドモデルは良くなり、明らかに改良されています。
クラブの質感と、飛距離性能が前作よりも良くなっています。

『黒いSIM』といったらいいでしょうか?
ステルスの後継モデルでありながら、かなり『SIM』に近いな・・・。と思いながら試打していました。
私は前のモデルのステルスよりも、その前のモデルのSIMのほうが好きだったので、このステルス2のほうが好きです。
ただ、『曲がりにくさ』という点では、大きな違いは無いような気がします。

こうして見ても、まるでSIMのようです。
たくさんの新たな技術も導入されていると思いますが、今回は『デザインの焼き直し』といったところでしょうか?

全体的に質感も良くなり、垢抜けた感じがします。
性能的なことも含め、『新たな前進』というよりは、『いい意味での後進』といえるのではないでしょうか?
良かったものを、時が経って再び採用しているように感じました。
改良したつもりが、実は『改悪』だった・・・。ということは、ゴルフクラブに限らず、よくあることですが、このドライバーは過去のモデルの良かったところを再現して、輝きを取り戻したような気がします。

毎回毎回、前作を上回るクラブを開発するのは、どのメーカーでも難しいと思いますが、このステルスに関しては『1』よりも『2』のほうが明らかにいいです。
今回のモデルも、『カーボンとチタンの混合』だと思いますが、いずれ昔のヨネックスのように『フルカーボンヘッド』が登場する日も、そう遠くないのかもしれません。
テーラーメイドは常に『時代の先駆者』である、クラブの流行・方向性を見いだしていくメーカーなので、これからも私たちゴルファーをワクワクさせてくれるドライバーを開発しつづけて欲しいです。
☆
構えやすさ・・・☆☆☆☆
打感・・・・・・☆☆☆
音・・・・・・・・・☆☆☆
あがりやすさ・・☆☆
安定性・・・・・☆☆☆☆☆
飛距離性能・・・☆☆☆☆
操作性・・・・・☆☆
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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