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2022年12月26日
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クリーブランド CVX ZIPCORE ウエッジ

今日は、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは Cleveland CVX ZIPCORE ウエッジ です。

シャフトは Diamana for CGII です。
ロフトは58度、クラブ長さは35.25インチ、シャフトフレックスはWEDGE、シャフト重量は57g、キックポイントは中調子、トルクは2.9,クラブ総重量は416g です。

クリーブランドのニューウェッジです。
クリーブランドといえば、ウェッジですが、最近はドライバーやFWなどが登場してこないのでさみしく思っています。
しかし、今はダンロップ傘下ということで、スリクソンやゼクシオがその穴埋めをしているのではないでしょうか?

大きさは標準的ですが、バックフェースにたくさんの工夫が見られます。
クリーブランドのウェッジはシンプルなフラットバックタイプもあれば、このような高い機能性を感じさせるデザインもあり、『二極化』が進んでいるようです。
アイアンやウェッジは見た目で、ほぼ性能を把握しやすいので、このウェッジは親しみやすいオートマチックタイプであることが分かります。

彫りは結構深く見えますが、そこに黒いパーツが組み込まれているので、普通のキャビティタイプのウェッジのように見えました。
この黒いパーツはどのような意味があるのでしょうか?
『ZIP CORE』と表記されています。

トップラインの厚さは標準的で、何か組み込まれているように見えました。

ソール幅はややワイドではありますが、SWということを考えると普通といえるでしょうか?

かなり丸みを帯びたソール形状が印象的です。
各メーカー、いろいろなタイプのウェッジが登場してきて、平らなタイプもあれば、このように『隆起している』といいますか、丸みを帯びていて、抜けのスピード感もイメージしやすいですし、状況によって、『ソールの当たる(設置する)位置』を微妙にずらして様々なショットを打てそうに見えます。
ダンロップといえば、今は『二分割ソール』のイメージが強いですが、このウェッジもそのようになっていました。
トレーリングエッジも大きく削られていますが、バンスの利きは普通です。
バンカーショットが苦手だ・・・。という方のなかに、バンスが大きく膨らんでいて、トレーリングエッジも削られていないほうがいい・・・。という方もいらっしゃるかもしれません。

ウェッジらしいネックの長さがあり、昔から変わりません。
クリーブランドのウェッジは昔から愛用してきて大好きなのですが、このネックの長さがあるというのも、その大きな要因のひとつになっています。
最近はアイアンに倣ってなのか、やや短めのウェッジも登場していますが、私はこれくらい長さがあるほうが好きです。
ボーケイやキャロウェイなどのウェッジも大人気で私も好きですが、このネックの長さなどもあり、私はクリーブランドのウェッジのほうが親近感をもっています。

フェース面にはとても綺麗なミーリングが刻まれています。
このミーリングにもメーカーによって違いが見られ、雑に見えるものもあれば、このウェッジのようにとても綺麗なものもあります。
綺麗さがスピン性能に必ずしも直結するとは思いませんが、やはり綺麗なものは魅力的ですし、雑なタイプよりも手に取って使いたくなります。
フェース面はボールとの唯一の接点なので、気を抜いていい部分ではありません。
アイアンではあまり気にしませんが、ウェッジのフェース面を指で触ったときに、『ザラザラ感』が欲しいですし、指を止めてくれる『制動力』といったらいいでしょうか?
そのようなものを求めます。
指で触って、つるつる滑るようなフェース面よりも魅力的です。
ソール形状だけでなく、このミーリングも『二分割』されているようで、トップラインに近いほう(つまり上側)はスコアラインと平行にミーリングが刻まれていますが、下部(実際に球をヒットするポイント)は円を描くようになっています。
これにも、大きな理由があるのではないでしょうか?
そして、その『コントラスト』といいますか、『ミーリングの深さの度合い』は、下部のほうが浅く見えました。

ウェッジに最適なグリップが挿してあります。
このソフトなフィーリング。
そして、独特なしっとり感が、距離感をさらに高めてくれます。
グリップにおける『敏感度指数』というものがあるとするならば、ツアーベルベットは私のなかでトップクラスなのは間違いありません。
元々、このグリップばかりを使ってきているということもありますが、色々なグリップも試打してきていて、やはりツアーベルベットが私は一番好きです。
DGのように『慣れている』ということもありますし、『余計なことをしない』という安心感もあるのかもしれません。
良いフィーリングだから楽しくなり、一球でも多く打ちたくなります。
それが積もり積もって、大きな成長へとつながるのではないでしょうか?

ボールを前にして構えてみても、すごく好感が持てました。
こうして構える前は、独特な感じで少し構えづらい顔を予想していたのですが、違います。
これまで何度も見てきた『クリーブランド顔』です。
普通のフラットバックタイプの顔と変わりません。
機能性を高め、易しさをアップさせていながら、顔を変えないという素晴らしいデザインです。
寛容さという『物理的な易しさ』も大切ですし、構えやすさという『感覚的な易しさ』も決しておろそかにできません。
このウェッジはまさにそれが両立できています。
見慣れた顔。
ほんの少し出っ歯で丸みを帯びたリーディングエッジ。
逃がすイメージが出しやすい。
ヒール部分がボテッとしていなくて、シュッとしている。
最新モデルではあっても、ずっと使い続けてきたウェッジを思い出させてくれます。
そして、これは他社にはないことですが、『抜群の据わりの良さ』があります。
クリーブランドウェッジは、この『据わりの良さ』も大きな魅力で、アドレスが一瞬で決まります。
いい顔をしていても、『据わり』が良くないウェッジは今も多いですし、悪くはなくても、少しもたついてしまうな・・・。というものも少なくありません。
その点、クリーブランドのウェッジはいつもすぐに決まります。
飛行機の着陸に例えると、ソフトランディングとハードランディングくらいの違いがあるでしょうか?
もちろん、クリーブランドのウェッジはソフトランディングです。
ソフトランディングだと、ソールがスーッと滑ってくれ、ボールに対してソフトにコンタクトして穏やかな球が打てます。
対してハードランディングだと、ソールが跳ねたり、着地が曖昧になったりして、トップやダフりの確率が高まります。
ただし、これはあくまでも私の感覚によるものですし、他のメーカーが良くないということではありません。
クラブを構えたときに、安心感を全てのゴルファーが求めるものだと思います。
その安心感は『大きさ』という方もいらっしゃると思いますし、グースネックという方もいらっしゃると思います。
人それぞれですが、私はこのように慣れ親しんだオーソドックスなタイプが好きです。
強いグースネックを好まれる方は、あまり親しみを感じないかもしれません。

フェースを開いて構えてみたのですが、これもいい感じでした。
こうして構えていると、『マニュアルタイプ』のウェッジを構えているようです。
マニュアルタイプのウェッジやアイアンは『重心が前』で、このようなオートマチックなタイプは『やや後ろ』というイメージがありますが、実際はそれほど大きな差は無いと思います。
ウェッジのフェース面の使い方もいろいろあって、『真っ直ぐ引いて真っ直ぐ出す』という方もいらっしゃいますが、私は昔から『斜め』に使っていきたいタイプで、もちろん真っ直ぐも使いますが、斜めのほうが使用頻度は高いです。
なので、このウェッジのように『逃がしやすい顔』が好きですし、通常時はもちろん、開いたときも『据わりの良さ』が大切になってきます。
そういった意味でも、このウェッジにはすごく親近感をもちました。
こうして開いて構えるとボールは右に滑っていくのではないか?とビギナーの方は思われるかもしれませんが、実際はそうではなく、ウェッジのようにロフトが寝たクラブだと、『振った方向』にボールが飛んでいくので、それを体感されると、アプローチが楽しく、また技が増えていくのではないでしょうか?
フェースを開くことでウェッジの真価が発揮されますし、アプローチが易しく、そして楽しくなってくるのは確かです。
不器用でゴルフセンスの無い私が言うのだから間違いありません。
『技の引き出し』が多ければ多いほど有利になりますが、できるだけシンプルで、最初に浮かんだ方法が最も成功率が高いことを私は経験から学んでいます。
ドライバーから、アイアン・ウェッジ・パターまで、様々な形状のクラブがありますが、ウェッジほどいろいろなイメージや思い出が浮かんでくるクラブはありません。
すごく構えやすくていいな・・・。と思いながら、ああ、また今日の長い試打になるんだろうな・・・。と思いました。
アプローチ練習が、私の最も好む練習だからです。
試打を開始しました

『打感』はソフトで好感が持てました。
ほんの少し『薄い』感じがし、『濃厚』というよりは、やや『淡泊』なところもありますが、実戦でも使えるグッドフィーリングです。
柔らかくて『球持ち』も悪くありません。

球はとても拾いやすく、出球の高さもイメージに合います。
ソールがよく滑ってくれるので、少々ダフり気味にボールの下をすくいたくなるウェッジです。
通常のままでもいいですが、少し開いて滑らせるとすごく易しく、限りなくミスを軽減してくれるように思います。
ロブ系のウェッジも簡単で、『軽い球質』で、フワッとした球を打つことができました。

『スピン性能』は高く、安定しています。
それも、このミーリングが影響していると思いますし、ソールもよく仕事をしてくれているのは間違いありません。
ウェッジは『フェースとソールの共同作業』が重要だと思っているのですが、まさにそんな感じです。
適度にボールへの『食いつき』もありながら、スピーディに抜いていけるので、ハイスピンで安定しているのだと思います。

『安定性』は高く、オートマチックタイプのウェッジといっていいと思います。
構えたときはマニュアル系。
実際に打ってみると、オートマ系の易しさがある・・・。
そういった、いい意味でのギャップのあるウェッジです。
しかも易しいだけでなく、打感もほとんど犠牲になっていません。

『球の乗り』がいいので、距離感も出しやすいです。
しかし、私には軽すぎたので、最初のうちは気を遣うところがあり、何球かアバウトに打っていき、その傾向をつかみながら縦の距離を詰めていきました。
装着されているシャフトはウェッジ用の高性能なシャフトだとは思いますが、やはり私にはこれまで通り、『ライト』ではなく、『ノーマルウェイト』のスチールのほうが易しく感じられました。
最近はカーボンでもスチール並みの重量のあるシャフトも増えてきているので、そちらでも試してみたいです。
ドライバーのように飛距離を求めるクラブであれば、『ムチのようなしなり』を求めたくなりますが、飛ばさない・飛ばす必要の無いウェッジは逆に『鉄の棒』のような、一切のしなりを抑えた無表情ともいえるような安定感のあるシャフトが欲しくなります。
動く以上、必ず『しなり』は出てきますが、先がしなるとかなりコントロールが難しくなるので、そういった意味でも、このウェッジに挿してあるシャフトは少し物足りない感じがしました。
このシャフトは『ウェッジフレックス』ということで、これまでも同じようなフレックスのカーボンシャフトを試してきて、やはり千差万別だな・・・。と思いました。
どういう特性、そしてどのような理由から『ウェッジフレックス』と明示しているのでしょうか?
それを自分なりに探りながら球を運んでいたのですが、最後までつかむことができませんでした。
もう少し重量があれば、アイアンでも試してみたいです。

『操作性』はなかなか良くて、いろいろな球で遊ぶことができました。
クラブの特性上、ウェッジ(SW)はパターの次に重いクラブであるべきだと思いますが、必ずしもそうなっていないセッティングの方もいらっしゃいます。
SWが得意で、グリーン周りは全てSWを使っている・・・。という私の友人は、少し軽めのサンドウェッジを使っていて、良い結果を出しています。
そのウェッジを私も試させてもらったことがあるのですが、私には軽すぎて少し違和感がありました。
ただ、このウェッジは彼にも合いやすいかもしれません。
試打後の感想

最初見たときは、よくあるオートマ系のウェッジで、構えづらいんだろうな・・・。と思っていましたが、実際は違っていて、『マニュアル顔』をしています。
さすがクリーブランドだと思いました。

適度な大きさなので、ボールとの対比も良く、ボールの存在感を消していません。
大顔過ぎたり、異型だとそれだけでクラブの存在感だけが際立ってしまい、ボールの存在感が消されてしまうことがありますが、このウェッジは違います。
クラブも、そしてボールもバランス良く、お互いの存在感を際立たせているように感じました。

マニュアル顔でありながら、オートマ系の易しさがあるウェッジです。
しかし正直言って、もうちょっとバックフェースのデザインを検討しても良かったのではないか?と思いました。
実際はとても高品質なウェッジだと思いますが、最初見たとき、少しチープに見えてしまったのも事実です。

ドライバーやFW・UTなど『ウッド系』のクラブはソールになりますが、アイアンやウェッジはバックフェースのデザインが『第一印象の顔』となります。
この第一印象がとても大切で、そこが良くないと手に取ってみたいとは思わないですし、打って良い結果が得られたとしても、『最高の満足度』は得られません。
まずは『目で惚れさせて』、そして実際に打ってさらに惚れさせる必要があります。
そういった意味でも、もっと改良の余地はあったのではないかな?と思いました。

ただ、これはあくまでも私の好みですし、このデザインが好きだという方はたくさんいらっしゃると思います。
それと、構えやすくて易しいので、実戦的なクラブであることは間違いありません。
高機能でありながら、その高機能が故の『にごり感』といいますか、邪魔する感じもないので、実戦でも使ってみたいと思えるウェッジです。
ただし、もし使うのであれば、DGかモーダスのような『適度な重量』のあるモデルを選ぶと思います。
今回試打したのはディアマナですが、これまで通りスチールシャフトもラインアップされているということなので、また機会があればそちらも試してみたいです。

『究極』という言葉は、今はあまり使われないかもしれませんが、数あるメーカーのウェッジのなかで、この言葉に一番近いのはクリーブランドではないかな?とずっと前から思っていました。
易しくてカッコいい・・・。
そして扱いやすい。
さすが『ウェッジの第一人者』といえるクリーブランドだな・・・。と思いました。
☆
構えやすさ・・・☆☆☆☆
打感・・・・・・☆☆☆☆
スピン性能・・・☆☆☆☆
あがりやすさ・・☆☆☆☆
安定性・・・・・☆☆☆☆☆
距離感・・・・・☆☆☆☆
操作性・・・・・☆☆☆☆
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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