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2022年12月13日
ダンロップ スリクソン ZX5 Mk II ドライバー

先日、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは ダンロップ スリクソン ZX5 Mk II ドライバー です。

シャフトは Diamana ZX-II50 です。
ロフトは9.5度、クラブ長さは45.25インチ、シャフトフレックスはS、シャフト重量は49g、バランスはD2、トルクは5.8、キックポイントは中調子、クラブ総重量は302g です。

スリクソンのカッコいいニュードライバーです。
機能性を感じさせながらも美しく、精悍さを身にまとっています。
スリクソンのドライバーは全体的にバランスが良く、高性能なイメージがありますが、以前、あまり良くないな・・・。というドライバーにも出会ったことがあります。
しかし、全体的に良いイメージがあり、私はこれまでもお世話になってきました。
特に、かなり前のモデルになりますが、ZR-30というドライバーにはすごく助けられ、良い記憶しかありません。
ZR-30に『青マナ』を挿して使っていました。
いつも高いパフォーマンスを発揮してくれ、とても感謝しています。
なので、2年に一度のスリクソンニューモデルは興味津々です。

今回のニューモデルもカッコいいデザインで、スリクソンらしく、好感が持てます。
ソールはフラットではなく、所々凹凸も見られます。
このソールの形にも、大きな理由があるのではないでしょうか?

トゥ側には『REBOUND FRAME』の文字があり、以前も目にしてきました。

ネックには調整システムが搭載されています。

試打するのは、この『STD LOFT』のポジションです。
調整システムを使って、どれだけロフトを変えられるのか興味があります。

ネックは適度な長さがあります。
標準的な長さだと思いますが、今は短めのものが多いので、そういう意味ではやや長めといったところでしょうか?
調整システムが登場しはじめの頃は長いものが多かったように思うのですが、だんだんと短いものも登場してきて、技術の進歩だと思っているのですが、このドライバーは適度な長さがあります。

ソールには見慣れたウェイトがあります。
スリクソンといえば、このウェイトというくらい、一般的になってきました。
過去のモデルにも採用されていましたし、同じ物を採用して、コストダウンを図っているのかもしれません。
最近はウェイトがあるだけでなく、移動できるものも多いですが、このドライバーは固定です。
ウェイトを変えると、当然スイートエリアも変わってきて、必ずしもフェース中央や、『ややトゥ寄り』にはならず、使うほうも工夫が必要になってきます。
それは外見では分からないので、何度も打って探っていくしかありません。
当然打感も変わってきます。

フェース面のデザインはちょっと変わっていて個性的です。
スリクソンのドライバーのフェース面といえば、シンプルにスコアラインが刻まれているだけという印象が強いですが、このドライバーには大きな工夫が感じられます。

フェース面にも『REBOUND FRAME』という文字があり、ソールだけでなく、フェース面もリバウンドするということなのでしょうか?
SLEルールは2008年から施行されましたが、それ以前から『フェース面のトランポリン効果』は禁止されていました。
ここでいうリバウンドフレームというのが、どのような効果なのか分かりませんが、おそらく似たような構造で、ルールに違反しないように作られているのではないでしょうか?

セミシャローといったらいいでしょうか?
最近のドライバーにしては、結構厚みがあるように見えます。
かといってディープタイプでもなく、シャロータイプといっていいように思います。

顔はまずまずです。
スリクソンには珍しい『艶消しクラウン』になっています。
スリクソンのクラウンは光沢感のあるイメージが強いですが、変えてきているようです。
ヘッド後方の膨らみがちょっと目立ちますが、違和感を覚えるほどではありません。
最近はカーボンコンポジットが多いので、このドライバーもそうなのかよく見てみましたが、カーボンの模様は見られず、おそらくカーボンは採用されていないのだと思います。
光沢感のあるクラウンもいいですが、私は艶消しのほうが好きです。
そして艶消しクラウンの代表格といえば、やはりPINGではないでしょうか?

装着されているグリップはシンプルなタイプで、これまでもよく出会ってきました。
最近はグリップが高騰しているからでしょうか?
以前のように工夫されたグリップが少なくなったような気がします。

スリクソンということもありますし、この精悍さを感じさせるデザインでありながら、それほど重量感はなく、むしろやや軽めな印象です。
素振りをしてみても、軽さは感じますが、結構しっかりしていて頼りなさはあまり感じません。
最近はこのような組み合わせが多くなったような気がします。
メーカーは違えど、このセッティングが今の流行なのでしょうか?
軽く感じたので、決して手だけであげないよう、全体の筋肉を使ってあげていくよう心がけました。
私のこれまでの経験から、手だけでヒョイと上げて、良いことは何一つありません。

ボールを前にして構えてみると、好感が持てました。
ただ単に『顔』として見ていたときよりも、いい印象があります。
クセは特になく、ボールに馴染んでいるように見えました。
艶消しクラウンが珍しく、こうして見ても、スリクソンのドライバーを構えているようには思えません。
ダンロップのドライバーといえば、昔から『音の良さ』と『バルジの美しさ』が印象的なのですが、このドライバーは過去のモデルのようなバルジの丸みは見られず、どちらかといえば真っ直ぐに近い感じです。
クラウンは被っていませんが、フェース面全体で見ると、やはり『つかまえ顔』で、今はこのようなタイプも多くなりました。
マニュアルタイプというよりはオートマチックタイプらしい顔つきで、これまでは圧倒的にフックフェースが多かったのですが、このドライバーは違い、フックに見せない工夫がされています。
私はオートマ系の顔よりも、マニュアル系の顔のほうが好きなのですが、それはオートマ系がほぼ全てといっていいほど、フックフェースだからです。
だから苦手意識も芽生えていたのですが、このドライバーは違っていて、オートマ系の易しさがありながら、左へ巻いてしまいそうな印象を与えないので、リラックスして構えることができました。
見とれてしまうほどの美顔だとは思いませんが、安心させてくれる、いい顔だな・・・。と思いながら見ていました。
試打を開始しました

『打感』はいい感じです。
ガツンと来ることもなく、適度なソフトさがありながら、ぼやけずしっかりとした手応えがありました。
歴代のスリクソンドライバーのフィーリングとはちょっと違うようにも感じましたが、『ニューフィーリング』ということで、受け入れたい打感です。

『音』も良くて、さすがスリクソンだな・・・。と思いました。
スリクソン(ダンロップ)は『音を外さないメーカー』です。
これはずっと昔から思っていたことです。
私は顔や打感にこだわりますが、それと同等かそれ以上に音にはこだわります。
音が良くないと、いくら飛んで曲がらないドライバーでも打ちたくありません。
驚くような音、周りに気を遣わなければならないような音だと、集中力も散漫になり、ベストショットは望めないですし、調子が良かったとしても、すぐ落としてしまいそうです。
逆に、いい音を発するドライバーだと、こちらも気分がノっていき、集中力も高まり、どんどん球を打ちたくなります。
このドライバーの音は、そんなタイプで、気持ちよく打っていくことができました。

もう他界しましたが私の祖父は宮大工で、その見事な仕事ぶりに憧れと尊敬の念を抱いていました。
祖父の作業場や現場に行くのが子供の頃から好きで、カンナで木を削るあの香ばしい香りや、規則正しく金槌で釘を打つ音がとても好きでした。
今思うと、その音もとても心地よく安定していて、聞き応えのあるものでした。
その道のプロ(達人)が行う作業には常に『良い音』が発せられていたように思います。
このドライバーで打ちながら、そんな昔の頃を思い出していました。
そういった意味で、ダンロップは音においてもプロだと私は思います。

『球のあがりやすさ』という点では、どちらかというとスインガータイプの方よりも、ヒッタータイプの方に合いやすいように感じました。
しかし、それはロフト(9.5度)ということが大きく関係しているように思いますし、違うロフトだともっと幅広い層に対応しているドライバーだと思います。
ライナー系の強い球がでますが、『低スピン』というほどではなく、結構利いているように感じました。

『安定性』は高く、スイートエリアも広そうです。
カッコいいデザインのドライバーなので、結構シビアに仕上げているのかな?と思いましたが、違いました。
トゥ側に外しても、そしてヒール側に寄せて打ってみても、球筋に大きな影響はなく、安定していて、まるで自分が試打ロボットになったような感覚です。
『乾燥』といいますか、『湿度』を感じさせない、カラッとした球筋だな・・・。と思いました。
ウェットではなく、ドライな飛び方・・・。といったらいいでしょうか?
どういうことかといいますと、ウェットなタイプ(ウェット過ぎる)は、出来不出来がはっきりしているといいますか、一球一球違っていて、ばらけることもあるのですが、このドライバーのようなドライな球筋だと余分な水分がなく、安定してドライに飛んでいく感じです。
飛んでいく球を見ながら、そのように感じていました。
打感や音も、そのドライな感覚を演出しているのかもしれません。
ウェットなタイプも嫌いではないですが、このドライな感じもいいものだな・・・。と思いました。

弾きが良くて出球も速く、飛距離性能も優れています。
スリクソンらしい高性能なドライバーではありますが、過去のモデルと比べても、それほど大差ないように感じました。
それは、このドライバーが進化していないのではなく、過去のモデルのハイレベルさを維持し続けているということです。
ソールのデザインは少し変わってカッコ良くなりましたが、クラブ全体の性能でいえば、マイナーチェンジといっていいように思います。
もちろん、新たな技術の投入や、前のモデルの改良などもされていると思いますが、こうして打っている限り、大きなアップデートは感じられません。
前のモデルと打ち比べたら多少は感じられるのかもしれませんが、おそらく大きな違いはないような気がします。

『操作性』はまずまずです。
オートマチック的な顔をしていて、実際に打ってもほぼ真っ直ぐの球が自然に出やすいドライバーですが、少しだけ左右に曲げることもできました。
いい意味で、やや鈍感なタイプだと思ったのですが、それはこのフェース面にあるのかもしれない・・・。と思いました。
今は各メーカー、操作性はあまり求めず、飛距離を求めているので、これも仕方ないのかもしれません。
操作性よりも曲がりにくさを求めておられる方のほうが圧倒的に多いように思いますし、そういった方々に合いやすいのではないでしょうか?
どちらかというと、私はドロー系のほうが打ちやすいと感じました。
試打後の感想

カッコ良さと易しさの両立ができているドライバーです。
いい意味でのミスマッチ感というべきでしょうか?
カッコいいけど、決して難しくなく、むしろ易しい印象をもちました。

ダンロップのクラブを昔から使っているけど、ずっとゼクシオでスリクソンは敬遠している・・・。という方にも、是非試していただきたいです。
意外なほど大らかで親しみやすいな・・・。と感じられる方も多いのではないでしょうか?

先ほども書きましたが、私は以前ZR-30というドライバーを愛用していた時期があったのですが、その時の私に、このドライバーを薦めたくなりました。
おそらく、すぐにドライバーをチェンジしたと思います。
飛距離もそうですし、易しさも含め、全体的に大きくレベルアップしているからです。

ドライバーには、いい意味での『アバウトさ』を求めたくなりますが、このドライバーはそれがあって、しかも『ゴリゴリのオートマ系』のような『頑固さをもった曲がりにくさ』はありません。
自然に球がつかまり、安定して飛ばしていけるのが、このドライバーの魅力です。
☆
構えやすさ・・・☆☆☆☆
打感・・・・・・☆☆☆☆
音・・・・・・・☆☆☆☆
あがりやすさ・・☆☆☆
安定性・・・・・☆☆☆☆
飛距離性能・・・☆☆☆☆
操作性・・・・・☆☆☆
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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