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2022年10月27日
ダンロップ スリクソン ZX Mk II ユーティリティ

今日は、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは ダンロップ スリクソン ZX Mk II ユーティリティ の2番 です。

シャフトは N.S.PRO 950GH neo DST for HYBRID スチールシャフト です。
ロフトは18度、クラブ長さは39.75インチ、シャフトフレックスはS、シャフト重量は98.5g、トルクは1.9、キックポイントは中調子、クラブ総重量は384g です。

スリクソンの新しいユーティリティアイアンです。
2年に一度モデルチェンジし、昨年はゼクシオだったので、今年はスリクソンの年で、ずっと心待ちにしていました。
一時期、複数のメーカーからアイアン型ユーティリティが発売されていましたが、最近は少なくなりました。
フェアウェイウッドやウッド型ユーティリティのほうがあがりやすくて、支持も高いので自然な成り行きだとは思いますが、アイアン好きの私はこのクラブに出会えて嬉しくてたまりません。
後ろが重い(深重心)クラブがあがりやすいというメリットはありますが、後ろが軽い(浅重心)クラブのメリットもたくさんあり、その最たるものが操作性です。
フェースコントロールは重心が前にあるほうが私は易しく感じます。
試打クラブは、この2番と4番があったのですが、迷わず2番を試打することにしました。
『2番アイアン』を試打する機会なんて、そうそうないですから・・・。

ギュッと引き締まったユーティリティアイアンです。
ユーティリティアイアンは『中空』がお約束となっていて、プクッと膨らんでいるものが多いですが、このクラブはそこまで膨れていません。
一目で中空だと分かる形状ですが、かなり絞り込まれている印象です。
2年前に試打したモデルよりも、『中空感』が薄くなっています。

シンプルで美しいデザインです。
彫りは浅いですが、これも一応キャビティといえるでしょうか?
だとすると、『中空+キャビティ』ということで、かなり効果が期待できそうです。

トップラインは、やや厚めではありますが、アイアン型ユーティリティでは普通といったところでしょうか?

ワイドソールです。
ただ、普通のアイアンとして見ればワイドですが、アイアン型ユーティリティとしてはノーマルです。
このワイドソールに安心感をもたれる方はたくさんいらっしゃるのではないでしょうか?

ソールは全体的に丸っこくなっています。
ダンロップお馴染みの『二分割ソール』ではありません。
こうして見ても、かなり抜けが良さそうで、逆目のライでも、ソールが引っかかるイメージが浮かびません。
スッと何事も無かったかのように抜けてくれそうです。
『ソールの抜け(滑り)』には『スピード感』が重要ですが、このクラブのソールは速そうに見えました。
昔のワイドソールは、その広さゆえ難しさを感じることもあったのですが、最近は研究が進み、かなり易しくなったように思います。
ゴルフクラブ業界が成熟し、たくさんのデータが集められたからではないでしょうか?

アイアン型ユーティリティとしては標準的なネックの長さです。
こうして見ても、普通のアイアンと遜色ありません。

ホーゼルには『FORGED』の刻印がありました。
軟鉄っぽい質感がありながらも、複合素材のようにも見えていたのですが、ピュアな軟鉄鍛造ということなのでしょうか?

フェース面には細かなミーリングのようなものがありました。
ミーリングというよりは、『模様』といったほうがいいかもしれません。
スコアラインと平行で、過去にも見たことがあります。
これにはどんな効果が期待できるのでしょうか?
おそらく、何らかの意味があるのだと思います。

軽量スチールが装着されていますが、頼りなさのようなものはあまり感じませんでした。
DGでもなく、モーダスでもない、NSPROです。
このシャフトが純正なのでしょうか?
かなりロフトが立ったモデルなので、あがりやすさを大切にしているのかもしれません。

ボールを前にして構えてみると、思わず笑みがこぼれてしまうくらい、好感を持ちました。
これまでのアイアン型ユーティリティには無かった『小顔タイプ』です。
これには、いい意味で驚きました。
これまではアイアンのような形であっても、ラージサイズで大味な感じのするものばかりだったのですが、このクラブは違います。
通常のアイアンとして見ても小顔の部類に入るかもしれません。
それくらい小顔といいますか、大顔でボテッとしていません。
キュッと引き締まった感じで、アイアン好きの私は一気にテンションがあがりました。
このようなアイアン型ユーティリティは見たことは無く、さすがはスリクソンだな・・・。と思いながら見ていました。
少しグースが利いていて、トップラインの厚みもありますが、あまり気になりません。
それよりも小顔タイプなので、ボールの大きさが際立って見えるのがいいです。
大顔タイプだと、頭で描くイメージもアバウトになってしまうことがあるのですが、今日はきっちりと描くことができました。
このロフトの見え方がたまりません。
久しぶりに2番アイアンを構えたな・・・。と昔の記憶が蘇ってきました。
しかし、その頃のクラブよりも確実にあがりやすくなっているのは明らかで、まずはこのクラブの性能に頼って打ってみよう・・・。と思いました。
試打を開始しました

『打感』は中空らしい、『ペチャッ』という感じがしましたが、それほど強くはありません。
中空独特の打感にも好感が持てるものと、そうでないものがあり、このクラブは前者です。
『中空打感』が優しい・・・。といったらいいでしょうか?
いい意味で無難な打感です。
アイアンには『球の乗っかり感』が欲しいですが、このクラブは乗っかり感よりも『弾き感』があり、薄いですが、それはクラブの構造上仕方ないのかもしれません。
どれかをとればどれかを捨てなければなりませんが、そのさじ加減が絶妙なところで出来ているように感じました。
メーカー側も、ユーティリティでありながら、可能な限りアイアンに近づけるように工夫したのではないでしょうか?
メーカーの意図がうかがえるクラブです。

『球の上がりやすさ』という点では、このロフトですし、明らかにヒッター向けなのは間違いありません。
ロフトが『18度』ということは、FWでいえばクリーク(5番)。
UTでいえば、2番ということになるでしょうか?
そもそも、最近は番手ではなく、ロフトで表すことが多くなりました。
FWもUTもヘッドが大きくて低重心&深重心。
そしてウェイトなど様々な工夫がされています。
このクラブも外見はシンプルですが、おそらく様々な工夫がされているのではないでしょうか?
あえてそういったところを見せないのがスリクソンらしい、センスの良さです。
ベーシックな外見でありながら、実はハイテクタイプなのかもしれません。
しかしある程度HSが無いと球が浮きづらいのは明らかで、ロフト18度のクラブを使うのであれば、FWやUTのほうが『あがりやすさ』という点では、有利だと思います。
インパクト、そしてその先でフェース面が『下に向く』イメージができる方のためのクラブといえるのではないでしょうか?
つまり『ダウンブロー』です。
ダウンブローで打てる方には、2番アイアンのロフトであっても、意外と打ちやすいということもあると思います。
FWやUTが得意な方はどちらかというと『上』をイメージされる方が多いのではないでしょうか?
そういった方は、やはりこのアイアン型ユーティリティよりは、フェアウェイウッドやユーティリティを使われたほうが得策かもしれません。

小顔タイプで、一見シビアそうに見えがちですが、打ってみると意外と大らかで、中空らしい特長が出ていました。
インパクトを点ではなく、面で考えられるクラブです。
しかしラージサイズのオートマチックタイプのような寛容さは無く、正直さもあります。
ただ、人によって『易しさ』は変わるのも事実です。
ミスヒットに対する寛容さを求めておられる方もいらっしゃれば、『あがりやすさ』を最重要視しておられる方もいらっしゃいます。
私は構えやすさ・ラインの出しやすさを重要視していて、そういう意味では、このクラブは『易しい』といえます。

『飛距離性能』は、『やや飛び』といったところでしょうか?
昔の2番アイアンとは明らかに違う性能をもっていますが、易しく飛ばしていきたいのであれば、やはりFWやUTのほうがいいような気がします。
あくまでもアイアン型ユーティリティとしては、弾き感もあり弾道も力強いので、優れています。
何球も続けて打ち、その弾道を目で追いながら、安定して確実に飛ばしていけているな・・・。と思いました。
それは私の技量があがったのではなく、明らかにクラブの進化です。
私はビギナー時代、ホンマのPP-727というアイアンの2番だけを持って、練習場に毎日通っていた時期があります。
特に寒かった記憶があるのですが、上手く打てたときと、そうでないときの差がはっきりしていました。
上手く打てたときは惚れ惚れするような美しい弾道なのですが、ちょっとミスすると途端に目で覆いたくなるようなひどい球を打ってしまい、その記憶が今も鮮明に残っているのですが、最近のクラブは『ミスを持ち上げる』といいますか、大きなミスになりにくく進化しているように感じることが多いです。
『最上』を高めていく・・・。というよりは『最低ラインの底上げ』ができている・・・。といったらいいでしょうか?
反発係数や長さには上限が定められているので、『最上』はもうとっくに限界が来ていますが、『最低ライン』はまだまだ向上の余地があります。

『操作性』は高く、通常のアイアンと同じように打っていくことができました。
ロフトが立っている分、サイドスピンも掛かりやすいので、いつもよりも大きく曲げることができました。
少しグースが利いていて適度につかまりますが、右に逃がすのも簡単なクラブです。
ただ、装着されているシャフトが、結構『食いつくタイプ』といいますか、つかまりやすいので、どちらかといえばフック系のほうが私は易しく感じました。
あの昔の2番アイアンのような、鉄がギュッと詰まって『密着感』のある打感ではなく、『空洞感』があるのは惜しいですがこれは仕方ありません。
密着感があり、球の乗っかりがいいアイアンだと、わずか何百分の一秒くっついている感覚が操作性を高めてくれます。
このクラブは球離れが早いので、そういった感覚はもてなかったのですが、それがクラブの進化なのかもしれません。
クラブの進化にプレイヤーが合わせる時代です。
試打後の感想

久しぶりに『2番アイアン』を打てたこと。
そして、アイアン型ユーティリティなのに、小顔であることがすごく印象的でハートを打ち抜かれました。
試打していて、とても楽しかったです。

アイアン型ユーティリティが見られなくなったのは、正直あまり売れないからだと思います。
ユーティリティはスコアメイクに無くてはならないクラブではありますが、その形状はアイアン型ではなく、『ウッド型』や『中間型』が圧倒的に多いです。
あがりやすさが最も求められ、ボールも低スピン化が進み、理にかなっているからだと思います。

しかし、それでもあえてこのようなクラブを発売してくれるスリクソンには感謝といいますか、さすがだという思いがこみあげてきました。
大人気で品薄になるようなクラブではないかもしれません。
しかし、それでもニーズがあることは確かです。
今はアイアンの本数が減ってきていて、FWやUTの本数が増えています。
ウッド系よりもアイアンやウェッジ系のクラブが好きな私は今の状況にとまどってしまいますが、まだまだこのようなクラブを発売してくれるメーカーがあることがとても嬉しいですし心強いです。

深重心タイプには無い、浅重心タイプだからこその『反応の良さ』&『扱いやすさ』。
重心が深いとヘッド後方に意識がもっていかれることもありますが、このようなクラブはクラブとヘッドの接点。
つまりフェース面に意識を向けていけるので、イメージが出しやすく、またその再現性も高まります。
『ライン出し』はウッド系よりもアイアン系のほうが得意だ・・・。という方には、是非試していただきたいです。

今はもう見かけなくなった『2番アイアン』を予備としてもっておくという意味でも、このクラブには購買意欲が刺激されました。
おそらく他のメーカーからは発売されないと思いますし、スリクソンも次のモデルでは登場しないかもしれません。
そういったこともあり、このクラブを手元に置いておきたくなりました。

私がこれまで出会ったアイアン型ユーティリティの中で、もっとも小顔で男前なクラブです。
さすがは『フィーリング』という数値では表しづらい部分を昔から大切にしているメーカーだな・・・。と思いました。
いろいろなクラブを試打していて、昔の記憶が蘇ってくることもありますが、今日はそんな日でした。
今もそうですが、昔からゴルフが楽しくて楽しくてたまりません。
空振りしようがOBを打とうが関係ありません。
恥もたくさんかいてきました。
それでもゴルフの楽しさのほうが圧倒します。
今日は、このクラブのおかげで、楽しい時間を過ごすことができました。
☆
構えやすさ・・・☆☆☆☆
打感・・・・・・☆☆☆
あがりやすさ・・☆☆
安定性・・・・・☆☆☆
飛距離性能・・・☆☆☆☆
操作性・・・・・☆☆☆☆
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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