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2022年08月28日
BALDO CORSA BRASSEY

今日は、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは BALDO CORSA BRASSEY です。

シャフトは Arch です。
ロフトは12度、クラブ長さは44インチ、シャフト重量は60g、トルクは4.9、キックポイントは中元調子、クラブ総重量は315g です。

バルドらしい、とてもカッコいいクラブで、しばらく見つめていました。
バルドはドライバーからFW・UT・アイアン・ウェッジまで、とにかく『カッコいい』という印象があるのですが、このクラブもまさにそんなタイプです。

ディープ感よりもシャロー感のあるヘッドです。
ブラッシー(2番ウッド)なので、ドライバー(1番ウッド)とスプーン(3番ウッド)の間ということになりますが、大きさなど外見ではほぼスプーンといった感じがします。
シャロー感はありますが、大顔タイプではなく、コンパクトにまとまっていて、『直打ち』を意識して設計されているのかな?と思いました。
BRASSEYというのが、このクラブの最大の特徴ではないでしょうか?
パーシモンの頃、ブラッシーは普通に見られましたが、メタルに変わって激減しました。
それは本数制限の問題もあると思いますし、スプーンの高性能化もあると思います。
そして何より、バフィ(4番ウッド)・クリーク(5番ウッド)以下の7番ウッド(ショートウッド)が台頭してきたというのが大きいのではないでしょうか?
スプーンも『ストロングロフト化』してきて、15度が標準だったのが、12度や13度のスプーンも見られるようになり、ブラッシーの役目も兼ね備えていきました。
ドライバーでは一桁ロフトを使いたいけど、ドライバー以外では二桁ロフトに異存は無い・・・。という方も多いのではないでしょうか?
そういったときにスプーンだけでなく、ブラッシーは大活躍してきました。
一桁ロフトは飛ぶ。二桁ロフトは飛ばないというイメージをもっておられる方はいらっしゃるかもしれませんが、それは全くの誤解です。
むしろ、二桁のほうが良い結果を出しておられる方がたくさんいらっしゃいますし、ドライバーを抜いてスコアアップした方もたくさんいらっしゃいます。

ネックには調整システムが搭載されています。
『MULTI MATERIAL BODY』という文字がありますが、これはどういうことなのでしょうか?
このヘッドの素材は何なのか?店員さんに確認してもらったところ、チタンということでした。
すごくカッコ良くて質感もいいですし、チタンが使われているということで、かなり高価なクラブなんだろうな・・・。と思いました。

試打するのは、この『N』ポジションです。

ソールには、『POWER SS PLATE』の文字があり、特別な工夫がされているのではないでしょうか?

ソールには2つのウェイトがありますが、数字が刻印されていないので、重さは分かりません。
こうして見ると、ウェイトにもチープなタイプと、高級感があって質感のいいものがあることに気づきますが、このクラブは後者のほうです。
ウェイトひとつとっても、チープさはありません。

ネックの長さは結構あります。
最近はショートタイプが多いので、そういう意味では少しクラシカルな感じがしますが、上からとらえるイメージが欲しい私は、この長さに親近感を覚えます。
逆に、スルーボアやショートネックを好まれる方にとっては、やや親しみづらい印象をもたれるかもしれません。

ソールの、このトゥ側の形状にも目が行きました。
細部にわたって、すごく丁寧に作られているのが分かりますし、この形状にもおそらく何らかの意味があるのではないでしょうか?

まるで芸術品のような、すごく綺麗で丁寧さを感じさせるフェース面です。
バルドのクラブを試打する度に思いますが、本当にフェース面には気を遣っているメーカーだということがひしひしと伝わってきます。
多くのメーカーでは、ソールやクラウンなどに力を注ぎ込みながらも、フェース面は置き去りで、チープな物も見られます。
ボールとの唯一の接点でもあるフェース面に、なぜもっと技術を注ぎ込まないんだろう?と思うことがよくありますが、バルドのクラブはさすがとしか言いようがありません。
昔から『フェースの弾き』にすごくこだわっているメーカーであり、必然的に力を注ぐ結果になったのではないでしょうか?
フェース面を見るだけでも、テンションがあがったり下がったりしますが、今日は『爆上がり』です。
フェース面には綺麗なミーリングがスコアラインと平行に刻まれています。
すごく綺麗で、いい目の保養になりました。

美しいシャローです。
シャローにすると、形が崩れてしまうこともありますが、このクラブにはそれが当てはまりません。
パーシモンの頃のブラッシーといえば、ドライバー同様、かなりのディープタイプだった印象があるのですが、このクラブはブラッシーというよりも、バフィに近い印象です。
こういったシャロー化は時代の流れだと思いますし、ディープタイプを敬遠される方も多いのかもしれません。

整った顔をしていて、いい感じです。
やや面長な感じの顔をしていますが、フェースが被っていなく、特にトゥ側が逃がし気味なので、左へのプレッシャーも感じさせないように見えます。
ヘッド後方が膨れていないので、直進性は感じにくいかもしれませんが、反応は速そうです。

ドットのようなクラウンマークもいい感じです。

クラウンがカーボンコンポジットになっているのが分かりました。
光沢感の無い艶消しなカーボン模様で、他のメーカーと差別化を図っているようです。
私はクラウンがカーボンコンポジットでも、そうでなくてもどちらでもいいですが、美しい模様だな・・・。と思いながら見ていました。

素振りをしてみると、全体的に軽量感を感じながらもシャフトはしっかりしている印象をもちました。
先が暴れず、全体でしならせながら振っていくイメージです。
Archシャフトは試打した回数がまだ少ないですが、Waowwの印象も強く、好感を持っています。

ボールを前にして構えてみると、とても魅力的です。
最新モデルでありながら、昔の『美形揃い』出会った頃を思い出しました。
いつの間にか『異型』や『つかまえ顔』が出てきましたが、それ以前は『男前』が主流を占めていて、それが普通でした。
初めて試打するクラブではありますが、懐かしさを感じます。
球筋のイメージが出しやすく、左へ引っかけそうな感じはしません。
つかまえ顔を好まれる方は、やや不安を感じられるかもしれませんが、これだけ小顔だとフェースが被っていなくても、その『小ささ』でつかまえやすくなるので、対象となるゴルファーは広いのではないでしょうか?
試打を開始しました

『打感』は適度なしっかり感がありながら、硬くなく好感が持てました。
いろいろなクラブを試打していると、打感を『ゾーン』で感じやすいクラブと、『スポット』で感じやすいクラブがあるのですが、このクラブは後者です。
フェース面を見たときから、だいたい予想していた通りのフィーリングで、バルドらしいな・・・。と思いました。

『音』も、いい感じです。
大きすぎず小気味良い音で、気持ちよく振っていくことができました。

『球のあがりやすさ』という点では、ロフト通りです。
直打ちでは、ある程度のHSが無いと、球が浮ききらないかもしれません。
明らかにヒッター向けなクラブですが、ティアップしたらとても打ちやすいので、ティアップ専用でドライバーの代わりに使っていくというのもありなのかもしれません。
14本のクラブのなかで、ドライバーが一番飛ぶというのは当たり前ではありますが、それも時と場合によります。
例えば打ち上げのきついホールでは、ドライバーよりもロフトのあるスプーンのほうが距離を稼げることもあり、ロフトが寝ているほうが有利なことを多くの方が経験されているのではないでしょうか?
そういったときにも、このクラブは大活躍してくれそうです。

『安定性』は普通で、特別寛容なタイプだとは思いません。
ブラッシーではありますが、標準的なスプーンと同等だと思います。
寛容さはそれほど大きくない分、構えやすさでカバーしているように感じました。

『飛距離性能』は優れています。
明らかに飛び系FWです。
フェースの弾きが良く、初速がかなり出ています。
出だしからパワフルな弾道で、それがずっと維持されているような頼もしい弾道です。

『操作性』はなかなか高く、左右へ打ち分けることができました。
今時珍しく、球がつかまり過ぎないのがいいです。
クセのないヘッドなので、シャフトを選べば、ドローヒッターだけでなくフェードヒッターの方にも、かなり頼もしい相棒となってくれるのではないでしょうか?
試打後の感想

このクラブはブラッシー(2番ウッド)ということですが、ずっと『パワー系スプーン』といいますか、『飛び系スプーン』というイメージで試打していました。
今は12度や13度のスプーンも珍しくなく、名前が違うだけで、実質同じカテゴリーに入れられるような気がします。
そういった『線引きの曖昧さ』が、今のクラブにはあります。

ブラッシーということでしたが、このクラブはドライバーの代わりというよりは、『直打ち用のFW』という位置づけなのだと思いました。
ドライバーが苦手な方のためのティショット用であれば、もっとヘッドを大きくしたほうが、大きな支持が得られるのではないでしょうか?

『アイアンのストロングロフト化』だけでなく、ドライバーには『表示ロフト』と『リアルロフト』の二種類のロフトが混在しています。
つまり、今のクラブのロフトは統一性が無く、バラバラといっていいのかもしれません。
ドライバーでなく、ブラッシーでティショットするのもアリではないでしょうか?
実際は二桁ロフトなのに、それを一桁ロフトに表示して、ゴルファー心理に応えているのであれば、最初からブラッシーで12度くらいのロフトであれば、気分が楽になるという方もいらっしゃるような気がします。

ゴルフの二大目標といえば、『一に飛距離』『二にスコア』ではないでしょうか?
もちろんゴルフはスコア(打数の少ないほうが勝ち)を競うスポーツではありますが、飛距離は切っても切れない関係にあります。
それは永遠のテーマなのかもしれません。
ドライバーではないけど、確実に飛距離を出してくれて、むしろドライバーよりもよく飛んで方向性もいい・・・。
そんないいことずくめが、このクラブで実現できるかもしれません。
ゴルフは飛ばそうとするから安定性を欠き、難易度があがります。
飛ばさなくてもいい、同伴競技者よりも飛んでいなくてもいい・・・。と思えるようになると、スコアメイクがかなり易しくなりますが、それは『ドライバーを使わない』という選択肢から生まれる心の余裕が大きく関係していると、私の経験から感じます。

ブラッシーというのはゴルフの中で『死語』と言われるようなところもありますが、久しぶりに実物を見て、懐かしく感じ、パーシモン時代は自分でフェース面をヤスリでこすって、ドライバーがブラッシーくらいになっていたので、その記憶が蘇ってきました。
他のメーカー(特に大手メーカー』は大量販売が求められていて、ある意味『小回り』が利かないところがあります。
しかし地クラブメーカーにはそれがありません。
小回りの利く設計・販売戦略ができるのが強みです。
大ヒット・ロングセラーとはならないかもしれませんが、このような『隙間のクラブ』が登場することによって恩恵を受けるゴルファーが必ずいると思います。
これからもバルドには、こういう素晴らしいクラブを開発して欲しいです。
☆
構えやすさ・・・☆☆☆☆☆
打感・・・・・・☆☆☆☆
音・・・・・・・☆☆☆☆
あがりやすさ・・☆☆☆
安定性・・・・・☆☆☆
飛距離性能・・・☆☆☆☆
操作性・・・・・☆☆☆☆
最後までお読みいただき、ありがとうございました。




BALDO ヘッドカバー
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