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2022年05月10日
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ブリヂストンゴルフ BRM HF ウェッジ

今日は、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは ブリヂストンゴルフ BRM HF ウェッジ


シャフトは N.S.PRO MODUS3 TOUR 105 です。
ロフトは56度、クラブ長さは35.25インチ、シャフトフレックスはS、シャフト重量は106.5g、トルクは1.7、バランスはD4、キックポイントは元調子、クラブ総重量は450g です。

久しぶりに出会った、ブリヂストンのウェッジです。
ブリヂストンはドライバーやアイアンのイメージが強いですが、実はウェッジもいいものが昔からたくさんありました。
特に『顔』という点では、よく整っていて、見ていてシビれたことが何度もあります。
『クラブの役目』として、まずプレイヤーに『いいイメージ』を出させることが重要だと思っているのですが、そういう意味でも昔からBSは優秀です。
ヒール側には『BITING RAIL MILLED』という文字があり、何やら特別な工夫がされているようです。
BSは昔から、形状は王道で奇をてらったところはないけど、スピンにはすごくこだわっていて、フェース面に高い技術が注ぎ込まれている印象があります。
昔のJ’sのウェッジで、フェース面がカッパー(銅)だったものがあるのですが、打感が柔らかくてスピンがよく利いて大人気でした。
今はウェッジをロフトで呼ぶことが多くなりましたが、PWとSWの間のクラブ、つまりアプローチウェッジ(PS=ピッチングサンド)というクラブを確立させたのも、そしてウェッジをセットのものではなく、単品で購入するきっかけを作ったのもBSだったと思います。
ボールにおいても、それまでの糸巻きからツーピースに移行させたのもBSですし、ゴルフギアの発展という意味でも、BSの功績は大きいです。
常に時代の先端を走っていました。
あの頃のツーピースがあったから、今の4ピースや5ピースへと発展していったのではないでしょうか?
今はタイトリストを使っていますが、昔はBSのボール(J’s・レクスター・レイグランデ・ツアステ)のボールをよく使っていました。
昔のボールと比べると、今のボールは直進性が高くなって、曲がりが抑えられたな・・・。と強く感じます。

大きさは標準的です。
このトップラインの膨らみは最近よく見かけます。
『既視感』といったらいいでしょうか?
メーカーは違っても、同じようなタイプが多くなりました。
フラットなものよりも、このようにテーパーなものが増えていて、これも流行なのかもしれません。

今は普通に見かけるようになりましたが、まだまだ少数派といっていい、キャビティバックタイプのウェッジです。
ロフトが寝ているウェッジは、アイアンのようにキャビティにするメリットがあるのだろうか?と思ってしまいますが、寛容さは多少増すのかもしれません。
さらに安定性や低重心にするためにウェイトが組み込まれたものもありますが、こうして見る限り、このウェッジには組み込まれていないようです。

こうして見ても、かなり彫りは浅く、ハーフキャビティといっていいのではないでしょうか?
ほぼフラットバックタイプと遜色ありません。
バックフェースが薄くなり過ぎると、『乗っかり感』が失われ、球離れが早くなり、デメリットのほうが大きくなりますが、これくらいであれば何の問題も無いように見えます。

テーパーになっているので、トップラインは少し厚みを増しますが、イメージがボヤけるような厚さではありません。
他のメーカーでも感じたことですが、やはりフォーティーンを思い出します。

角度を変えてみても、トップラインがテーパーになっているのが分かりますが、他のメーカーほど極端ではありません。
トップラインの周辺だけ肉厚になっているという感じです。
これも綿密な計算によるものではないでしょうか?

ソール幅は、ややワイドで真っ直ぐなタイプです。
『寸胴型ソール』といっていいでしょうか?
このソールを見て、そのように思いました。
トゥからヒールにかけてテーパー(狭く)になっているか、真っ直ぐなものが多いですが、このウェッジは逆にヒール側のほうが少しだけワイドに見えました。
私はウェッジをよく使いますが、ソールでは特にヒール側でフィーリングやイメージを出すことが多いので、この形状だと少し時間が掛かりそうです。
しかしソールもそうですが、ヘッド全体の質感はとても良くて、さすがBSだな・・・。と思いました。
チープさは全く無く、いい目の保養になり、目尻は下がりっぱなしです。
質感だけでテンションがあがるときもあれば下がるときもありますが、今日はすごくあがっています。
やはり美しいクラブは、とてもいいものです。

ソールは平らではなく、全体的に丸みを帯びています。
リーディングエッジもトレーリングエッジも極端な削りは見られませんが、抜けは良さそうです。
ソールの一部分を使って抜いていく・・・。というよりは、ソール全体を使って抜いていくようなイメージが湧いてきました。
バンスは結構利いているように見えますが、昔のようにボテッとしたバンスではなく、トレーリングエッジが緩くカーブを描いているので、邪魔になりそうな感じはしません。
ウェッジのソール形状を見ていると、『滑らせる』といいますか、『抜く』ときのイメージが浮かんでくるのですが、今日は『スピード感』で抜いていくというよりも、全体的にややゆったりとした感じで滑らせていくイメージが湧いてきました。
ソール形状だけでいうと、オートマ系のイメージの出方です。

こうして角度を変えてソールを見ても、すごく丁寧に仕上げられているのが分かりますし、トレーリングエッジ側も削られているのが分かります。
バンスの利きが強く、ここが大きく膨らんでいるほうが好きだという方はたくさんいらっしゃると思いますし、昔はそのようなウェッジがたくさんありました。
私はあまり膨らみすぎると難しく感じていたので、グラインダーで削っていたりしていたのですが、最近のウェッジはそういったことをしないでいきなり実戦投入できるものが多いので助かっています。
使っていくうちにできる傷や凹みなどは許せますが、なるべく使う前から形状を変えたくないという思いがあるからです。
ウェッジというクラブは使用頻度も高いということもあり、使っているうちにだんだんとその人の好みといいますか、マッチした形状になっていくものです。
以前も書きましたが、私がビギナーの頃、アイアンやウェッジのリーディングエッジが削れて自分の形になるまで、使い続けろ・・・。と先輩から言われてきました。
しかし、今はそういう時代ではないようで、新品の頃から、いい感じでリーディングエッジが削られていて抜けが良くなっていますし、ソール全体も抜けやすくなっています。
私はアイアンを『10年単位』で考えていたのですが、それだとメーカーやショップは大変なので、数年、いや数ヶ月単位で買い替えて欲しいというのが本音ではないでしょうか?

ネックの長さは標準的です。
細めではなく、ほんの少し太いようにも見えますが、全く気になりません。
こうして見ても美しいな・・・。と見とれてしまいました。
ここにメーカーの差が出るように思います。
昔からBSのアイアンやウェッジは綺麗で魅力的なものが多いです。
旋盤で綺麗に加工されている工程が頭に浮かんできました。

フェース面にはとても緻密で綺麗なミーリングがあります。
BSのウェッジはミーリングが採用されているものが多いので、おそらくミーリングはあるだろうと思いましたが、その通りでした。
ミーリングありのフェース面をこれまでたくさん見てきましたが、久しぶりにここまで綺麗で繊細さを感じさせるものに出会ったような気がします。

角度を変えてみると、さらにその美しさが際立ってきます。
BSウェッジのミーリングといえば、ヒールからトゥにかけて斜めのイメージが強いのですが、このウェッジはスコアラインと平行に刻まれています。
私はフェース面を斜めに使うことが多いので、そのミーリングも好きだったのですが、今回は変えてきているようです。
斜めや円のように刻まれているミーリングもありますが、圧倒的に『真っ直ぐ』といいますか、スコアラインと『平行』なものが多くなりました。
アイアンに限らずウェッジでも、雑だな・チープだな・・・。と思えるフェース面はたくさんあります。
いくらソールやバックフェースに工夫をしても、唯一のボールとの接点である、フェース面に手を抜いたら何にもなりません。
ナイスショットにはいろいろな要素が絡み合いますが、『インパクトが最重要項目』ではないでしょうか?
インパクト次第でスピンも高さも方向性さえも変わってしまいます。
そんな大切なフェース面が、どれもワンパターンといいますか、各メーカー変わらないように見えて不満に思っていたこともありました。
ドライバーでは飛ばすために、ルールギリギリの反発係数に挑んでも、アイアンやウェッジのフェース面はルールギリギリまで挑戦しないメーカーが多いです。
かなり手間が掛かるのでコストがあがるのは間違いないですし、ルールに違反すれば回収しないといけないというリスクもあり、これまでそういうクラブも実際にありました。
だから、各メーカーあまりフェース面には力を入れていないのかもしれません。
ですが、このウェッジはそれらと違い、ブリヂストンの熱意が伝わってきます。
ソールでは『抜けのイメージ』を。
そしてフェース面では『インパクトのイメージ』。
そしてボールが強烈なスピンでフェース面を駆け上がっていくイメージが湧いてくるのですが、今日はそれがとてもいい感じで浮かんできました。

装着されているグリップはソフトなフィーリングで好感が持てます。
私が愛用しているツアーベルベットとはまたちょっと違いますが、このタイプのグリップもビギナー時代からたくさん使ってきましたし、いい記憶もあります。
デザイン的にロイヤルグリップの印象が強いですが、このグリップはゴルフプライドでした。
バックラインが入っていないのがとてもいいです。
以前違うメーカーのウェッジを試打したときにバックラインがあって、私は違和感を覚えました。
それはウェッジというのは『フェースを回して』使うからです。
すると当然、グリップにバックラインがあると、それが違和感につながります。
もちろんウェッジであっても、バックライン有りのほうがいいという方はたくさんいらっしゃると思いますし、実際に使っておられる方も多いと思います。
以前も書きましたが、私は構えたときに『限定される』のを好みません。
それはドライバーなどウッド系クラブであれば、『クラウンマーク』。
そしてアイアンであれば、スコアラインの白い線。
グリップであれば、バックライン。
ボールであれば、矢印などのマーキング。
ルールに違反していないですし、プロアマ問わず自らボールにマークや線を入れられる方も多いですが、私はやりません。
それらがあって、スコアが悪くなるということはないのですが、無いほうが私はスッキリするといいますか、必要性を感じていないからです。
なので、このウェッジのグリップは好感を持ちました。

ボールを前にして構えてみると、いい感じです。
BSらしい丸顔で、昔の『J’s』などの時代にも、このような丸顔をよく見ました。
シャープで細身の顔も『BS顔』であれば、この丸っこい顔も『BS顔』といっていいと思います。
『BS風丸顔』といったところでしょうか?
昔はよく見たので、懐かしさがこみあげてきます。
あの頃は『BS一強』ともいえる時代で、J’sやその後のツアーステージが光り輝いていた時代です。
この丸顔が好きだから、BSウェッジしか使わない・・・。という人も、私の周りにはたくさんいました。
丸顔でありながら、ボテッとしていないのがいいです。
ヒール側も適度に絞り込まれていますし、グースがきつくないので、逃がすイメージを出せました。
昔のBSウェッジはもっとグースの利きが強いものが多く、それに引っ張られて他のメーカーもグースネックのウェッジをたくさん発表していましたが、今はグースのきついものは少なくなりました。
私はグースがきついタイプは苦手ですが、グースタイプを長年使っておられる方はたくさんいらっしゃいます。
そういった方々には、物足りない時代なのかもしれません。
『ストレート』『グース』どちらがいいというものではなく、使う人の好みで選ぶべきで、昔の名器といわれるアイアンやウェッジにはグースタイプがとても多いですし、曲げるという手間をわざわざ加えるのだから、グースにする意味はとても大きいのだと思います。

フェースの開きやすさも、なかなかいい感じです。
最近のウェッジの傾向ですが、バンスは利いていても、昔のように邪魔に感じさせなくなりました。
ハイバンス=滑りが良くなる。
ローバンス=滑りが抑えられ、刺さりやすくなりチョロが出やすくなる。
というイメージをもっておられる方も多いのではないでしょうか?
顔もいい感じですし、適度に開きやすいですが、『マニュアルタイプ』というよりは、『オートマチックタイプ』に近い感じだな・・・。と思いながら見ていました。
それは『据わり』といいますか、『ソールのタッチ』がそうさせていました。
試打を開始しました

『打感』はソフトで、とても良いです。
キャビティということを感じさせません。
『球の乗り』もよく、しっかり食いついてくれます。
球の乗りがいいので、インパクトから先のフォローで送り出すイメージを出すことができました。
球離れの早いクラブだと、『インパクトで終わり』という感じで、『点』になってしまいますが、このウェッジは『線』で運べます。

『スピン性能』も高く、適度な摩擦感を感じました。
フェース面が仕事をしているのは間違いありません。
横からはらうのではなく、しっかりと上から『押し込む』感じで運ぶことができたので、余計にスピンが掛かっていたように感じます。
これなら実際のグリーンでもスピンがほどけず、しっかりとカップまでボールを運んでいけそうです。

球も拾いやすく、出球も安定していました。
グースがきついと、私はダフるか、それを気にしすぎて逆にトップしてしまうことがあったのですが、今日はそれがありません。
少しグースが利いていますが、気になることはありませんでした。
私はグースタイプが苦手ですが、それでもグースタイプの利点を感じています。
それは出球が低めに出て、しっかりとスピンが掛かるということです。
グリーン周りで距離感を出すには出球が低いほうが圧倒的に有利です。
ロブショットやピッチショットよりも、ランニングアプローチやピッチエンドランのほうがボールがまとまりやすく、寄る確率だけでなく直接カップインの確率も高まります。
なので、できるだけロフトが立ったクラブを使うほうが有利な場面が多いですが、グースタイプだとロフトが寝ていても低くだせるメリットがあり、ひとつのロフトでいろいろな技を使うことができます。
それが分かっていながら、今も使いこなせていないのが歯がゆいのですが、ストレートタイプの良さもありますし、私にはそのほうが合っているのは間違いないので、これからもストレートタイプを使っていくと思います。

『安定性』も高く、シビアさは全く感じません。
ラージサイズの大らかさとは違う、ノーマルサイズの易しさが、このクラブにはあります。
適度な大きさで、ボールとの対比もいいので、ラインを出しやすく、ボールを『主役』にできるのがいいです。
クラブが大きくなりすぎると、どうしてもボールではなく、『クラブが主役』になってしまいますが、このウェッジはボールを主役にしてくれるので、扱いやすさがありながらも、ミスするイメージが湧かず、ショットの成功率が高まります。
キャビティバックの効果も多少は出ているのかもしれません。
男前でありながら、寛容さをもちあわせたウェッジです。

クラブ全体が少し軽く感じたせいか、最初はちょっとキャリーが出過ぎてしまったので、普段よりもテークバックを小さくするイメージで対応しました。
もし私がこのウェッジを使うとすると、もう少し重量を足したいところですが、今はこれくらいの重さが標準でしょうか?
軽すぎるウェッジはとても難しく、逆に『怖い』と感じたことがあります。
アイアンやウェッジにカーボンシャフトが採用されはじめた頃、私はコースでそのクラブをテストしたことがあるのですが、バンカーに入ったボールを軽量ウェッジで打ったら、いきないホームランを打ってOBにしてしまいました。
まだその記憶が鮮明に残っていて、今も苦手意識が拭えません。
適度に重量があったほうが、その重さを活かせるので精度もあがり易しくなりますが、どの重さが最適ということは数値では表せません。
人によって違うので、一概にはいえませんが、今は『やや軽』のクラブが多いので、そういう意味でも、このウェッジはスタンダードな重さといえるのではないでしょうか?

『操作性』は、なかなか良くて、フェースの開閉で遊ぶことができました。
クセのない、いい顔をしているのでマニュアルタイプに見えますが、実際に打ってみると、どちらかというとオートマチックタイプに近いのかな?と思いました。
それはやはりソール形状にあるのかもしれません。
オールマイティに近く、できるだけ細工をしないほうが、このウェッジの良さを出しやすいような気がしました。
微妙に打ち分けるというよりは、ひとつの打ち方で、その精度を高めていきたいと考えておられる方には、魅力的なウェッジといえるのではないでしょうか?
試打後の感想

試打を終えて、やはりいいウェッジだな・・・。と思いました。
質感がとても良く、まずは目で楽しむことができ、打つ前からずっとテンションがあがっていました。

それでも一番印象に残ったのが、フェース面のミーリングです。
この美しくて繊細な感じのミーリングは、さすがBSだと思いました。

美顔でありながら、シビアさがなく、オートマチック的な要素も兼ね備えたウェッジです。

少しグースが利いていますが、ストレートタイプを使い慣れておられる方にも、あまり気にならないのではないかな?と思いました。
もちろん、セミグースタイプを好まれる方には、とても好感の持てる顔で、『守備範囲の広い』ウェッジといえるのではないでしょうか?

ただ、ソールを見たときに、バンカーで『砂を切る』イメージは湧いてきませんでした。
どちらかといえば『エクスプロージョンタイプ』といいますか、『爆発』で打っていくウェッジなのかもしれません。
また試打する機会があれば、バンカーでも試してみたいですが、バンカーで使い倒して、この綺麗なミーリングが摩耗してしまうのが嫌だな・・・。と思いました。

ラージサイズ、そして強いグースを好まれる方以外の、多くの方に支持されるウェッジといっていいのではないでしょうか?
キャビティバック形状になっているので、それだけで安心感が高まるという方もいらっしゃると思います。
チープさは無く、綺麗に仕上げられているので、質感にこだわる方にも試していただきたいウェッジです。
全体的にバランスが整っているのも好印象でした。
☆
構えやすさ・・・☆☆☆☆
打感・・・・・・☆☆☆☆
スピン性能・・・☆☆☆☆
あがりやすさ・・☆☆☆☆
安定性・・・・・☆☆☆☆
距離感・・・・・☆☆☆☆
操作性・・・・・☆☆☆☆
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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