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2022年04月03日
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テーラーメイド MG3 クローム ウェッジ

今日は、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは テーラーメイド MG3 クローム ウェッジ

シャフトは N.S.PRO MODUS3 TOUR 105 です。
ロフトは58度、クラブ長さは35インチ、シャフトフレックスはS、シャフト重量は106.5g、トルクは1.7、キックポイントは元調子 です。

とてもカッコいい、テーラーメイドのウェッジです。
アイアンとウェッジは似た部分が多いですが、テーラーメイドの場合、アイアンとウェッジは、かなり差別化しているように感じます。
それは質感であったり、フォルムであったり、いろいろです。
テーラーメイドのアイアンはステンレスのイメージが強いですが、ウェッジに関してはそうではなくて、軟鉄も多いように感じています。

トゥ側にある、テーラーメイドのロゴもカッコいいですね。
このデザインになって、ずいぶん経ちました。
このデザインが出始めの頃、何年かしたら、新しいデザインになるだろうと思っていましたが、今でもこのデザインが使われていて、ピーター・モアさんのデザインというのは有名です。
ちなみに私は前のデザインのほうが好きですし、そろそろ新しいデザインになって欲しいと思っています。

ヒール側にある、『MILLED GRIND3』のロゴもカッコいいです。
3ということは、これまで1や2があったのでしょうか?

ミラー仕上げではなく、全体的に艶消しになっていて、カッコいいです。
ただ、結構『使い減り』する仕上げのように見えました。
ゴルフクラブには使っているといい味が出てきてシブさが増すものと、そうでないものに分けられ、このウェッジは後者のように感じられます。
あくまでも私が見た感じなのですが、使っていくうちに塗膜が剥がれてみすぼらしくなってしまう未来が見えたからです。
これまでいろいろなクラブを試打してきて、『日焼け』してしまったものもありましたが、ひょっとしたら、このウェッジもそうなのではないかな?と思いました。
大きさは標準的で、オーソドックスなタイプです。

しかしトップラインが、いわゆる『テーパー』になっているのがすぐに分かりました。
テーラーメイドのウェッジにしては珍しいように思います。
フォーティーンなど、他のメーカーではすっかりお馴染みとなりましたが、テーラーメイドもついに採用したのでしょうか?
このウェッジ以前にも、ひょっとしたらあったのかもしれませんが、少なくとも私の記憶ではテーラーメイドのウェッジでは初のような気がします。

こうして見ても、やはりフォーティーンのウェッジを思い出しました。

バックフェースの形状はシンプルですが、完全なフラットバックではなく、微妙に凹凸があります。

バックフェースの、この凹みと丸みが結構目立っています。
大きな凹みではないですがトップライン側に重さを集めて、少しでも重心を高くしようということなのでしょうか?

トップラインは少し厚く見えましたが、今は多いですし、これくらいであれば構えても邪魔にならないような気がします。
トゥからヒールにかけて一定の幅ではなくて、トゥ側のほうが広くなっていて、ここの部分もテーパーです。
かなり細かなところまでこだわって設計されているのではないでしょうか?
『雑さ』が感じられません。

ソール幅は標準です。
トゥからヒールにかけて、テーパーになっているものも多いですが、この幅に関してテーパーではなく、真っ直ぐに近いです。
私はソール幅がテーパーになっていたほうが(ヒール側が狭くなっているほうが)、フェースを開閉するイメージが出しやすいので好きですが、このようなタイプも全く問題ありません。
私はウェッジのソールでは、トゥ側よりも特にヒール側に着目しています。
ヒール側がボテッとしていたり、こんもりと膨らんでいたりすると、少し手を加えたくなります。
それは、これまでの経験(ミスショットの蓄積)によるものが大きいのかもしれません。
なんとなく感覚的にそう感じますし、キャリアを積んでくると、いくら私のように感性の鈍い人間でも自分の好みがはっきりしてきます。

ソールにはミーリングがありました。
これが『MILLED GRIND3』なのではないでしょうか?
ウェッジのソールにミーリングを入れるメーカーは少ないですが、テーラーメイドのウェッジは過去のモデルにも採用されていました。
私はフェースを開いて使うことが多いので、このように真っ直ぐ(垂直)ではなく、斜めでもいいのかな・・・?と思いましたが、実際はこれでも問題ないのは明らかです。
アプローチでウェッジを使うときに、どうしてもリーディングエッジの『刺さり』が気になる・・・。という方は開いて使えば回避できるということを経験されると、アプローチの難易度が下がり成功率もあがってくるのではないでしょうか?
ウェッジのように、かなりロフトが寝たクラブは、開いて使うのが基本だと思います。
逆に今のドライバーは『かぶせ気味』が標準となっているようです。
フェースの被せ具合は、ロフトが大きく関係しています。

かなりバンスが効いているのがわかりました。
最近では珍しいように思いますが、昔から無かったわけではありません。
私はどちらかというと少なめ(ローバンス)か標準が好きなのですが、ハイバンスを好まれる方はたくさんいらっしゃると思います。
バンスが強いほうがソールを滑らせやすいという方もいらっしゃると思いますが、ローバンスでもフェースを開けばバンスはかなり効いてきますし、フェースを開いて使うことが多いので、バンスの強いものを必要としていません。
といいますか、逆に強すぎるものには多くのミスショットをしているので、苦手意識もあります。
これだけの大きなバンスは、このウェッジの『個性』といっていいのではないでしょうか?
フェースの入れ方(ソールを滑らせる角度)、つまり入射角が限定されているように感じました。
バンスの効きが弱かったら、もっと汎用性が大きくなったような気がします。
そういった意味でも、このウェッジはマニュアルタイプというよりは、オートマチックタイプの色が強いのかな・・・。と思いました。

ネックは長くなく、標準的です。
むしろ、少し短めに見えました。
ウェッジには物足りない長さに見えたのですが、テーラーメイドのウェッジにロングのイメージは無いですし、この長さがテーラーメイドの答えなのだと思います。

フェース面にはミーリングがあり、よく目立っていました。
他のメーカーのウェッジには見られない個性があり、これが『MILLED GRIND3』なのかもしれません。
フェース面を指で触ってみたのですが、強烈なザラザラ感は無いものの、つるつるした感じはなく、はっきりとした凹凸感がありました。
比較的シンプルではあるものの、かなり研究されているようです。
昔よくやっていた、ノーメッキのウェッジを水につけてわざと錆びさせて使っていたのを思い出しました。
それと似たような触感です。
少しでもスピンを高めようという思いからだったのですが、今思えばそれほど有効的ではなかったような気もします。

ボールを前にして構えてみると、好感が持てました。
テーラーメイドのウェッジには複数の顔がありますが、この顔も『テーラーウェッジ顔』です。
ヒールがキュッと締まっていて、ティアドロップ型といっていいと思います。
ここの部分がボテッとしていたら、少し好感度が下がってしまうのですが、このウェッジはいい感じです。
私はウェッジを構えたときに『逃がすイメージ』を出せるかどうか?ということにすごくこだわっているのですが、このウェッジは好感が持てました。
フェースの使い方はいろいろありますが、基本カットに打っていきたいというのもありますし、つかまり過ぎて左に行くのが嫌だということも大きいのだと思います。
グースでなく、ストレートなのも親近感が増しました。

『開きやすさ』はまずまずです。
最初見たときにバンスの効きが強く、フェースが浮きすぎるかな?と思いましたが、実際はそこまでではありません。
ただ、もし私が購入して使うとなれば、結構削るのは間違いないですし、特にヒール側は大きく落としていくだろうと思います。
そのほうが『据わり』が良くなるからです。
このまま打てば、おそらくヒール側(のバンス)が邪魔する(跳ねる)だろうな・・・。と思ったのですが、このようなタイプは昔からありますし、今日は練習場のマットの上からなので、そこまで気にする必要はないのかもしれません。
試打を開始しました

『打感』はソフトで、かなりいいです。
フェース面を見たときに、打感をイメージできなかったのですが、とてもソフトで好感が持てました。
何と言っていいかわかりませんが、フカフカでキメの細かな砂にボールを落として、少し沈むような柔らかさ・・・。といったらいいでしょうか?
もちろん実際は金属なので、そのようなことはないのですが、この柔らかな打感をどう表現したらいいのかな?と考えていたら、このような表現が浮かびました。
ガツンとくることもなく、あたりが柔らかくて、球持ちがいいのも魅力です。
バケツに水を張って、水滴を落としてジワーッと波打つイメージ・・・。といったらいいでしょうか?

球も拾いやすく、ロフトなりの高さが出せますが、やはり私はもう少しソール形状に加工が必要だと感じました。
このようなハイバンスタイプを好まれる方には、よく滑ってくれ扱いやすいと思いますが、私は少し気を遣わなければならない感じです。
ただ、これはこのウェッジのバンスが良くないということではなく、あくまでも私が使いこなせていないということに過ぎません。

スピン性能は優秀です。
高速で安定したスピン性能をもっています。
これはやはりフェース面がかなり仕事をしているのではないでしょうか?
適度にボールに食いつきますし、『打って終わり』ではなく、乗せて運べるウェッジです。
インパクトを一個の『点』でとらえるのではなく、『数個の点が集まった集合体』、つまり『線』で乗せて運んでいくことができます。
ボールがよく止まってくれましたし、すぐにでも実戦投入できそうです。

ラインも出しやすく、安定しています。
キャビティタイプのような寛容さは無いですが、もともとロフトが寝ているウェッジはこれくらいがちょうどいいように感じます。
必要以上の寛容さは曖昧さを生み、それがプレイヤーの感覚を邪魔することにもなりかねません。

『距離感』という点では、私には少し軽く感じたので、最初の何球かは少しばらついてしまいました。
『重力を味方につけられない』感じ・・・。といったらいいでしょうか?
しかし、これも私がこの軽さに対応できていないからであって、この軽さがちょうどいいという方もたくさんいらっしゃると思います。
クラブが軽く感じると、手打ちになりやすくなったり、タイミングが速くなりすぎてしまったりすることがありますが、こういうときこそ、背中の筋肉を意識して、スローで打っていくイメージが欲しいです。
何度か球数をこなして、縦の距離感がまとまってきましたが、私はこの軽さに慣れたくはありません。

『操作性』も悪くはないですが、やはりバンスが少し気になって、いつものような思い切った細工は少しやりづらいです。
『遊び』が少ない・・・。といいますか、ある程度『一定の幅』で収めたほうがいいように感じました。
最近はあまり意識していなかったのですが、こうしてバンスの効きが強いウェッジに出会うと、ソール(特に後ろ側)を普段からよく使っていることに気づかされました。
試打後の感想

これまでのテーラーウェッジにはない質感で、それがとても印象的でした。
テーラーメイドはどちらかというと、『機能性』を重視したメーカーで、『質感』や『打感』などのフィーリングは二の次といったところもありましたが、このウェッジはかなりこだわってつくられているようです。

これまでになかった斬新な質感でいいな・・・。と思いましたが、この質感に見とれることはありませんでした。
それは先ほども書きましたが、『使い減り』するタイプのように見えたからです。
テーラーメイドのクラブに対する考えは、『クラブは時間と共に劣化していく、だから買ったばかりが一番美しい』ということなのかもしれません。

もちろん道具である以上、それは正しいのですが、ゴルファーにとってゴルフクラブは大切な相棒で『一心同体』なので、共に過ごした時間がプレイヤーの記憶に、そしてクラブにも美しく形として残っていて欲しい・・・という思いがあります。

ただ実際に球を打ってみて、バンス以外は気になるところがありませんでした。
打感もいいですし、スピン性能も高いです。

聞くところによると、このウェッジは様々なバージョンがラインアップされていて、違うバンスもあるということなので、もし機会があれば違うタイプを試してみたいと思いました。

テーラーメイドには、これからも様々な性能・性格をもったクラブを開発して、私たちゴルファーに届けて欲しいです。
☆
構えやすさ・・・・・☆☆☆☆
打感・・・・・・・・☆☆☆☆☆
スピン性能・・・・・☆☆☆☆
あがりやすさ・・・・☆☆☆☆
安定性・・・・・・・☆☆☆
距離感・・・・・・・☆☆☆☆
操作性・・・・・・・☆☆☆
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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