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2022年04月17日
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ロマロ Alcobaça Stream DOUBLE WAVE WEDGE

今日は、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは RomaRo Alcobaça Stream DOUBLE WAVE WEDGE です。

シャフトは N.S.PRO MODUS3 120 です。
ロフトは56度、クラブ長さは35インチ、シャフトフレックスはS、キックポイントは中調子 です。

ロマロの新しいウェッジです。
普通のメッキもいいですが、このような黒染めもカッコ良くて好感が持てます。
ドライバーなどは『大きさ』を感じさせるように、また実際に大きいほうがたくさんメリットがあるのかもしれませんが、ウェッジは大きくなると難易度があがってしまうので、小さく見せる工夫も必要です。
そういったときに、この色は理にかなっているように思います。

大きさも標準的でオーソドックスなタイプですが、シャープな感じはあまりなく、ところどころ丸っこさが見られるのが印象的です。
雑なデザインではなく、ディテールにもこだわっているように見えました。

ヒール側には『DOUBLE WAVE』と書かれています。

そしてトゥ側には『Alcobaça』。
これは以前から使われていたのですが、特に意味を知ろうとはしませんでした。
ポルトガル西部の地名なのだそうです。
ロマロとどういう関係があるのでしょうか?

フラットバックタイプではありますが、完全なフラットではなく、微妙に凹んでいます。
これも重量配分を考えてのことでしょうか?

トップラインの厚みは標準的です。
このウェッジのトップラインも、トゥからヒールにかけて、少しテーパーになっています。
以前、他のメーカーでも見られた工夫です。
これがベストなのか、それとも流行なのか分かりませんが、ゴルフクラブにはよく見られます。
メーカーは違っても、実際に作っている工場が同じ場合があるということも、多くの方が知る事実です。

ソール幅は標準的ですが、トレーリングエッジ側の中央付近が狭くなっています。
珍しい形ですが、これにもおそらく大きな理由があるのではないでしょうか?


ソールも凹んでいて、これが『DOUBLE WAVE』という名の由来になっているのではないか?と思ったのですが、真偽のほどは定かではありません。
バンカーが苦手な方、そしてバンスがよく効いてソールがプクッと膨れているようなウェッジを好まれる方は、このような形状はあまり好まれないかもしれません。
ソール全体が膨れていると、砂を弾くイメージが出しやすいですが、このような形状だとバンカーよりもラフなど、グリーン周りのアプローチで真価を発揮しそうに見えます。

ソール中央部は凹んでいますが、こうして見ると、緩やかな『二分割形状』になっていて、バンスも結構利いているのが分かりました。
かなり抜けも良さそうです。

ネックの長さはたっぷりあります。
ウェッジに欲しい長さはしっかりとキープされているので、安心感もありました。
昔から(特にドライバーやFWなどですが)、『低重心』という言葉がもてはやされてきましたが、ウェッジは高重心のほうが有利な気がするので、これくらいの長さは欲しいところです。
アプローチをしていても、最初だけスピンが掛かってもほどけるのが早すぎれば、距離感も合いません。
なので適正な重心の高さが必要で、このウェッジはその条件を満たしていそうに見えました。
私がウェッジに求めたいスピン性能は、強烈過ぎて戻り過ぎるスピン性能ではなく、グリーンを奥に外したときなど、下りの寄せが残ったときにも、しっかり止めてくれる性能です。

ホーゼルには『CF-FORGED』と刻印されています。
通常の鍛造ではない、特別な工夫がされているのでしょうか?

ロマロのロゴが入ったグリップがとてもカッコ良くて好感が持てました。
ソフトなフィーリングで、『ゴムの柔らかさ、しなやかさ』を味わえるグリップです。
ロマロのグリップといえば、他社には無い『香り』が有名ですが、全てのグリップにあるわけではありません。
このグリップはどうかな?と匂いを嗅いでみたのですが、ほのかないい香りがしました。
何の香りかまでは分からなかったのですが、甘いというよりは爽やかな香りです。
ルールに抵触しないのであれば、こういった工夫はどんどん採用して欲しいと思っています。
実際のラウンドで、ミスショットが重なって頭に血が上っているときに、この爽やかな香りで落ち着くことができれば、儲けものです。

フェース面には、はっきりとしたミーリング加工が見えます。
ウェッジに施されるミーリングはいろいろなパターンがありますが、このウェッジのミーリングは過去にも見たことがありますし、クリーブランドのウェッジを思い出しました。
指で触れてみたのですが、結構な『凹凸感』といいますか、ザラザラ感がありました。
ミーリングは確かに有効な方法だと思いますが、やり過ぎてしまうと下品になったり、構えづらくなってしまうこともあります。
このウェッジは『ギリギリセーフ』です。
これ以上くどくなって欲しくありません。

ボールを前にして構えてみると、好感が持てました。
顔としての形が整っているということもありますし、黒染めなので精悍さが増してカッコいいです。
黒は収縮色なので、ボールを大きく見せてくれたり、際立たせてくれます。
構えたときにクラブのヘッドが大きく見えたほうがいいという方もいらっしゃると思いますし、逆にボールが大きく見えるほうが好きだという方もいらっしゃると思います。
私は圧倒的に後者で、このようなウェッジはとても魅力的です。
黒といっても、光沢感を消した黒なので、いい意味での『枯れた質感』があって、何回も使ってきたかのような雰囲気も味わえました。

フェースの開きやすさも、好感が持てました。
ウェッジは開いて使うことが多いので、開きやすさは重要なポイントです。
開いて使うことでショットのバリエーションが増やせますし、単純に言って難易度が下がります。
そういった意味でも、このウェッジはじゅうぶん合格点です。
試打を開始しました

『打感』はソフトでありながら、しっかりとした『芯』を感じることができて、とてもいいです。
ボールの質感と、ウェッジのフェース面の質感が上手く融合している感じ・・・。といったらいいでしょうか?
インパクトの瞬間、ひとつになったような感覚です。
実際はそんなことはないのですが、インパクトの瞬間、ボールが静止して(スピンが止まって)フェースと一緒になって(くっついて)、それからリリースされるような感覚がありました。

球はひろいやすくて、ロフトなりのあがりやすさがあります。
ストレートタイプなので、私は易しく感じますが、グースタイプを好まれる方には親しみづらいところがあるかもしれません。
構えたときの出球のイメージと合致しやすいところも、このウェッジの長所です。
いろいろなクラブ(特にアイアン)を試打していると、構えたときの出球のイメージと実際の出球の高さが合致しないことがありますが、距離感を出していくには出球のイメージはとても大切なので、そういったクラブはいくら易しくて距離が出ても使いたくありません。
特にウェッジでそういったことが起きてしまっては、グリーン周りが難しくなり、スコアメイクできなくなってしまいます。
飛距離を出すためのクラブ(特にドライバー)は『ファスト感』といいますか、『ハイスピード感』が求められますが、距離を出さないクラブ、縦の距離感を出すためのクラブであるウェッジは真逆で『スロー感』、つまり『ロースピード感』が求められます。
できるだけゆっくりなほうが、距離のコントロールが易しくなるからです。
ビリヤードのプロが、必要以上のスピードを出さないのと同じ理屈といえるでしょうか?
そのほうがポジションプレーが易しくなるからです。
ビリヤード(特に9ボール)に詳しい方は、アメリカのアール・ストリックランド選手のプレーをイメージしたら伝わりやすいかもしれません。
絶妙なスローボールを駆使しながら、サクサク撞いてプレーはとても早い選手です。(とはいっても、私は『魔術師』『マニラからの恐怖』といわれた、フィリピンのエフレン・レイズ選手のファンですが・・・。)

車でいえば、ドライバーはアウトバーンを走るようなスピード感。
対してウェッジなど飛距離ではなく、シビアな距離感が求められるクラブは、商店街や住宅街の狭い道で、いつ歩行者が飛び出しても止まれるように徐行運転をするような感じ・・・。といったらいいでしょうか?
同じクラブでも、全く性質が異なりますし、それが醍醐味といえるのではないでしょうか?
あくまでも私の場合ですが、アプローチの調子がいいときは、ショットの前に頭の中でスローモーションでボールが転がってカップに向かっていく映像が浮かんできます。
決して速いボールではありません。
そのイメージが弱かったり、なかなか浮かんでこなかったりするときは、ショットの成功率が極端に落ちてしまいます。
だからイメージ力が大切ですし、イメージの浮かばないクラブはいくら評判が良くても使いたくありません。
そういった意味でも、このウェッジは好感が持てました。

スピン性能はとても高いです。
ハイスピンでありながら、ガツガツしていません。
『サイレントスピン』といったらいいでしょうか?
無音のような静けさでありながら、強烈にスピンが掛かっていました。
ゴルフをやっていると、左耳のほうが、より敏感になっているように感じることがあります。
日常生活では左右の耳は同じ聴力で、実際に健康診断でも同じなのですが、ゴルフをやっているときだけは、右の耳よりも左の耳のほうが、小さな音も聞き逃すまいとアンテナが張っているように感じます。
インパクトからフォローにかけて、一瞬ボールが静止してフェース面にくっついているようなイメージ・・・。といったらいいでしょうか?
実際は静止すること無くスピンが掛かっているのですが、そう感じるほどボールの乗りの良さを感じました。
その時の音がとても静かで穏やかな印象をもちました。

ラインも出しやすく、大きく暴れる感じはしません。
キャビティタイプのウェッジのような大らかさはありませんが、多くの方がこれくらいがベストと感じられるのではないでしょうか?
不必要に易しくなりすぎてしまうと、それが大きなデメリットにつながってしまいます。
弾きが良すぎるフェース面はコントロール性能を失わせて、距離合わせが難しいと感じる方も多いのではないでしょうか?
方向性もアバウトになり、次第にアドレスも乱れてしまいます。
そういった意味での、このウェッジは不必要な寛容さは無いので、親近感がもてました。

インパクトがガツンと来ることもなく、球の乗りが良く、出球のイメージが出しやすいので、距離感も合いやすいです。
先ほども書きましたが、『スローボール』で運んでいけるので、落としどころを限定させることができました。
寛容性の高いウェッジなら、目標の円の直径を大きくしなければなりませんが、これだけフィーリングが出しやすいウェッジだと、その円を半分くらいに小さくすることができます。
高さとスピードをイメージするだけで、テークバックの大きさなど気にせず、浮かんだイメージが濃いうちにボールを運んでいくだけです。

『操作性』も抜群です。
フェースを開きやすく、ボールが滑ることなく、しっかりと乗ってくれるので、とても扱いやすいです。
これはミーリングの効果も大きいのではないでしょうか?
距離感の出しやすさ≒ボールがフェースに乗っかる時間なんだな・・・。と思わせてくれます。
ロブ系のショットにも対応してくれているウェッジです。
試打後の感想

久々のロマロウェッジでしたが、やはりいいな・・・。と思いました。
ロマロはアイアンやドライバーのイメージが強いですが、ウェッジも秀逸です。
試打しながら、バルドを思い出していました。

カッコ良くて、まずは目で楽しませてくれます。
それでいて、実戦的というのが魅力的です。

オートマチックタイプのウェッジを好まれる方には合いづらいところがあるかもしれませんが、ひとつのウェッジで様々なショットを打ち分けたいという方には、是非おすすめしたいウェッジです。
操作性が良くて打感もいい、長く使っていけるウェッジだと思います。

今日はバンカーで試すことができなかったのが残念でした。
ソールの形状から、結構シビアな『砂取り』といいますか、ヘッドの入れ方が要求されるような印象をもったのですが、実際に試していないので、何ともいえません。
もしバンカーで試すことができたら、じっくり検証してみたいと思います。

このウェッジのおかげで、楽しい時間を過ごすことができました。
これからもロマロには期待していきたいです。
☆
構えやすさ・・・・・☆☆☆☆
打感・・・・・・・・☆☆☆☆
スピン性能・・・・・☆☆☆☆
あがりやすさ・・・・☆☆☆☆
安定性・・・・・・・☆☆☆
距離感・・・・・・・☆☆☆☆☆
操作性・・・・・・・☆☆☆☆☆
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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