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2021年12月05日
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テーラーメイド P790 アイアン

今日は、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは

シャフトは N.S.PRO MODUS3 105です。
ロフトは30.5度、クラブ長さは37インチ、シャフトフレックスはS、シャフト重量は106.5g、キックポイントは元調子、クラブ総重量は422g です。

テーラーメイドの新しいアイアンです。
昨年、770というアイアンを試打したので、その後継モデルであることは想像に難くありません。

シンプルなデザインで、カッコいいです。

中空であることが分かりますが、他の中空と違い、プクッと膨れていないところに好感が持てます。

字が薄くて読みづらいのですが、ヒール側に『TUNGSTEN』の文字があったので、ウェイトとして組み込まれているのが分かりました。
中空はもちろん、他のアイアンでもおなじみです。
それだけウェイトを組み込まないと、適正な重量バランスや重心位置を維持できないということでしょうか?
中空の利点でもある、『外すっきり、中複雑』だと思います。

外見的な彫りは浅く、こうして見るとマッスルバックのようにも見えますが、中空独特の何ともいえない雰囲気があります。
しかし、かなり工夫しているようです。
中空っぽく見えないよう、メーカーが配慮して設計しているのではないでしょうか?
クラブはまず『外見』から入るので、決して無視することはできません。

トップラインはちょっと厚めですが、中空タイプのアイアンの中では標準的といっていいように思います。

ソール幅も見慣れた感じで、特に変わったところは見られません。

ソール形状は平らというわけではないですが、かなり緩やかな丸みがあって、リーディングエッジとトレーリングエッジが微妙に削られています。
今のアイアンはソール形状にも、『メーカーの主張』といいますか、独自の変わった工夫が見られることが多くなりましたが、このアイアンにはそういったところは見られません。

ネックは、やや短めですが、今はこれくらいがスタンダードです。

フェース面は『スタンプタイプ』のシンプルな仕上げになっています。
中空だからでしょうか?
フェース面にミーリングを入れたり、スコアラインを工夫したりすることは無いようです。
あまり手をかけたくないのかもしれません。
たとえ中空であっても、日本で少数生産のアイアンだったら、もっといろいろな物が見られるんだろうな・・・。と思いました。
こういったところは合理的な海外メーカーらしい特徴です。

装着されているグリップはソフトなフィーリングで好感が持てます。
最近はこのグリップに出会うことが多いように思います。
今年の流行なのでしょうか?

素振りをしてみると、なかなか良いです。
やや軽量感がありますが、頼りない感じはしません。

ボールを前にして構えてみても、好感が持てました。
ストレートタイプで、ラインも出しやすそうです。
トップラインの厚みが目立ち、もっと狭い方が私は好きなのですが、これは仕方ありません。
『中空の置き土産』といったところでしょうか?
中空タイプによく見られる厚みです。
ユーティリティアイアンだけでなく、普通のアイアンでも中空タイプはボテッとして、アイアンのイメージで構えづらいものも過去にはありましたが、このアイアンは完全にアイアンとして構えることができます。
どっちつかずではなく、しっかりとアイアンとして主張しているところがいいです。
こうして構えてみると、結構『小顔感』があることに気づきました。
こういったことは、これまでの中空にはあまり見られなかった特徴です。
試打を開始しました

『打感』はもうひとつでした。
中空なので予想していたのですが、ひょっとしたらすごく良くなっているのではないかと期待していました。
しかし、よくある『中空らしい』打感です。
私はこの打感があまり好きではないのですが、中空を普段使っておられる方には馴染みがあって、好感が持てるのではないでしょうか?

球はよくあがってくれました。
構えたときにイメージした高さよりも、高い弾道で飛んでいきました。
バックフェースにTUNGSTENの文字があったので、かなりたくさんのタングステンが使われていて、重心が低くなっているのでしょうか?
このようなタイプはどうしても『上から』潰して打ちたくなりますが、横からはらうイメージでも、結構浮かせてくれるアイアンだと思いました。
カッコ良くてシャープなアイアンが好きだけど、ダウンブローが苦手だ・・・。という方は、頼もしい相棒になってくれるのではないでしょうか?
球はよくあがってくれてイージーさを感じたのですが、いわゆる『めくれるような』弾道ではないので、結構スピンも少なめで、グリーンでは止まってくれないのではないかな?と思いました。
球質が、やや軽めで少し流されるような弾道です。
あくまでも私の理想として、グリーンの真上からズドーンと落としていって、そこから短く2バウンドくらいして、ピンに絡んで欲しいのですが、このようなタイプのアイアンではそれが難しいように感じました。

『安定性』が高く、打点のブレにも強いです。
ここに一番驚くといいますか、このアイアンの特長が出ているように感じました。
打感を犠牲にして、ここの部分を高めているのは間違いないようです。
外見はマッスルバックのようでも、実際はフルキャビティの易しさがある・・・。
これこそが『中空の醍醐味』といえるのではないでしょうか?
結構な小顔タイプでありながら、ここまでの寛容さを感じるアイアンは記憶にありません。
少しヒール側で厚く入っても、逆にトゥ側で薄く入っても球筋はブレにくく、ストレートに近い弾道で飛んでいきました。
見た目はマッスルバック、易しさはフルキャビティ、あるいはポケキャビ並のアイアンといっていいように思います。

『飛距離性能』も優れていて、よくある『番手飛ばし』のアイアンです。
この飛距離を見ると、7番アイアンには思えなくなりますが、これが今のスタンダードではないでしょうか?
ヒッター向けなのは間違いないですが、そのハードルは意外と低く、それほど使い手を限定しないアイアンです。

『操作性』という点では、結構いい顔をしているせいか、曲げることもできましたが、どうしても安定感が勝ってしまうように感じました。
いい意味で、『安定性』『易しさ』が操作性を邪魔しているといっていいでしょうか?
球がつかまり過ぎないので、私のようなフッカーでも安心感がありますし、フェードヒッターの方にもまとめやすいアイアンといっていいように思います。
自然につかまえてくれるアイアンではないですが、右へすっぽ抜ける感じはしません。
曲球も打てますが、どちらかといえば『セミーオートマチックタイプ』のアイアンだという印象をもちました。
試打後の感想

見た目はシンプルですが、かなり工夫されているといいますか、ハードルを下げているというのが、球数をこなしていくほど強く感じられました。
ヘッドの中はどうなってるんだろう?と中を割ってみたくなるほどでした。

易しいアイアンを使いたいけど、それでもやっぱりカッコよさは捨てられない・・・。
という方にピッタリのアイアンだと思います。
マッスルバックのようなシンプルな形状でありながら、実際の性能はポケキャビ並の易しさがあるので、そのギャップに驚かれる方がいらっしゃるかもしれません。

テーラーメイドのアイアンといえば、過去にフォージドアイアンがありながらも、どちらかというと『ステンレスのポッチャリ系』というイメージが強く、親近感をもてないことも多かったのですが、このように全く別のモデルも発表し、さすが開発力があるな・・・。と思いました。

シャープでカッコいいアイアンではありますが、全体的な質感や構え感、打感などが私の好みからは外れているので、いいアイアンだな・・・。と思いつつも、それ以上気持ちが盛り上がることはありませんでした。

ただ、これはあくまでも私の好みであり、このアイアンが優れていないということではありません。
むしろ、これだけたくさんの工夫をして、私たちゴルファーを楽しませてくれるメーカーには感謝しています。

一時期、テーラーメイドはニューモデルの出る頻度がとても高くて、他のメーカーが追随できないところがありました。
それがいつの間にか落ち着いてきて、他のメーカーと足並みをそろえるようになりましたが、これからもテーラーメイドには、『流行の先駆者』で有り続けて欲しいです。
☆
構えやすさ・・・☆☆☆
打感・・・・・・☆☆
あがりやすさ・・☆☆☆☆
安定性・・・・・☆☆☆☆
飛距離性能・・・☆☆☆☆
操作性・・・・・☆☆☆
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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