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2021年11月28日
ブリヂストンゴルフ 213HF アイアン

今日は、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは

シャフトは Diamana BS50i です。
ロフトは28度、クラブ長さは37.25インチ、シャフトフレックスはS、シャフト重量は58g、トルクは3.3、キックポイントは中調子、クラブ総重量は367gです。

ブリヂストンゴルフのハイテクを感じさせるアイアンです。
私はシンプルなベーシックタイプのアイアンを相棒に選ぶことが多いのですが、それとは真逆のこのようなタイプにも期待しています。
これまで経験したことがないようなことが起きるのではないかということと、常に新たな視点でクラブ開発をしていくのはゴルフにとってもいいことだと思っているからです。
ゴルフクラブには様々な規制がかかっていますが、それも『ゴルフの本質』を維持するために必要なことだと思います。
しかし、『現状維持』ではいけないので、メーカーの新たな挑戦には、ゴルファーとしてありがたいことだと思っていますし、感謝の気持ちでいっぱいです。

見るからに高い機能性を感じさせるハイテクタイプのアイアンです。
いわゆる『面長』なタイプで、『フェース長』があって、『フェース高』は低めです。
外見的に言えば、『アイアン界のサイボーグ』といったところでしょうか?
映画の『ターミネーター』や、昔の特撮ヒーローの『人造人間キカイダー』を思い出しました。

この膨らみを見て、中空タイプであることが分かります。
ここ数年、中空の人気が高まっているのだと思いますが、これも流行りかもしれません。

ラージサイズのイージー系でありながら、彫りの深さは普通です。
バックフェースにある、この赤いアクセサリーのようなものがすごく目立っているのですが、これはどのような意味があるのでしょうか?
おそらくウェイトではないと思いますし、見た目だけの本当の意味でのアクセサリーなのかもしれないな・・・。と思いましたが、ブリヂストンのクラブなので、科学的なデータによる裏付けがあるような気がします。
トゥ側が削られていなくて、ヒール側が削られているので、重心距離が長くなっているようです。
私は重心距離が短め(だいたい32~34mmくらい)が好きですし、ややヒール寄りでヒットすることが多いので、このような構造はあまり好きではありません。
こうして見ていると、このアイアンは中空でありながら、キャビティの特色も兼ね備えているのが分かります。
中空だけで充分なのに、まさに『至れり尽くせり』といったところでしょうか?

トップラインは、やや厚めです。
とても細かなところですが、仕上げが少し雑に見えました。
ただ、これは試打したこのクラブだけなのかもしれないですし、普通は気にするほどではないと思います。
ついつい、クラブに対していろいろなところが見え過ぎてしまうのかもしれません。

ソール幅は少し広めですが、それほどワイドではなく、今のアイアンの中では標準的といっていいように思います。
ちょっと前まで、このようなタイプは、かなり広いものが多かったように思うのですが、最近は少し抑えられているようです。
ソールが広ければ易しいとは一概に言えないということが、ユーザーの間にも広まったのかもしれません。
また、低重心であればあるほど球があがりやすくて易しい・・・。と思っておられる方がいらっしゃるかもしれませんが、必ずしもそうではありません。
ティアップして打つドライバーと違い、直打ちするクラブであるアイアンは、ある程度の重心の高さがあったほうが易しいと、これまでの経験から感じます。
今はクラブの大きさや形状が極端になり過ぎて、スイングが限定されてしまっているように感じることも多くなりました。

ソールは平らというよりは、かなり丸くて削りが大きいのが分かります。
ソール全体もそうですし、リーディングエッジやトレーリングエッジも大きく削られているので、これで抜けが悪いとは言わせないというメーカーからのメッセージがあるのかもしれません。

ネックは、やや短めですが、今では見慣れた長さです。
こうして見ても、ちょっと表現は良くないかもしれませんが、『ぶっきらぼう』といいますか、あまりこだわってはいないように見えます。

フェース面にミーリングはありません。
よくある『スタンプタイプ』ではありますが、ニューモデルということもあるのか、スコアラインの溝(角の部分)が潰れていなくてきれいです。
特に目新しい工夫は見られません。

装着されているグリップはソフトなフィーリングで好感が持てます。

素振りをしてみると、重さは感じませんが、『頭でっかち感』といいますか、ヘッドの動き(挙動)が伝わりやすいです。
あくまでも『感覚的に』ではありますが、『アイアンテイスト』で振るのではなく、どちらかというと『ユーティリティテイスト』で振れるシャフトだな・・・。と思いました。

ボールを前にして構えてみると、『面長感』があり、グースタイプなので予想通りでしたが、昔のオートマ系ほど形が崩れていません。
好みの顔ではないものの、普通にアイアンとして構えることができました。
トップラインの厚さも目に入りましたし、少しカーブを描いているので、『つかまり感』を醸し出していますが、構えづらいほどではありません。
面長でフェース高がそれほどなく、グースもきつすぎないというのが、今の主流なのかもしれません。
かなりフェースが立っているように見えたのですが、これも今では普通です。
一昔前までのように、フェースが寝て、ボールが高くあがるので、そこで『上から潰す』といいますか、押さえ込んでいくイメージを出せるニューアイアンはほとんど見なくなったように思います。
試打を開始しました

『打感』は好きになれませんでした。
一球打って、すぐにテンションが下がりました。
全体的な形状などから、予想していた打感だったのですが、実際に感じてみると、やはり好きになれません。
中空独特の、薄くてペチャッとした感じです。
私の好みからは、かなりかけ離れているのですが、打感についての好みも人それぞれですし、昔よりも多様化していると思うので、この打感が好きだという方もたくさんいらっしゃるのではないでしょうか?

球はよくあがり、タフなところは全く感じられません。
球は浮きやすいですが、ロフトが立っている分、グリーンを上から攻めるイメージは出しづらいです。
7番以降はグリーンの真上から落として乗せるイメージが欲しいですが、この打ち出しだと『真上』というよりは、『やや斜め上』から攻めるようなイメージです。
しかし、これはディスタンス系アイアンにはよく見られる傾向なので、特に驚くようなことはありません。
ロフトを立てるデメリットを、様々な工夫でカバーしている印象です。
5番アイアンくらいの打ち出しのイメージなのですが、しっかり浮いてくれるので、多くの支持を集めているのではないでしょうか?

『安定性』も高く、完全なるオートマチック系アイアンといっていいと思います。
最初の出球さえしっかりコントロールできていれば、そこから曲がる気配を見せません。
構えたときにモヤモヤしたところがあり、クリアなイメージが出なかったので、暴れるかと思っていましたが、実際はとても大らかで安定していました。
打点のブレにも寛容で、シビアさは全く感じません。
面長のデメリットをグースで解消しているのか、球はつかまりやすいです。

『飛距離性能』は優れています。
このようなタイプのアイアンなので、予想通りでした。
まずはアイアンに飛距離性能を求め、それを補う形での『安定性』や『あがりやすさ』が組み込まれている感じです。
アイアンで飛ばしたい方には、頼もしい存在といえるのではないでしょうか?
ハードヒットしなくても、優しく拾っていく感じで楽に飛ばしていけるアイアンです。
ベーシックタイプの7番アイアンのようなナチュラルなあがりやすさではないですが、しっかりとキャリーも稼げるので、距離が稼げますし、このようなタイプのアイアンで距離感を出していくことができれば、まさに『鬼に金棒』となるような気がします。
『球の乗り感』ではなく、『弾き感』のあるアイアンです。

オートマチックタイプなので、操作性は秀でていません。
球筋はほぼストレートで、シンプルな球筋が魅力です。
オートマ系の特長でもある、再現性の高さが、このアイアンにはあります。
試打後の感想

見るからに『機能性』を感じさせるデザインで、いわゆる『イロモノ』に近いタイプなのかな?と思っていましたが、基本性能はしっかりしています。

『打感』や『構えやすさ』など、フィーリング性能は物足りないですが、それを多くのメリットでカバーしているアイアンといえるのではないでしょうか?

いろいろなパーツが組み合わさっていて、とてもインパクトのあるデザインですが、それらが全て意味をなしているのだと思います。

飛距離と大らかさの両立したアイアンです。

私がアイアンに求めたいものが、このアイアンには大きく欠けているので、あまり魅力は感じなかったのですが、それはあくまでも私の好みによるものであり、このアイアンが優れていないということではありません。
このようなタイプのアイアンを好まれる方がたくさんいらっしゃるのは間違いありません。

ブリヂストンには、これからも私たちゴルファーがワクワクするようなクラブを発表して欲しいです。
☆
構えやすさ・・・☆☆
打感・・・・・・☆☆
あがりやすさ・・☆☆☆☆
安定性・・・・・☆☆☆☆
飛距離性能・・・☆☆☆☆☆
操作性・・・・・☆☆
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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