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2021年11月09日
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PRGR egg spoon BLACK

今日は、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは

シャフトは Diamana FOR PRGR です。
ロフトは15度、クラブ長さは43インチ、シャフトフレックスはSR、シャフト重量は48g、キックポイントは中元調子、バランスはD1、トルクは5.4、クラブ総重量は312gです。

プロギアエッグスプーンのニューモデルです。
エッグスプーン自体、かなり久しぶりな感じがしますが、以前似たようなモデルを試打しました。
エッグスプーンは初期のモデルから試打していて、形は独特ですが、とても理にかなっていて、好感を持っています。
特に8年前に試打した『NEW egg SPOON』はとても素晴らしく、名器といえるクラブで、今でも忘れることができません。
一番印象に残っているのが、その優れた飛距離性能です。
いわゆるクラウンが無いモデルで、そのせいかあまり人気が出なかったようですが、人気と性能はまた別です。
人気が高いからといって、それが全て高性能とは限りません。
逆にあまり人気は出なかったけど、ポテンシャルの高いクラブというものはいくつも存在します。
たくさんのメーカーのクラブを試打していると、そのメーカーが『得意とするクラブ』を実感しますが、プロギアは特にフェアウェイウッドとユーティリティが秀でています。

シンプルで丸みを帯びたソールがエッグスプーンらしいです。
外見はシンプルでも、中身でプロギアの最新テクノロジーがちりばめられているのだと思います。
フェアウェイウッドのソール形状には、『平ら』で抜いていくタイプもありますが、このモデルは『接地面積の小ささ』で勝負しているようです。
これを初めて見たときに、テーラーメイドバーナーの『ゲタバキソール』を思い出し、いい勝負だろうな・・・。と思ったことを覚えています。
昔、私はバーナーのゲタバキソールを使っていました。
確かに接地面積が小さくなりますが、その代わり重心が高くなってしまうので、そこに不満を感じた方もいらっしゃったのではないでしょうか?
私は低重心過ぎるクラブよりも、ある程度重心の高さがあったほうが易しく感じますし、特に『上から』打つタイプなので、重心の低さはそれほど求めていません。

ネックの長さは標準的です。
ヘッドの形状を見ると、かなりショートネックかスルーボアなのではないか?と思ってしまいますが、このクラブは適度な長さがキープされています。
一時期は多くのメーカーが『足し算のクラブ』といいますか、いろいろなパーツを組み合わせたり貼り付けたりして、ゴチャゴチャしたタイプが多かったのですが、最近はこのようにシンプルなものが多くなりました。
いろいろなパーツが組み合わさったほうがハイテクっぽく見えて好きだ・・・。という方もいらっしゃると思いますが、いろいろなパーツが組み合わさっているからといって、性能が高いわけではないと、はっきり断言できます。
中には、最初から無いほうがいい・・・。というクラブもあるほどです。

ソールには大きな溝があり、これは以前試打したモデルと同じです。

溝の深さもしっかりあり、これも以前試打したモデルと同じです。
同じコンセプトで設計されているのでしょうか?
元祖カーボンコンポジットのプロギアを、今はテーラーメイドが再ブームの火付け役となっているので、逆にソールの溝ブーム火付け役であるテーラーメイドの技術を、今度はプロギアが受け継いでいるのかな?と思いました。
長年ゴルフクラブを試打していると、『持ちつ持たれつ』といいますか、『貸し借り』のようなものを感じることがあります。
また、昔からメーカーは違っても、『実際に作る工場』は同じだったりするので、各メーカー似たようなクラブになるのも仕方ないのかもしれません。
自ら研究・開発・生産・販売・補修アフターサービスまでするメーカーというのは、ほとんど無いのではないでしょうか?



独特なクラウン形状です。
この形状に好感を持たれない方は多いかもしれません。
こうして見ると、クラウンを無くしたことにより、カーボンコンポジットよりもさらに低重心化され、重心が浅く(フェース寄り)に来ているようにも見えます。
低重心&浅重心なのでしょうか?
浅重心は一時期人気になりましたが、日本人には合いづらく、すぐに沈静化しました。

トゥ側には『TITANIUM&TUNGSTEN』の文字があり、このクラブがメタルではなく、チタンが使われていて、タングステンが組み込まれているということが分かりました。
この文字を見るまで、チタンだとは思いませんでしたし、タングステンが組み込まれているのも分からなかったのですが、おそらくベストな位置に組み込まれているのではないでしょうか?
一口にチタンといってもピンからキリまでありますし、これからはドライバーだけでなくフェアウェイウッドやユーティリティもチタンが主流になってくるのかもしれません。

こうして見ても、かなりシャローであることが分かります。
最近はドライバーだけでなく、フェアウェイウッドでも、シャローバックでありながら、ある程度フェース高のあるものが増えてきているように思うのですが、このクラブはシャローバックだけでなく、シャローフェースです。
このタイプも昔からありますが、私はちょっと苦手に感じていて、少しプレッシャーを感じます。
それはフェース高を使いづらくなり、打ち損じをイメージしてしまうからです。
『どテンプラ』や『だるま落とし』になりそうな感じがします。
ただ、逆にいえばフェースの高低どこでヒットしても、ボールがドロップすることなく、あがってくれそうな形状だということもいえます。
このあたりは人によって好みが大きく分かれるところではないでしょうか?

顔はちょっと変わっていますが、これまで経験しているので驚くことはありませんでした。
ヘッド後方が少し伸びていて、『円盤タイプ』にも見えますが、それほどクセが大きいタイプでもありません。
フェースが少し左を向いているように見えましたが、それほど極端ではないので、普通に打っていけそうです。
美顔ではないですが、『無難な顔』といったところでしょうか?

フェース面はシンプルで綺麗です。
チープさは全く見られないですし、弾きも良さそうに見えます。

トゥ側には『CNC MILLED』という文字がありました。
最近はこのようにCADなどでコンピューター設計や切削が多くなり、それは精度が高くなるというメリットもありながら、『個性』が失われてしまうようなところがあるように思います。
昔は『誰々が削った』などと、その人の名前がクラブ紹介に使われていたこともたくさんありましたが、今はそれをコンピュータがやるようになったからなのか、あまり目にしなくなりました。
『コンピュータ制御』もカッコいいですが、私はやはり熟練の職人さんによる『ハンドメイド』に惹かれますしモチベーションもあがります。

装着されているグリップはシンプルなタイプです。
ソフトなフィーリングで好感が持てます。
ニューモデルということもあると思いますが、『ゴムの香り』がして、気持ちが高まってきました。
クラブが新しいということもいいですが、消耗品であるグリップが新しいというのはとても大切なことです。

ボールを前にして構えた感じは、まずまずです。
こんな感じだな・・・。と思いながら見ていました。
見とれることもなく、気持ちが高まることもなく、淡々と見ていました。
かなりシャロー感があり、『ボールとの高低差』をあまり感じさせません。
普段はもっとディープなものを使っているので、今日のように直打ちでもクラウン(フェース高)の高さのほうが勝っているので、多少上からヘッドが入ってもいい・・・。という、『心の余裕』のようなものがあるのですが、今日はそれが難しそうで、なるべくレベルに近い感じで綺麗に入れていかないといけないな・・・。という『縛り』のようなものを感じました。
ただ、ソールが滑ってくれるのが分かっているので、少々手前からダフり気味でもいいや・・・。と『アバウト感』を出していけそうです。

素振りをしてみると、かなり軽量感がありますし、フレックスがSRということで、かなり軟らかく感じます。
振りすぎてしまうと暴れそうなので、まずはタイミング重視でコンパクトに振って、ボールに接触してみよう・・・。と思いました。
試打を開始しました

『打感』は、いい感じです。
ソフトというよりは、ややしっかりめな打感ですが、硬いということはなく、嫌な衝撃が残ることもありませんでした。
これまでの経験から、ディープフェースよりもシャローフェースのほうが、打感が硬くなりやすく、弾き感も弱いものが多いのですが、このクラブはそんなことはありませんでした。

『音』もはっきりしていますが、大きすぎず高すぎず小気味よい音で好感が持てました。
インパクトが緩むこともなく、しっかりと振り抜いていける音です。

シャロー形状ということもあり、球はあがりやすいですが、『高~くあがって終わり』というのではなく、スプーンなりの、やや抑えた高さになっていて、効率の良さを感じました。
かなりシャローなので、イージー系なのかな・・・?と打つ前は思っていましたが、これはどちらかというとヒッタータイプの方に使っていただきたいクラブです。

『安定性』もなかなかいい感じで、大きく曲がらずに飛ばしてくれました。
見るからにオートマチックタイプではありますが、高い直進性があって真っ直ぐにしか飛ばないということもなく、ドローヒッターならドロー、フェードヒッターならフェードといったように、その人がもつ球筋を表現しやすいクラブです。
シビアさは全く感じませんが、スイートエリアの広さでいえば、今のクラブの中で『標準的』といっていいのではないでしょうか?

弾きが良くて弾道も力強いので、飛距離性能に長けたクラブです。
外見よりも実利といいますか、飛距離を求めていきながら、少し見た目にも配慮されているような印象をもちました。
15度のクラブの中では、高さが出るほうですが、先ほど書いたとおり『高くあがって終わり』ではなく、推進力があります。
クラウンの形状を見たときに、『浅重心』のように見えたのですが、やはりかなり重心が前に来ていて、低スピン性能にも長けているのかもしれません。
ただ、ドロップするほどのタフさはなく、日本人ゴルファーをよく研究して作られていると思います。
『無駄の無い飛び』というのがピッタリなのかもしれません。

『操作性』という点では、左右にも少し曲げることはできましたが、それほど高くありません。
構えたときはフェースが被っているように見えたので、フックが強いのかな?と思いましたが、それほど大きく左に曲がることもなく、ドローで収まってくれました。
フェードヒッターにも易しく、『つかまりの良いフェードボール』が打ちやすいクラブだと思います。
つかまり過ぎてチーピンが出てしまう・・・。とか、逆につかまらなくてコスり球がでてしまう・・・。といったことにはなりにくいクラブです。
このクラブに限ったことではありませんが、最近は特に『コスり球』が出にくいクラブが多くなったような気がします。
試打後の感想


見た目が独特ではありますが、かなり高性能なFWです。
『高さ』と『飛距離』を求めていきたい方には、頼もしい相棒となってくれるのではないでしょうか?

このクラブを試打して、やはりプロギアはフェアウェイウッドを作るのが上手いメーカーだな・・・。と思いました。

クラウンが凹んでいると売れにくいので、各メーカー同じような性能をもたせるために、カーボンコンポジットにしていると思うのですが、この形状が気にならない方であれば、あえてカーボンコンポジットを選ぶ必要は無いのかもしれません。

ソールに溝があるくらいで、あとはとてもシンプルな形状です。
しかし、見えないところにたくさんの工夫がされているが実感できます。
このクラブの性能の高さを肌で感じたからです。
☆
構えやすさ・・・☆☆☆
打感・・・・・・☆☆☆
音・・・・・・・☆☆☆☆
あがりやすさ・・☆☆☆☆
安定性・・・・・☆☆☆☆
飛距離性能・・・☆☆☆☆
操作性・・・・・☆☆
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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