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2021年11月05日
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キャロウェイ X FORGED STARアイアン

今日は、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは キャロウェイ X FORGED STARアイアン


シャフトは N.S.PRO MODUS³ TOUR 105 です。
ロフトは29度、シャフトフレックスはS、バランスはD1、キックポイントは元調子、クラブ総重量は426g です。

とてもカッコいいキャロウェイのニューアイアンです。
軟鉄の質感が美しく、目の保養になります。
以前も書きましたが、キャロウェイのアイアンは誕生時から苦手にしていました。
PINGとキャロウェイのアイアンは『トップ2』といってもいいほど苦手でした。
それはあの独特な形状にあり、いいイメージが出ず、違和感を覚えることもたくさんあったからです。
構えてみても頭の中がモヤモヤして、いい当たりが出ませんでした。
なんとか打ちこなしてみようと、たくさん球を打ちましたが、どうしても馴染めず苦手意識だけがどんどん膨らんでいき、もうキャロウェイのアイアンを手にするのは止めよう・・・。と思うこともあったほどです。
そんなときに、キャロウェイXフォージドの初代モデルに出会いました。
これまではステンレスだったのが軟鉄に変わり、オーソドックスでシュッとした形状に生まれ変わっていたので少し驚きました。
いい意味で、キャロウェイアイアンらしくなかったからです。
そのアイアンを試打してすごく気に入り、キャロウェイアイアンに親近感をもつようになりました。
あれからかなりの年月が経ちましたが、その後継モデルが、このX FORGED STARアイアンです。

オーソドックスなタイプで、バックフェースの形状がシンプルなところに好感が持てます。
これまで、キャロウェイのアイアンはどちらかというと、『混合型』といいますか、いろいろな素材やパーツを組み合わせて(といいますか貼り付けて)構成されていた印象が強いのですが、このアイアンはこうして見る限り、単一のように見えます。
内部にタングステンなどが組み込まれているのかもしれませんが、外観では分かりません。
大きさも標準的でボテッとしていないところに好感が持てます。
ヒッティングエリアが肉厚になっているのが良く、いわゆる『凸型キャビティ』です。
昔に比べ、かなり低重心化しましたが、それでもアイアンの重心というのは比較的上にあるものなので、最低ここまで肉厚でなければなりません。
もう少し上まで肉厚でもいいですし、もし私がクラブデザイナーなら、そうすると思います。
私は重心の高いアイアンが好きです。

とてもカッコいいアイアンなので、一見ハーフキャビティに見えなくもないですが、こうして見ると彫りの深さもたっぷりあって、ノーマルキャビティ(フルキャビティ)であることが分かります。
易しさと打感の『いいとこ取り』したアイアンのようです。

トップラインの厚みは標準的です。
ヘッド全体がピカピカ光るミラー仕上げではなく、いい感じの『艶消し』になっているのですが、独特な光沢感があるところに、キャロウェイアイアンらしさを感じました。

ソール幅は少し広く見えましたが、今はこれくらいが普通なので、『今時のソール幅』といっていいのではないでしょうか?

ソール形状はちょっと独特といいますか、最近では少なくなったタイプです。
ソールが平らに近いのではなく、微妙に丸みを帯びているのですが、結構バンスが効いている感じがします。
リーディングエッジやトレーリングエッジも微妙に削られていて、『芝に刺さる』イメージは出てきません。
スーッと滑ってくれる・・・。といいますか、抜けてくれる感じです。
最近のアイアンの多くが、全体的に丸みがあって、どちらかというと『水平に近い』イメージが浮かんでくるのですが、このアイアンのようにバンスが効いていると、ダウンブローで入れるイメージが浮かんできます。
ソール形状は、『ヘッドの抜け』や『入れる角度(入射角)』をイメージさせる部分でもあります。
昔から、このようなアイアンはたくさんありましたが、最近は少なくなったような気がしていました。

ネックの長さも標準的です。
キャロウェイのアイアンといえば、『スルーボア』のイメージが今でも強いですし、それ以外にもショートタイプが多くありました。
また昔はホーゼルが太く、『頭でっかち』でボテッとしたものもたくさんあったので、目で楽しむことができなかったのですが、このアイアンはとても良くて気分が和みます。
ホーゼルの独特な丸みがいい雰囲気を醸し出していて、美しいです。
こうして見ると、少しグースが効いているのが分かりますが、極端ではありません。
『セミグース』といっていいように思います。

フェース面にミーリングは無く、よく見られる『スタンプタイプ』の無機質な感じがします。
ここにはあまり手を加えていないようです。
長年、いろいろなアイアンを見てきましたが、このようなフェース面が圧倒的に多く、変わらない感じがします。
バックフェースのデザインやソール形状・ネックの長さ・トップラインなどは、いろいろな工夫がされていますが、フェース面(主にスコアライン)はシンプルな『スタンプタイプ』が圧倒的に多いです。
ここの部分はルールで厳しく制限されていますし、手を加えすぎてしまうと価格にも影響を及ぼすからなのかもしれません。

装着されているグリップはツアーベルベットで、好感が持てます。
微妙なフィーリングを出していくのに最適なグリップで、ロングセラーを維持し続けています。
今はグリップもいろいろなタイプが出てきて、それぞれ工夫が見られますが、私の中ではこれを超えるグリップには出会えていません。
『耐久性』や『滑りにくさ』という点では、もっと高得点のグリップもありますが、ツアーベルベット独特の『しっとり感』が私を魅了し続けています。
キャロウェイのロゴが、とてもカッコいいです。
このグリップが別売りされていると嬉しいのですが・・・。
私は今、キャロウェイのアイアンを使っていませんが、このグリップをまとめ買いしたくなりました。
バックラインが入っていないのもいいです。
ずっと前から、バックライン有りのグリップが圧倒的に多かったように思うのですが、このアイアンにはありません。
バックラインが有るか無いか・・・。これは好みの問題で、どちらがいいというものではないですが、私は無いほうが好きなので、さらに親近感が増しましたが、バックライン有りを好まれる方はとても多いと思うので、不満に感じる方がいらっしゃるかもしれません。

素振りをしてみても、なかなかいい感じです。
最近はこのように『ちょい軽タイプ』といったらいいでしょうか?
DGやモーダスの重量タイプより、少し軽いタイプのシャフトが多くなったような気がします。
これくらいのスペックが『中央値』といっていいのかもしれません。
DGやモーダスの125は重いけど、かといってNSPRO950は軽すぎて合わない・・・。という方には、ジャストフィットするのかもしれないですし、カーボンを愛用しておられる方もすんなりとスイッチしやすい『ちょうどいい重量』なのではないでしょうか?

ボールを前にして構えてみても、なかなかいい感じです。
美顔で独特な光沢感もあって、これこそが『Xフォージド顔』だな・・・。と思いながら見ていました。
少しグースが効いているのと、トップラインも微妙に丸みを帯びているので、『包み込む』イメージを出しやすい方も多いのではないでしょうか?
大きさもいい感じで、主張しすぎていません。
小顔タイプではありませんが、かといって『面長』というほどでもなく、ノーマルサイズといっていいように思います。
ボールの存在感が際立つ大きさ・・・。といったらいいでしょうか?
ボールの飛び出す映像(イメージ)が浮かんできます。
今はたくさんのゴルフクラブがあって、メーカーそれぞれがいろいろな主張をしています。
あまりにもたくさんあって私たちユーザーは、どれを選んでいいのか分からなくなりますし、クラブが主役のように思えてきますが、そもそもゴルフというスポーツは『カップインまでの少ない打数』を競うものであり、『ボールの行方』といいますか、いかにボールをイメージ通りコントロールしていくか・・・。が重要で、クラブではなく、ボールが主役なのだということに気づかされます。
強いグースやラージサイズのアイアンを好まれる方には、かなり構えづらいところがあるかもしれません。
今はアイアンのロフトがバラバラなので、『面(ロフト)』の見え方も様々ですが、このアイアンはかなり『立って』見えます。
『スタンディングロフト化』して久しいですが、アイアンの中には、このロフトの見え方がボヤけて見えるものもあるのですが、このアイアンはくっきり見えました。
私の感覚ではやはり5番くらいのイメージをもってしまうのですが、それをあまり感じないように、淡々と打っていこう・・・。と思いました。
試打を開始しました

『打感』はソフトで、かなりいいです。
軟鉄独特の柔らかさがあり、心地よさが残ります。
『鉄の柔らかさ』といっていいのかもしれません。
中空のような『空洞感』は無いですし、『樹脂をインサート』した、あの『もやっとした』タイプのアイアンとも明らかに違うので、おそらくこのアイアンは軟鉄ワンピースタイプなのだろう・・・。と思いました。
程よい厚みと『まったり感』があり、これだからフォージドアイアンは止められません。

『球のあがりやすさ』は普通・・・。といった感じがしますが、ロフトが立っていることもあり、どちらかといえばヒッタータイプの方に合いやすいアイアンだと思います。
『やや軽量タイプ』でありながらも、『物理的なあがりやすさ』を求めて作られたアイアンではないような気がします。
今のクラブはアイアンやドライバーなども含め、ウェイトが内部に組み込まれていて、外からでは見えないものが多いですが、おそらくこのアイアンにはウェイトも組み込まれていないだろう・・・。と思いました。
先ほどもソール形状のところで書きましたが、やはりある程度は『ダウンブロー』で上から少し押していく感じのほうが、スピンが効いてあがりやすいように感じます。
それほど重心の高いアイアンではないと思いますが、『横から』というよりは、少し『上から』のイメージで打ったほうが合いやすいのではないでしょうか?

『安定性』という点では、フルキャビティらしい易しさがあり親しみやすいです。
シビアさは感じませんが、バリバリの『オートマタイプ』というよりは、『扱いやすさ』を残した易しさ・・・。といったらいいでしょうか?
マニュアルタイプとオートマチックタイプの中間くらいにあるアイアンといっていいのかもしれません。
構えやすいのでいいイメージが出やすいということもありますし、やや軽量ではあるものの安定性の高いシャフトが挿してあるということもあり、打点がブレにくいです。

『飛距離性能』は優れていて、今時の『飛び系』だな・・・。と思ったのですが、正直それほど尖った感じがしません。
どちらかといえば『飛距離最優先』で開発されたアイアンではないように感じます。
私の感覚では『一番手上』くらいの飛びです。
今は『2番手以上』のアイアンがたくさんあるので、それらと比べると、少し足りないのかな・・・。と思ってしまいますが、私はアイアンに飛距離を求めていないので、これでも『飛びすぎ』なところがあります。
今主流の飛距離最優先のアイアンを『ディスタンス系』と呼ぶならば、このアイアンは『セミディスタンス系』といったところでしょうか?
飛ぶけど飛びすぎない、そしてしっかり高さも出していけるアイアンです。
飛距離最優先のアイアンはどちらかというと、ヒッターをあまり対象にしていない印象がありますが、このアイアンは最初からキャロウェイがヒッター向けに開発したタイプの『やや飛距離重視系』アイアンといっていいように思います。

『操作性』は、いい感じです。
これまでの経験が活かせるタイプといいますか、『雑味の無いクリア感』といいますか、邪魔をするものが無いので、球筋をコントロールしやすいです。
キャビティらしい大らかさがありながら、決して曲がりづらいというタイプではなく、左右どちらにも反応してくれました。
私はフッカーなので、少し球がつかまりやすい印象をもちましたが、左が気になることはありませんでした。
直線というよりは『微妙な曲線』を描いていけるアイアンで、こういうタイプは実戦でもすごく役に立ちます。
ドライバーではオートマチック的に真っ直ぐ打ちたいけど、アイアンは距離もコントロールしていかなければならないので、微妙に曲げるといいますか、自分の持ち球で勝負していきたい・・・。という方は多いのではないでしょうか?
ドローヒッターもいいですが、フェードヒッターで強いグースが苦手だという方には、かなりマッチしやすいのではないでしょうか?
球がよくつかまってくれ、右に抜ける感じはありませんでした。
『つかまったフェード』を打つためのアイアンといって過言では無いかもしれません。
試打後の感想

最近では珍しいといいますか、少数派の『ピュア』なアイアンという印象をもちました。
いい意味でいえば『正統派』。
違う意味でいえば『それほどお助け機能が無い』。

バックフェースのデザインなどはとても美しいけれど、『既視感』があって、特別目新しさは感じなかったのですが、試打しても同じような印象をもちました。

飛びの性能も少し高めているけど、それほど極端にしない。
構えやすさや打感にも配慮して、ちょうどいい『さじ加減』ができているアイアンといっていいように思います。

それほど飛ぶアイアンではないので、カッコいいアイアンを使って、とにかく飛距離も出していきたい・・・。という方には、少し物足りなさが残ってしまうかもしれません。
飛ばないことも性能の一部だと私は思っているのですが、今のニーズはそうではありません。
ドライバーだけでなく、アイアンも飛距離が求められる時代です。
なので、このアイアンはそれほど多くの支持は集められないのかな・・・。と思いました。

軟鉄アイアンは難しい。
ステンレスアイアンは易しい。
というイメージを持っておられる方は少なくないかもしれません。
しかし実際はそうではなくて、軟鉄でも易しいアイアンはたくさんありますし、ステンレスでも難しいアイアンもたくさんあります。
素材による違いもありますし、それぞれ一長一短あるので、どちらがいいというものではなく、好みで選ぶべきです。
私は軟鉄アイアンでゴルフ人生をスタートさせ、それが今も続いていますし、これからも軟鉄アイアンしか使いません。

いい意味で、このアイアンは『見た目通りの性能』だな・・・。と思いました。
ドライバーなどのように設計自由度の高いクラブは見た目と実際の性能が必ずしも一致しないものですが、それほど設計自由度が高くないアイアンは見た目の印象と実際の性能がかなり近くなるものです。
それでも研究が進み、ヘッド内部に異材を組み込んだり、空洞にしたりして、見た目とのギャップのあるアイアンが増えてきました。
しかし、このアイアンはそういったところが感じられず、見た目の印象と合致する性能があり、最近では少なくなっています。
最新モデルでありながら、それほどハイテク感は無いかもしれませんが、そういったベーシックタイプを好まれる方には合いやすいアイアンではないでしょうか?
ただ私には『飛びすぎ』なところがあるので、やはり選択肢には入らないのですが・・・。
これらかもキャロウェイには、このようなカッコいいクラブを発表してもらいたいです。
☆
構えやすさ・・・☆☆☆☆
打感・・・・・・☆☆☆☆
あがりやすさ・・☆☆☆
安定性・・・・・☆☆☆☆
飛距離性能・・・☆☆☆☆
操作性・・・・・☆☆☆☆
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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