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2021年10月04日
PING GLIDE FORGED PRO WEDGE

今日は、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは PING GLIDE FORGED PRO WEDGE です。

シャフトは N.S.PRO MODUS3 TOUR 115 です。
ロフトは56度、クラブ長さは35.25インチ、シャフトフレックスはS、シャフト重量は118g、トルクは1.6、キックポイントは元調子、クラブ総重量は454g です。

久しぶりに出会った、PINGのウェッジです。
最近のPINGはドライバーの充実ぶりが凄いですが、アイアンやウェッジも充実しています。
このウェッジをひと目見て、以前試打したGlide 2.0 ウェッジというウェッジを思い出しました。
何となくデザインが似ているように見えるからです。
PINGらしい艶消しなところも、これまでの流れをくんでいます。

最初、ニューモデルだとは思わなかったのですが、『PRO』という文字を見て、これまで記憶が無かったので、おそらくニューモデルだろうと思いました。
PING契約プロ限定モデルなのでしょうか?
昔のプロモデルはかなりハードルが高いというのが常識のようになっていましたが、今は違っていて、私たちアマチュアでも親しみやすいものが多くなっています。

このトップラインを見ていると、フォーティーンのウェッジを思い出しました。
こういったところを見ると、PINGのウェッジも変わったと言わざるを得ません。
トップラインをテーパーにして厚みを持たせ、重心が高くなるように計算されているのではないでしょうか?
メーカーは違えど、他のメーカーのいいところが各メーカーに共有され、個性が埋没しかかっているような気がしますが、それだけ高性能なクラブが多くなっているといえます。
ウェッジだけでなく、アイアンなどもそうですが、昔のクラブはかなり大雑把なところがありましたが、今は少なくなっていて、かなり『繊細』で、微妙な変化といいますか、工夫が見られるようになりました。
それくらい研究が進んでいるからではないでしょうか?

バックフェースの形状はこのようになっていて、溝があります。
こうすることで、重心を高く出来るのかもしれません。
低重心はあがりやすいというメリットがありますが、それでスピンが掛かりやすくなるか?はまた別問題で、あがるけどスピンの利きが弱いと感じておられる方は多いのではないでしょうか?
グリーン回りでスピンを効かせて止めたいときにスピンが掛からず、ダラダラと転がって寄せられないのではスコアメイクが苦しくなります。
しかし重心が高いとしっかりとスピンが効いてくれ、ほどけにくいと、これまでの経験から感じています。
横からではなく、『上から包み込むような』感覚・・・。といったらいいでしょうか?
高重心は難しいと思っておられる方は多いかもしれませんが、ロフトが寝ているウェッジではそのようなことはなく、よくあがってくれますし、大切なのは『出球のイメージ』が合うかどうかです。
ドライバーのようなロフトの立ったクラブはもちろんアイアンまで低重心で、ウェッジだけは高重心を好んで使っている人が私の周りにもたくさんいます。
あのスピンがほどける感じが嫌なのかもしれません。
『手前みそ』になってしまうかもしれませんが、昔ラウンドをしているときに、グリーン回りで私は普通にピッチエンドランで寄せにいいき、ボールはイメージ通りのキャリーとランでカップの近くまで寄せることができたのですが、それを横から見ていたキャディさんが、
「途中ですごくスピンが掛かって止まったねぇ。カップをオーバーするかと思った。」
と、少し驚き気味に言われたことがありました。
そのとき私は「何を言ってるんだろう?」と、その言葉の意味が分かりませんでした。
それはキャディさんのリップサービスなのかもしれませんが、私は高重心のウェッジで上から押さえ込むといいますか、包み込むように運ぶことができたからだと思っています。
スピンがほどけるようなウェッジでは難しいですし、使っていたボールもディスタンス系ではなく、スピン系のボールだったからなのはいうまでもありません。

PINGのウェッジはどちらかというとシンプルというよりは高機能なイメージがありますが、このウェッジのバックフェースはとてもシンプルです。
こうして見る限り、異材などは組みこまれていないようですが、実際のところは分かりません。

トップラインは、やや厚めではありますが、イメージがボヤけるような厚さではありません。
『テーパー』がついた引き締まった厚みです。

ソール幅は標準的ですが、トゥからヒールにかけて微妙に絞り込まれているのが分かりました。
人によって見るところは変わってくると思いますが、私はウェッジを見るときに『ヒール側の絞り込み』を気にしています。
これまでハイバンスタイプで特にヒール側が出っ張ったウェッジで苦戦してきたことがあったからです。
研究が進んでいるせいか、最近のハイバンスはあまり跳ねないものが多いですが、昔のハイバンスは結構跳ねていて、扱いが難しかったものがたくさんありました。
まさに『跳ね馬』といいますか『じゃじゃ馬』タイプで、手綱を握れず振り落とされるような感覚です。
特に私は昔から開いて使うことが多かったので、ヒール側が出っ張りすぎていると難しくて、かなり気を遣いました。
最近のウェッジはそういったものが少ないですが、昔は多かったので、自分でグラインダーを使って自分好みに削っていました。

ソールは平らというよりは、全体的に丸みを帯びています。
バンスの利きは普通です。

ネックの長さはしっかりとキープされていますが、全体的に見れば標準的といえるでしょうか?
PINGのアイアンやウェッジには、『ネックの凹み』がある印象が強いですが、このウェッジには無いので、おそらく素材が軟鉄だからだろう・・・。と思いました。
軟鉄はネックに凹みをいれなくても、簡単にロフトやライ角の微調整ができるからです。
耐久性ではステンレスのほうが勝っていますが、微調整やフィーリングなどでは、やはり軟鉄のほうに分があるように思っています。
ただ、これはどちらが正解というのではなく、使う人の好みによって選ぶべきです。
ステンレスタイプのアイアンやウェッジにも名器はたくさんあります。

フェース面には、かなり細かなミーリングがあり、PINGのウェッジなので予想していました。
直線ではなく、円を描くような曲線のミーリングです。
ミーリングだけでなく、この触感も特徴があります。
フェース面に細かな鉄の粉をまぶして固めたような『パウダータッチ』といったらいいでしょうか?
『微粉感覚』です。
細かな『粒』を感じさせ、最近はこのような触感のウェッジが増えてきたように思います。
ボールとの接触密度が増えて、スピンが掛かりやすそうです。
昔はといいますか(今もありますが)割と『ツルン』とした触感のウェッジがあり、私はあまり好感が持てないのですが、このウェッジの触感は好感が持てます。
このウェッジのフェース面には『粒々感』があります。

装着されているグリップはシンプルなタイプです。
私的には『可も無く不可も無く』といったところですが、もし私がこのウェッジを購入したら、即ツアーベルベットに変えるのは間違いありません。
このグリップに問題があるというのではなく、それくらい私の中ではツアーベルベットのフィーリングが『肌感覚』で合っているからです。
アイアンもウェッジもツアーベルベット以外、考えられません。

ボールを前にして構えてみても、すごくいいです。
最近のPINGは、いい顔をしているな・・・。と思いました。
昔から、PINGのクラブはクセの強いものが多く、私はかなり苦手で、キャリアを積めばある程度は克服できるのかと思った時期もありましたが、未だに克服できていません。
ビギナーの頃からの顔の好みが今も引き継がれているようです。
PINGは海外のメーカーですが、こうして見ると『和の要素』も取り入れているように感じられます。
丸顔ではなくティアドロップ型ですが、面長ではなく小振りなティアドロップ型です。
トップラインの見え方も良く、厚みが目に入ってきません。
ウェッジだけでなく、ドライバーなど他の番手のクラブに共通して言えることですが、『いいクラブ』というのは、こうして構えたときに、これから放たれる球筋や弾道のイメージが明確に浮かんでくるものですが、このウェッジはそれがちゃんとできています。
失敗のイメージなど浮かんできません。
相棒に迎えるべきクラブには必要不可欠な要素です。

フェースも開きやすく、これならいろいろな球で遊べそうです。
ロブ系のショットを打つには『ロケットの発射』のように、ボールが真上に飛ぶイメージが欲しいですが、それができています。
真っ直ぐ出していくのも良し、カットに入れて抜いていくのも良し・・・。という懐の深いウェッジだな・・・。と思いました。
試打を開始しました

『打感』はソフトでとても良いです。
思っていた通りのソフトフィーリングでタッチを出しやすいところが気に入りました。
『球の乗り』も良く、ボールを一瞬くっつけて運ぶことができるウェッジです。
正確な距離感を出していくには欠かせない要素です。
距離感を出していくには、この『くっつく時間』が長ければ長いほど有利だと感じています。
野球のピッチャーでいうと、『球離れの遅いピッチャー』と言うことになるでしょうか?

スピン性能も高く、ボールがよく止まってくれます。
ハイスピンですが、『おとなしいスピン性能』といったらいいでしょうか?
無駄に主張することなく、プレイヤーの感覚を邪魔しない、頼れるタイプのウェッジだな・・・。と思いました。
いわゆる『ガツン系』のスピンではなく、『コツン』といった感じの安定感あるスピン性能です。

ストレートタイプなので、球を拾いやすいです。
少々ライが悪く、薄くしか拾っていけないシチュエーションというのはよくありますが、このようなタイプだと『何とかなる』と、いつも思っています。
『アゴ』で拾っていける・・・。といいますか、フェース下で上手く拾ってくれるタイプのウェッジです。
出球の高さも標準的でイメージが合いやすいところが気に入りました。

『安定性』は普通で、特別イージーだとは思いませんが、これくらいあれば充分ではないかな?と思います。
顔がいいのでラインを出しやすいですし、特にシビアに感じるところはありません。
ウェッジもアイアン同様、キャビティタイプでないと嫌だ・・・。という方には、あまり魅力的ではないかもしれませんが、逆にウェッジだけはフラットバックタイプでないと嫌だという方には是非試していただきたいです。

『操作性』はかなり高く、『最高レベル』といってもいいと思います。
顔を見たときから思いましたが、まさに『業師』の為のウェッジといえるのではないでしょうか?
オートマチックタイプではなく、完全にマニュアルタイプのウェッジです。
ストレートに使っていくのも良し、『Xライン』、つまりカット(引っ張り)にも、アウト(押し出し)にも対応してくれました。
試合だけでなく、これまでたくさんアプローチの練習をやってきて、ひとつのシチュエーションで色々な寄せ方が頭に浮かんでくるとき、最初に浮かんできたものが、最も成功率が高いと感じています。
オートマ系のウェッジでは、その浮かんでくるイメージがとても少ないですが、このようにマニュアルタイプのウェッジではいろいろなイメージが色濃く浮かび、寄せの選択肢を広げてくれるので、結果的にピンチを脱する機会も増え、スコアメイクにつながりやすくなります。
だから、マニュアルタイプのウェッジのほうが私は易しいと感じるのですが、このウェッジはその『ど真ん中』といった感じです。

構えたときに出球のイメージが明確に浮かんできたので、距離感も合いやすいです。
縦の距離感は出球の『高さ』と『スピード』で決まるといっても過言ではないように思います。
細かくいえば、スピン量や、そのスピンの方向などもあると思うのですが、あまりたくさんのことを考えてしまうと、手が動きません。
だから、自分の感覚に合うスピン性能をもったウェッジが必要なのです。
スピン性能が低いのは論外ですが、高ければ高いほどいいというものでもありません。
マニュアルタイプでも、スピン性能はハイスピンを維持しながら、『オートマチック的』なところが求められます。
いかにシンプルに、素早くイメージできるかがアプローチの成否を分けるといえるのではないでしょうか?
ウェッジのようなロフトの寝ているクラブは『強く振っても距離を出さない』ことが求められます。
飛べばいいというのではなく、ちょっと強く入っちゃったけど、キャリーを抑えてよく止まってくれた・・・。というウェッジは頼もしく信頼性が高まりますし、このウェッジはそんなタイプのウェッジです。
試打後の感想

最初見たときから、シンプルでカッコいいウェッジだな・・・。と好印象だったのですが、実際に試打してみると、さらに好感度があがりました。
『構えやすさ』『打感』『スピン性能』『操作性』『距離感』が秀逸です。

PINGらしい、独特な艶消しも印象的です。
ウェッジはだいたい、シャープな印象を与えるものが多いですが、このウェッジは整った形をしていながら、丸みを帯びた輪郭と、この質感で、どこかまろやかな印象を与えてくれます。
輪郭同様、性格的にも尖っていなくて丸みがあって穏やかなウェッジです。

このウェッジは『PRO』という名前がついていますが、決してハードルが高いクラブではないと、実際に試打して感じました。

もちろん今も『プロトタイプ』というものはありますが、今はプロもアマも同じクラブを使う時代なのだと思います。
シャフトはかなり違うところもあるようですが、ヘッドは共通していることが多いように思いますし、今ではプロも市販されているものをそのまま使うことが多いようです。
それくらい市販モデルのレベルがあがっているということだと思いますし、プロだけでなくアマチュアゴルファーの目も肥えてきているのではないでしょうか?

先ほども書きましたが、最近のPINGはクラブの充実ぶりが凄いですが、このウェッジもかなり良く、PINGの本気度がうかがえます。
メーカーによっては、『全て下請け任せ』といいますか、目が行き届いていないように感じるクラブが結構ありますが、このウェッジにはそのようなものは感じません。
海外メーカーといえば、テーラーメイドやタイトリスト、キャロウェイが強いですが、私はここ数年PINGをすごく注目しています。
クラブが発売される度に、明らかに進化していると感じるからです。
そして私はどちらかというとオートマ系よりはマニュアル系が好きなのですが、もしオートマ系のドライバーを買うことがあるとすれば、その選択肢のひとつにPINGが入っています。

これからもPINGには、私たちゴルファーを魅了するクラブを開発し続け、突っ走って欲しいです。
☆
構えやすさ・・・・・☆☆☆☆☆
打感・・・・・・・・☆☆☆☆☆
スピン性能・・・・・☆☆☆☆
あがりやすさ・・・・☆☆☆
安定性・・・・・・・☆☆☆
距離感・・・・・・・☆☆☆☆
操作性・・・・・・・☆☆☆☆☆
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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