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2021年05月19日
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プロギア TUNE 01 MB アイアン

今日は、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは PRGR TUNE 01 MB アイアン の7番です。

シャフトは ダイナミックゴールド です。
ロフトは33度、クラブ長さは36.75インチ、シャフトフレックスはS200、キックポイントは手元調子 です。

プロギアでは珍しいマッスルバックアイアンです。
マッスルバックアイアンを目にすると、思わず手にとってしまいます。
プロギアのアイアンはBSやMP・スリクソンなど他のメーカーと比べると、マッスルバックのイメージは強くないですが、全く無かったというわけではありません。
プロギアのアイアンでは昔、900 TRというアイアンを使っていたことがあるのですが、マッスルバックに近い形状でありながらフラットバックではなく凹凸があるので、私はハーフキャビティという認識で使っていました。
今風に言うと、『マッスルキャビティ』といったところでしょうか?

マッスルバックは何と言っても、このカッコ良さ・デザイン性の高さに尽きます。
思わず見とれてしまいました。
最近はマッスルバックのように見えて実は中空というアイアンも多くなりましたが、このアイアンは正真正銘のマッスルバックアイアンのようです。
中空独特の、あの『プクッと』膨らんだところがありません。
大きさは標準的で、シャープな形状が魅力的です。
ゴルフクラブは打つ前に、まずは目で楽しみたいと常々思っていて、今日はそれができました。

マッスルバックらしく、シャープな形状です。
一口にマッスルバックといっても、完全なフラットバックタイプもあれば、このアイアンのように独自の工夫が見られるものもあります。
プロギアがこのようにするということは、それなりの理由があるのだろうという予測が立ちます。
それくらい、プロギアのクラブには『理由』があるということを、私はこれまでの経験から実感しています。

トップラインの厚みは標準的で変わったところは見られません。
ちょうどいい幅で丸みが強調されていないので、構えたときもイメージがボヤけることなく、強く出していけそうです。

ソール幅は、今のアイアンの中では狭いほうですが、昔はこれくらいが標準でしたし、最近はこれくらいの幅を見かけることが多くなりました。
ワイドソールにあまり魅力を感じない方も多いのではないでしょうか?

独特なソール形状で、バックフェース中央付近の厚みが増していて、『三角形』のようになっています。
多くのアイアンはトゥからヒールにかけて『テーパー』か『ストレート』に近い形状ですが、このアイアンは全く違います。
おそらく『打感の厚み』を増すための工夫だと思いますが、こういったことをするのがプロギアらしいところです。
リーディングエッジもトレーリングエッジも大きく削られていて、抜けも良さそうです。
こういったところが同じマッスルバックでも昔と今の違いが見られます。
アイアンの難易度といえば、やはり『芯の大きさ』と『あがりやすさ』が大きなポイントだと思いますが、『抜けの良さ』も大きく関わってきます。
昔は『自分の形』にするまでは、なかなか厳しいところもありましたし、それだけ『練習しろ』ということだったのだと思いますが、今は最初から、まるで数年使い込んだような形にメーカーが設計してくれています。
まさに『至れり尽くせり』です。

ネックの長さは適度にありますが、ロングというほどではありません。
こういったところも『今風』といえます。
『ナローソール』や『ロングネック』に親近感をもてないという方もいらっしゃるのではないでしょうか?
アイアンの形状に苦手意識をもつということは、それだけ自分が未熟だと卑下しておられる方がいらっしゃるかもしれませんが、決してそうではありません。
形を見て、そのクラブの性格を知ることが出来たりイメージ出来るということは、それだけ経験を積んで感性が高められているということだと私は思います。
自分に合っていないクラブを使いこなすことが良いのではなく、自分に合ったクラブと長く付き合っていくことが良いのです。
プレイヤーの個性に合わせて、いろいろなタイプのクラブが今はたくさんあります。
こうして見ると、ストレートネックというよりは微妙にグースが効いているのが分かりました。

フェース面にミーリングはなく、ごく普通です。
スコアラインが15本あって、『やや多め』です。
7番アイアンではだいたい『13~14本』くらいが一番多いように思うのですが、15本も決して珍しくありません。
スコアラインが多ければいいというものでもないですし、ルールによって厳格に決められているので、各メーカー、一番気を使うところだと思います。
以前も書きましたが、『角溝』がまた解禁になればいいな・・・。と個人的には思います。
そうすると、私たちユーザーというよりも、メーカーのほうに恩恵が大きいような気がするからです。
私は『過度なスピン』よりも、フライヤーを撲滅あるいは軽減してくれるアイアンを求めています。

素振りをしてみると、適度な重さがあり、タイミングがとりやすいです。
初めて手にするアイアンではあっても、慣れ親しんだシャフトが挿してあると、途端に難易度は下がり、親近感がアップします。
ドライバーではこのようにいかないことも多いですが、アイアンやウェッジではシャフトの重要性がさらに増すような気がします。
それは『飛距離』というよりも『安定性』という面においてです。

ボールを前にして構えてみても、好感が持てました。
小顔タイプなので、ボールの大きさが際立って見えるのがいいです。
少しグースが効いていますが流れが滑らかで、気になることはありません。
トップラインもほぼストレートに近く、逃がすイメージが出せました。
最近のモデルでありながら、クラシカルな雰囲気が立ち込めています。
温泉施設に例えると、『老舗の温泉旅館』といったところでしょうか?
出来たばかりの新しい温泉施設もいいですが、長い歴史のある、何とも言えない風情のある温泉旅館はたまりません。
檜の風呂であれば最高です。
そんなことを、こうして構えて考えていました。
試打を開始しました

『打感』は最高です。
このソフトで球持ちの良い打感はたまりません。
これだからマッスルバックはやめられません。
『芯の小ささ』を加味しても、やはり魅力的です。
打感がプレイヤーに伝えてくれることはとても多いです。
その感覚を糧に、プレイヤーが成長していくのではないでしょうか?

『球のあがりやすさ』という点では、明らかにヒッター向けで、イージーなタイプではありません。
最近はマッスルバックも少し易しくなっているように感じることが多くなりましたが、このアイアンは昔ながらのマッスルバックという感じです。
しかしソールに工夫があり、かなり抜けも良さそうなので、昔よりも易しさはアップしています。
今日は練習場のマットの上からでしたが、実際の芝(特に逆目のライ)から打っても、抵抗なく抜けてくれそうです。
昔ほどターフを取らなくても、『滑らせる』『静かに抜いていく』という感じで振り抜いていくことができるようになりました。
こうしたアイアンの『抜けの良さ』はFWやUTの抜けの良さに通ずるところがあるように思います。

『安定性』という点では、正直なタイプです。
こうして試打してみて、やっぱり中空ではないな・・・。と改めて実感しました。
スイートエリアは広くありません。
限られた部分ではありますが、そこでタイミング良くヒットしたときの『球持ちの良さ』は抜群で、勢いもあります。
いわゆる風に負けない『強くて重い球』が打てるアイアンです。
打ち出し(高さ)はしっかりと出せますが、軽い球ではありません。

『飛距離性能』は普通といったところですが、今のアイアンの中では飛ばないほうです。
このような正直さをもったアイアンはやはり、『飛び』よりも『狙ったところに落とす』ということに長けています。
2番手以上飛ばすよりも、飛びすぎないことを良しとするゴルファーのためのアイアンです。

『操作性』は抜群です。
左右クセが無く、同じように反応してくれました。
このアイアンの持ち主である、私の友人は元々フェードボールヒッターなのですが、ドローボールも上手ですし、ストレート系の球も綺麗に打ちこなします。
まさに『球筋アーティスト』だな・・・。と、いつも彼のことを思います。
彼のようなゴルファーのためにあるアイアンといっても過言ではありません。
試打後の感想

プロギアでは珍しいマッスルバックアイアンですが、とても良かったです。
ソールの形状が少し変わっているくらいで、それ以外は特に変わったところは見られなかったのですが、『軟鉄』+『マッスルバック』という『最強のコンビネーション』を堪能することができました。
今のアイアンはドライバーなどと同じように『ハイテク化』が進んでいますが、このアイアンはハイテクタイプというよりは、昔ながらの『ベーシックタイプ』です。

やっぱり軟鉄は最高だな・・・。と改めて思いました。
ドライバーなど『ウッド系』のクラブでは、パーシモンやメタル・カーボンヘッド・プラスチック・アルミ・ジュラルミンもあり、そして今のチタンに落ち着きました。
今後、チタンを超える素材は出てくるのでしょうか?
そう考えると、軟鉄はパーシモンの頃だけでなく、チタン全盛の今も主流となっています。
飛ばすことだけで考えれば、違う素材のほうが有利なのかもしれませんが、それだけアイアンは『飛ばす』ということよりも『狙う』『刻む』といったことが優先されるクラブだからではないでしょうか?
打感の良さや微調整のしやすさという大きなメリットもあると思います。

そういえば、パーシモンの頃には『ユーティリティ(ハイブリッド)』というクラブはなく、全てフェアウェイウッドやロングアイアンで賄っていました。
メタルが登場してから、クラブの進化スピードが加速していったのは間違いありません。
昔は上手く打てなければ自分自身の未熟さのせい・・・。といえましたが、今はクラブのせい・・・。といえるほど、クラブが進化して易しくなりました。
易しくなければ大きな支持を得られない時代です。

外観の良さを楽しめるアイアンです。
キャディバッグに入っているとテンションがあがります。
目で楽しめ、所有感を満たしてくれます。

易しさに比重をおいて開発されていないので、ハードルの高いところがあるかもしれませんが、だからこそ『打ちこなす楽しみ』を味わえるアイアンです。
昨日打てなかったものが今日打てる・・・。
今日打てなかったものが、明日打てるようになる。
今までスライスばかりでフックを打てなかったのに、練習を積んで打てるようになった・・・。
など、プレイヤーの上達を支えてくれるのは、このようなシンプルで正直なタイプのクラブではないでしょうか?
最近のイージー系クラブはとにかくあがりやすくて曲がりにくいので、ミスを把握しづらく、スイングの悪いところを見えにくくしているように思います。
もちろん、それでゴルフ人生を全うできればいいと思うのですが、誰にでも必ず『壁』が存在し、いつかそこにぶち当たる日がやってくると思います。
そういったときに、このような易しすぎないアイアンで、自らのスイングやアドレス・タイミングなどを見つめ直してみるのもいいのではないでしょうか?

今はクラブに『易しさ』が求められている時代だと思うので、それほど幅広い支持は得られないかもしれません。
しかし『ショットの成否』やスコアメイクにおいて、クラブに主導権を握らせるのではなく、あくまでもプレイヤー自身が主導権を握っていきたい・・・。という方にも、ぜひ試していただきたいです。
特に『お助け機能』のようなものはありませんが、プレイヤーの感性や技量を高めてくれるアイアンであることは確かです。
☆
構えやすさ・・・☆☆☆☆
打感・・・・・・☆☆☆☆☆
あがりやすさ・・☆☆
安定性・・・・・☆☆
飛距離性能・・・☆☆☆
操作性・・・・・☆☆☆☆☆
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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