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2021年03月27日
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キャロウェイ EPIC MAX LS ドライバー

今日は、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは キャロウェイ EPIC MAX LS ドライバー です。

シャフトは MITSUBISHI CHEMICAL Diamana TB 60 です。
ロフトは9度、クラブ長さは45.5インチ、シャフトフレックスはS、シャフト重量は64g、トルクは3.7、バランスはD2、キックポイントは中元調子、クラブ総重量は318g です。

キャロウェイEPICシリーズのニュードライバーです。
キャロウェイらしく、メカニカルなデザインですが、とてもカッコよく仕上がっています。
シンプルなベーシックタイプではなく、いろいろなパーツが組み合わさったハイテクタイプのドライバーですが、これがキャロウェイのこだわりなのかもしれません。

『LS』と表示されているので、『ロースピン』だということが、これまでの経験で容易に想像できます。
つまり『叩ける』ドライバーなのだと思います。

ソールのフェース寄りには4つの丸いものがあり、これはヘッドの中に丸いバーのようなものが入っていると教えてもらったことがあるので、今回は倍の4本なのでしょうか?
こうやって、試打する前にいろいろなことを想像するのはとても楽しいです。
最初にそのクラブの情報を入れてしまうと、想像力が働かなくなったりしますが、私は試打する前にそのクラブの下調べをせずに『ぶっつけ本番』で試打するので、このように想像する楽しみがあります。
食べ物で例えると、冷めた肉まんを食べるのではなく、蒸したてで熱々の肉まんをフゥーフゥーしながら食べるような感覚でしょうか?
同じ材料、同じ製法で作っても、『温度』によって味は変わります。
近くに『JAIL BREAK AI SPEED FRAME』という文字がありました。
AIによる設計なのでしょうか?
もしそうだとしたら、なぜ最初からこのようにしないのかな?と思いましたが、『少しずつ進化させる』ことが、戦略上必要なのかもしれません。
いろいろなクラブを試打していると、ゴルフクラブは『ちょっと出し』していると感じることが多いですし、そう感じるのは私だけではないような気がします。
逆に退化といいますか、性能が落ちてしまっている最新クラブも少なくないです。
必ずしも『最新=最高』ということにはなりません。

ソールのヒール側には、三本の線といいますか、突起物のようなものがあります。
これは空気力学によるものでしょうか?
それとも単なるデザインでしょうか?

トゥ側の、このデザインもすごくオシャレで見た目のインパクト大です。
ハイテクが嫌味になっていないデザインで、このクラブを設計したデザイナーはセンスいいなぁ・・・。と思いました。

ラージサイズのシャローヘッドです。
よく見かけるタイプで、特に変わったところは見られません。

ネックの長さは適度にあります。
こうしてネックだけを見ると、重心が高そうな感じがするのですが、ヘッドに目を移すと低そうに見えます。

バックフェースには大きめのウェイトが配置されていて、移動できるようになっています。
キャロウェイのドライバーではお馴染みになりました。

ネックには調整システムが搭載されています。

試打するのは、NSポジションです。

+2 N

D +1

-1 D
他には、このようなポジションがありました。

いかにも弾きが良さそうなフェース面です。
このフェース面も、最近キャロウェイのドライバーでよく見かけます。
キャロウェイらしいデザインですが、このつや消しな感じが何とも言えない、いい雰囲気を醸し出しています。
指で触れてみたのですが、『つるつる』していなくて、『ザラザラ』していました。

トゥ側には『FLASH FACE SS21』という文字があり、これも以前目にしたことがあります。
今回は前のモデルのマイナーチェンジ版で、一番の違いは、ヘッドの中にある、丸いバーが2本から4本に増えたことなのかな?と思いました。

ディープフェース&シャローバックタイプです。
ディープバックは苦手でシャローバックがいいけど、フェース高はあったほうがいいという方は多いのではないでしょうか?
昔のディープフェースは球があがりにくいものが多かったのですが、最近は研究が進んだのか、あがりやすくて親しみやすいものが増えてきました。
ディープフェースだと、フェース面を『縦』に使えるのがいいです。
ただ重心が深すぎたりすると、どのように打ってもフェースが上を向きすぎてしまうと感じることもあります。
そして経験的にですが、フェース高があったほうが、ボールの弾きも良くなるような気がします。
こういったところはシャローフェースでは感じられません。
シャローフェースは重心を低くして球があがりやすくなるなどのメリットもありますが、どうしてもデメリットも生じてしまい、それをカバーできるのがディープフェースです。

顔は正直、好みではありませんでした。
すごくいい顔を期待していたのに残念で、一気にテンションが下がってしまいました。
やっぱり今は、このような顔が求められているのでしょうか?
フェースがかなり被っているように見えて、トゥ側が『角(つの)』のように見えてしまいました。
バックフェースの膨らみも目立ちます。
これまで、ロースピンモデルをいくつか試打してきましたが、スクエアか『逃し顔』になっているものばかりでした。
このような『つかまえ顔』は記憶にありません。
この顔だと、つかまえにいくことはできず、逃しながら打つしかないかな・・・。などと考えていました。
ただ、ネックにある調整システムを使えば、好みの向きにできそうな気もします。
私には苦手な顔なのですが、このようなつかまえ顔を好まれる方には、好感が持てるのではないでしょうか?
これまでに無かった『つかまえ系のロースピンモデル』ということなのかもしれません。
バックフェースも膨らんでいて、『丸顔』というよりは『三角顔』に近いです。
これがキャロウェイの誇る『AI』が導き出した顔なのでしょうか?
囲碁やチェス・将棋でAIが人間を圧倒していますが、ゴルフクラブのデザイン、そして実際のゴルフプレーにおいては、まだまだ及ばないところもあるように思いますし、この顔はAIではなく、人間が設計したのかもしれません。
最近は写真の判定などでもAIが使われることもあり、私は何枚かの写真をAIに判定させてみたことがあります。
すると実際はただの風景写真だったのに、AIはそれを風景写真だとは認識できずに、全くのトンチンカンな答えを出していて、AIにも得手不得手があって、答えがはっきりしないものは苦手だということを知りました。
また一口にAIといってもピンからキリまで、いろいろなタイプがあると思いますし、キャロウェイの使っているAIはもっと優秀だと思います。

クラウンはカーボンコンポジットであることが分かりました。
カーボンの模様がはっきりと見て取れます。
最近はカーボンクラウンが多くなり、これも一種の流行でしょうか?

ボールを前にしても、やはり構えづらくて、頭の中がモヤモヤしていました。
左方向へ矢印がついているような感覚です。
このまま打てば、左にしか行かないような気がします。
このラージサイズによる、投影面積の大きさ。
そして『つかまえ顔』。
PINGを意識しているんだろうな・・・。と思いました。
ロフト9度モデルだからでしょうか?
フェース面が見えすぎず、ライナー系をイメージしやすいのがいいです。
ただ実際はもっとロフトが寝ているようにも見えます。
好みの顔ではないので、気持ちが盛り上がることもなく、淡々と見つめていました。
ヘッド後方の膨らみは目立ちますが、それほど『大顔感』はありませんでした。
なかなかいいイメージが描けないので、とにかく雑にならないよう、自分自身に言い聞かせました。

装着されているグリップは、ソフトなフィーリングで好感が持てます。
これまで何度か出会ってきたグリップで、無難なタイプです。
クセのないグリップなので、どの番手のクラブとも相性がいいような気がします。

素振りをしてみると、なかなかいい感じです。
最近、このシャフトに出会うことが多いような気がするのですが、これが純正シャフトでしょうか?
適度な重量としっかり感があって、タイミングが取りやすいです。
たくさんのゴルフクラブを試打していると、シャフトには脊椎動物と無脊椎動物に分かれるように感じることがあります。
実際に背骨があるというのではなく、どのシャフトも中は『空洞』なのですが、背骨があるタイプと無いタイプに分けられます。
それはただ単に『硬い』とか『軟らかい』というだけのくくりではなく、実際に振ってみて何となくそう感じるのですが、このシャフトは前者で、『スパイン』とはまた違う感覚です。
無脊椎動物タイプのシャフトはタイミングがドンピシャに合えば、すごく飛ばしていけるのですが、その再現性がなかなか高くできません。
対して脊椎動物タイプのシャフトは『最低点』を高く保つことができ、及第点を取りやすく、アベレージ的にも高いです。
このシャフトは硬いというタイプではありませんが、適度にしっかりしていて、スーッと背骨があるので、その無数にある背骨の関節の『つなぎ目』を動かすイメージで振っていきました。
試打を開始しました

『打感』は、いい感じです。
かなり弾き感があります。
球離れが速く、ボールが素早く飛び出していく感じで、それを目で追いながら『瞬速』という言葉が浮かんできました。
ソフトというよりは、しっかりしていて、『球の重さ』も感じられました。

『音』も好感が持てました。
昔のビッグバーサのような『キーン』という甲高い金属音ではなく、『バチーン』という感じの音です。
聞き惚れることはないですが、甲高くなく、大きくもなく、周りを気にしないでいいので、集中して打っていくことができました。
『叩いている』というのを実感できる音です。

『球のあがりやすさ』という点では、明らかにヒッター向けで、好みが分かれると思います。
やはりロースピンモデルだな・・・。と、弾道を追いながら確信しました。
ロフトも立っているので、それほど打ち出しが高くなり過ぎません。
球も吹き上がらず、強いライナー系で飛んでいき、叩けるドライバーです。
私は強く叩いていきたいタイプで、昔から『スピン過多』に悩まされてきたので、このドライバーの性能には魅力を感じます。
この『ライナー感』と『力強さ』。
そして風を突き破っていくような推進力・・・。
以前試打した、BIGBERTHA ALPHA ドライバー を思い出しました。
あのドライバーは結構タフなドライバーでしたが、飛距離性能が素晴らしく、今でも忘れることができません。

『安定性』は想像していたよりは高く、球がつかまりすぎないのがいいです。
構えたときのイメージと、実際の飛びが合致していないドライバーで、最近は時々見かけます。
ヒッター向けのドライバーなのは間違いないのですが、昔のヒッター向けドライバーと違い、それほどシビアさが無いのが、今のドライバーの特長といっていいように思います。
スイートエリアも狭いという印象はなく、気難しさもありません。
かといって、高い直進性があって、どのように打っても曲がらないということはありません。
気を抜くと、球が引っかかりそうだったのですが、パワーヒッターでフェードボールが持ち球の方は、まずこのノーマルな設定の『つかまえ顔』でまずは試してみられるのがいいのではないでしょうか?
右への曲がりを抑えてくれると思います。
私はフッカーなので、最初構えたときは左に行きそうで少し怖かったのですが、実際に打ってみるとそれほどつかまりすぎる感じはしませんでした。

『飛距離性能』は高いですが、構えづらく、モヤモヤしたまま打っているので、もうひとつすっきりしないところがありました。
しかし、このドライバーのもつポテンシャルは間違いなく高いです。
今日は練習場で時折、強い横風が吹いていたのですが、その風をあざ笑うかのごとくスーッと力強く伸びていってくれ、本番に残しておきたいと思える球がいくつかありました。
ハイポテンシャルなドライバーでも『パワー系』と『スピード系』に分けられるとするならば、このドライバーは後者のスピード系です。
力でグンと押すというよりも、瞬発力で勝負するタイプのドライバーです。
それは今のドライバーの傾向といっていいように思います。
しかし、かなりスピンが少ないので、球がドロップするとか、キャリーが伸び切らないまま落下してしまう・・・。という方も多くなるような気もします。
ポテンシャルの高いドライバーですが、ライバルメーカーを圧倒するほどではないという印象をもちました。
しかし今は、それだけ優れたメーカーがたくさんあって、ハイレベルな争いになってしまっているという表現のほうが正しいように思います。
私はこのように『はっきりした性格』のクラブには、昔から魅力を感じます。
昔はあれだけスピンを減らそうと、いろいろと試行錯誤して、却ってスイングを壊してしまい伸び悩んでいた時期がありましたが、今はこうして簡単にクラブがスピンを減らしてくれます。
ありがたい時代になったな・・・。と実感しました。
昔では考えられなかったことが、今は簡単にできてしまいます。
それだけクラブメーカーの企業努力が凄いということです。

『操作性』という点では、構えづらいということや、ヘッドの特性を見ても、それほど秀でている感じはしません。
名前の通りロースピンでスピン性能が低くてあがりにくいタイプのドライバーですが、そのスピンの少なさは『サイドスピン』にも影響しているのかもしれません。
つかまえ顔ですが、それほど極端に左に引っ掛けるということもないですし、右にも少し曲げることができました。
ただ、大きく曲げるタイプではなく、『狭い曲がり幅』で勝負していくドライバーです。
ドローヒッターよりもフェードヒッターのパワー系ゴルファーに合いやすいのではないでしょうか?
試打後の感想

これまでは『無難』な感じ・・・。といいますか、性格がそれほどはっきりしないクラブが多かったように思います。
言い換えればそれは『バランスがいい』ということにもなるのかもしれませんが、それは幅広い層の支持を集められても、一部の層からは物足りなさを感じる部分でもあります。
その層にいるゴルファーの期待に応えるべく開発されたドライバーといっていいのではないでしょうか?

このドライバーの特徴は名前の通り、『低スピン性能』です。
ここまで低スピンなものは、今のドライバーでは見つけられないかもしれません。
ライバルメーカーのPINGのLSでも、ここまでの低スピンではないと思います。
実際に打ち比べていないのではっきりとしたことはいえないのですが、率直にそう感じました。

このドライバーの顔が気にならず、とにかく思いっきりぶっ叩いていきたい方には、かなり魅力的なドライバーといえるのではないでしょうか?
ラージサイズのシャロー系ドライバーですが、性格的にかなり尖ったところがあります。
なので、このドライバーが合わないという方は少なくないといいますか、むしろそういった方のほうが多いように思います。
もちろん調整システムを使って、自分に合うように調整すれば、もっとマッチしやすくなると思いますが、低スピン性能は変わらないので、ごく一部のゴルファーのためのドライバーといって間違いありません。
幅広い層の支持は集められないと思います。

一番印象的だったのが『低スピン性能』ですが、それ以外にも『弾きの良さ』と『つかまりの良さ』があります。
つかまりがいいドライバーですが、予想していたよりも引っかかる感じがしないところに親近感を覚えました。
シャフトが上手く働いてくれていたと思います。

先ほども書きましたが、かなり性格がはっきりしたドライバーなので、ごく一部のゴルファーからしか支持が得られないような気がします。
聞くところによると、このドライバーは『三兄弟』なので、違う兄弟のほうが一般受けしやすいかもしれません。
そのモデルを試打することがあればぜひ試打してみたいです。
☆
構えやすさ・・・☆☆
打感・・・・・・☆☆☆
音・・・・・・・☆☆☆
あがりやすさ・・☆☆
安定性・・・・・☆☆☆
飛距離性能・・・☆☆☆☆(4.5)
操作性・・・・・☆☆
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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