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2021年03月24日
ホンマ T//WORLD TR SERIES TR20 B アイアン

今日は、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは HONMA T//WORLD TR20 B アイアン


シャフトは N.S.PRO MODUS3 です。
ロフトは34度、クラブ長さは37インチ、シャフトフレックスはS、シャフト重量は106.5g、トルクは1.6、キックポイントは中調子、バランスはD2、クラブ総重量は424g です。

惚れ惚れするほどカッコいい、ホンマのマッスルバックアイアンです。
ホンマのマッスルバックには、並々ならぬ思い入れがあるので、こうしてまたニューモデルに出会うことができて、とても嬉しいです。
いろいろな素晴らしいアイアンに出会ってきましたが、私の原点といえば、ホンマのマッスルバックです。
ホンマのアイアン(PP-727)に、スイングを教えてもらいました。
ゴルフを始めたときから慣れ親しんできたのですが、難しいとか易しいという前に、クラブに惚れて10年以上使ってきました。

オーソドックスでシャープな形状です。
これぞ、ホンマのアイアンといえます。
できればトゥ側に『モグラマーク』があると嬉しいのですが、これは仕方ありません。
ピカピカ光るミラー仕上げではなく、つや消しになっているのがいいです。

シンプルなマッスルバックアイアンです。
最近はマッスルバックでも、いろいろな工夫が見られるようになりましたが、このアイアンはそういった工夫が見られません。
ウェイトが組み込まれているアイアンも多いですが、こうして見る限り無いようです。

この自然な感じのトップラインがいいですね。
ただ単に厚いとか狭いというのではなく、味があります。
角張っているのではなく、丸みがありますが、それがボヤけた感じを出していません。
このトップラインを見ているだけで、目尻が下がります。

ソール幅は見慣れた感じですが、今のアイアンの中では、明らかに狭いです。
ワイドソールを好まれる方には親近感が湧きにくいところかもしれません。
シンプルなソールですが、工夫が見られ、リーディングエッジ側よりも、バックフェース側のほうが削り込みが大きくなっています。
それほど多い形状ではないですが、過去にいくつか目にしたことがあります。

ソールは平らというよりは、微妙に丸みを帯びた形状です。
リーディングエッジもトレーリングエッジも、それほど削られていません。
『大』『中』『小』があるとすれば、更にその下の『微』といった感じの削り具合です。
最近は大きく削られているものが多く、最初から最大限のパフォーマンスが得られるようになっていますが、昔は『使い込んで自分の形にする』といったところがあったので、懐かしい感じがします。
プレイヤーの成長に合わせて、クラブも形を進化させていくという『同調』がありました。
プレイヤーの成長の一端を、クラブが担っていました。

ネックの長さも適度にあります。
『ロング』というほどではなく、『ノーマル』な長さです。

ホーゼルには『FORGED』の文字があります。
ホンマのフォージドというだけで、何か特別な感じがするのは私だけでしょうか?
今はアイアンも進化し、いろいろな素材や製法があるようですが、『フォージド』は昔から廃れることなく生き続けています。
金属を加工していくうえで、理にかなった方法なのだと思います。
日本には昔から『刀鍛冶』という専門の職人さんがいましたが、その技術が形を変えて、ゴルフクラブに活かされているのではないでしょうか?
侍にとっての相棒が刀なら、ゴルファーにとっての相棒はクラブです。
しかも、14本の相棒と共にコースに挑んでいくことができます。

フェース面にミーリングはありませんでした。
シンプル且つ綺麗なフェース面で、見ているだけでやる気が出てきます。
日本のメーカーだと、7番アイアンのスコアラインは『13本』が多いですが、海外メーカーは14本が多いように思います。
ルールに定められた範囲であれば、何本でもいいのかもしれませんが、やはり13~14本が適正な気がします。
このアイアンは13本でした。

装着されているグリップはソフトなフィーリングで好感が持てます。
右手と左手ではフィーリングが異なるタイプで、最近では多く見かけるようになりました。
HONMAのロゴが、好感度をさらに高めます。

素振りをしてみても、なかなかいい感じです。
せっかくスチールが挿してあるので、できればもう少し重量が欲しかったのですが、仕方ありません。
ホンマはずっとDGを採用していません。
毛嫌いしているのかな?と思ったほどですが、もちろん注文で対応してくれるようです。
日本のメーカーとして、モーダスを採用しているのは納得できます。
日本製のヘッドと日本製のシャフトは贅沢の極みです。

ボールを前にして構えてみると、素晴らしいの一語に尽きます。
これぞホンマアイアン、『ホンマ顔』です。
見ているだけで、ご飯が何杯もいけそうです。
最近はホンマのアイアンでも、ホンマらしくない顔をしたアイアンに出会っていて、残念に思ったことが何度かあったのですが、このアイアンは違いました。
昔から慣れ親しんできたといいますか、『美』と『懐かしさ』の両方を味わえる構え感です。
シャープでありながら、どこかまろやかで尖った感じがしません。
トップラインも細く、いい味を出しています。
ストレートネックで構えやすく、ラインもイメージしやすいです。
イメージが色濃く浮かんできて、ボヤケないので易しく感じられます。
逃がすイメージも出しやすいので、気持ちよく打っていけそうですが、タイプ的には『中立』です。
グースネックを好まれる方は構えづらいかもしれません。
試打を開始しました

『打感』はとても良いです。
ソフトで『球持ち』がすごくいいです。
今はディスタンス系のアイアンが多く、弾きがいいので、このような打感を味わえなかったのですが、久しぶりに味わうことができました。
この柔らかさ・くっつき感・・・。これこそアイアンの打感だなぁ・・・。と思いながら打ち続けました。
『乗せて運ぶ』ということをできるアイアンです。
極端な言い方かもしれませんが、『ファストボール』で乗せるのではなく、『スローボール』で乗せられる感覚です。
スローなので、こちらのイメージを伝える時間が長くなります。
ビリヤードに例えると、球をポケットするだけならスピードボールでもいいですが、ポジションプレーではスローが基本で、ほとんど速い球は打ちません(もちろん状況によっては打ちますが)。
そのスローさを思い出しました。
もちろん実際なスローではなく、ファストなのですが、そう感じさせる『密着感』が、このアイアンにはあります。
弾き系のアイアンでは得られないフィーリングです。
クラブと『対話』できる打感といったらいいでしょうか?

『球のあがりやすさ』という点では、自然な感じがしますが、明らかにヒッター向けです。
しかも、かなり限定しているように感じられました。
最近は『レベル』に振っていくアイアンが多いように思いますが、このアイアンは完全に『上から』打っていけるタイプです。
最新のモデルでありながら、クラシカルなところも持ち合わせています。
自分に合っていれば、ダウンブローでもレベルブローでもいいと思うのですが、ティアップしていなくて、地面に直に置かれているボールは、実は上から打つほうが易しく、球もあがりやすいと実感しておられる方には、久しぶりに親近感が湧くアイアンの登場といっていいのではないでしょうか?
今のアイアンはロフトが立ちすぎていて、『出球のイメージ』が出しづらいことがありますが、このアイアンは自然に出せます。
球のあがり方も自然で、余分な浮力などもありません。
クラブが余計なことをせずに、必要最低限のことしかしない印象をもちました。

『安定性』は、かなりシビアです。
ここ数年、マッスルバック人気が復活してきたのか、多くのメーカーがマッスルバックを発売していて、私もいくつか試打したのですが、このアイアンは抜群にシビアです。
最近のマッスルバックは易しくなったな・・・。と思うことが多かったのですが、このアイアンは違いました。
『易しさ』『寛容さ』に特化したアイアンではありません。
マッスルバックの中でも、かなりシビアなほうで、『エリア』ではなく『点』で捉えていくべきアイアンです。
こういったところも、今のアイアンと違うような気がします。
このシビアさは懐かしいな・・・。と思いましたが、好感を持たれない方は多いかもしれません。

『飛距離性能』は普通で、特に変わったところはありません。
今はアイアンの飛距離競争が各メーカーで、激しさを増していますが、このようなベーシックなタイプは『蚊帳の外』といいますか、全く別のタイプのアイアンだということが分かります。
飛びすぎないアイアンで、その人がもつ距離感を大切にしてくれるアイアンです。
今の飛び系アイアンによって、簡単に飛距離が出せるようになったのはいいことかもしれませんが、飛びすぎて実戦ではその飛びが怖くなり、距離感がつかめなくなった・・・。という方は多いのではないでしょうか?
アイアンは距離を正確に刻むためのクラブで、各メーカーそれは重々承知しているけれど、売るためには仕方ない・・・。と『飛ぶ』アイアンを発売しています。
それは商売としては正しいことだと思います。
ただ、ゴルファー全てがそのようなアイアンが合っているか、求めているかは、別問題となってきます。
このような『飛びすぎないアイアン』も、ニーズが高いのではないでしょうか?

『操作性』は素晴らしいです。
久しぶりに左右に大きく曲げるのを楽しむことができました。
かなり『技』を使っていけるアイアンですが、『芯』がかなり小さいので、あまり極端なことをやってしまうと、打感が落ち、球も乱れました。
オートマ性は感じられず、完全にマニュアルタイプのアイアンです。
試打後の感想

つや消しタイプのアイアンで落ち着いたところがいいです。
完全にショットに集中できますし、このようなカッコいいクラブがバッグに入っているだけでテンションもあがります。
『所有感』を満たしてくれるアイアンといっても過言ではありません。
今は素晴らしいクラブを作る(OEM含めて)メーカーがたくさんありますが、私がビギナーの頃は今ほど多くなかったので、アイアンといえば、ホンマとミズノの二択に絞っていた時期が長くありました。
もちろん、BSやダンロップなども良かったのですが、『顔』という点で、ホンマとミズノは別格でした。

昔の懐かしい記憶が試打しながら蘇ってきました。
いわゆる『易しさ』という点では、ほとんど期待できません。
先ほども書きましたが、今のマッスルバックアイアンの中でも、飛び抜けて難しいタイプのアイアンです。
これは間違いありません。
最近のアスリートモデルのアイアンは、かなり『易しさ』にシフトしていったような気がしますが、このアイアンは全く違う印象をもちました。

易しすぎるクラブは退屈だ・・・。あまり使いたくない。
できれば最低限の機能だけで、自分のポテンシャルを活かせるアイアンを使いたい・・・。という方には、かなり楽しめるアイアンといえるのではないでしょうか?
直線ではなく曲線(自分の持ち球)で勝負していけるアイアンです。

ここまで『尖った』アイアンは久しぶりな感じがします。
ミスをすれば、それがすぐに分かります。
ダイレクトに伝わってくるので、どこが悪かったのか、すぐに検証できるところがいいです。
今のクラブはミスしても、それがミスにならないことも多く、なかなかスイングの精度を高められません。

カッコいいアイアンで、打感や操作性が素晴らしいのですが、『芯の小ささ』『気難しさ』が一番印象に残りました。
車に例えるとセダンタイプではなく、F1マシンのような『乗り手(ユーザー)』を限定するタイプです。
なので敬遠される方は多いかもしれません。

久しぶりにホンマらしいアイアンに出会ったな・・・。と思いました。
親しみやすいタイプのアイアンではないけれど、こういうアイアンを『手の延長』をして使っていければ、かなりゴルファーとしてレベルアップできるような気がします。
幅広い層に対応したアイアンではないですが、顔や打感・操作性が素晴らしいので、正直なクラブを好まれる方には、ぜひ試していただきたいです。
☆
構えやすさ・・・☆☆☆☆☆
打感・・・・・・☆☆☆☆☆
あがりやすさ・・☆☆☆
安定性・・・・・☆
飛距離性能・・・☆☆☆
操作性・・・・・☆☆☆☆☆
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
HONMA GOLF

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