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2021年02月26日
BALDO CORSA FORGED BOUNCE BACK WEDGE

今日は、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは BALDO CORSA FORGED BOUNCE BACK WEDGE です。

シャフトは ダイナミックゴールド です。
ロフトは58度、シャフトフレックスはS200、キックポイントは手元調子 です。

バルドの新しいウェッジです。
バルドのクラブに出会うたび、いつもカッコいいな・・・。と思います。
バルドでカッコ悪いクラブに会った記憶が無いといったほうが正しいかもしれません。
軟鉄の質感がとても良く、既に私のテンションは上がりっぱなしです。
私の目からたくさんのハートマーク♡が出ていたかもしれません。

標準的な大きさでオーソドックスなタイプです。
軟鉄ウェッジといってもいろいろとありますが、このウェッジは細部にまで綺麗に仕上げられています。
こういったところが、地クラブメーカーの良いところなのかもしれません。
ひとつひとつの製品全てに『責任を負っている』といいますか、目が行き届いているといったらいいでしょうか?
『数で勝負』ではなく、『質で勝負』といった印象を受けます。
私はこれまで、たくさんの方とプレーさせていただき、いろいろと学ばせていただきました。
その中で、アプローチが上手な方はたくさんおられたのですが、全員お気に入りのウェッジを使っておられました。
ウェッジにこだわっておられない人は一人もいらっしゃいませんでした。
もちろん、どの番手のクラブも大切ですが、全てをカバーするのは難しく、人それぞれ『得意技』をもつ必要があり、スコアメイクにおいて、『小技』の占める割合が高くなります。
なので、まだビギナーだけど、小技を上手になりたいという方は、ぜひウェッジにこだわっていただきたいと思っています。
最初のうちは、どのウェッジが自分に合っているか分からないところもあると思いますが、それは経験を積んでいく必要がありますし、先輩の方やクラフトマンの助言が重要になってくるように思います。
大切なのは経験を積んでいって、『自分なりの物差し』を作ることです。

最近はキャビティバックタイプのウェッジが増えてきましたが、このウェッジはフラットバックタイプです。
シンプルな形状ではありますが、所々に工夫がされているように見えます。
薄くはなく、『濃い』感じが伝わってきます。

トップラインの厚みは標準的ですが、その中でも『やや厚め』といったところでしょうか?
昔のような細くてシャープなものは見られなくなりましたが、最近はこれくらいの『ちょい厚』くらいが増えてきたような気がします。


そして何と言っても目立っているのが、このバックフェースのデザインです。
ただ単にカッコいいというだけでなく、これにも大きな理由があるのだと容易に想像できます。
それくらい、細部にまで細かく仕上げられていて、大雑把さはありません。
とてもカッコ良くて、以前試打したプロギアのナブラウェッジを思い出しました。
『単色の美しさ』といったらいいでしょうか?
最近はカラフルなクラブも増えてきましたが、このウェッジは単色でシンプルです。
しかし、それがとてもカッコいいのです。
プロトタイプっぽくて、所有感を満たせるところも好感が持てます。
やはり、見た目がいいクラブというのは魅力的です。
球を打つ前に、まず目で楽しみたいという思いがある私はずっと楽しませてもらいました。

ソール幅は、ややワイドですが、サンドウェッジということを考えると普通でしょうか?
こうして見ても、かなり工夫されているのが分かります。
中央部分が一番広くなっています。
ストレートに近いタイプや、トゥからヒールにかけてテーパーになっている物も多いですし、最近はこのように中央部分が広がっている物も見られるようになりました。
この角度から見ても、それほどバンスは効いていないようです。
ハイバンスタイプではなく『標準的』なので、バンカーを苦手にしておられる方には、少し親しみづらい形状に見えるかもしれません。
ソールを見ただけで『砂を弾く』タイプか、そうでないかイメージするのですが、このウェッジはどちらかというと後者のほうだと思いました。
かといって、『砂を切る(カットする)』イメージでもなく、ちょうど中間くらいの印象です。

ソールの形状は全体的に丸みがあって、シャープさはありません。
『なだらかな丸み』といった表現が合っているような気がします。
リーディングエッジもトレーリングエッジも丸みを帯びていて、抜けが良さそうに見えました。
『刺さる』とか『引っかかる』といったイメージが全く湧いてこないソール形状です。
私はウェッジを開いて使うことが多いので、このウェッジのようにヒールが主張していないといいますか、出っ張っていないタイプに好感を持ちます。
ヒール側が出っ張りすぎてしまうと、難易度があがってしまいますが、このウェッジにはそれがありません。

ネックの長さは適度にあって好感が持てます。
最近はウェッジでも少し短めが流行っているような気がするのですが、私はこれくらいの長さが欲しいです。
このほうが、ボールにスピンを掛けやすいという経験からくるところが大きいのかもしれません。
バルドのウェッジをこれまでいくつか試打してきて、このような『首長(くびなが)美人』のイメージがありますが、今回のウェッジもそのようになっているのが嬉しいです。
さすが、分かっているなぁ・・・。と思いました。
ショートネックタイプやスルーボアタイプを好まれる方もたくさんいらっしゃると思いますが、私はこのような昔ながらの長さのあるタイプが好きです。
クラブの重心距離はある程度『統一』されているか、近いほうが扱いやすいと思いますが、重心の高さは番手によって変わっても問題ないように思います。
ドライバーやFW・UT・アイアンは重心が低めだけど、ウェッジやパターは高重心タイプを使っている・・・。という方も多いのではないでしょうか?

とても繊細で綺麗なミーリングが魅力的です。
これまでバルドのウェッジを試打してきて、ミーリングはあるだろうと思っていました。
フェース面を指で触ってみても、かなりザラザラ感があります。
メーカーによっては、フェース面に『無頓着』ともいえるウェッジもありますし、ミーリングがされていても、なかなかここまで緻密で綺麗なものは見られません。
メーカーによって考え方は様々だと思いますが、バルドはこのミーリングにすごくこだわっているように感じます。
ドライバーには飛距離、ウェッジにはスピン性能・・・。というコンセプトがバルドにはあるのではないでしょうか?
そして、どの番手のクラブにも『カッコいい』『美しい』という共通した特徴があります。
ミーリングにもいろいろなタイプがありますが、このウェッジはスコアラインと平行に刻まれていて美しく、手を抜いたところなど見られません。
ある一部の海外メーカーのウェッジのように、ツルッと滑る感じがなく、しっかりと指が止まります。

ボールを前にして構えてみても、好感が持てました。
すごく構えやすいですが最近では珍しく、オーソドックスなタイプとはちょっと違います。
どこが珍しいかといいますと、『逃がすイメージ』が出しやすいということです。
ウェッジはロフトが寝ているので、ドライバーやアイアンのように逃して打つことが難しいですが、カットに(フェース面を斜めに)使っていきやすい構え感です。
ヒール側がボテッとしていなくて、シュッとしているところに好感が持てますし、つかまえ系の顔ではありません。
そして、『出っ歯タイプ』でもあります。
グースタイプを好まれる方には構えづらいところがあるかもしれないですし、『シャンク』のイメージが出てしまう方がいらっしゃるかもしれません。
リーディングエッジが真っ直ぐな『ストレートタイプ』ではなく、『ラウンドタイプ』です。
『出っ歯系』のウェッジではよく見られます。
この一番出っ張ったところで、上手くボールを拾ってくれよ・・・。とウェッジが私に訴えかけているようでした。
『歯先』で拾っていけるイメージが出しやすいのがいいです。
グースタイプだと、フェース面全体でボールを潰すようにするしかイメージが湧いてこないのですが、このように少し歯先が出ていると、その歯先で拾っていけるイメージが出せます。
『面』ではなく、その細部である『歯先』で拾っていけるところがいいです。
これまでコースでも、例えばベアグランドやディボット跡のようなライが悪く、薄くしかコンタクトできないときに、出っ歯タイプのウェッジに救われてきた経験がたくさんあります。
100%のインパクトはできなくても、だいたい70%のインパクトで『だましだまし』で寄せていけるところがいいです。
大きな怪我にはつながりにくいメリットがあります。
小振りなタイプなので、ラージサイズのウェッジを好まれる方には、親近感がもたれないところがあるかもしれません。

フェースも開きやすいです。
極端に開いてもソールで邪魔する部分がなく、『無段階』で微調整できます。
元々カットに打っていくイメージが出しやすいですが、これだけ大きく開いて構えられるとそれがさらに活かされ、ロブ系の『フワッと』したイメージも出しやすいです。
このまま何の細工もせずに、ボール手前からソールを滑らせるだけで、ボールは自然と高くフワッとあがってくれそうなイメージを与えてくれます。
いわゆる『クリネックスショット』がしやすそうな顔をしています。
試打を開始しました

『打感』はソフトでありながら、強い『食いつき感』があります。
バルドのウェッジなので、このフィーリングは予想通りでした。
ソフトであり、球をしっかりと押しながら(食いつかせながら)運んでいけるウェッジです。
フェース面をボールが滑ることなく、しっかりとホールドしてくれる頼もしさがあります。
ほんの一瞬のことではありますが、これだけ密度の濃い打感だと、こちらのイメージを伝えやすいです。

球を拾いやすく、打ち出しの高さもしっかり出せます。
構えたときの出球のイメージがピッタリと合っていました。
キャビティタイプでラージサイズなウェッジのあがりやすさとはまたちょっと違いますが、この自然なあがりやすさは魅力的です。
球離れが速くなく、しっかりと乗ってくれ、その『球持ちの良さ』でボールに浮力を与えてくれる・・・。という印象をもちました。

スピン性能は、かなりハイレベルです。
間違いなく『激スピンタイプ』です。
ボールへの食いつきがよく、ボールに急ブレーキが掛かり、『ギュッ』『ギュッ』と、よく止まってくれました。
ロブ系のショットは『スピン』というよりも『高さ』『球の重さ』で止めていく感じですが、そこにスピンが加わったといったらいいでしょうか?
ロブ系のショットを打って、ボールが少し右に流れました。
この高いスピン性能は実戦でも心強いですし、類まれな技術を要する感じはしません。
多くのプレイヤーに易しくスピンを掛けさせてくれるウェッジといっていいのではないでしょうか?
それくらい、フェース面が仕事をしてくれるウェッジです。
かなりスピンが掛かるので、ここまでハイスピンでなくてもいいよ・・・。という方もいらっしゃるかもしれません。
フェース面を指で触ると、かなりザラザラしていましたし、この強烈なスピンを見ると、ひょっとして『ルール不適合モデル』なのかな?と思いましたが、後で確認すると、ルール適合モデルということでした。
ルール適合でも、かなりギリギリなところまで、スピンを高められるように作られているのではないでしょうか?
そう思えるほど、このウェッジのスピン性能は高いです。

『安定性』は普通で、特別寛容なタイプだとは思いませんが、見た目の印象ほどシビアさは感じません。
バックフェースにある、あの特徴的な膨らみが、そうさせているのでしょうか?
詳しいことは分かりませんが、『難しすぎない』『易しすぎない』ところに親近感を覚えます。
構えやすいのでラインも出しやすく、あやふやなところがないのもいいです。
ウェッジなのでロフトが寝ているということもありますし、適度に小振りなので、逆球が出てしまうおそれはありません。

構えやすく、出球のイメージが合いやすいので距離感も自然に合ってきます。
かなり止まるので、少し『突っ込み』気味がちょうどいいかもしれません。
この距離感の出しやすさはヘッドの性能もあるのは間違いないですが、適度な重量で余計な動きをせずに、手元で押さえ込みやすい高性能なシャフトが挿してあるということも大きいように思います。
適度な重量があるので、縦の距離を詰めていきやすいといいますか、合わせやすいのがいいです。
これがもし軽量で先が動くタイプだと、縦の幅をもたせていかなければならないような気がしました。

操作性は高く、いろいろな球で遊ぶことができるので飽きさせません。
ロブ系のショットが簡単で、守備範囲の広いウェッジだな・・・。と思いました。
マニュアルタイプのウェッジで、アプローチを得意にしておられる方には、ぜひ試していただきたいです。
打ち方を限定しない『懐の広さ』が、このウェッジにはあります。
試打後の感想

バルドらしい『カッコ良さ』『質感の良さ』『細部にまでこだわった緻密な仕上げ』が目についたのですが、実際に打つと、さらに好感度があがりました。
いろいろな工夫がされているのが分かりますが、それが美しさを邪魔していません。
機能性を重視するあまり、フィーリングが犠牲になっていないところがいいです。

『美しさあっての機能性』といったらいいでしょうか?
まずは美しいという前提条件があって、新たな工夫がされているように感じました。
細部にまでこだわっていて、さすがBALDOです。

『耐久性』ということだけで考えると、軟鉄よりもステンレスのほうがいいと思うのですが、やはり私は軟鉄が好きです。
アイアンもウェッジも、私はこれまで軟鉄しか購入したことがありません。
コースではステンレス系やラージサイズなども試したことがありますが、『よそ行き』みたいな感じで緊張し、難しく感じました。

いろいろなクラブを試打していると、メーカーによって『ブレ』が見えることがあります。
それは幅広い層に対応できるように『多様性』をもたらしていると言えなくもないのですが、メーカーのコンセプトが曖昧な感じがして、残念に思ったことが少なくありません。
老舗メーカーで、昔はすごく良かったのに、今はその輝きが失われているな・・・。と思えるメーカーがあれば、新しいメーカーで歴史がなくても素晴らしいクラブを発表するメーカーもたくさんあり、まさに『戦国状態』といえるのではないでしょうか?

その点、バルドはずっと一貫しているように感じます。
ビギナーから上級者・プロまで幅広い層に対応しているとはいえず、ある程度ユーザー層を絞ったところがあるように感じられますが、そこがまた魅力的です。
先程も書きましたが、ドライバーには『飛び』を、ウェッジには『スピン』を・・・。というのがずっと一貫しているように感じられます。
そして、どのクラブにも『美しさ』『カッコ良さ』が備わっています。

美しくてカッコいいクラブというのは所有感を満たしてくれます。
このクラブがバッグに入っているだけでテンションがあがる・・・。ということがありますが、バルドはそのひとつです。
直接性能とは関係ないかもしれませんが、とても大切なことだと私は思っています。
クラブに恥ずかしくないショットを打ちたいと考えるようになって集中力が高まり、真剣度が増します。
好きなクラブだから練習が楽しくなりますし、コースで使いたくなり、それがゴルフの上達にもつながるのではないでしょうか?
ゴルファーにとってゴルフクラブは大切な相棒です。
その相棒と二人三脚でゴルフライフを歩んでいきます。
好きなクラブ・自分が相棒と認めたクラブだからこそ、長い道のりを共に歩んでいけます。
今は易しいクラブが求められていますし、それもいいことだと思いますが、それだけでなく『好きになれる』ということをプラスするべきだと、このクラブを試打しながら考えていました。
難しい・易しいは別にして、『好きなクラブ』。
このクラブを使うとゴルフが楽しいと思えるクラブを使うことが大切なのではないでしょうか?

BALDOはいわゆる『地クラブメーカー』なので、大手有名メーカーのクラブのように量販店に並ぶことは無いと思います。
なので、まだバルドのクラブを実際に見たことがない・・・。という方も多いような気がします。
なかなか出会う機会がないクラブですが、ここまで繊細で緻密さをもった綺麗に仕上げられているクラブは多くありません。
ゴルフクラブに綺麗さを求めていない、易しければなんでもいい・・・。という方もいらっしゃると思います。
上級者とか、ビギナーとか関係なく、美しいクラブが好きだという方にはぜひ実物を目にしていただきたいと思っています。
☆
構えやすさ・・・・・☆☆☆☆
打感・・・・・・・・☆☆☆☆☆
スピン性能・・・・・☆☆☆☆☆
あがりやすさ・・・・☆☆☆☆
安定性・・・・・・・☆☆☆
距離感・・・・・・・☆☆☆☆☆
操作性・・・・・・・☆☆☆☆☆
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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