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2020年12月02日
PXG 0811 ドライバー

今日は、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは PXG 0811 ドライバー です。

シャフトは FUJIKURA PLATINUM Speeder です。
ロフトは9度、クラブ長さは45.75インチ、シャフトフレックスはS、シャフト重量は67g、トルクは2.9、キックポイントは先調子 です。

とてもカッコいいPXGのドライバーです。
何度か見かけたことがあったのですが、こうして試打するのは初めてです。
あまり馴染みのないメーカーではありますが、興味深いメーカーの一つです。

ソールには小さなウェイトがたくさんあります。
数えてみると16個あり、大きさはどれも同じです。
これはひとつひとつ重さを変えられたりするのでしょうか?
数字が刻印されていないので重さは判らないですし、交換するタイプではないのかもしれません。
ウェイトを配置したドライバーはたくさんありますが、このように小さなウェイトがたくさんあるのはPXGだけで、他のメーカーには無い個性といえます。
この小さいウェイトにも大きな理由があるのではないでしょうか?
見た目のインパクト大です。

大型サイズでシャロー感がありますが、キュッと引き締まって見えます。
黒という色が、いいアクセントになっているのかもしれません。
カラフルで膨張色を使ったドライバーもいいですが、やはりこのモノトーン感は格別です。

ネックの長さは標準的です。
何となくですが、この形状を見て、ちょっと前のPINGドライバーを思い出しました。

ネックには調整システムが搭載されています。

試打するのは、このポジションです。

シャロータイプではありますが、極端に薄くはありません。
むしろ適度に厚みもあるので、セミシャローといっていいように思います。

シンプルで綺麗なフェース面です。
チープさは全くありません。
こういったところにも、メーカーの印象が決まってくることがあり、PXGは好感が持てます。
弾きが良さそうなのと、強く押していけそうな質感とデザインです。
フェース面を見ただけでも、テンションがあがることもあれば、逆に下がることもありますが、このドライバーはテンションがあがります。

艶消しの黒がカッコいいです。
最近はこのような艶消しが少なくなっているので、艶消し好きな私は嬉しくなります。
今よく出会うメーカーで艶消しの黒といえば、艶消しの感じが少し異なりますが、PINGを真っ先に思い浮かべます。
PXGは海外のメーカーだと聞いたのですが、海外メーカーにしては珍しく、バルジのカーブがいい感じで出ていました。
ただ欲を言えば、もう少しバルジが綺麗に整っていると、さらに好感度があがるのにもったいないな・・・。と思いました。
『画竜点睛を欠く』をいう諺が頭をよぎりました。
少しだけ『不規則感』があり、そこが残念なのですが、バルジがここまではっきりしているのは好感が持てます。
海外メーカーの多くは真っ直ぐに近いか、このような目立つ曲線を描いていないものが殆どです。
パーシモンはともかく、今のラージサイズのチタンドライバーにどれだけバルジが効果を発揮するのか未知数ではありますが、パーシモン育ちの私は懐かしくもあり、嬉しくもあります。
トゥ側が少し逃がしてあるのも、最近では珍しいです。
昔はよく見られましたが、今は圧倒的にトゥ側が主張しているといいますか、『つかまえ系』が多く、このようなタイプは少数派といっても過言ではありません。
つかまえ系の顔をたくさん試打してきて、ある程度慣れてはきましたが、やはりこのような顔は好感が持てます。
丸顔というよりは、やや三角顔に近い感じですが、全く違和感はありません。
ラージサイズで逃がしてあるので、トゥ側でヒットしたら、右にフケていきそうに感じる方もいらっしゃるのではないでしょうか?
かなり見えにくいのですが、薄くクラウンマークが入っています。
これはどういう意味があるのでしょうか?
私はクラウンマークあっても無くてもいいですし、できれば無いほうが好きなので、この薄いクラウンマークには好感が持てますが、クラウンマークが無いと嫌だ・・・。という方には少しマイナスポイントになってしまうかもしれません。
全体的に艶消しなので、晴れの日のラウンドでも眩しくなさそうです。
艶消しは難しいところがあって、仕上げ方を間違えると『チープ感』が出てしまうこともあります。
しかし、このドライバーはすごく落ち着いていて質感も良く、高級感が漂っています。
外の部分の仕上げで球筋や弾道が変わるものではないですが、やはり見た目のいいクラブには好感が持てますし、気持ちの入り方も違います。

素振りをしてみると、最近は珍しいハード系です。
すごくしっかりしていて、明らかにヒッター向けでセッティングされているのが分かります。
ただ『粘り系』ではなく『走り系』なのは明らかで、先を動かして飛ばしていきたいという方には合いやすいかもしれません。
最近の走り系シャフトは、昔のように左に引っかかりにくくなっているので、対象となるゴルファーも増えてきているように思います。
全体的な重量もあって、タイミングもすぐに合わせることができました。

ボールを前にして構えてみると、かなりいいです。
この落ち着いた感じ・・・。
『威風堂々』といいますか、何者にも影響されない存在感があります。
PXGは海外メーカーではありますが、こうして見ると日本の地クラブメーカーに近いものを感じました。
クセのない、大らかな顔をしています。
投影面積は大きめではありますが、この艶消しの黒が大きく見えすぎないように上手く抑えてくれているようです。
トゥ側は少し逃がしてありますが、全体的に見ると、私はドロー系のイメージのほうが強く出ました。
ほぼストレートに近い感じのドロー系です。
こういった顔が『中立系』だな・・・。と思いながら見つめていました。
最近はあまり顔を見すぎないように・・・。といいますか、少しボヤけた感じで構えることも多かったのですが、今日はマジマジと見つめてしまいました。
なかなか試打する機会のないメーカーということもありますし、何かこう『しっくり』くるものがあったからだと思います。
私の周りは『静寂感』で包まれていました。
試打を開始しました

『打感』は、いい感じです。
すごくソフトというよりは、ややしっかりめですが、堅くなく手に嫌な衝撃も残りません。
弾き感がありますが、ほんの一瞬球を包んでくれるような印象を与えてくれるフィーリングです。

『音』も好感が持てました。
やや高めの金属音ですが甲高くなく、キーンとくることもないですし、落ち着いた感じの音です。
大きさもちょうどいい感じで、叩いていってもインパクトが緩むことなく、気持ちよく振っていくことができました。
この音は、これまでも耳にしてきたように思います。
インパクトをはっきりと感じ取りやすい音ですが、主張しすぎていないのがいいです。

『球のあがりやすさ』という点では、まずまずですが、明らかにヒッター向けだということが分かります。
ロフト9度なりの弾道といったらいいでしょうか?
やや低めの抑えられた弾道で飛び出していきました。
人によっては、球があがりきらず、ドロップしてしまう・・・。ということもあるかもしれません。
海外メーカーらしい、しっかりしたところがあります。
ウェイトがヘッドの真ん中から後ろ(バックフェース寄り)にあるので、かなり重心が深いのかな?と思っていましたが、それほど極端な感じはしません。
これまで出会った『低スピン系』とは違い、スピンも結構あるようですが、高~くあがって終わりという弾道ではありません。
効率の良い飛ばしができるドライバーです。
このドライバーはロフトが9度ですが、10.5度もラインアップされているそうなので、そちらのほうが人気が出るかもしれません。
『白』と『黒』の違いはありますが、以前試打した(ロフトを立てた)テーラーメイド グローレFを少し思い出しました。
あの球の伸び方に似ているな・・・。と思いながら、弾道を目で追っていました。

『安定性』も高く、セミオートマチック系といっていいように思います。
最初顔を見たときはトゥ側の『逃がし』が目立つので、ややつかまりが弱いかな?と思っていたのですが、実際に打ってみるとそんなことはなく、いい感じでつかまってくれました。
バルジが活かされた『球の捉え方』といったらいいでしょうか?
私はフッカーで左へのミスが嫌なのですが、このドライバーのつかまりの良さは好感が持てました。
普通に打つと、ほぼストレートの球が出やすく、スイートエリアも、結構広く感じました。
PXGのドライバーを試打するのは初めてですが、この寛容なところは、他のメーカーと変わらないような気がします。
シビアさは全く感じません。
しかし、スライスを抑制してくれるドライバーではないので、スライサーの方には難しく感じられるところがあるかもしれません。

『飛距離性能』は高く、いいパフォーマンスを発揮してくれました。
ロフト9度らしい『上がりすぎない』弾道で、ライナー系の強い球が頼もしいです。
低スピン性能はあまり感じず、結構スピンが利いているように見えましたが、それが吹き上がりを呼ぶこともなく、強く前へと突き進んでくれました。
『高弾道系』ではなく、『強弾道系』のドライバーといっていいように思います。
明らかにヒッター向けなので、幅広い層に対応しているとはいえないかもしれませんが、違うロフトを選択すれば、もっと対象となるゴルファーが広がるのは確かです。
この9度もいいですが、10.5度も試してみたくなりましたし、違うシャフトでも試してみたくなりました。
色々な組み合わせを試してみたいと思わせてくれる、魅力的なドライバー(ヘッド)です。

『操作性』という点では、それほど秀でているとは思いませんが、左右に曲げることもできました。
球はつかまってくれたのですが、フックしかでないという昔の一部のドライバーと違い、右に逃がしていくこともできました。
『弾いて終わり』というドライバーではなく、『球持ちの良さ』もあるので、フェードヒッターの方にも易しいドライバーといえるのではないでしょうか?
あと、ネックの調整システムを使って、どのように球筋や弾道が変化するのか興味があります。
試打後の感想

質感がとても良く、最初見たときからカッコいいドライバーだな・・・。と思っていました。
これまで試打してきたクラブの中には仕上げが雑で、チープに見えてしまうドライバーはたくさんありました。
それは国内・海外問わずです。
割合でいえば海外メーカーのほうが多いような気がしますが、このPXGは海外メーカーの中でも、かなりこだわっているように感じました。
飛距離などの性能とは直接的な関係は無いかもしれませんが、やはり質感が良くて美しいクラブを使いたいです。

高さが抑えられていて、伸びのいい弾道が魅力的です。
打つ度に答えを用意してくれているドライバーといったらいいでしょうか?
少しずつ答えを小出しにしている感じ・・・。といったらいいかもしれません。
初めてではありますが、だんだんと特徴がつかめてきて、結構『奥の深い』ドライバーだと思いました。
色々なクラブを試打していると、予定していた球数と時間で終わってしまうこともあれば、その球数と時間にならないまま試打を終えることもあります。
逆に楽しくて時間が許す限り、ずっと打っていたくなるドライバーもあり、このドライバーはそんなタイプです。

打つ前は『セダンタイプ』の大らかさがあるのか、それとも『ハードトップタイプ』のような敏捷性があるのか?とか、高弾道系か強弾道系か?などと見ただけで探っていましたが、結果的にはややセダンタイプの中弾道系という結論にたどり着きました。
ロフトが9度なので、結構高さが抑えられていましたが、10.5度ではもっとスピンも増えて弾道も高くなるだろうと思います。

強い弾道が打てるドライバーですが、打感や音が良かったのも印象的でした。
海外メーカーはどちらかというとフィーリング系ではなく、機能性を重視した『ドライ』な設計がされている印象があるのですが、このドライバーはフィーリングといった目に見えない、また数値に表しにくいところまでこだわって作られているのではないでしょうか?

見た目の美しさがあり、実際の性能も高く、かなり好感をもちました。
すごくいいドライバーだな・・・。と思ったので、値段を聞いたのですが、びっくりしました。
たしかにすごくいいドライバーですが、コストパフォーマンスのことを考えると、もっと高いドライバーはたくさんあるな・・・。というのが正直な感想です。
しかし、ゴルフクラブは値段だけが全てではないですし、値段を気にしないでいいクラブを使いたいという方には、かなり魅力的なドライバーといえるのではないでしょうか?
また試打する機会があれば、是非チャレンジしたいドライバーです。
☆
構えやすさ・・・☆☆☆☆
打感・・・・・・☆☆☆☆
音・・・・・・・☆☆☆☆
あがりやすさ・・☆☆☆
安定性・・・・・☆☆☆☆
飛距離性能・・・☆☆☆☆
操作性・・・・・☆☆☆
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
コメント
PXG
ピンではiシリーズがi25以降なくなり、G30~G425へと進化していきました。
ご参考まで
2021-02-12 21:22 mariikomario URL 編集
はじめまして!
golfdaisukiと申します。
この度は私の記事を読んでくださり、またコメントを寄せてくださり、ありがとうございます。
そして返信が遅くなってしまい、申し訳ありませんでした。
そうですか、そういったことがあったのですか。
だから似ているのかもしれないですね。
クラブ業界のことは知らないことが多いですが、いろいろなことがあるんですね。
私の知識不足を補っていただき、ありがとうございました。
これからも記事を更新していきたいと思いますので、お時間がございましたら、また私の記事にお付き合いただけると幸いです。
それでは失礼いたします。
2021-02-17 00:30 golfdaisuki URL 編集