Post
≪ダンロップ スリクソン ZX5 アイアン | HOME | リョーマゴルフ Ryoma MAXIMAII TYPED ドライバー≫
2020年11月12日
タイトリスト TSi3 ドライバー

今日は、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは タイトリスト TSi3 ドライバー


シャフトは TOUR AD DI-6 です。
ロフトは10度、クラブ長さは45インチ、シャフトフレックスはS、トルクは3.3、シャフト重量は65g、バランスはD2.5、キックポイントは中調子、クラブ総重量は319g です。

久しぶりに出会った、タイトリストのニュードライバーです。
ライバルメーカーであるテーラーメイドやキャロウェイ・ピンなどはよく出会うので、タイトリストはまだかな・・・?と、首を長くして待っていました。
これまでのモデルとデザインが大きく変わりました。
2年前に出会ったTS1よりも、こちらのほうが好きです。
全身黒で重量感を感じさせ、シブさが増してカッコ良くなりました。

ヘッド自体は、それほど薄さが強調されていません。
どちらかというと厚みもあります。
比較的シンプルなデザインですが、それでも所々にいろいろな工夫が見られますし、2年の月日をかけて、また新たな技術が導入されているのだと思います。
試打する前に、いろいろと想像する時間も楽しいです。

トゥ側

ヒール側
ソールのトゥ側とヒール側には、独特な工夫がされています。
これはどういった意味があるのでしょうか?

他のメーカーでは見られますが、タイトリストでは初めてではないでしょうか?
ウェイトを移動できるようになっていますが、他社のモデルと違い控えめな感じでカッコ良く、好感が持てます。
いかにもウェイト移動できますよ・・・。と、派手に見せるのではなく、さりげなくアピールできていてタイトリストらしいな・・・。と思いました。
これまでタイトリストのクラブにたくさん接してきて、タイトリストは『美』に気を配っているメーカーだという認識をもっています。

ネックの長さは標準的です。
これまでもよく見てきました。

ネックには調整システムが搭載されています。
これも過去のモデルと共通するところです。
最近は一時期ほど、このシステムが多くないような気がするのですが、まだまだニーズが高いのだと思います。

試打するのは、このA1のポジションです。
この位置がおそらく標準だと思います。

フェース面のデザインが大きく変わっています。
これまでのシンプルなデザインではありません。
ソールやクラウンに色々な工夫がされていても、ボールとの唯一の接点であるフェース面に工夫が見られないドライバーはたくさんありますが、今回のニューモデルは新たな技術が採用されているようです。
指で触れてみたら、かなりザラザラしています。
ドライバーで、この触感は珍しいです。
『サラサラ』ではなく『ザラザラ』していて、目の細かいサンドペーパーを触っているような感じです。
なんと言いますか、ちょっと『ゴツい』印象をもちました。

シャローバックタイプではありますが、フェース高は充分あり、全体的なシャローではありません。
なので、『部分的シャロー』といったらいいでしょうか?
このようなタイプが、今は多くなりました。

引き締まった、いい顔をしています。
黒という色なので引き締まって見えるということもありますが、やや小振りな感じで昔の懐かしい記憶が蘇ってきます。
ひょっとしたら460ccではないのかな?と思いましたが、よく判りません。
最近では珍しい『逃がし顔』なのも特徴的です。
トゥ側が主張していないので、構えたときに逃がすイメージが出しやすそうです。
今は『ほぼ全て』といっていいほど『つかまえ顔』なので、この顔は珍しくもあり、新鮮味もあります。
つかまえ顔を好まれる方はたくさんいらっしゃると思いますし、そういった方には、このドライバーの顔はスライスを連想させ、親近感をもちにくいかもしれません。
私はこのような顔が昔から好きなのですが、これは好みがはっきりと分かれるところだと思います。
ラージサイズのシャローで逃がし顔だったら、ほぼ間違いなくスライスしか出ないような気がするのですが、このドライバーのように適度に厚みがあって小振り感があると、『つかまえていけそう』という楽なイメージをもつことができます。

クラウンマークも新しくなっていることに気付きました。
これまでのモデルとは大きく違っていて、『TSi』というモデル名がそのままクラウンマークになっています。
すごく控えめなクラウンマークです。
どちらかというと、私はクラウンマークが無いほうが好きなのですが、これくらい控えめであれば、全く気になりません。

装着されているグリップは好感が持てました。
珍しいデザインですが、いい感触です。
適度なグリップ力がありながら堅すぎないので、ハードヒットしたいドライバーには適しています。

素振りをしてみても、最近では数少ない『しっかり感』があって好感が持てました。
いわゆる『振り心地』がいいドライバーです。
今のドライバーの多くは、かなり『ソフトスペック化』しているといいますか、軽すぎたり軟らかすぎたりする印象があるのですが、このドライバーは違います。
おそらく10年以上前になると思うのですが、『適度にしっかりしていた時代』に戻ったような気がします。
地クラブでシャフトを選べるタイプや大手でも『カスタム』は別ですが、最近の『吊るし』ドライバーのアンダースペックタイプに物足りなさや不満をもっておられる方は少なくないのではないでしょうか?
ヘッドは良くても、純正シャフトでは合わないので、すぐにリシャフトしなくてはならないことが多くありました。
そういったユーザーの為に、タイトリストがスペックを昔に戻したのでしょうか?
先日、ゴルフを始める若い方が増えたというニュースを見て嬉しくなったのですが、そういった方々に合わせてスペックを見直したのかな?と思いましたが、真偽のほどは定かではありません。

この懐かしいDI-6が純正シャフトなのでしょうか?
DI-6は一世を風靡して、ゴルフ場でも練習場でも、このオレンジ色のシャフトをよく目にしました。
全く同じシャフトの再販なのでしょうか?
それともどこかバージョンアップしているのでしょうか?
ただ、球がつかまりやすいシャフトではないので、このDI-6でつかまりが弱いと感じる方は後で発売されたDJ-6を使う人も多かったように思います。
ゴルフシャフト史に名を残す、素晴らしいシャフトであることは間違いありません。
ヘッドを『名器』と呼ぶのであれば、シャフトは『名棒』と呼んだらいいのかな・・・?などと考えていました。

ボールを前にして構えてみても、すごくいいです。
好みが分かれるところだと思いますが、私は大好きです。
適度な厚みがあり、逃がすイメージが出しやすいので、左へのプレッシャーがありません。
おまけにDI-6が挿してあるので、さらに左へのミスのイメージが出てきません。
ニューモデルでありながら、この構え感は過去にたくさん出会ってきました。
今はシャローが全盛ですが、もっとディープの人気が高かった頃によく見られました。
高性能なシャローが今は多いですが、昔は頼りないシャローも多かったので、そういったクラブに物足りなさを感じた方はディープに手が伸びていたと思います。
このドライバーのロフトは10度ということですが、それ相応の見え方です。
大きくロフトが寝ているようには見えなかったので、高~い弾道というよりは、程よいライナー系のイメージが自然に浮かんできて、叩けそうな雰囲気が伝わってきました。
試打を開始しました

『打感』はソフトというよりは、ややしっかりめですが、嫌な衝撃が残ることもなく、好感が持てました。
この打感は、過去のタイトリストドライバーでも記憶していますが、それらの中でも、しっかりしています。
ズシリと、球の重さを感じ取ることができました。
ライバルメーカーである、テーラーメイドやキャロウェイなどは『弾き感』を強く感じることが多く、タイトリストもそのように感じることもありますが、それだけではなく、タイトリストドライバーには『打ち抜く』感覚を得やすいのが特徴的です。
これは過去のモデルにもありましたし、このドライバーにもありました。
ただ単に弾くのではなく、ボールのセンターを潰すといいますか、打ち抜く感じで飛ばすイメージが出せました。
フェース面の『ザラザラ感』が作用しているのでしょうか?
結構摩擦感があるといいますか、ボールを『噛む』ような打感です。
一瞬だけ『くっつく』感覚があります。

これまでと違うタイプのヘッドなので、音の予想はできていなかったのですが、落ち着いた感じの音で、『カーン』とか『キーン』という耳に響く音ではないので、気持ちよく振っていけました。
はっきりした音ですが、大きすぎず周りを気にしなくてもいい音です。
叩くべきドライバーには『叩かせてくれる音』にしてくれているんだな・・・。と、この音を耳にしながら思いました。
これまで、せっかくヘッドのポテンシャルは高いのに『叩かせてくれない音』を発するドライバーにたくさん出会ってきて残念に思いましたが、このドライバーはしっかりと叩かせてくれました。

『球のあがりやすさ』という点では、今のドライバーの中でも明らかにハードなタイプで、ヒッター向けです。
ロフト10度でも、あがりやすいタイプと『ロフト通りのタイプ』がありますが、このドライバーは後者です。
普段、9度や9.5度を使っておられる方も、まずはこの10度を試してみられるといいのではないでしょうか?
今はディープタイプでも、結構球があがりやすくなっているものもありますし、シャローでもハードなタイプもあり、見た目とのギャップがあるドライバーが多くなりました。
しかし、このドライバーは『見た目通り』といっていいように思います。
シャローバックタイプですが、それほど『お尻(ヘッド後方)』が重い印象はありません。
弾道はやや抑えめなライナー系です。
このドライバーはタイトリストですが、BSの凄かった時代を思い出していました。
ツアステ全盛期です。
あの頃にタイムスリップしたような感覚をもちました。
ツアステドライバーで、このような弾道をよく目にしていたな・・・。と懐かしくなってきました。

『安定性』という点では、シビアなタイプです。
寛容さはあまり無く、それほどお助け機能は感じません。
装着されているシャフトの影響もあると思いますが、それほど球のつかまりがいいドライバーではありません。
球がつかまらず、右に曲がる方は多くなるような気がします。
スライサーの方には厳しいドライバーといえるかもしれません。
しかしシャフトを変えたり、ネックにある調整機能を使って弾道を調整することもできそうですし、ウェイトを移動させれば、また違った顔を見せそうです。
このシャフトとウェイトの位置、そしてネックのポジションA1では、スライサーの方には合いづらいところがあるように思います。
オートマ系のドライバーではありません。

『飛距離性能』も、いわゆるオートマ系のような広い高反発エリアで飛ばすタイプではないので、好みがはっきり分かれると思います。
ミスヒットにはそれをはっきりと感じさせてくれる弾道と方向性(曲がり)を表してくれるドライバーです。
しっかりと叩いていきたいドライバーです。
腹筋に力を入れ、インパクトからフォローにかけて、グッと押し込む感じ・・・。といったらいいでしょうか?
見た目通り、硬派なドライバーです。
ライナー系で強い球が打てますが、球がドロップするということもなく、スーッと伸びていく感じでした。
叩いても吹き上がることなく、低スピン性能も長けています。
途中からフワ~と浮き上がるような弾道は好きではないのですが、このドライバーだと一定でスーッとライナー系で伸びていってくれるので頼もしさを感じました。
幅広い層に対応したドライバーではないことは明らかですが、もっているポテンシャルはとても高いです。

『操作性』は、なかなかいい感じです。
私はフッカーなので普通に打つなら、ほぼストレートのドローといった感じでしたが、右に曲げるのも簡単でした。
最近は大きく曲げづらいドライバーが多いので、久しぶりにこのようなタイプに出会ったような気がします。
直進性ではなく、自分の持ち球で勝負していけるドライバーです。
ドローヒッターの方には易しいドライバーだと思いますが、フェードヒッターの方は先ほども書きました通り、調整機能を使ったり、ウェイトを移動させたりして調整したほうがいいかもしれません。
寛容さではなく、正直さがあるので、高い再現性を求めたい方には、合いづらいドライバーといっていいように思います。
試打後の感想

ハードルを下げて親しみやすくしているドライバーが多い中で、このタイトリストのニュードライバーは『異質』といいますか、全くコンセプトの違うタイプだということを感じました。
昔にもどったような感じです。
今のドライバーの中では、明らかに『難しい設定』になっていますが、昔はこのようなタイプばかりでしたし、ネックの調整機能やウェイト移動システムが搭載されているので、その分は親しみやすくなっているような気がします。

何故、ここまでハードなタイプを発表したのかな?と思いました。
これまでもタイトリストのドライバーは素晴らしいものがたくさんありました。
特に私は913D3の印象が強いのですが、913D3は高い飛距離性能と易しさがあって、気に入っていました。

時が流れるにつれて、ゴルフクラブはどんどん『易しさ』へとシフトしていくのかと思っていたので、このドライバーはその流れに逆行しているようです。
骨太で硬派なドライバーです。

ドライバーに『上がりやすさ』や『曲がりにくさ』『安定性』を求めたい方には、はっきり合わないと断言できます。
それくらい、このドライバーには『尖ったところ』があります。
今の多くのニーズに合っていないので、それほど高い支持は得られないかもしれません。
アイアンのマッスルバックは『数量限定』になることも珍しくないですが、このドライバーもそうなのかな?と思いました。
それくらい、このドライバーは尖っていて、使い手を選びます。

人によっては取っつきにくいところもあると思いますし、尖ったタイプのドライバーですが、その分だけ、このドライバーがピタリとハマる方には、今の多くのドライバーでは得られないような頼もしさ・快感が得られるのではないでしょうか?
今の易しすぎるドライバーに不満をもっておらえる方。
今のつかまりやす過ぎるドライバーに苦手意識をもっておられる方。
左を怖がらず、しっかりと叩いていきたい方には、是非試していただきたいです。
ヒッター向けで、どんどん振っていけるドライバーです。
易しすぎるドライバーだと、時には緩んでしまうこともあるかもしれません。
しっかりしたドライバーだと、スイングがピリッと引き締まってくることもあると思います。
タイトリストは『983K』という名器を発表しましたし、顔は違うものの、その前のモデルの名器『975D』を少し思い出しました。
975Dよりも易しくて、飛距離も出ているのは間違いありません。
983Kはアーニー・エルス選手が使って大人気でしたし、975Dはタイガー・ウッズ選手がタイトリスト契約時に愛用していたことで有名です。
テーラーメイドのドライバーも素晴らしいですが、今日から開幕したマスターズで、タイガー・ウッズ選手がこのドライバーを使ったら、いい成績を残すだろうな・・・。と思いました。
☆
構えやすさ・・・☆☆☆☆☆
打感・・・・・・☆☆☆
音・・・・・・・☆☆☆
あがりやすさ・・☆☆
安定性・・・・・☆☆
飛距離性能・・・☆☆☆☆
操作性・・・・・☆☆☆☆
最後までお読みいただき、ありがとうございました。





Titleist TSi クラブシリーズ 2020年モデル

コメント