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2020年10月24日
クリーブランド RTX ZIP CORE ウエッジ

今日は、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは クリーブランド RTX ZIP CORE ウエッジ


シャフトは ダイナミックゴールド です。
ロフトは58度、クラブ長さは35インチ、シャフトフレックスはS200、シャフト重量は119g、キックポイントは手元調子、クラブ総重量は478g です。

クリーブランドのNEWウェッジです。
今回もすごい工夫がされていそうです。
これまでのウェッジとはデザインがちょっと違います。

大きさは標準的ですが、それほどシャープさはありません。
特にトップラインのトゥ側の膨らみが目立ちました。

そこには『ZIP CORE』という文字がありました。
これはどういう工夫なのでしょうか?

トップラインの厚みはストレートでなく、膨らみをもたせてあります。
そしてバックフェースが丸いのも特徴的です。
これらの工夫は適正な重心高さを実現するためではないでしょうか?

キャビティタイプのウェッジが増えてきましたが、このウェッジは違います。
とはいっても、『フラットバック』というよりは『ラウンドバック』といっていいほど、丸みが目立ちます。

トップラインには膨らみをもたせてありますが、こうして見てもそれが邪魔に見えないので、構えても良さそうです。

ソール幅は標準的です。
最近多い、トゥからヒールにかけて、ストレートに近いタイプです。
こうして見ても、ソール形状の工夫が見られます。
かなり大体に削りこまれていて、丸さが目立ちます。

角度を変えてみても、かなり丸い形状なのが分かります。
『馬の背ソール』といったらいいでしょうか?
ソール全体に丸みがあり、『抜けの良さ』と『設置面積の小ささ』の両方が良さそうです。
『突っかかる』とか『刺さる』というイメージは全く浮かんできません。

ソールの丸さとバックフェースの丸さが、まるで『対』のようです。
ソールの丸さが『凸型の丸さ』だとすれば、このバックフェースの丸さが『凹型の丸さ』といったらいいでしょうか?
これだけ丸みが目立っているから、オーソドックスなタイプでありながら、それほどシャープさを感じなかったのかもしれません。
直線は外国製品でも作れますが、『曲線の美しさ』ということでいえば、日本製にかなうものは無いと、以前TVで見たことがあります。
ダンロップのクラブなので、やはり日本製なのでしょうか?
MADE IN MIYAZAKI かもしれません。

クリーブランドらしく、ネックの長さはたっぷりあります。
ウェッジには、これくらいの長さは維持して欲しいです。
これほどの長さは、他のメーカーではなかなか見られないように思います。
この真っ直ぐなネックの伸びがいいですね。
見ているだけで、目尻が下がります。

フェース面にはミーリングがありました。
クリーブランドのウェッジなので、これは当然といえます。
クリーブランドウェッジのミーリングは一言、『美しい』です。
スピン性能を高めるのが最大の目的なのは間違いないですが、それだけでなく、そのミーリングやスコアラインがとても美しく、まさに『機能美』といっていいほど洗練されています。
それは今に始まったことではなく、クリーブランドがミーリングを採用し始めてからずっと続いています。
スコアラインにあるミーリングよりも、スコアラインではないトゥ側のミーリングのほうが目立っています。
スコアラインも一本一本がすごく綺麗で丁寧に仕上げられています。
メーカーによっては、今でも雑な仕上げのウェッジがありますが、クリーブランドはとても綺麗です。
私はどの番手のクラブも好きですが、特にウェッジは大好きで一番手にする時間が長いので、特別な存在でもあるのですが、このウェッジはとてもいい印象をもちました。
このフェース面を見ているだけで、『当たりの柔らかさ』と『ハイスピン』がイメージできます。

装着されているグリップはツアーベルベットで最高のフィーリングです。
ウェッジに最適といっていいグリップです。
このしっとりとしたフィーリングがたまりません。
Clevelandのロゴが無かったので、クリーブランドファンに方には残念なところかもしれませんが、あまり気にしないという方も多いような気がします。
バックラインが無いところがまたいいです。
フェースを回して使うウェッジはバックラインが無いほうが私はいいと思うのですが、今でもウェッジにバックライン有りのグリップを採用しているメーカーが多いですし、それだけバックライン有りが求められているのかもしれません。

ボールを前にして構えてみても、とてもいい感じです。
ネックがキュッと絞り込まれているのが良く、これぞ『クリーブランド顔』といえます。
今はこの部分が広くてボテッとしたウェッジが多く、それらが良くないということではないのですが、やはりこのように絞り込まれているほうが私は好きです。
昔のウェッジはこのような顔が多かったのですが、今は広くなっている物も多いです。
構えたときにスコアラインのミーリングはあまり目立ちませんが、トゥ側のミーリングは目立っていました。
しかし構えづらいということはないですし、普通に構えることができました。
昔からある、お馴染みの顔ではありますが、こういった工夫が進化といえるような気がします。
グースの利きは弱く、ほんの少しだけ『出っ歯』になっているタイプです。
トップラインやバックフェースだけでなく、『歯(リーディングエッジ)』も丸みがあるウェッジです。
『トリプルラウンド』といったらいいでしょうか?

フェースを開いてみても、いい感じです。
ヒールからトゥへと、フェース面を斜めに使っていくイメージが出せます。
ロブショットを打つときは、ボールが真上に飛ぶというよりは『浮く』イメージが欲しいですが、このウェッジではそれができました。
試打を開始しました

『打感』はとても柔らかくて、好感が持てました。
球の乗っかり具合もすごくいいです。

球も拾いやすくイージーです。
私には『グースでない易しさ』を感じられ、なおかつソールがよく滑ってくれるので、ボールの手前から少し『さらっていく感じ』で拾っていくことができました。
出球のイメージも合いやすく、オーソドックスな易しさを感じます。
ハイテクタイプのウェッジであることは変わりないのですが、それが嫌みになっていなくて、ベーシックタイプのような親しみやすさがあります。

スピン性能はかなり高く、ボールをよく止めてくれました。
フェースの性能とソールの性能が上手くマッチして、このスピン性能の高さを生んでいるのではないでしょうか?
特別なワザを必要とせず、普通に拾うだけでボールにスピンを掛けてくれました。
ヘッドをガツンと入れるのではなく、そっと優しく乗せていく感じがちょうど良いです。

構えやすくてラインが出しやすくイージーですが、キャビティタイプのような寛容さは無いのかもしれません。
しかし普通に打っている限り、難しく感じるところはないですし、『易しすぎない易しさ』といったらいいでしょうか?
これまでの経験を活かせる易しさがあります。
見た目以上の易しさがあるのも事実です。
オーソドックスなタイプですが気難しさはなく、寛容なところもあるので、幅広い層に親しみやすいウェッジといっていいように思います。

『距離感』も合いやすいです。
打感がソフトなので、『タッチ』を出しやすいです。
出球のスピードといいますか、強さのようなものは『フェースの開閉』で使い分けられるように思いますし、あくまでもイメージですが、フェースを開いたときは上からティッシュペーパーを落としたような軽さを醸し出してくれ、閉じ気味に打ったときはスピード感があり、ピンポン球を手で転がすような感じ・・・。といったらいいでしょうか?
微妙なさじ加減ができるウェッジです。

『操作性』も高く、色々な球で遊ぶことができました。
この58度があれば、無理にロブウェッジを入れなくてもいいかな・・・。と思えるほど、ロブ系のショットも簡単ですし、たくさんの可能性を秘めたウェッジです。
ショットのバリエーションが豊富な、守備範囲の広いウェッジといえるでしょうか?
『業師』の方に使っていただきたいウェッジです。
試打後の感想

ドライバーのように飛距離を求めるクラブは『スピード感』が求められます。
それはドライバーだけでなく、スプーンなどもそうですし、今のアイアンもそのようなタイプが多くなりました。
フェースの弾き・初速の速さが求められているのかもしれません。

しかし、短い距離を打ち分けるウェッジにはスピード感は不要です。
むしろ、『スロー感』が欲しいです。
ゆっくりであればあるほどアバウト感は消え、縦の距離を合わせやすくなります。

飛ばすことが性能であれば、飛ばさないことも性能。
そして、スローなことも性能。
ガツンと強く打ってしまえば、どうしてもコントロール性能が落ちてしまいますが、そうさせないのが優れたウェッジの特徴といえます。

このウェッジにはそれがありました。
スピンを掛けるには、ある程度強く打って、ボールをしっかりとフェースに食い込ませなければいけないんじゃないか。と思っておられる方もいらっしゃるかもしれませんが、このウェッジだとそういったことは不要で、自然とフェースにボールが乗ってくれ、プレイヤーは一定のリズムでボールを拾っていくだけで、充分スピンを掛けて止めてくれます。
ソフトタッチでハイスピンを得られるウェッジです。

そういった意味では、それほど『ワザ』を必要としないウェッジといえるのかもしれません。
もちろん、使い手に高い技術があって、それにもしっかりとついてきてくれると思いますが、ウェッジがプレイヤーに要求するものはそれほど多くないのではないかな?と思いました。
見た目はとてもカッコ良くてマニュアルタイプのウェッジですが、そういった意味での『懐の深さ』といいますか、『寛容さ』のようなものは充分持ち合わせているウェッジです。
それは、メーカーの深い研究によるものが大きいのではないでしょうか?

1.ラージサイズのウェッジが好きだという方。
2.アイアンと同じように、キャビティタイプのウェッジを使いたいという方。
3.強いグースが好きな方。
4.もっとネックが短くてワイドソールの低重心タイプのウェッジを使いたいという方。
5.この特徴的なティアドロップ型がどうしても馴染めないという方。
には合いづらいところがあるかもしれませんが、それ以外の方にはとても頼もしい相棒になってくれるのではないでしょうか?
かなりのハイテクが搭載されたウェッジですが、それが嫌みになっていなくて、自然に溶け込んでいる感じに好感が持てましたし、試打していて楽しめました。
さすがはクリーブランドです。
☆
構えやすさ・・・☆☆☆☆
打感・・・・・・☆☆☆☆
スピン性能・・・☆☆☆☆☆
あがりやすさ・・☆☆☆☆
安定性・・・・・☆☆☆☆
距離感・・・・・☆☆☆☆☆
操作性・・・・・☆☆☆☆☆
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
クリーブランド

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