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2020年10月02日
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テーラーメイド P770 アイアン

今日は、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは テーラーメイド P770 アイアン


シャフトは ダイナミックゴールド EX TOUR ISSUE です。
ロフトは33度、クラブ長さは37インチ、シャフトフレックスはS200、シャフト重量は131g、キックポイントは元調子 です。

テーラーメイドのカッコいいアイアンです。
パッと見た感じは、シンプルなマッスルバックアイアンです。
ライバルメーカーであるタイトリストはマッスルバックのイメージもありますが、ついにテーラーメイドもマッスルバックアイアンを発売してくれるようになったのか・・・。と思いました。
テーラーメイドもこれまで、マッスルバックアイアンが全く無かったわけではありませんが、ラージサイズのイメージが強いです。
以前試打したスモークというアイアンのことはよく覚えています。
すごく魅力的でした。
このアイアンはP770ということで、以前試打したことのあるP790の後継機種であることは想像に難くありません。

シャープな形状でカッコいいです。
テーラーメイドアイアンのPシリーズの中で、最もカッコいいです。
このシンプルさがたまりません。
テーラーメイドのクラブは、シンプルというよりは、どちらかというと色々な工夫を取り込む『足し算設計』が多いように思うのですが、このアイアンは外見上はそういったことを感じさせないのがいいです。
いわゆる『濁った』印象はありません。
クリアな感じがします。

中空構造だということが分かりましたが、これまでの中空アイアンのように、プクッと膨れていないのがいいです。
見た目はマッスルバックアイアンそのものです。
シャープでシュッとしているので、すごくカッコいいです。
目にしたら打たずにはいられません。

このシンプルなバックフェースが魅力的です。
キャビティアイアンを好まれる方は、この形状はあまり親近感をもたれないかもしれませんが、中空の良さは『見た目とのギャップ』にあります。
見た目は難しそうに見えても、実は易しいというのが、中空最大の魅力です。
ヒール側にTUNGSTENの文字があったので、ヘッドの中にタングステンが組み込まれているのが分かりましたが、これまでのモデルにも見られました。

トップラインの厚みも標準的です。
外見はあくまでもマッスルバックに合わせているようです。

ソール幅は標準的ですが、今のアイアンの中では明らかに狭いです。
比べてみたわけではないのですが、以前試打したP790よりも、このP770のほうが狭いと思います。
このソール幅を見て懐かしく思う方がいらっしゃると思いますし、逆にハードルが高く感じられ、親しみづらさを感じる方がいらっしゃるかもしれません。
何だかステンレスっぽい質感だな・・・。と思いながら見ていたのですが、軟鉄鍛造なのだそうです。

このアイアンのソールにも溝があります。
テーラーメイドらしい普通のステンレスアイアンにもありましたし、この中空アイアイにもあります。
わざわざ、このような工夫をしているということで、それなりの効果が期待できるのだと思いますが、私はまだ体感できていません。

ネックの長さは標準的です。
こう言っては何ですが、テーラーメイドのアイアンにしては、この『後ろ姿』が綺麗だな・・・。と思いました。
シュッとしていて気品が感じられます。
これまでは『頭でっかち』であったり、『ボテッ』とした物やグースがきついものが多かったからです。

ホーゼルにはFORGEDの文字があり、改めて軟鉄鍛造などだと知りました。
テーラーメイドのアイアンはステンレスのイメージが強いですし、軟鉄でも鋳造の物が多かったように思うのですが、フォージドにすることによって、『軟鉄鍛造ファン』を取り込もうという狙いがあるのでしょうか?

フェース面にはミーリングは見られませんでした。
シンプルで綺麗なフェース面です。
ただ、このフェース面を見て、やはり中空なんだな・・・。と思いました。
これまで出会ってきた中空アイアンに見られる特徴がありました。

装着されているグリップはソフトなフィーリングで好感が持てました。
手によく馴染むので、アイアンに適したグリップです。

素振りをしてみても、適度な重量としっかり感があって、好感が持てました。
適度な重さを利用できるので、タイミングがとりやすいです。
重力に任せておけばいい・・・。という感じです。

このダイナミックゴールド EX TOUR ISSUEというシャフトはNEWモデルなのでしょうか?
ツアーイシューはこれまでも試打してきましたが、このEXというシャフトは初めてです。
ツアーイシューの後継モデルなのでしょうか?
最近はダイナミックゴールドが装着されることが少なくなってきているように思うのですが、このシャフトが挿してあるということは、それだけの高いパフォーマンスが期待できるのかもしれません。
ゴルフクラブはどうしてもヘッドの多様性が求められがちですが、重さや硬さの好みも人それぞれなので、装着されるシャフトのバリエーションが増えていけばいいと思っています。
今はそれくらい高性能なシャフトが、スチール・カーボン問わずたくさんあります。
巷で人気があるからといって、必ずしもその人に合うシャフトとは限りません。

ボールを前にして構えてみると、すごくいいです。
ひと目で気に入りました。
前のモデルの790よりも、断然こちらのほうが好きです。
790も悪くはありませんでしたが、正直それほど魅力を感じませんでした。
グースが利いていましたしトップラインの厚みもありましたが、このアイアンは違います。
人それぞれ好みがあるとは思いますが、私はこのほうが好きです。
こうして構えてみると、テーラーメイドというよりは、まるでタイトリストのアイアンを構えているかのようです。
独特なシェイプやフェースの光沢感がそうさせているのかもしれません。
試打を開始しました

『打感』は正直物足りなさを感じてしまいました。
構えたときまではすごくテンションがあがっていったのですが、一球打って『現実に戻された』といいますか、『一瞬で夢から覚めた』感じです。
中空独特のペチャっとした打感です。
薄くて、ボールに当たり負けするような打感です。
構えていたときは中空ということを忘れ、マッスルバックやハーフキャビティの雰囲気に包まれていたのですが、この打感がそれを一瞬で消し去りました。
アイアンとしては物足りない打感ですが、これがもしユーティリティアイアンなら普通かな?と思えてきます。
もちろん、この打感に大きな不満があるというわけではないのですが、外見のカッコ良さにすごく期待していたので、そのギャップが残念だったのかもしれません。
しかし、この中空独特な打感を好まれる方もたくさんいらっしゃると思いますし、この打感がダメだということではありません。
あくまでも私がこの打感を受け入れる度量が足りなかったということです。
顔などは790よりも、この770のほうが断然いいですが、打感は『ほぼ五分』といった感じです。
中身がギュッと詰まった感じはなく、『空洞感』があります。

『球のあがりやすさ』は普通です。
標準的な部類に入りますが、明らかにヒッター向けのアイアンです。
外見はマッスルバックアイアンのようですが、それよりもかなりあがりやすくなっているのは事実です。
外見からは分かりませんが、最適な場所にタングステンが配置されて、適切な重量配分ができているのではないでしょうか?
構えたときはもっと低い弾道をイメージしていたのですが、実際に打ってみると高くあがっていきました。
打ち出しが高く、『山』のような弾道を描いていけるアイアンで、いわゆる『グリーンを上から攻めていける』タイプです。
ただ、アイアンに欲しい『めくれるような弾道』ではありませんでした。
それは『フェースの食いつき』が足りなかったからかもしれないですし、『弾き系』では仕方ないことかもしれません。

『安定性』という点でも、この見た目よりは、かなり大らかで、シビアさは感じません。
まるで、ノーマルキャビティを打っているかのようです。
ある程度のスイートエリアの広さを感じますし、その広いエリアに球をつなぎ合わせていって、そこから強く弾き飛ばす・・・。といったところでしょうか?
『点』ではなく、『面』を意識して球を運んでいけるアイアンです。
大顔タイプではないので、打点を集中させていきやすいですし、右に抜ける感じがしないのがいいです。

『飛距離性能』も普通で、今のアイアンの中では、それほど飛ぶタイプではないと思いますが、私の感覚では『やや飛び』くらいです。
『飛び』と『コントロール』の、ちょうど中間くらいに位置しているように感じます。
私の中では明らかに飛び系のアイアンになるのですが、その飛びが安定しているところに魅力を感じました。
『血の通った飛び』といったらいいでしょうか?
一球一球に、打ち手の思いやイメージを一緒に乗せて運んでくれるような感覚です。
アイアンには必ず『コントロール』が求められますが、そのコントロールが、このアイアンにはできます。
ただ単に飛べばいいというのではなく、飛ばしていきながらも、程よい加減ができるところに好感が持てました。
打つ前の印象よりも、ボールが高くあがっていって高さを出すことができました。
ヒッター向けのアイアンには変わりないのですが、かなり高く打ち出していけるアイアンなので、昔のアイアンのような感じはしません。
この高さを出すために、ヘッド内部に色々な工夫がされているのではないでしょうか?
中空アイアンが発売されて、もう20年以上になると思うのですが、明らかに性能があがっています。

『操作性』という点でも、好感が持てました。
見た目よりは易しくて大らかさもあるのですが、決して反応が鈍いとかコントロールできないということではなく、『大らかさの中で扱える』易しさがありました。
グースが弱いからでしょうか?
一球目から、ほぼストレートな球を打つことができました。
構えたときも真っ直ぐのイメージが強く浮かんだのですが、そのイメージラインをなぞるようにボールが飛んでいきました。
グースタイプではないので、球がつかまり過ぎることはないですし、大顔タイプではないので、球がプッシュすることもありませんでした。
ストレートタイプを好まれる方でしたら、フェードヒッターの方でもドローヒッターの方でもマッチしやすいのではないでしょうか?
マッスルバックアイアンのような『反応の速さ』は感じず、スピーディーというよりは、どちらかというと『ゆっくりめ』な反応ですが、その反応スピードは多くの支持を集めるような気がします。
特にキャビティアイアンを好まれる方には、とても親しみやすいアイアンといえるのではないでしょうか?
試打後の感想

790の後継モデルだとは思いますが、私は断然、この770のほうが好きです。
790が770よりも秀でているところを探すのが難しいくらい、770のほうが全体的にレベルアップしているように感じます。

もちろん、実際に打ち比べてみたわけではないので、細かいところまではっきりとは分からないところもあるのですが、おそらく打ち比べてみても、印象は変わらないと思います。
ただ、この770の顔を小さいと感じる方もいらっしゃると思いますし、そういった方は790のほうが安心感が得られやすいのかもしれません。

このアイアンを試打して、テーラーメイドもついにドライバーだけでなく、アイアンにも本腰を入れたのかな・・・。と試打しながら思っていました。
もちろん、これまでもテーラーメイドのアイアンは秀作がたくさんあったのですが、どちらかというと比重はドライバーなどウッド系に偏っていたと思います。

まずは、このアイアンの外見の良さ=カッコ良さに興味をもたせ、実際に打っても普通のキャビティのような易しさを実感させ、親近感をもたせようというメーカーの狙いがあるのではないでしょうか?
ドライバーなどのウッド系クラブと違い、アイアンやウェッジは『設計自由度』が高くないので、外見で性能や性格をある程度把握できますが、それを覆しているのが『中空構造』です。
マッスルバックのようにシンプルでカッコいいアイアンだけど、実際に打ってみたらすごく易しくて、いい意味でのギャップを感じさせてくれます。
寛容さがあるので実用的ですし、見た目カッコいいので、『所有感』も満たしてくれます。
やはり、いつの時代もカッコいいクラブを身近に置いておきたくなるものです。

すごくカッコ良くて易しさもあるので、すごくいいな・・・。と思いましたが、打感が残念でした。
残念といっても大きな不満があるというわけではなく、『普通の中空』といった感じだったのですが、外見がすごくシュッとしてカッコいいので、その落差が大きかったのかもしれません。
易しさの為にはどうしてもフィーリングが犠牲になるところがありますが、それは仕方ないのかもしれないですし、トータルで考えればマイナスよりもプラスのほうが大きいのかもしれません。

私はこれまで、たくさんの『中空アイアン』を試打してきましたが、このP770アイアンが一番好きです。
これまでの中空アイアンにあった、ボテッとしたところが無く、外見はほぼマッスルバックでした。
それでいて、実際に打ってみるとノーマルキャビティのような易しさがあるので好感が持てます。
その見た目と易しさとの『ギャップの大きさ』が、メーカーの腕の見せ所といえるのではないでしょうか?
テーラーメイドの中空アイアンの中で、間違いなく『秀作』といえる、素晴らしいアイアンです。
私は今のところ、中空アイアンを購入する予定は無いですが、これから先どうなるか分からないですし、もし購入することがあるとすれば、今の段階では、このアイアンが筆頭候補になります。
☆
構えやすさ・・・☆☆☆☆
打感・・・・・・☆☆☆
あがりやすさ・・☆☆☆☆
安定性・・・・・☆☆☆☆
飛距離性能・・・☆☆☆☆
操作性・・・・・☆☆☆☆
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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