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2020年08月09日
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テーラーメイド MILLED GRIND HI-TOE ビッグフット ウェッジ

今日は、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは テーラーメイド MILLED GRIND HI-TOE ビッグフット ウェッジ です。

シャフトは ダイナミックゴールド です。
ロフトは60度、クラブ長さは34.75インチ、シャフトフレックスはS200、キックポイントは手元調子 です。

個性的なテーラーメイドのウェッジです。
一目で昨年試打したウェッジの姉妹モデルなのが分かりますが、どこが変わったのか、こうして見ている限りではよく分かりません。

トゥ寄りに『足のマーク』があり、これが『ビッグフット』の名前の由来だと思います。
どのような意味があるのでしょうか?
そういえば私は子供の頃から足が大きくて、中学一年のとき既に27cmの靴を履いていたので、ビッグフットということで、中学生のときに「足が大きい」と言われていたことを思い出しました。

全体的な形状や大きさはオーソドックスなタイプです。
こうして見る限り、特別変わったところは見られません。

ソールの空洞部分が、かなり大きくなっています。
これは昨年試打したウェッジとは大きく異なる部分です。
これまでの物とタイプは違いますが、これもキャビティタイプのウェッジといっていいように思います。
ソールの部分をここまで大きく『削り取る』ということは、それだけ重心が高くなっているのかもしれません。
これまで、ソールにドリルで穴を開ける工夫はよく見られましたが、このウェッジはそれをさらに強調しているようです。
初めて見るタイプではありますが、ここまで思い切ったことを出来るのがテーラーメイドの良いところだと思います。

トップラインの幅は標準的です。
もう少し広いのを予想していましたが、違いました。

ネックの長さは適度にあります。
ロングというほどではありませんが、ウェッジに欲しい長さはしっかりとキープされています。
私はショートネックのウェッジを見ると、何故か頼りなく見えてしまうことがあるのですが、このウェッジにはそのようなことを感じません。

ホーゼルには『CARBON STEEL』の文字があるので、『炭素鋼』、つまり軟鉄が使われているのが分かります。
色合いなどから、いかにも『銅っぽい』感じがしますが、実際はカッパーではなくカーボンです。
昔、J'sのフェース下が銅になっているウェッジを使っていて、その何ともいえない柔らかさを体感しているので、素材としての銅にはとてもいい印象をもっています。
新品のときは見えなくても、使っているうちにフェース面が摩耗し、銅が見えてきました。
いわゆる『カッコいい摩耗』です。
使い続けていくうちに見える『二段重ねのカッコ良さ』といったらいいでしょうか?
フェース面と、右の手のひらを『イコールさせて運ぶ感覚』を磨くことができたのは、銅のおかげかもしれません。
手のひらを真っ直ぐ伸ばしてボールにコンタクトするのではなく、少し『逆くの字』に曲げていて、インパクトの衝撃で伸びてストレートになる感覚・・・。といったらいいでしょうか?
フェース面がボールに『押し負ける』ような柔らかさといったらいいかもしれません。
そのような柔らかさを、銅で感じていました。
そんな昔の懐かしい記憶が、このウェッジを見て蘇ってきました。

かなりのワイドソールです。
この広さは昨年試打したウェッジとは大きく異なる部分です。
このウェッジが60度だから、つまり番手が異なるからソール幅に違いが見られるのかもしれません。
これだけソールが広いと、バンカーが苦手な方でも頼もしさを感じられるのではないでしょうか?
バンカーでのイメージは『人それぞれ』で、砂をバーンと弾くイメージが欲しい方は、このようなワイドなものがいいと思いますし、砂を薄く切るイメージが欲しい方は標準的な広さのほうがイメージしやすいかもしれません。
私はバンカーの練習が大好きですが、後者のほうを好みます。

ソールは全体的に丸みを帯びています。
緩やかな丸みなので、ワイドソールが活かされています。
バンカーでの砂の弾きだけでなく、芝やラフからでもしっかりと滑ってくれそうです。
こうして見ても、ヒール側が大きく削られているのが分かります。
ソールに色々な工夫が見られますが、ライバルメーカーであるボーケイとはまた趣が異なります。
このウェッジにも、色々なソールパターンが用意されているのでしょうか?

ソールはフラットではなく、細かな溝のようなものがあります。
これは昨年試打したウェッジにも見られましたし、最近よく見かけるようになりました。
こうすることでソールの滑りが、よりスピーディーになるのでしょうか?
このソールからイメージすることはそれほど無いのですが、おそらく大きな意味があるのだと思います。
こうして見ても、リーディングエッジやトレーリングエッジが、はっきりと削られているのが分かります。
こういった『削り』も、今は普通になりました。
『WIDE・15』という文字がありますが、これはどういう意味なのでしょうか?

スルーボアタイプになっていて、これも以前から見られました。
あえてこのようにしているということは、それだけスルーボアには魅力があるということだと思いますが、私は必要性を感じていません。

フェース面には非常に細かなミーリングのようなものがありました。
かなり細かいので、近くでじっくり見ないと気付かないほどです。
フェース面を指で触れてみると、少しザラザラした感触がありましたが、それはミーリングではなく、スコアラインによるものです。

昨年試打したウェッジ同様、フェース面いっぱいにスコアラインがあります。
初めて見た時は少しギョッとしましたが、もう見慣れました。
アプローチをするときに、カットで打っていくことも多いですが、そうすると打点はトゥに集まりやすくなります。
そういったときに、このようにフェース面全体にスコアラインがあることで、スピンを落とさずに寄せていけるようになるのかもしれません。
カット打ちが得意な方は、このようなフェース面には安心感をもちやすいのではないでしょうか?
私もカットで打つことが多いのですが、あくまでも私の場合は、このようなフェース面でなくても、普通で充分です。

装着されているグリップはツアーベルベットが挿してあり、最高です。
ウェッジには最適なグリップです。
もちろん、ツアーベルベット以外にも素晴らしいグリップはたくさんありますが、このグリップが挿してあるだけで、そのウェッジやアイアンに対しての好感度が私の中でアップします。
メーカーはちゃんとフィーリングのことまで考えてくれているんだな・・・。と、勝手に解釈しています。

ボールを前にして構えてみても、独特な感じがします。
フェース面いっぱいにあるスコアラインもそうですし、形状も特徴的です。
完全なる『洋顔』タイプのウェッジといっていいと思います。
洋顔には『グース』もありますが、このような『ストレート』もあります。
ストレートタイプで、ほんの少しだけリーディングエッジが前に出ているような感じです。
『出っ歯』というほどではないですが、厳密にいえば、少しだけ出ています。
ストレートネックを好まれる方には相性がいいと思いますが、グースネックを好まれる方には構えづらいところがあるかもしれません。
ロフトが60度だからでしょうか?
フェース面が、かなり上を向いています。

フェースを開いて構えてみると、それがさらに強調されます。
ヒール側が大きく削られているからではないでしょうか?
フェースがよく寝て(上を向いて)くれます。
ロフトが60度ということなので、私の中ではSWというよりはLWという認識をもつのですが、そのロブショットのイメージがすごく出しやすいです。
ここまでフェースが上を向いていると、カットの度合いを緩めて真っ直ぐに近い感じで振っても、高いロビングが打てそうです。
ボールが『前』ではなく、『真上』にあがって、まるで自分の顔(特に左目付近)に当たってしまうようなイメージが欲しいのですが、このウェッジにはそれができました。
あくまでも私の中でのことですが、自分の左目付近に当たってしまうイメージ(実際に当たることはありません)が出るときは、ロブショットの成功確率が、かなり高まります。
弾道の強さをイメージするには『ガツン』とか『カキーン』『コン』『カーン』『バコーン』など、いろいろな擬音語を頭に描きますが、こうして構えていると『フワッ』という『クリネックスショット』のイメージが出しやすいです。
この擬音語には『フェース面の音』と『ソールの芝に接する音』の二種類が私の中であるのですが、このウェッジは『フワッ』というフェース面の音と、『シュッ』というソールの音の二種類がイメージできました。
試打を開始しました

『打感』はソフトで、いい感じです。
以前、姉妹モデルを試打しているので、この打感は予想できていました。
ソール部分がかなり大きくえぐれているので、打感はどうなるのだろう?と思うところもあったのですが、実際に打ってみると、これまで経験したことのあるソフトなフィーリングでした。
外見的に、少し大味な印象もありますが、打感は大味ではありませんでした。

スピン性能も高いです。
安定していて、よく止めてくれました。
ロブ系のショットで高くあげて止めるということもできますが、適度にスピンが効いて、しかもそれが安定しているので、シンプルに寄せていけそうです。
『激スピン』タイプではなく、安定感のあるスピンが、このウェッジの魅力です。

球はとてもよくあがってくれました。
ロフトが寝ているということもありますし、ストレート独特の柔らかく軽い打ち出しの高さです。
ソール全体もよく滑ってくれて、『ボールの下半分』を攻めていけるウェッジといったらいいでしょうか?
うまく拾って乗せやすいウェッジです。

『安定性』は、かなり高いです。
マニュアル系のような感じがしないでもないですが、実際に打ってみると、かなり安定感があって、機械的に寄せていきやすいです。
球筋も一定で、『同じ球』を打ちやすいです。
このウェッジの構え感に苦手意識を持たない方や、球数をこなして慣れた方は、かなりイメージが出しやすく、そのイメージに反映させやすいのではないでしょうか?
ソールにある3つの大きな凹みが、深く関わっているのかもしれません。

距離感も出しやすいです。
ロブ系のショットはランニングやピッチエンドランよりも、距離感が合いづらいところがありますが、このウェッジはロブ系でも縦の距離感が出しやすいのが特長です。
飛ばさないという性能が、このウェッジには備わっています。
硬くなく、ソフトなフィーリングなのも、距離感の出しやすさにつながっているように感じました。
いわゆる『タッチ』を出しやすいウェッジです。
正直、それほど『繊細さ』を感じず、いい意味での『がさつさ』といったらいいでしょうか?
適度にアバウトな感じが、ちょうどいいのかな?と思いました。

『操作性』も高いですが、どちらかといえば安定性のほうが勝っているような印象をもちました。
これだけロフトが寝ているので、アイアンのように左右に曲げるのはかなり難しいですが、その分『高さのイメージ』を出しやすいので、『高低』で勝負できるウェッジといっていいように思います。
フェースを開いて打つのが苦手な方でも、普通のロブ系のショットが打ちやすいウェッジといっていいのではないでしょうか?
カットに打とうとしなくても、よくあがって止まってくれますし、『歯先』でも拾っていくことができます。

これだけロフトが寝ているので、『球の乗っかる時間』でいえば、48度くらいのPWなどと比べると、短いような気もするのですが、この『だるま落とし』的な感覚がロブウェッジの魅力でもあります。
前に飛ぶエネルギーを上手く上に変換させて、飛ばさず距離を合わせていくことができます。
ランニングやピッチエンドランを『ファスト系アプローチ』だとすると、ロブショットは『スロー系アプローチ』といえるでしょうか?
スローボールのほうがイメージが出て、距離感も合いやすいです。
試打後の感想

ストレートネックウェッジが好きで、このフェース面のデザインが気にならないという方にとって、かなり心強い相棒となってくれるのではないでしょうか?
フェース面を目一杯広く使っていきたい方にマッチしやすいウェッジです。
フェース面をストレートだけでなく、斜めに使っていきたい方に本領を発揮するウェッジといっていいのではないでしょうか?

ソールがよく滑ってくれて、スピーディでした。
それはワイドソールということもありますし、ソールにある溝のようなものも関係しているのかもしれません。
最初見たときは、バンカーの為のワイドソールを連想したのですが、ワイドソールは『滑りの良さ』『ダフらせることによる拾いやすさ』にも大きく関係しているように感じました。

マニュアルタイプっぽいデザインですが、実際はかなりオートマチックな性能をもったウェッジです。
極端な工夫のようにも見えましたが、それが『使用感の良さ』につながっているのかもしれません。

個性的なところがあって、ちょっと取っつきにくそうなところもあったのですが、実際はとても扱いやすくてハードルの低いウェッジです。
☆
構えやすさ・・・・・☆☆☆
打感・・・・・・・・☆☆☆☆
スピン性能・・・・・☆☆☆☆
あがりやすさ・・・・☆☆☆☆☆
安定性・・・・・・・☆☆☆☆☆
距離感・・・・・・・☆☆☆☆
操作性・・・・・・・☆☆☆☆
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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2020-09-02 12:29 編集