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2020年05月11日
P-tune PG102 アイアン

先日、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは ピジョンゴルフ P-tune PG102 アイアン の7番です。

シャフトは N.S.PRO 950GH neo です。
ロフトは31度、クラブ長さは37インチ、シャフトフレックスはS、シャフト重量は98g、トルクは1.7、キックポイントは中調子、クラブ総重量は416g です。

久しぶりに出会った、P-tuneのアイアンです。
P-tuneのクラブも出会う機会は多くないのですが、これまで出会ってきたクラブがとても良いので、いいイメージをもっています。
シンプルで男前という印象をもっています。
特にP-tune PG110 ドライバーを試打したときに、そのあまりにもいい顔に見とれてしまったことを今でも覚えています。
色々なクラブを試打していると、マイナスなイメージしか残らないクラブもあれば、プラスだけが強烈に残るクラブもあります。
後者の代表的な物のひとつがPG110 ドライバーというドライバーです。
私は年間に何本かは『惚れる』クラブに出会うのですが、PG110も惚れたクラブです。
ゴルフクラブに出会って、感情が揺さぶられないという方もいらっしゃるかもしれませんが、私は毎回大きく揺さぶられテンションが上下します。
ゴルフクラブは『ボールを打つためだけの道具』に過ぎないと思っておられる方もいらっしゃると思いますが、私は『相棒』という認識をもっているので関心が高いですし、心が大きく揺さぶられます。
いつまで経ってもビギナーの頃のときめきが失われません。
新しいクラブに出会うときは、毎回初心者のような気持ちで接しています。

オーソドックスなポケキャビです。
小顔感はなく、どちらかというとセミラージサイズに見えます。
最近はポケキャビに出会う機会が少なくなってきているような気がしているのですが、まだまだ人気は健在のようです。
これまで出会ってきたポケキャビはどちらかというと、ゴチャゴチャしている印象があって、あまり魅力的に思えなかったのですが、このアイアンはシンプルで好感が持てます。
なんと言いますか、『濁っていない』感じ・・・。といったらいいでしょうか?

彫りの深さも適度にあります。
ポケット部分は大きいですが、プクッと膨れていないので、構えたときに邪魔にならないだろうな・・・。と思いました。
ポケキャビのデメリットのひとつに『構えづらさ』がありますが、このアイアンはそれがクリアされているような気がします。

ポケットだけでなく、アンダーカットも入っているようです。

ソール幅は普通です。
バックフェースが真っ直ぐではなく、丸みを帯びているので、『包み込む』イメージを出しやすい方もいらっしゃるのではないでしょうか?
私はどちらかといえば、真っ直ぐで『逃がす』イメージが欲しいのですが、このようなアイアンもたくさん試打していますし、いいクラブが多いので親近感があります。

ソール形状は平らではなく、丸みを帯びていて、接地面積が小さそうです。
『抜けのスピード感』あるいは『滑りのスピード感』といったらいいでしょうか?
インパクトから先にかけて、気持ちよくスパッと抜けてくれそうです。
リーディングエッジも削られていて、抜けが良さそうです。
『刺さる』イメージは湧いてきません。

トレーリングエッジも丸みを帯びています。
こういった形状はメーカーの個性が見られます。
大きく削られているものもありますし、このアイアンのように自然な感じでなだらかに削られているものもあります。
今はアイアンの『ソールのバリエーション』が豊富になってきました。
昔は使いながら少しずつ削っていったりしていたものですが、今はあまりしないと思います。
だから、最初からこのような形状のアイアンが多くなってきているのかもしれません。

ネックは、やや短めです。
私はもう少し長いほうが好きですが、この短さに好感を持たれる方は多いのではないでしょうか?
このアイアンはおそらくウェイトなどの異材が組み込まれていないと思うのですが、だから重心を低くする為に、このようなショートネックにしているのかな?と思いました。
私は上から捉えていきたいタイプなので、もう少し長いほうが、そのイメージが出しやすいのですが、低い重心のアイアンで横からはらうイメージで打っていきたい方には、これくらいの長さがちょうどいいのかもしれません。
私は最初から高重心のアイアンでゴルフを覚えてきて、今ではすごく良かったと思います。
今は昔ほどの重心の高いアイアンは見られなくなりましたが、高重心だから上から打つ技術を身につけられたのだと思いますし、その技術は応用が利きます。
慣れれば横からでも打っていくことができます。
対して『レベル』が身についていると、応用が利かず、技術の幅が狭められているような気がします。
実戦でも『ディボット跡』など、ライが悪いことはよくありますが、そういったときにも『上から』打てると、対応が易しくなります。
とはいっても、これはあくまでも私の経験による感覚でしかないのですが・・・。

フェース面には細かなミーリングがありました。
近くでよく見ないと気付かないような細かなミーリングです。
アイアンのフェース面にミーリングを採用しているメーカーは多くないですが、やはりこうすることへのメリットも大きいのかもしれません。
多くのメーカーがミーリングを採用していないのは、『コスト』の問題もあるような気がします。
このアイアンのミーリングは、これまでも見たことがありますし、かなり細かいので構えたときにも邪魔にならないだろうと思いました。

素振りをしてみると、軽量タイプではありますが、よく出会う軽さですし、特に不満などはありません。
軽量タイプのシャフトですが頼りなさは無く、タイミングもとりやすいです。
できればもっと重量があったほうが私の好みではあるのですが、今のクラブはアイアンに限らずどんどん軽量化していっているので、この軽量感が今のスタンダードといえるのかもしれません。

すごく整ったいい顔をしています。
さすがP-tuneといったところでしょうか?
さすがの男前で、ブランドイメージをきちんと保っているところに好感が持てます。
小ぶりな感じはせずに、むしろ少し大きく見えたので、この大きさに安心感を持つ方は多いのではないでしょうか?
ポケットタイプのアイアンなので、マッスルバックやハーフキャビティのような小顔は必要ないのかもしれません。
私はもう少し小ぶりなほうが、よりいいイメージを鮮明に描きやすいのですが、この大きさだと少しオートマチック感があるので、今のニーズに合っているのではないでしょうか?
私は『曲線』をイメージしていきたいですが、『直線』をイメージしたい方には、この大きさが適正なのかもしれません。
グースタイプでなくて、ストレートタイプなのもいいです。
シャフトはやや軽量ですが、安心して構えられます。
こうして構えていると、まるで『三浦技研のアイアン』を見ているような質感の良さを感じ取ることができました。
試打を開始しました

『打感』は、なかなかいい感じでした。
これまでのポケキャビはどちらかというとバチーンと弾く感じといいますか、厚みのない薄くて硬い打感が多かったのですが、このアイアンはちょっと違っていて、どこか『まったり』といいますか、『球当たり』が優しい感じがしました。
マイルドな打感で、手に嫌な衝撃は残りません。
ポケキャビの中では、かなりいいほうだと思います。
マッスルバックのような、あの『厚みで押す』感じはあまりなく、独特の『くっつき感』も感じませんでしたが、その比重が『易しさ』にいったのであれば納得といいますか、大きな不満はありません。

球はあがりやすくて、ポケキャビの長所が感じられます。
重心の低さ・深さがあって、球が浮きやすいです。
見た目とてもカッコ良くて、いかにもアスリートモデルっぽいところもありますが、実際は親しみやすくてハードルの低いアイアンです。
装着されているシャフトの影響もあると思うのですが、スインガータイプの方にも親しみやすい性能をもっていると思います。
タフさは感じませんでした。

『安定性』も高く、大らかさがあります。
フルキャビティ以上のポケキャビだからの易しさ・・・。といったらいいでしょうか?
構えやすくて男前ですが、その性格はマニュアルタイプというよりは、セミオートマチックタイプといえます。
打点のブレにも寛容で、シビアさは感じません。
ポケキャビらしい易しさを充分堪能できますが、易しすぎず感覚を邪魔しないところがいいです。

『飛距離性能』は、なかなか優れていますが、今のアイアンの中では普通といったところでしょうか?
私にとっては『飛びすぎ』の部類に入るアイアンで、約一番手の違いがありますが、このようなことをあまり気にされない方も多いと思います。
球があがりやすいので、しっかりとキャリーを稼いでいけますし、出球の高さが安定していたのが、すごく印象に残りました。

『操作性』も、なかなかいい感じです。
小ぶりな感じはしなかったのですが、左右へも曲げることができました。
男前で構えやすかったからだと思います。
球のつかまりは普通なので、日頃つかまりの弱さに悩んでおられる方には、やや不満が残るところがあるかもしれません。
グースタイプを好まれる方にも、扱いづらいところがあるかもしれません。
こういったところは人によって大きく好みが分かれますが、私は好きです。
操作性は悪くありませんが、どちらかといえば、ややオートマ性が勝っているかな・・・。と思いました。
試打後の感想

ひと目見たときから、質感がいいな・・・。と思っていました。
さすがはP-tuneだな・・・。と、このメーカーに対する好感度(信頼度といったほうがいいかもしれません)がさらにあがりました。
これまでの経験から、ポケキャビはステンレスの印象が強かったのですが、このアイアンは軟鉄なのだそうです。
ピカピカ光るミラー仕上げでなく、『つや消し』になっているのもいいです。
私はミラー仕上げよりもサテン仕上げのほうが好きなので、このアイアンはかなり好感が持てます。
使い続けても、ミラー仕上げよりもサテン仕上げのほうが、美しさをキープできるような気がします。

ポケキャビは登場してから多くのゴルファーから支持されていますし、今でも根強い人気があります。
ノーマルキャビティやハーフキャビティは使いたくなく、ポケキャビだけを使っていきたい・・・。という方も多いのではないでしょうか?
しかし、多くのポケキャビが『多機能すぎる』といいますか、『付け加えられた感』『ゴチャゴチャ感』があって、あまり好感が持てなかった・・・。という方もいらっしゃるのではないでしょうか?
色々なパーツが組み合わさっているアイアンもいいですが、やはり『ワンピース感』のあるアイアンは好感が持てます。
なので、シンプルなポケキャビを好まれる方には、是非試していただきたいアイアンです。
私が思う一番の贅沢は、純金製のクラブや色々なパーツが組み合わさったクラブではなく、『削り出し』です。

ポケキャビらしい易しさを充分持ち合わせているアイアンで親しみやすさがありますが、『寛容さ』『オートマチックさ』だけをフォーカスするのであれば、違うメーカーのアイアンのほうが勝っているかもしれません。
色々な機能が『これでもか』といえるほどたくさん注ぎ込まれているアイアンではないですが、メーカーもあえてそうしているのだと思いますし、この美しさを多くの方に味わっていただきたいです。
『濁った易しさ』ではなく、『クリアでピュアな易しさ』をもったアイアンだという印象をもちました。
こういうアイアンは心が通じ合うのが早いです。

シンプルさ故の贅沢さ・・・。といったらいいでしょうか?
打つ前から既に目で楽しんでいたのですが、実際に打ってみても楽しむことができました。
易しいアイアンですが、易し過ぎないのがいいですし、これ以上の易しさは要らないな・・・。と思いながら打っていました。

軟鉄ということで、購入後も自分に合うようにライ角やロフト角を調整できるのもいいですね。
自分に合わせたアイアンというのは、ヘッドの大きさやポケットの深さ以上に易しくなって、大幅に性能がアップします。
大切なのはクラブに自分を合わせるのではなく、自分(の体格など)にクラブを合わせるということです。
あくまでもプレイヤー主導でいくべきです。
シャフトにはいろいろとこだわるけど、こういったところには無関心という方も少なくないのではないでしょうか?
色々な方とお話すると、そのように感じることが多いです。

今年の年明けに試打したウェッジもすごく良くて気に入っています。
このアイアンも気に入りました。
私はポケキャビを購入することはこれから先も無いと今は思っているのですが、もし購入することがあれば、このアイアンも候補のひとつになると思います。
質感が良く見た目も良くて、飽きがこないような気がします。
ただ、私にはちょっと易しさが勝っていて、少し退屈に思えるところが正直ありました。
なんと言いますか、スリリングで圧倒的な打感と操作性をもつマニュアルタイプのアイアンがやはり好きだな・・・。と改めて思いました。
これからもP-tuneには期待していきたいです。
☆
構えやすさ・・・☆☆☆☆
打感・・・・・・☆☆☆☆
あがりやすさ・・☆☆☆☆
安定性・・・・・☆☆☆☆
飛距離性能・・・☆☆☆☆
操作性・・・・・☆☆☆☆
全体的なバランスの良さも魅力です。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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