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2020年02月21日
ヤマハ RMX 220 ドライバー

今日は、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは ヤマハ RMX 220 ドライバー です。

シャフトは TMX-420D です。
ロフトは9.5度、クラブ長さは45.5インチ、シャフトフレックスはR、シャフト重量は46g、トルクは7.1、バランスはD2、キックポイントは先中調子、クラブ総重量は290gです。

ヤマハの新しいドライバーです。
ひと目でヤマハと分かるデザインで、美しく個性があるので好感が持てます。
オリジナリティのあるデザインは、その価値を高めます。
RMXが登場してから試打していて、最初は調整機能の印象が強かったのですが、飛距離も魅力的なブランドです。
初期モデルでは不具合があって、回収騒動もありましたが、そのときのメーカーとしての対応が素晴らしかったと私は思います。

ラージサイズで扁平といいますか、かなり平べったくて薄い感じがします。
最近は厚みのあるヘッドも見られるようになりましたが、まだまだこのようなタイプも多く見られます。
クラブの性能が大きく分かれてきているような気がします。

ソールには二本の赤い溝があります。
これは以前試打したFWにも見られました。
大きさが違うだけで、瓜二つなデザインです。

ネックは、やや短めですが、今では標準といえるでしょうか?

ネックには調整システムが搭載されていました。
調整システムというよりは、手軽にシャフトを交換するためのものかもしれませんが、詳しいことは分かりません。

シャロータイプですが、普通のシャローというよりは、『大型シャロー』といったほうがいいかもしれません。
シャロータイプは珍しくないですが、ここまで大きさを感じたのは久しぶりのような気がします。

装着されているグリップはシンプルなタイプです。
これまでも出会ってきました。
場所によってパターンが違います。
ソフトさはあまりありませんが、グリップ力は適度にあります。
しかし、これまでの経験上、このタイプはすぐに『使い減り』するタイプで、滑るようになると思います。
もっと『しっとり感』があれば、カバーできるところもありますが、このグリップはそういうタイプではないので、グリップ交換の時期は早いような気がします。
調整システムが搭載されているからでしょうか?
バックラインはありませんでした。
私はバックライン無しが好きなのですが、有りを好まれる方はとても多いと思いますし、そういった点では不満に感じる方がいらっしゃるかもしれません。
『調整システムの弊害』といったら大げさかもしれませんが、プラスがあれば、必ずマイナスもあるということです。

顔を見て、ギョッとしてしまいました。
ラージサイズなのは想定済みでしたが、かなりのフックフェースです。
今はフックフェースのドライバーが多いですが、ここまでのものはなかなか見られません。
昔試打した、テーラーメイドのバーナードローというドライバーを思い出しました。
このフックフェースは今では珍しいですし、しかもヤマハから発売されているのが意外でなりません。
しかし、こういう形へのニーズもあるのだと思いますし、ヘッドを大きくすれば、こうしないとつかまりきらないというメーカーの『ファイナルアンサー』なのでしょうか?
ウェイトを増やしたり移動させたりするだけでは解決できず、フェースアングルを『いじる』しか、解決法はないのかもしれません。
大きくすることへの弊害といっていいような気もしますが、人によって『大きさの基準』や『フェースの向きの基準』も違ってくるので、これくらいがちょうどいいという方もたくさんいらっしゃるのではないでしょうか?
『ニュートラル』というのは、言い換えれば『スクエア』になるのかもしれませんが、それを数値で表すとすると、必ずしも万人が『90度』ではないと思います。
人間には数値では表しきれない感覚というものがあり、経験を積んで磨かれるということがあるからです。
フェースアングルも極端ですし、ヘッド後方の伸びもスゴいです。
一時期はよく見られましたが、今では珍しいです。
私はポカンと口を開けてしまいました。
気持ちの整理がつかず、ずっと「意外だ」ということばかりが脳裏をよぎっていました。
かなりのラージサイズですが、これがもし白や黄色だったら、もっと大きく見えたと思います。

素振りをしてみると軽量感があって、シャフトも大きく動きますが、これくらいが今の『軽量スタンダードスペック』といえるのかもしれません。
290gということですが、もう少し軽く感じました。
振りにいっちゃうとヘッドの挙動が安定せず、コントロールしきれない感じがしたので、今日は振らずに合わせていくしかないように感じました。

ボールを前にして構えてみても、やはり苦手意識ばかりが先行してしまいます。
ボールが左へ行くイメージしか湧いてこないですし、『左回りのぐるぐる』といったら伝わるでしょうか?
トンボをつかまえるときに目の前で指をグルグル回す感じで、目が回ってしまいそうです。

余談ですが、トンボの前で指をグルグル回してもトンボは捕まえられないと思っておられる方もいらっしゃるかもしれませんが、結論からいいますと捕まえられます。
しかも、かなり簡単に捕まえられます。
最近はトンボを見なくなりましたが、私は子供の頃、夏はよくセミやトンボ・カブトムシなどを捕まえに行っていて、トンボが止まっている目の前で指を回すとトンボは指の動きに合わせて頭をくるくる回します。
その瞬間につかまえるのですが、これが意外なほど簡単です。
トンボが実際に目を回しているとは思えず、指の動きを注視するあまり警戒心は薄れてしまうのではないかと思うのですが、私はこのドライバーの顔を見て、左回りに目が回りそうな感覚がありました。
久しぶりに強い苦手意識が芽生えました。
スライサーの方には心強い構え感かもしれませんが、フッカーで、これまでたくさんチーピンを打ってきて苦い経験をしている私にはどうしても馴染めない構え感でした。
『ヤマハ顔』ではなくて、『未知の顔』といったほうが近いです。
頭の中がモヤモヤして、呼吸が浅くなりました。
「難しいクラブだな・・・。」と思いました。
どういうことかといいますと、『イメージできない』ということです。
打つ前に、いいイメージが出せないクラブというのは、どのように球が飛び出していくかも分からず、『行き当たりばったり』になってしまい、確実性が落ちるので、ミスショットの確率が高まってしまいます。
正直、いいショットを打つ自信は全くありませんでした。
苦手意識が芽生えましたが、こうして出会うことができたのも何かの縁なので、試打を続行することにしました。
ただ、このままだとおそらく左へ巻いてしまうと思ったので、オープンスタンス気味でカット目に打っていくことにしました。
試打を開始しました

『打感』は適度にしっかりとして芯がありながらも、決して硬くなく心地よい感じで好感が持てました。
フェースに乗る感じはなく、かなり球離れが速いです。
まったり感ではなく、弾き感があります。

『音』も、いい感じです。
はっきりした音ですが、大きすぎず高すぎず、インパクトの邪魔をしません。
気持ちよく振らせてくれる音です。

『球のあがりやすさ』は、まずまずです。
これまでの経験から、9.5度ではあっても、かなり球が浮いちゃうんじゃないか?と思っていたのですが結構抑えられていて、いい意味で意外でした。
ラージサイズのシャローヘッドで、かなりの『大船タイプ』ですが、かなり低スピン性能が高いです。
これまでだと、高~く吹き上がって急に失速していく・・・。という感じが多かったのですが、このドライバーは違います。
結構ライナー系に近い感じで、強く飛んでいきました。
スピンが少なすぎてタフだとは思いませんが、ヘッドの印象以上にしっかりしていて、ギャップがありました。
ただ装着されているシャフトとの相性はちょっと微妙でした。

『安定性』は、かなり高いです。
ヘッドがかなり大きく見えましたし、見た目通りの『大船感』『寛容さ』をもっています。
自分では、「あっ、打ち損じてしまった、少しコスった・・・。と思っても、ボールはほぼ真っ直ぐ飛んでいきました。
イメージにはない直進性があって、打っていて不思議な感覚でした。
オープンスタンスでカット目に打っていったからでしょうか?
左へ引っかけることもなく、真っ直ぐかややフェード気味の球も出ました。
これだけフェースが被っているのに、右に逃がしていけるのは、やはりそれだけ重心距離が長いのと、インパクトの時に『逃がしやすい』ようになっているのかな?と思いました。
ただ、おそらく私が普段通りに打っていけば、フック系がでるだろうな・・・。と思いました。
完全なる『オートマチックタイプ』で、打ち出し方向さえ間違わなければ、そこから大きく曲がりにくいので、実戦でも大きなミスにはなりづらいような気がします。

『飛距離性能』はかなり高く、これも意外でした。
フェースがよく弾いてくれていて、初速も出ています。
オートマ系でありながら、完全な『高速系』ドライバーです。
『スピード系』といっていいかもしれません。
初速が出ていながら、先ほども書きましたが、低スピン性能が高くて吹き上がることなく、力強く飛んでいきました。
ラージサイズで軽量感もありますが、この顔が気にならないというのであれば、ヒッタータイプの方にも充分使っていけるのではないでしょうか?
290gという重さに対して、人それぞれ感じ方はあると思いますが、私は300gを切ると軽量系というようにしていて、実際このドライバーは280g台に感じるほど軽く感じたのですが、軽量級としてはかなりポテンシャルが高く、高い飛距離性能をもっています。
ボクシングは体重によって階級が分けられていますが、ボクシングでいえば、ライト級かフェザー級のチャンピオンクラスといったところでしょうか?
外見からは分かりませんが、おそらくかなりの工夫はされているような気がします。
これまでの『顔の良さ』を捨てた何かがあるのかもしれません。

『操作性』という点では、得意なドライバーではないと思います。
構えたときのイメージもそうですし、実際に打ってみても、大らかすぎて曲げることは難しく感じました。
シャフトには『押していける』タイプと、逆に『押されてしまう』タイプがあって、このドライバーに装着されているシャフトは後者な感じで、マイナスに感じるところもありますが、だからこそ逃がしていけるのかな?と思いました。
大きく右に曲げるのは難しいですが、かなりカット目に打って、少しだけ右に曲げることはできました。
フック系も打てたのですが、コースで使えそうな球は打てませんでした。
これはこのドライバーがどうこうではなく、単純に私の技量不足です。
私のようにフェースローテーションを多く使っていくタイプには合いづらいドライバーなのは間違いありません。
フェースを回さないイメージのほうが、合いやすいドライバーだと思います。
ラージサイズでスライサーがちょうどいい角度になるように、重心角や重心深度など計算され尽くしているのではないでしょうか?
試打後の感想

これまでのイージー系で、ポテンシャルがもうひとつのドライバーなのかな?と、打つ前は思っていたのですが、そうではありませんでした。
イージー系なのは間違いないですが、持っているポテンシャルはとても高いです。
フェースの弾きがいいですし、球のつかまりも良くて、その相乗効果が期待できます。

顔の好みもそうですし、シャフトがRということで、グラつく感じがして、叩きにいけなかったのですが、違うシャフトだと、また面白い結果がでたのではないかと思います。
球の弾きが良くて初速が出ているのが印象に残りました。
そして、意外なほど弾道が抑えられていて、効率のいい飛びも、このドライバーの特長です。
顔は明らかに好みではありませんが、打感や音・飛距離は好感が持てました。
私は『ヤマハハンサム』ということを、これまで感じていたのですが、これからのヤマハは違う顔でも勝負していくのでしょうか?

私は昔からヤマハのクラブが大好きで、『惚れた』クラブがたくさんあります。
ドライバーやFW・UT・アイアン・ウェッジ。
どれも魅力的です。
しかし今回は凄いドライバーだな・・・。と思いましたが、もう試打することは無いですし、違うモデルに心が動いています。
私には魅力的ではないのですが、それはこのドライバーが劣っているということではなく、あくまでも私の好みから外れていると言うことに過ぎません。
軽量タイプで、ここまで仕上げてくるのはさすがヤマハだなと思いました。
☆
構えやすさ・・・☆
打感・・・・・・☆☆☆☆
音・・・・・・・☆☆☆☆
あがりやすさ・・☆☆☆
安定性・・・・・☆☆☆☆
飛距離性能・・・☆☆☆☆
操作性・・・・・☆
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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