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2010年03月03日
パワービルト エアフォースワン ドライバー

今日は、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは パワービルト エアフォースワン ドライバー です。

シャフトは フジクラ SPEED RATED です。
ロフトは10.5度、クラブ長さは45.5インチ、シャフトフレックスはS、トルクは3.2、シャフト重量は60g、バランスはD2、キックポイントは先中調子、クラブ総重量は310gです。

久し振りに手にしたパワービルトのクラブです。
パワービルトといえば、今では目にする機会が減ってしまった印象がありますが、私がゴルフに興味を持ち始めた頃は、とてもよく目にしていましたし人気が高いメーカーでした。
特に青木功選手がパワービルトのアイアンを使用して一生を風靡していました。
今でこそ『ダンロップ』や『テーラーメイド』のイメージが強い青木選手ですが、私の中では『パワービルトの青木功選手』というイメージが強く残っています。
そのパワービルトのアイアンを私も使ったことがありますが、とてもタフで美しいアイアンでした。
そんな青木選手に憧れて、私はキャディバッグを買いました。
まだ自分のクラブを持っていない時に、最初にパワービルトのキャディバッグを買いました。
初めて買ったキャディバッグがパワービルトの9,800円の濃紺のモデルでした。
キャディバッグを買ったことで、自分も初めてゴルファーの仲間入りが出来たのだと、すごく嬉しく思ったことをよく覚えています。
毎日、部屋でキャディバッグを眺めては、独り悦に入っていました。
ネームプレートに自分の名前が彫られていたことも、嬉しくてたまりませんでした。
まだゴルフを始めたばかりの若造でしたが、一人前に扱って貰えたような気がしていました。
その頃は今よりももっとゴルフというスポーツに畏敬の念を持っていたと思うのですが、今の私はちょっと横着になっているような気がします。
『純な気持ち』をどこかに置き忘れてしまったいる感じがします。
あの頃のように、もっとゴルフに対して真摯な気持ちで向かっていかなければならない・・・。と思いました。
もっと純粋にゴルフを楽しんでいきたいと思います。
今はどうしてもスコアのことなど、余計なことを気にしてしまいますが、始めたばかりの頃はスコアはともかく、ボールを打つことが楽しくて仕方ありませんでした。
ゴルフ場や練習場の空気を吸っているだけで幸せでした。
そういったたくさんの思い出が、このパワービルトという老舗メーカーのクラブに久し振りに出会うことによって蘇ってきました。
もっと初心に返らなければならないと思いました。

さて、このパワービルトのニュードライバーですが、とてもカッコいい名前が付いています。
『Air Force One』というのは、確か『アメリカ大統領専用機』のことだと思うのですが、乗り物好きで飛行機好きの私にはとても惹かれる名前です。
今まで、よくこの名前が残っていたな・・・。と思います。
クラブに付けられる名前には、そのメーカーの願いや理想などが込められることもあると思いますし、そのクラブのイメージを大きく左右することがあります。
そういった意味でも、このネーミングはとてもセンスのある名前だと思いました。
私の中では未だにパワービルトのドライバーといえば、『パーシモン』がすぐに頭に浮かぶのですが、今はかなりの年月が経っています。
パーシモンであるはずがありません。
こうして見ていても、色々なハイテクが注ぎ込まれているようです。

写真ではよく見えないのですが、フェースのトゥ側に、『2.6mm』と記されています。
フェースがそれだけ薄くて、反発性能に優れている・・・。ということなのでしょうか?
高反発全盛の頃は、よく『フェース厚』という言葉が使われていましたが、『SLEルール適合品』を手にするようになってからは、全くといっていいほど使われなくなったような気がします。
それでいて、『ルール適合品』なのだから、かなりの創意工夫が施されているのだろう・・・。と思いました。

素振りをしてみた感じはまずまず・・・。といった感じでした。
変なクセもないような気がしました。
この試打クラブを借りる前に、店員さんから
「このクラブはちょっと重く感じるかもしれません・・・・。」
と言われていたのですが、実際に振ってみると、そんな感じはしませんでした。
日頃よく出会う試打ドライバーの感覚のまま振っていくことができました。
シャフトも硬いとは思わなかったですが、頼りない感じはしませんでした。

ボールを前にして構えてみると、途端に苦手意識が芽生えてきました。
かなりキツイ感じです。
私が苦手とする『四角形ドライバー』ではないのですが、その『フェース角』に、かなりの苦手意識を持ってしまいました。
フェースがかなり左を向いています。
自然と『左へ巻いてしまう』球が出そうな気がしました。
構えづらく感じましたし、何処を目標にして構えていいのかも解りませんでした。
イメージラインもいい感じのものは出せませんでした。
どうしても左へと強烈に曲がってしまう『バナナフック』ばかりが頭の中を駆けめぐりました。
こうして構えているだけで、体全体に冷や汗をかいてしまいそうでした。
最近は『チーピン恐怖症』も、殆ど出なくなったのですが、今日はこのままだとまずい・・・。と思いました。
なかなかテークバックのタイミングが取れません。
少し固まってしまっている感じがしました。
このままでは『ドライバーイップス』に掛かってしまいそうな気がしました。
しかし、これは『フッカー』であり、左へのミスをたくさん重ねてきた私の感想なので、『スライサー』の方や、絶対に右へのミスを無くしたい方には、かなり構えやすく感じられるのではないでしょうか?
明らかに『フッカー』よりは、『スライサー』の方に易しいドライバーだと思います。
何とかいいイメージを持っていこう・・・。と思いながら、試打を開始しました。

まず感じたのが、その印象的な『甲高い音』です。
あまりにも高くて耳鳴りがしそう・・・。という感じではなかったのですが、私はこの音には馴染むことができませんでした。
正直言って、かなりこの音に違和感を感じてしまいました。

ソールのところに『NITROGEN POWERED』と記されています。
聞くところによると、このドライバーはヘッドの中に『窒素』が充填されていているのだそうです。
その工夫が、こういった音の原因にもなっているのだそうです。
ヘッドの中に、窒素などの気体を充填する・・・。ということは、別に珍しいものでもないですし、そのことを聞いて、私はとても懐かしい・・・。と思いました。
昔は、結構頻繁に目にしたような気がします。
私はこういった創意工夫が素晴らしいことだと思ったのですが、この音はどうしても馴染むことができませんでした。
無意識にインパクトを緩めたり、細工しようとしている自分がいました。
とても自分のスイングをさせて貰えませんでした。

『方向性』という点でも、すごく苦戦してしまいました。
やはり構えたときのイメージ通り、一球目から左へ曲がっていきました。
ボールは意識やイメージの通りに飛んで行きやすいものだと改めて感じました。
それはいいイメージの時よりも、悪いイメージの時のほうが、その傾向が強いと思います。
実戦でも、左の池やバンカーが気になると、不思議とそこにボールが吸い込まれるような経験を何度もしてきましたが、今日もそんな感じの軌道を描いていきました。
やはり意識やイメージといったものが、弾道に大きく影響するのだと思います。
私は普段でもいいイメージを描いてからでないと、ショットしないようにしていますし、構えた時に瞬時にいいイメージが描けるように日頃から訓練しているつもりです。
構えて時間を掛けると、筋肉が硬直してスムーズに動かないこともありますし、あまり時間を掛けると、同伴競技者や後ろの組に迷惑をかけるからです。
白洲次郎さんではありませんが、私も『PLAY FAST』を心掛けているつもりです。
しかし、今日はそのいいイメージをなかなか描いていくことができませんでした。
そんな中途半端な状態で打ってしまうのだから、いい球が打てなくて当然だと思いました。
このドライバー云々ではなくて、私の想像力の貧困さもミスショットの大きな要因だと思いました。
何とか右へ曲げてやろう・・・。と思い、トライしていったのですが、なかなか上手くいきませんでした。
それはやはりこの『音』も大きな原因のような気がします。
かなり苦戦してしまいました。

『打感』は、まずまず・・・。だと思いました。
とても好感触で、いつまでも柔らかい感触が手に残る・・・・。という感じではなかったのですが、それほど違和感を感じることなく打つことができました。
最近は、とても好感触のドライバーが増えてきましたし、打感や音で、そのクラブの品質を感じることがあるのですが、そういった点でいうと、このドライバーは正直いいまして『平均的なレベル』なのかな?と思いました。
しかし、その打感よりも『音』が強烈に印象に残るので、なかなか感触を楽しむまでには至りませんでした。

『球のあがりやすさ』という点では、見た目の印象通り・・・。という感じがしました。
ここ数年よく見かける形状ですし、こういったドライバーが今は主流なのだと思います。
最近はあまり『ディープヘッド』を見かけなくなりました。
最近の印象に残るディープヘッドドライバーといえば、私は『HONMA BERES TW914 ドライバー』をすぐに思い浮かべるのですが、それ以外は殆ど見かけません。
先日も書きましたが、やはり今は『叩けるシャロー』が増えてきているような気がします。
『ディープフェース』であっても、『シャローバック』のものが、すごく増えてきました。
このドライバーも、そういった類のひとつだと思います。
割とシャローではありますが、意外と低く抑えていきやすいところがあり、そういったところに私は好感を持ちました。
やはりドライバーの弾道は幾分低く抑えていきたい・・・。と考えています。
実戦では低めの弾道の方が、安心できるところがあります。
今はかなり高性能化が進んで、低くても直進力の強いドライバーが増えてきました。
そういった意味でも、このドライバーの弾道の高さには、まずまず好感を持つことができました。

『操作性』という点では、かなり難しく感じられました。
先ほども書きましたが、私ではどのように打っても左への打球しか打つことが出来ませんでした。
最初真っ直ぐ飛んで、途中から左へ曲がる・・・・。というのならまだ解るのですが、『打ち出し方向』そのものが最初から左へと向かっていました。
何球打っても、なかなか改善の兆しが見られませんでした。
このようなフックフェースには、最初から大きく右を向いて、そこから回していく方法がありますが、今日はそういった工夫をあまりする気にはなれませんでした。
『打感』はまずまず・・・。だったとしても、『構え感』『音』という点が、かなり私にとっては難しく感じられる部分でした。
本当ならば、もっと粘っこくならなくてはならないのですが、今日はアッサリと諦めてしまう自分がいました。
また自分の悪い所が出ちゃったな・・・。と思いました。

『飛距離性能』という点でも、これだけ大きく左へ曲がってしまうのですから、いい結果が得られませんでした。
『フック系』は飛ぶ・・・。とは昔から言われてきたことではありますが、やはり出来るだけ『ストレート』に近い球のほうが飛距離は稼いでいきやすいのだと思います。
私が打った弾道を何度見ても、『ロス』が大き過ぎて『飛距離』という点で損をしている・・・。と思いました。
このヘッドの中に窒素が注入されていることによる飛距離性能の大きさも、私は感じとることが出来ませんでした。
この音や構え感が気にならずに感性の鋭い方ならば、きっと敏感に感じ取られるのだろうとは思うのですが、私にはどうしてもそれを感じ取ることができませんでした。
叩いていけばいくほど、結果が伴わない感じがしました。
かなり苦戦してしまいました。

今日は、私にとってたいへん思い出深いメーカーの『パワービルト』ということで、最初から何だか感傷的になったり、昔の『イケイケゴルフ』をしていた頃を思い出したのですが、結果があまり芳しくありませんでした。
『音』と『構え感』さえ、もう少し違っていれば、もっと違った結果が出ていたような気もするのですが、今日はどうすることも出来ませんでした。
しかし、今日は今日、明日は明日・・・。だと、あまり思わしくない結果の時は思うようにしているので、また出来ればパワービルトのドライバーにチャレンジしたいです。
そして、決して初心を忘れてはいけない・・・。と自分自身を戒めようと思いました。
今日はいい内容の試打が出来ませんでしたが、自分自身のゴルフを振り返ることが出来て、とてもプラスになった一日です。
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