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2020年01月23日
イオンスポーツ ツアープライド M2 アイアン

先日、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは イオンスポーツ ツアープライド M2 アイアン の7番です。

シャフトは N.S.PRO MODUS3 TOUR120 です。
ロフトは33度、クラブ長さは36.75インチ、シャフトフレックスはS です。

イオンスポーツの、とてもカッコいいアイアンです。
ひと目見て、強く惹かれました。
今はハイテクタイプのアイアンも多く見かけるようになりましたが、その流れとは逆を行く、このシンプルさがたまりません。

オーソドックスなタイプのハーフキャビティです。
このキャビティ形状は、これまでも他のメーカーで試打してきました。
大きさもちょうどいいです。

バックフェースにはFORGEDの文字があり、いい雰囲気を醸し出しています。
今はフォージド人気が高まっているようで、多くのメーカーが採用していますが、一口にフォージドといっても、いろいろあるようです。
このアイアンは昔ながらの本格的なタイプです。
『ごまかしが無い』といいますか、『ピュア』な感じがします。
いろいろなアイアンを試打していると、時には仕上げが雑なものにも出会いますし、メッキにムラがあるものにも出会います。
このアイアンは丁寧に仕上げられていますし、メッキも綺麗です。

彫りの深さは標準的です。
昔からある形状です。
こうして見ると、重心がかなり下がっているようにも思えてきますが、実際はそれほどでもないということが経験で分かっています。
しかし、昔のような高重心タイプではないことも明らかです。

トップラインの厚みは適正です。
この角度から見ても、何ともいえない魅力があります。

ソール幅は標準的ですが、今はワイド化が進んでいるので、そういう意味では、やや狭いほうといえるかもしれません。
リーディングエッジは真っ直ぐに近いですが、トレーリングエッジは弧を描いています。

ソール形状はそれほどシャープという感じはなくて丸みもあり、リーディングエッジやトレーリングエッジには微妙な削りが見られます。

ネックは少し短く見えたのですが、これも今のアイアンでは標準的といえるでしょうか?
やや『寸胴タイプ』に見えました。
ネックの太さはストレートではなく、ややテーパーになっています。
微妙にグースが利いているのも分かりました。

ホーゼルには『MADE IN JAPAN』の文字が刻印されていました。
日本製というのはとても魅力的で好感度もあがります。
この何ともいえない素晴らしい質感から、ひょっとしたらゴルフクラブの聖地である『兵庫産』かな?などと思いながら見ていました。
実際はどうなのか分かりませんが、すごくいい雰囲気があります。
アイアン好きの私のスイッチを、このアイアンが押しました。
私の目がキラキラと輝きながら、このクラブを見ていました。

フェース面にミーリングは無くシンプルです。

素振りをしてみても、タイミングがとりやすくて、とてもいいです。
親近感のもてる『振り感』といっていいかもしれません。
このようなタイプのアイアンには、適度な重量があったほうが、易しくなるような気がします。
軽すぎてしまうと、逆に安定性を欠いてしまうかもしれません。
なので軽量タイプのアイアンは、ラージサイズのオートマ系ヘッドのほうが理にかなっているような気がします。

ボールを前にして構えてみても、すごくいいです。
小ぶりなセミグースタイプです。
私はストレートタイプが好きで、強いグースは苦手なのですが、これくらいのグースであれば、何の問題もありません。
グースが少し利いているので、どちらかといえばフック系のイメージのほうが強く出たのですが、特に気にするほどではないように感じました。
試打を開始しました

『打感』はとても良いです。
独特の柔らかさがありながら、『球の乗っかり感』があって、『乗せて運ぶ』ことができました。
インパクトからフォローにかけて、フェース面にボールをくっつけて運ぶイメージ・・・。といったらいいでしょうか?
こういった感覚はディスタンス系の弾きの強いアイアンでは味わえません。
この乗せる感覚があるからこそ、微妙なコントロールが利きやすくなります。

『球のあがりやすさ』という点では普通ですが、特別な工夫がされているようには感じなかったですし、幅広い層には対応していないような気がします。
人によって好みがはっきりと分かれるアイアンです。
明らかにヒッター向けのアイアンといっていいように思います。
昔ながらのベーシックなタイプで、ある程度のHSが無いと、球は浮いてくれないかもしれません。

『安定性』という点では、ある程度の正直さがあって、それほど寛容ではないです。
『易しすぎない』のが魅力ではありますが、こういったところに不満をもたれる方もいらっしゃるかもしれません。
しっかりヒットして、そこから運ぶイメージがとても出しやすいです。
曖昧さが無い分だけ、『明確さ』といいますか、しっかりとインパクトを感じながらターゲットまで運ぶことができました。
つくづく、アイアンは『飛ばす』クラブではなく、ターゲットまで『運ぶ』あるいは『刻む』クラブだな・・・。と感じました。

『飛距離性能』は普通ですが、今のディスタンス系アイアンと比べると、明らかに飛ばないほうなので、アイアンに飛距離性能を求めておられる方には物足りないところがあるかもしれません。
私はもう少しロフトを寝かせたほうが『出球のイメージ』が出しやすいような気がしたので、もしこのアイアンを購入したら、間違いなくロフト調整はすると思います。
購入後も、自分好みに簡単にカスタマイズできるのが、軟鉄アイアンのいいところです。
ステンレス系には無い魅力です。
『素材の力』といっていいかもしれません。

『操作性』はかなり高く、左右へ大きく曲げることができました。
キャビティタイプでありながら、マッスルバックに近い、鋭い反応をしてくれるのがハーフキャビティの魅力ともいえます。
グースが利いていて球がしっかりとつかまりやすいので、どちらかといえばドロー系のほうが自然な感じがしましたが、フェード系も易しくて普通に打つことができました。
ヘッドが大きすぎないのもいいです。
これがもし、ラージサイズであれば、このような反応の良さは、かき消されてしまうような気がします。
試打後の感想

打つ前に、まずは目で質感を楽しみ、実際に打ってみて、手や耳などでグッドフィーリングを楽しむことができました。

すごくシンプルでベーシックなタイプのアイアンです。

今は『複合素材』が当たり前のようになってきていますが、このアイアンにはそういったところが見られません。

クラブを作るときに、作り手が必要以上に手を加えすぎていないので、製品となって世に出回ってラストユーザーの手に渡り、その人の手によって、完成するといえるのかもしれません。
プレイヤー(ユーザー)の感覚を取り込む余地を残してくれているように感じます。

ハイテク感は無くベーシックなタイプですが、こういうタイプは飽きないですし、長く使っていけるタイプです。
『皮膚感覚』で馴染んでいけるアイアンといえるのではないでしょうか?
一球一球試打しながら、すごくいい時間を過ごすことができました。
クラブと会話できたような気もします。

心に残る、名器といえる素晴らしいアイアンです。
☆
構えやすさ・・・☆☆☆☆
打感・・・・・・☆☆☆☆☆
あがりやすさ・・☆☆☆
安定性・・・・・☆☆☆
飛距離性能・・・☆☆☆
操作性・・・・・☆☆☆☆☆
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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