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2019年12月07日
ゴルフと力士

私は生涯の趣味としてゴルフを選び、それをずっと続けています。
ゴルフほど楽しいものはありません。
寒さが厳しい季節になりましたが、それでもゴルフの楽しさには勝てません。

私はたくさんの素晴らしいゴルフ仲間に恵まれている幸せなゴルファーなのですが、その中に元力士の人がいます。
現役時代、かなり強かったようで、前頭の何枚目かまではいったと聞きました。
しかし膝の怪我により引退を余儀なくされて、ちゃんこ鍋屋さんを経営しています。

今の季節、鍋は最高ですね。
たくさんの食材が食べられますし、何より体が芯から温まります。
10年以上前、私は仕事関係の人に彼の店へ連れて行ってもらい初めて食べたのですが、あまりの美味しさに私は個人的に通うようになりました。
普通、鍋は複数人で食べるものですが、私は一人でも行くようになりました。
彼の店は一人で行ったときはもちろん、複数人で行っても、頼めば一人一人が一つずつ鍋を食べられるように工夫してくれています。
これが大好評です。
ひとつの鍋を複数人でつつくのはどうも抵抗がある・・・。という方は結構多いのではないでしょうか?
私はよく耳にします。
そんなお客の声に、彼の店は完璧に応えています。
今の季節は予約が取れないほど連日満席が続いていますが、冬以外の季節でも、いつも賑わっている繁盛店です。
暑くても食べられるよう『夏メニュー』も用意しています。
一年中メニューが豊富で、コースメニューもあれば、単品でも注文でき、そのどれもが美味しいです。


お店に入ると、彼の弓取り式や取り組みの時の写真が額に入れられて飾られています。
それを見ながら、やはり凄いな・・・。と、いつも思います。
どこが凄いかといえば、やはりその体格です。

初めてお店に入ったとき、厨房に立っていた彼は膝くらいまでのジャージをはいていて、太いふくらはぎが見えたのですが、それを見てプロの凄さを実感しました。
私も結構体格がいいほうで、ふくらはぎが太いと友人たちから言われていたことがありましたが、全く比較になりません。
次元が違いすぎます。
彼は一見、コワモテな感じがするのですが、実はとても優しい性格をしていて、笑うとチャーミングな顔になります。
人生で相撲のことしか知らなかったそうですが、お客さんからゴルフを誘われ、それで始めることになったそうです。
そして私も彼の店に通うようになって自然とゴルフの話になり、一緒にプレーするようになりました。
何人かで彼のお店に行くときは、いつも奥の座敷に行くのですが、一人や二人で行くときはカウンター席に座って、彼とよく話をするようになりました。

先ほども書きましたが、私は一般人としては結構体格がいいほうで、腕っぷしの強さにもある程度の自信をもっていました。
今もあるのか知りませんが、昔ゲームセンターには腕相撲マシンがありました。
マシンの強さにはランクがそれぞれあって、『幕下』から『小結』『関脇』『大関』『横綱』となっていました。
私は自分の力試しのつもりで、最初から横綱に挑んだのですが、すぐに勝って、本当に一番強いの?と思えるほど、いつも横綱に勝ちまくっていました。

しかし元力士の人とやったら勝てないということは理解していて、試しに彼とやってみましたが、全く歯が立たず、あっさり負けました。
まさに『秒殺』です。
私は何もできずに完敗でした。
彼は力を出し切ることなく、余裕の勝利でした。
鼻歌交じりの勝利・・・。といってもいいかもしれません。
同じ成人の男子でありながら、『大人と子供』くらいの違いがありました。
いくら多少体力には自信があるといっても、所詮素人と、元プロでは違うのは当然ですし、その壁の高さや厚さは想像以上です。

彼と相撲を取ったことはないですが、もしやれば、突っ張りで数メートルは吹き飛ばされていたことでしょう。
プロとアマチュアでは比較になりません。
体力だけでなく、技術面でも違いすぎます。

今はどのスポーツでもアマチュアのレベルが上がっていて、プロと遜色ないほどの高い実力をもったアマチュアの方もいます。
特にゴルフの世界では、アマチュアのレベルアップが顕著で、プロのトーナメントで上位に入ったり、優勝することも珍しくなくなりました。
野球でも即戦力のアマチュア選手が何人もいる時代です。
しかし相撲は違います。
あらゆるスポーツ(相撲がスポーツといえるのか分かりませんが、元々は神事)の中で、相撲ほどプロとアマチュアの差があるものはないそうです。
大学で学生横綱になった人がプロの世界に入り、必ず横綱になれるかといえばいいきれません。
学生横綱だった人が角界に入り、将来の横綱候補といわれても、なれずに引退していく人が多い世界です。
力士を引退してスリムになる方もいらっしゃいますが、彼は引退した今でも立派な体格をしています。
それでも現役時代よりは、かなり痩せたそうです。
彼はプロの世界で前頭までいったので、かなりの強豪といえますが、それでも『三役(大関・関脇・小結)』は別格で、横綱ともなると神のような存在なのだそうです。

それでも彼は必死に稽古を積んで横綱を目指していたものの、怪我によって引退を余儀なくされ、弟子時代から培ってきたちゃんこの腕を信じて、お店を開いたのだそうです。
料理が美味しいのはもちろんですが、彼の真っ直ぐな人柄に惹かれて通う人も多いように思います。
彼は相撲も強かったのですが、料理や接客の才能も持ち合わせていたようです。
彼がお店を開いてくれたおかげで、私のように楽しい時間を過ごすことができる人がたくさんいます。

私も彼もゴルフが好きなので、お互い時間が合えば、年に数回は一緒にラウンドしています。
体が大きいので、彼の46インチのドライバーが『短尺』に見えてしまいます。
規格外といっていいほどの力持ちなので、どんなゴルフをするのかな?と最初は興味津々で見ていましたが、普通の人と変わらなかったので、ちょっと拍子抜けしたことを覚えています。
力が強くても、それでヘッドスピードが速くなるかといえば、また別問題ですし、何より芯に当たらなければ飛びません。
飛距離は普通の人と変わりませんでした。
以前(ゴルフとプロレスラー)も書きましたが、それぞれの競技に合った体格というものがあります。
もちろん力士の方の中にもゴルフが上手な方もいらっしゃると思いますが、立派すぎる体格がゴルフにおいては不利に働くこともあるようです。
しかし私たちはエンジョイゴルファーなので、お互いスコアを気にせず、いつも楽しくプレーしています。
彼は冬の寒さに強いので、今が一番ゴルフにいい季節だと言っていました。

先日も彼のお店に行って、美味しい鍋を堪能しました。
すごくいい出汁が出ていて絶品です。
海鮮だけでなく、野菜もたっぷり食べることができました。

彼は立派なプロの料理人であり、経営者です。
これからも彼のお店に通い、そして時々はゴルフを一緒に楽しみたいと思います。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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