Post
≪ダンロップ ゼクシオ イレブン アイアン | HOME | プレミア12 決勝≫
2019年11月19日
ピン GLIDE 3.0 ウェッジ

今日は、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは PING GLIDE 3.0 ウェッジ です。

シャフトは Z-Z115 です。
ロフトは58度、クラブ長さは35インチ、シャフト重量は111g です。

久しぶりに出会った、PINGのウェッジです。
PINGのウェッジを試打した回数は、まだそれほど多くありませんが、いい印象が残っています。

キャビティタイプです。
クリーブランドにも多く見られるようになってきましたし、今はキャビティタイプのウェッジが普通になってきました。

GLIDE 3.0 ということで、以前試打したウェッジの後継モデルであることは想像に難くありません。
ヒール側には『WS』の文字があったのですが、これはどういう意味なのでしょうか?
『ワイドソール』とか『ワールドシリーズ』という言葉が浮かんだのですが、どういう意味なのかは分かりません。

ウェッジとしては、彫りの深さはたっぷりあります。
私は普通のフラットバック構造を好みますが、このキャビティ構造を好まれる方もたくさんいらっしゃるのではないでしょうか?

バックフェースにある、このパーツはお馴染みです。
前のモデルにもありました。


トップラインの厚みは結構ありますが、これはピンらしい感じがします。

ソール幅は広いです。
広いですが、ヒール側がギュッと細く絞り込まれているようになっています。
いわゆる『テーパー』タイプのソールです。
今はトゥからヒールにかけて、ストレートに近いタイプも多いですが、私はフェースの開閉を多く使うタイプなので、このようにヒールが絞り込まれていると開閉しやすそうで、好感が持てます。

ソール形状は平らではなく、緩やかに丸みを帯びています。
リーディングエッジは微妙に、トレーリングエッジは大きく削られています。
こういったソール形状はメーカーによっても、大きく異なるところです。

ネック長さはしっかりとあって、ピンらしくない感じがします。
こうして見ていると、日本のメーカーのように思えてきます。
PING独特の、『ネックの凹み』も無いですが、それは前のモデルと同じです。
このウェッジはライ角の調整をする必要が無いということなのでしょうか?
それとも、このウェッジは軟鉄を使っているのでしょうか?
パッと見た感じでは、軟鉄には見えなかったのですが、軟鉄に見えないような仕上げがされているのかもしれません。
ピンは他のメーカーと違い、かなりステンレスにこだわっている印象がありますが、必ずしも全てがステンレスというわけではないのかもしれません。
これまでも書きましたが、『耐久性』ということでいうと、ステンレスに分がありますが、『微調整のしやすさ』という点では、圧倒的に軟鉄が有利です。

フェース面には、かなり細かなミーリングのようなものがありました。
近くでよく見ないと分からないような、細かなものです。
指で触ってみたのですが、結構ザラザラしていました。
かなり目の細かいサンドペーパーを触っているような感じです。
サンドペーパーほどのきつさはなく、ソフトなザラザラ感ですが、これはボールにいい影響を与えそうな予感がしました。

装着されているグリップは、ソフトなフィーリングで、いい感じです。
私が好きなツアーベルベットほどの『しっとり感』は無いですが、特に不満はありません。
縦書きになっているPINGのロゴもカッコいいです。

ボールを前にして構えてみると、予想と違っていました。
もっと大味な感じで、昔のPINGウェッジを予想していたのですが、違いました。
かなり『和風』といいますが、日本的な感じがしました。
『洋』ではなく、『和』的な構え感です。
ネックが長いので、上から押さえ込んでいくイメージを出しやすいのもいいです。
これまで長く続いたPINGのウェッジとは、大きく異なる顔をしています。
少し『出っ歯』なところもいいです。
少々ライが悪くても、球を拾いやすそうなイメージを与えてくれます。
グースタイプを好まれる方には、構えづらいところがあるかもしれません。
それと、いわゆる『大顔』タイプでないところが気に入りました。
最初バックフェースを見た感じから、大顔でオートマ系が強い顔をしているのかなと思っていましたが、違っていて、こうして見ていると『マニュアルタイプ』と変わらない構え感です。

フェースを開いて構えてみたのですが、なかなかいい感じでした。
バンスが結構利いているのですが、邪魔に感じることはなく、フェースを回して使いやすいウェッジだという印象をもちました。
私は普段(ドライバーやFW・UT・アイアン)、『フッカー』ですが、ウェッジ(特にSWやLW)を握った途端、『カッター』に変身し、カット目に打ちたくなります。
グリーン周りのアプローチはもちろん、バンカーでは完全にそうなります。
なので、カットに打っていけるイメージを出しやすいウェッジが好きなのですが、このウェッジはいいイメージが自然と湧いてきました。
大きくカットに打ったり、やや真っ直ぐに近い感じでヘッドを出したり・・・。といった複数のイメージを出すことができたので、思わず笑みがこぼれました。
試打を開始しました。

『打感』は、なかなかいい感じでした。
キャビティタイプにありがちな、薄くてバンと弾く感じは無く、結構『乗る』といいますか、『食いつき感』がありました。
高性能なウェッジに共通する打感です。

『スピン性能』は高く、ボールに急ブレーキが掛かって、よく止まりました。
フェースの食いつき感が、そのままスピン性能になっているような感じです。
フェースが食いつくけど、ソールは滑る・・・。といったらいいでしょうか?
この相反するところも、性能の一つといっていいように思います。
『ガツーン』という感じの食いつき感ではなく、どちらかというと『繊細』な感じの食いつき感なのですが、ボールへのコンタクト感が抜群でした。
フェースを大きく開いて『ロブ系』でも打ってみたのですが、ランが殆ど無く、『上からポトン』という感じで止めることができました。

球も拾いやすくて、好感が持てました。
グースタイプではなく、少しだけ出っ歯なので、薄く当たっても上手く拾っていけるウェッジです。

『安定性』は高く、大らかさをもっています。
構え感はマニュアル系で、易しさはオートマ系という、いいとこ取りのウェッジです。
少々打点がブレても、球筋や打感が大きく損なわれないので、安心できるという方も多いのではないでしょうか?

『距離感』もすぐに合わせることができました。
易しいウェッジですが、その易しさが感性を邪魔していません。

フェースの開閉がしやすいので、操作性も高いですが、どちらかというと大らかさを感じて、オートマ系の性質が強く感じられました。
低く転がすのも易しいですし、ロブ系のショットも易しくて、色々と遊ぶことができました。

最初見たときのイメージとは、いい意味で異なる、美形で扱いやすいウェッジです。

易しくて大らかなウェッジを使いたいけど、大顔なタイプやグースがきついのはイヤだ・・・。という方には、是非試していただきたいウェッジです。

角溝が禁止されて数年が経ちましたが、それでも今のウェッジのスピン性能はハイレベルを保っています。
このウェッジも、その流れに乗っていて、高いスピン性能を誇っています。

ウェッジでスピンを掛けるなんて、プロや一部の上級者にしかできないのではないか?と思っておられる方は今でも多くいらっしゃるかもしれませんが、実際はそんなことはありません。

私たちアマチュアでも、易しくハイスピンを掛けられる時代になりました。
昔は確かに『ワザ』というものが必要だったと思いますが、今はそのハードルがかなり低いです。
スピンを掛けて、易しく寄せられる時代になりました。

このウェッジは、いわゆる『大顔』タイプではないですし、オーソドックスな大きさで、イメージが出しやすいです。
『分散型』ではなく『集中型』といいますか、絞り込んでいけるので、出球の高さや落としどころの精度も高められます。
打つ前にいいイメージを描くことはとても大切ですが、このウェッジではそれが易しいです。
おまけに高いスピン性能をもっているので、まさに『鬼に金棒』といえるのではないでしょうか?
コメント