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2019年09月01日
ホンマ T//WORLD XP-1 ドライバー

今日は、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは HONMA T//WORLD XP-1 ドライバー です。

シャフトは VIZARD 43 です。
ロフトは10.5度、クラブ長さは45.25インチ、シャフトフレックスはR、シャフト重量は42.5g、トルクは6.8、バランスはD1、キックポイントは先中調子、クラブ総重量は285g です。

ホンマの新しいドライバーです。
パッと見たときに、ホンマのクラブとは思えませんでした。
『HONMA』のロゴや、『モグラマーク』が無かったからかもしれません。
かなりのイメージチェンジがされています。
これまではカラフルな物が多かったのですが、このニューモデルはかなり落ち着いたデザインになっています。
『HONMA』のロゴや、『モグラマーク』はもう無くなってしまうのかな?と思っていたのですが、トゥ側にありました。

シャロータイプのヘッドで、今の流れをいっています。
ホンマは昔から『ディープ』のイメージもありますが、今は少なくなりました。
ディープよりもシャローのほうが易しくて設計自由度も高くなるのでしょうか?

ヒール側にはウェイトがひとつだけ配置されていました。
この位置にはよく見られます。
トゥ側にあるモデルを今は見なくなりました。
各メーカー、それだけ球のつかまりやすさに重きを置いているということなのではないでしょうか?
ウェイトに数字は刻印されていなかったので、重さは判らないですし、交換するタイプではないように見えました。

ソールには大きな溝があります。
テーラーメイドが流行らせ、いろいろなメーカーが追随してきましたが、一時期と比べると少なくなってきたように思います。
ホンマがニューモデルに採用しているということは、それだけの大きなメリットが期待できるからではないでしょうか?

溝の深さは結構ありますし、この深さや幅なども、深い研究によるものだと思います。
フェースの近くに大きな溝を入れるということは、強度的に大丈夫かな?と思ってしまいますが、こうして製品化される前に、メーカーによる耐久テストが充分されていると思うので、心配はいらないのかもしれないですし、あまり気にしないという方もいらっしゃるかもしれません。

ネックの長さは標準的です。
この角度から見ていると、以前試打したことのある、テーラーメイドのSLDRというドライバーを思い出しました。
このドライバーの溝には移動式のウェイトはありませんが、かなり似ているように見えます。

ネックには調整システムが搭載されていました。
テーラーメイドのような複雑な調整ができるようには見えないのですが、どのような調整機能なのでしょうか?

フェース面はとてもシンプルで美しいです。
このシンプルさは好感が持てます。

今主流のシャロータイプです。
シャロータイプにも、『美しいシャロー』と『そうではないシャロー』があるのですが、このドライバーは前者でした。
易しさを感じさせながらも、チープさは全くありません。
高級感を前面に押し出しているデザインではありませんが、『品(ひん)が良い』といいますか、何ともいえない、いい雰囲気を醸し出しています。
この雰囲気というものが、クラブには大切です。

装着されているグリップは、ややしっかりしたタイプです。
ソフト感はあまり感じられないですが、滑りにくくなっているので、雨の日のラウンドにも活躍してくれそうです。
昔からヘッドやシャフトには気を遣うけど、グリップはそうでもないな・・・。と感じられるクラブがありました。
それは今でもよく見られます。
しかし、このドライバーはグリップにも気を配っているのが分かります。
こういった細部にまで気を抜いていないのが、ホンマらしいところです。

顔は、これまでよく見てきたタイプです。
今は少し減ってきているように思いますが、このような『品の良いシャロー顔』は、昔からありました。
ややトライアングルに近い顔なので、セットアップがしやすいと感じる方も多くいらっしゃるのではないでしょうか?
ソール形状は複雑なところがありますが、クラウンはシンプルです。

派手さが無くシブいデザインですが重量感はなく、軽量タイプです。
シャフトも軟らかいですが、素振りを繰り返してタイミングを整えることができました。
振りすぎず、ややコンパクトな感じで打つことを心がけました。

ボールを前にして構えてみても、なかなかいい感じです。
クセのない、大らかな顔をしています。
シャロー感が伝わってきますが、このような顔は昔からありますし、多くの支持を集めているように思います。
『ホンマ顔』だとは思いませんでしたが、『日本顔』といいますか、『地クラブ』でよく見てきた構え感です。
方向性への不安はないですし、球もよくあがりそうです。
ロフトは10.5度ということですが、『不自然なフェースの見え具合』はありませんでした。
試打を開始しました。

『打感』は、なかなかいい感じでした。
ずっしりと球の重さが伝わってくるというよりは、やや軽めなフィーリングです。
硬いというよりは、ソフトな感じですが、それよりも軽いという表現が一番合っているように感じました。
ボールがフェースに乗るという感覚はなく、バーンと一瞬で弾き飛ばすような打感です。
軽めで手に嫌な衝撃は残らないのですが、『芯を感じにくい打感』だということも感じました。

『音』は、はっきりしていますが、高くなく大きすぎず、いい感じです。
インパクトが緩むこともなく、自然に振り抜けました。
ホンマのドライバーは、ごく一部だけ、音に好感が持てない物も過去にありましたが、基本的に好感の持てるクラブが多いように思います。

球はあがりやすく、かなり打ち出しが高いです。
ロフト(10.5度)ということもあると思いますが、ちょっと意外でした。
構えたときにフェース面が見えすぎなかったところや、テーラーメイドのSLDRのイメージとちょっと被っていたので、タフなタイプのドライバーではないか?と思っていました。
しかし、実際に打ってみるとそんなことはなく、親しみやすい性格になっていて、スインガータイプの方に合いやすいように作られたドライバーであることが分かりました。
タフさは全く感じません。

『安定性』もかなり高く、イージーです。
フェース面のデザイン通りのスイートエリアの広さがあるのではないかな?と思えるくらい、広く感じました。
全体的に軽くてシャフトも軟らかいですが、ヒッティングポイントはまとめることができました。
タイミングだけに集中して、あとは全てクラブに任せる感じで打っていったのですが、それが良かったのかもしれません。
今のクラブは『イージー系』が多いので、昔のようにプレイヤーがイニシアチブを握るのではなく、プレイヤーがやるべきところはやって、クラブに任せるところは任せて・・・。といった『分業制』が昔よりもはっきりしているように思います。
なので、『プレイヤーの技術の差』を結果に表しにくくなってきている時代という言い方もできるのかもしれません。

『飛距離性能』は、なかなか優れていますが、『一発の飛び』とか『最長飛距離』を狙っていくというタイプでなく、『最長』と『最短』の差が小さい、『平均飛距離』で勝負できるドライバーではないかな?と思いました。
方向性もそうですが、打ち出しもずっと安定していて、まとめやすい印象をもちました。
叩きにいくのではなく、ボールの『横っ面』を優しく『摩る(さする)』感じ・・・。といったらいいでしょうか?
そういうイメージで打っていくと、いい感じの放物線を描いていくことができました。
打ち出しが高く、キャリーもしっかり稼げるタイプです。
私はどちらかというと、やや低めのライナー系の弾道が好きなのですが、このドライバーは違うタイプでした。

『操作性』という点では、オートマチックの特性が強いですし、シャフトもかなり軟らかいので、自在に操作するという感覚はもてなかったのですが、そのいい意味での『不器用さ』が、またいいのかもしれません。
愚直なまでにミスに寛容で真っ直ぐに近い球筋を描くドライバー・・・。といった印象をもちました。
シャフトも先が走りますし、球のつかまりがいいドライバーですが、決してスライスを『撲滅』してくれるドライバーではないので、スライスに悩んでおられる方にとっての、『お助けクラブ』的なことはなりにくいかもしれません。
私はフッカーなので、左に曲げるのは難しくなかったのですが、クラブの性能としては、『ほぼ中立的』だという認識をもちました。

最初見たときに、黒とシルバーの『モノトーン感』があり、ソールに『HONMA』のロゴと、『モグラマーク』が見えなかったので、ホンマのクラブとは思わず、違うメーカーだと思っていました。
これからは、このようなデザインでいくのでしょうか?
ホンマの黄金時代の象徴ともいうべき『HONMA』のロゴと、『モグラマーク』は、もう消え去ってしまうのかな?と、ちょっとだけ寂しくなりましたが、トゥにあったので安心しました。
クラブの性能が良ければロゴやマークなんて無くてもいい・・・。という方もいらっしゃるかもしれませんが、私はビギナー時代からホンマのクラブに慣れ親しんでいるので、どうしても思い入れがありますし、こだわる部分でもあります。

『T//WORLD』となっていますが、これまでの『TOURWORLD』と同じブランドだと思います。
TOURWORLDという名前で、ハードルが高そうに感じる方がいらっしゃるかもしれませんが、決してそんなことはなく、かなり親しみやすいクラブに仕上がっているので、多くの方に試していただきたいです。
BSの『TOURSTAGE』がViQなど、『易しいブランド』にも使われるようになったのと同じかな?と思いました。
『易しいツアーモデル』ということでいいのでしょうか?

ホンマは国内メーカーで、おそらくNo.1のプロ契約をもっているメーカーです。
これから先のトーナメントは、このドライバーで契約プロが戦うのでしょうか?
それともまだまだ違うモデルをメーカーが用意しているのでしょうか?
そんなことを考えながら試打していました。

ホンマらしくないデザインでしたし、『既視感』を感じましたが、これからも老舗メーカーとして、私たちゴルファーを大いに楽しませて欲しいです。
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