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2019年08月11日
jBEAM BM-T801CNC FORGED アイアン

今日は、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは JBEAM BM-T801CNC FORGED アイアン の7番です。

シャフトは ダイナミックゴールド です。
ロフトは30度、クラブ長さは36.75インチ、シャフトフレックスはS200、キックポイントは手元調子 です。

久しぶりに出会った、JBEAMのアイアンです。
JBEAMはどうしてもドライバーやフェアウェイウッドのイメージが強いのですが、過去に何回かアイアンやウェッジを試打したことがあります。
久しぶりのアイアンで、しかもマッスルバックです。

クラシカルなタイプのマッスルバックアイアンです。
今はマッスルバックも多様化していて、いろいろな形状のものがあります。
このアイアンはとてもシンプルで贅肉が全く無い感じがします。
今のアイアンはちょっとボテッとしたところがあるものが多いですが、このアイアンは逆でスッキリしています。

フラットフェースタイプのアイアンです。
キャビティアイアンを好んで使われる方は、このフラットフェースに親しみづらさを感じられるかもしれません。

『BM-FORGED』という文字がありました。
どういうことなのでしょうか?
特別な鍛造がされているのかもしれません。

トップラインの厚さはノーマルです。
極端に薄いということはありませんでした。

ナローソールです。
今はワイドタイプが圧倒的に多いですが、このようなナローもたまに見かけるようになりました。
まるで昔のアイアンのようです。
懐かしいと感じる方もいらっしゃると思いますし、この狭さにハードルの高さを感じる方もいらっしゃるかもしれません。
アイアンを『レベルブロー』で打ちたいという方には狭く見えるかもしれませんが、ダウンブローで打ちたい方には、ちょうどいい幅と言えるのではないでしょうか?

トレーリングエッジが削られていて、丸みを帯びていました。
こういったところは今のアイアンの工夫といえます。

ネックの長さは標準的です。
ロングということはありません。
ヘッドの形状だけ見たら、もっとロングを予想してしまいますが、それほど長くはないということは、重心を高くしすぎないようにしているのかな?と思いました。
この長さも、今のアイアンの特徴といえます。
ナローソールはあっても、ロングネックは殆ど見かけなくなりました。

フェース面には、かなり細かなミーリングがありました。
近くでよく見ないと分からないような小さなミーリングです。
以前私は、X-15 FORGED というJBEAMのアイアンを試打したことがあり、今でもすごく気に入っていて強く印象に残っています。
そのアイアンにはミーリングがあったのをはっきり覚えているので、このアイアンはどうかな?と注目して見てみたら、やはりありました。
アイアンにミーリングを入れないメーカーは多いですが、JBEAMは基本入れるということなのでしょうか?
『雑さ』のない、綺麗なフェース面です。
新品のときだけ綺麗なのではなく、使い込んでいけばいくほど、いい味の出るタイプです。

素振りをしてみても、いい感じです。
慣れているということもあると思いますが、タイミングがすぐに合いました。

ボールを前にして構えてみても、好感が持てました。
オーソドックスなタイプで美顔です。
最初見たときよりも、トップラインの厚さが少し目に入りましたが、構えづらくなることはありませんでした。
マッスルバックはたいてい、いい顔をしています。
マッスルバックのような『正直なタイプ』は構えづらいと、難易度がグッとあがってしまいます。
いいイメージが浮かんでこないわ、芯は小さいわ・・・。では、対処のしようがありません。
シビアである分、構えやすくていい顔であるべきだと思っています。
これまでマッスルバックを数え切れないほどたくさん試打してきましたが、違和感があるとか構えづらいというタイプは殆ど無かったように思います。
見とれてしまうほど美しいものが多いですが、何本かは好みの顔ではなく、見とれることはありませんでした。
このアイアンの場合は、オーソドックスなタイプで構えやすいです。
やや小顔タイプで、ストレートネックです。
ラージサイズやグースネックを好まれる方には、親しみづらいところがあるかもしれません。
私は普通に、いいイメージが浮かんできました。
試打を開始しました。

『打感』はとても良いです。
軟鉄マッスルバックらしい、『くっつき感』といったらいいでしょうか?
インパクトで、ほんの一瞬くっつく感じが楽しめます。
インパクトから先で運ぶイメージが出せるので、ラインを出しやすくなります。
いわゆる『当てて終わり』という弾き感のアイアンでは、このような感覚は味わえません。

『安定性』という点では、マッスルバックらしい正直さがあるので、ミスに対しての寛容さを求めておられる方には合いづらいかもしれません。
今のマッスルバックは見た目よりも易しくて親しみやすくなっているものも多くなってきましたが、このアイアンはそんな感じはしませんでした。
普段からマッスルバックに慣れておられる方には何の問題もないかもしれませんが、キャビティタイプに慣れておられる方には、ある程度のハードルの高さはあると思います。

『球のあがりやすさ』という点では、かなりタフなほうだと思います。
ある程度HSが無いと、球は浮いてくれないかもしれません。
先ほども書きましたが、『上下にもシビア』なので、しっかりとしたところでヒットしないと、キャリーが稼げないということもあるような気もします。
明らかに『上から打つ』タイプの方の為のアイアンといっていいのではないでしょうか?
今のアイアンはタングステンなどの異材が組み込まれているものが多くあり、重心が下がっていて、見た目よりもあがりやすいということもありますが、このアイアンにはそのような工夫は感じられませんでした。
見た目通りの、正直なタイプです。

『飛距離性能』は、なかなかだな・・・。と思いましたが、今のアイアンの中では普通といったところでしょうか?
私の感覚では、明らかに一番手は違う飛びですが、マッスルバックにこの飛びは要らないな・・・。と思いました。
マッスルバックアイアンは、グリーンの手前からコロコロと転がして乗せていくイメージではなく、グリーンの上から真下にズドーンと落としてピンを攻めるイメージが欲しいです。
パラシュートが降りる感覚といってもいいかもしれません。
なので、どうしても出球の高さのイメージが欲しいですし、飛びすぎないことが重要ですが、そういった意味では、このアイアンはちょっと違うかな?と思いました。
しかし、こういった飛びも今のアイアンの特徴ですし、それだけニーズがあるのも確かだと思います。

『操作性』はかなり高く、いろいろと遊ぶことができました。
シビアさがあるということは、それだけこちらが極端なことをしなくても、ボールを操りやすくなるというメリットも生まれてきます。
ラージサイズのオートマチック系アイアンでは、このようにはいきません。
曲げようと思っても曲げにくかったり、低く抑えていこうと思っても、どうしてもあがってしまったり・・・。といった感じで、意思が伝わりづらいことがあります。
それはメリットであり、デメリットでもあると思います。

角度を変えてみても、惚れ惚れするほど美しいです。
何度も目で楽しむことができました。

軟鉄の風合いがたまらないな・・・。自分の好きなメーカーである、JBEAMのアイアンだ・・・。と、打つ前からテンションがあがっていたのですが、実際に試打しても楽しめました。
このようなマニュアルタイプは球筋や弾道の一球一球に個性があるので、それを目で追っているだけでも楽しくなります。

普段は真っ直ぐに近い球を打ちたいけど、いざとなったらインテンショナルなショットにも上手く対応してくれるアイアンというのは頼れる相棒になってくれます。
それは相反する性能かもしれませんが、それを可能にしていくのは、プレイヤーとクラブとの共同作業といえるのではないでしょうか?

クラブ(今日の場合はアイアン)の『熟練度』といいますか『円熟度』といっていいのかもしれません。
それはどういうことかといいますと、クラブ自身はそのオーナーである、プレイヤーと長い時間を共に過ごして、クラブ自体が『その人色に染まる』といいますか、『進化する』ということです。

クラブに飽きてすぐに買い換えてしまったら、そういったことにならずにクラブの魅力が出ないままサヨナラとなってしまいます。
プレイヤーの上達には時間がかかるように、クラブ自体も、『その人に染まる時間』というものがあるように思います。
新品のときよりも、長年使い続けているクラブのほうがいいスコアが出やすいのは、そういったことが関係しているのではないでしょうか?

見た目通りの正直なタイプのアイアンなので、一般的な『易しさ』とか『親しみやすさ』は、あまり期待できないかもしれませんが、使い込んでいけばいくほど味の出るタイプなので、JBEAMファンの方はもちろん、軟鉄マッスルバックを好まれる方に試していただきたいと思いました。
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