Post
≪テーラーメイド MILLED GRIND ウェッジ | HOME | ヨネックス Royal EZONE ドライバー≫
2019年05月26日
アストロ プロ ヒール カット ウェッジ

今日は、このカッコいいゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは ASTRO PRO HEEL CUT WEDGE

シャフトは ダイナミックゴールド です。
ロフトは58度、クラブ長さは35インチ、シャフトフレックスはS200 です。

初めて出会った、アストロのウェッジです。
アストロはドライバーが秀逸で、そのイメージが強いのですが、今日初めてウェッジを試打する機会に恵まれ、ウェッジも発売していることを知りました。
先日はアイアンを試打しましたが、今日はウェッジということで、ワクワクします。

オーソドックスなタイプのウェッジです。
これまでドライバーやFWを試打してきて、このようなタイプなのは納得できます。
奇をてらったところはなく、正統派です。
軟鉄らしい雰囲気も魅力的です。
ピカピカ光るミラー仕上げではなく、落ち着いた感じに仕上がっています。
いい意味での『枯れた感じ』といったらいいでしょうか?
使い込んでいけばいくほど、いい味が出そうです。
ノーメッキに近い質感がとてもカッコ良くて、思わず目を細めて見ていました。

『FORGED&HEEL CUT』という文字がありました。
鍛造でヒールカットされているということが容易に分かります。
☆が5つもあって、見た目のインパクト大です。


トップラインの厚みがストレートではなく、テーパーになっていました。
こういった工夫は最近よく見られます。

かなりのナローソールです。
サンドウェッジで、ここまで狭いソールは珍しいです。
このソール幅だけを見ると、サンドウェッジとは思えないほどです。
昔は結構見られましたが、今はワイドソールが圧倒的に多いので、かなりの少数派といえます。
ソールはウェッジの性能を測れるパーツのひとつですし、この狭いソールを見て苦手意識が芽生えてしまう方がいらっしゃるかもしれません。
ソール幅は狭いですが、結構バンスが利いているように見えました。

ヒール側の削りが、かなり目立っています。
『ヒールカット』という名の通りです。
ヒール側がこれだけ削られていると開きやすいだろうな・・・。と思いました。

リーディングエッジは微妙に削られています。
今はこれくらいの削りが多いです。

ネックの長さは適度にあります。
ウェッジらしい長さです。

ホーゼルには『MADE IN JAPAN』の文字があって、さらに魅力が増しました。
このウェッジを見ていると、細かなところまで配慮されているのがすごく伝わってきますし、細部にまで丁寧に仕上げられているところが、さすが『メイドインジャパン』といえます。
日本人と海外の方では考え方も違っていて、細かなところに気を配らないのが海外流とするなら、『神は細部に宿る』という日本人の考え方が、これまで素晴らしい作品を世に送り続けてきたのではないでしょうか?
このウェッジを見ていたら、そんなことを考えていました。
いろいろなクラブを試打していると、このクラブは雑だな・・・。チープな感じがするな・・・。などと思ってしまうこともありますが、このウェッジにはそんなことは全く感じられませんでした。
いい目の保養ができますし、なんといいますか『落ち着いてみていられる』感じです。

フェース面にミーリングは見られませんでした。
ミーリングは無いのですが、フェース面を指で触ってみると、結構『エッジが効いている』といいますか『立っている』感じがしました。
数年前の『角溝』が禁止される前のウェッジの触感に似ています。
このウェッジはルール適合ということですが、かなり削りにもこだわっているのではないでしょうか?
フェース面の触感が、そう感じさせてくれました。

ボールを前にして構えてみても、好感が持てました。
すごくスタンダードな構え感です。
ストレートネックで、球をフワッと浮かせるイメージが出しやすいです。
小顔タイプなので、ラージサイズやミッドサイズを好まれる方には親しみづらいところがあるかもしれないですし、グースネックを好まれる方にも、あまり好感は得られないかもしれません。
私はこういうタイプが好きですが、人によって好みが分かれるところだと思います。

フェースも開きやすいです。
ヒール側が大きく削られているので、この開きやすさは予想していました。
バンスが利いているウェッジだと思いますが、こうして構えてみてもバンスが邪魔している感じはしませんでした。
開きやすくなるように、かなり計算された削りなのではないでしょうか?
試打を開始しました。

『打感』はソフトで、心地良い感触を楽しむことができました。
イメージ通りのソフトフィーリングで、球持ちも良いです。

『スピン性能』も高く、ボールがよく止まってくれました。
安定したスピン量と球の『重さ』ではなく、『軽さ』を活かしていけるウェッジだな・・・。と思いました。

『安定性』という点では、構えやすいのでラインを出しやすいですが、『ミスに対する寛容さ』という点で考えると、今のウェッジの中では、かなりシビアなほうだと思います。
易しさ最優先の『イージー系』ウェッジではありません。
特にワイドソールのウェッジを使い慣れておられる方には難しく感じられやすいような気がします。
ボール手前からソールをスーッと滑らせて拾っていく・・・。という、その『直線の長さ』が、かなり短いように感じられました。
ソールの落としどころも、結構シビアな感じでした。
バンスが利いていたからだと思うのですが、結構『跳ねる』ところもありました。
今はカッコ良くてもイージーなウェッジがたくさんありますが、このウェッジはカッコ良くて難しいタイプなので、好みが分かれるような気もします。
このシビアさが好きな『業師(わざし)』の方には、好まれやすいかもしれません。

『操作性』は、なかなかいい感じでした。
完全に『オートマ系』ではなく、『マニュアル系』です。
ヒール側の削りがよく利いていて、『フェースの開閉』で勝負していけるウェッジです。

フェースの開閉が使えるので、微妙な距離感も出しやすいです。
そして『タッチ』が出せるので、シビアに落としどころを絞り込むことができました。

カッコいいですし、全体的な雰囲気もすごくいいので好感が持てましたが、私が使うならば、少し『削り』を入れると思います。
やはりバンスが気になりました。
バンスを少し落としたいですし、その形状にもこだわりたいと思いました。

キャビティタイプのウェッジが珍しくなくなり、今ではアイアンのように『ポケット』まであるウェッジも登場してくるようになりました。
そんな中で、このウェッジは『本格派』といいますか、昔ながらのクールなタイプです。
いわゆる『易しさ』を追求したウェッジではありません。

ソールの狭さに親しみづらさを感じられる方もいらっしゃるかもしれません。
特にバンカーを苦手にしておられる方には、受け入れづらい『ナローソール』といえるような気もします。

性格が丸くなく、むしろ『尖った』タイプのウェッジではありますが、このようなタイプを好まれる方には、たまらない魅力があり、すぐにでも『手の延長』として活躍してくれる頼もしい存在となるのではないでしょうか?
アイアンは難易度といいますか、『寛容さ』でいえば、
マッスルバック<ハーフキャビティ<フルキャビティ<ポケットキャビティ
ですが、このウェッジはそれでいうと『マッスルバック』タイプのシビアさをもっているように感じられました。

幅広い層をターゲットにしたウェッジではありませんが、その狭い範囲におられる方にとって、細かいところまで配慮された、まさに『かゆいところに手が届く』ウェッジといっていいのではないでしょうか?
今はウェッジも『イージー化』が進んできているので、久しぶりに硬派なウェッジに出会ったような気がします。
コメント