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2019年04月23日
キャロウェイ SURE OUT ウェッジ

今日は、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは キャロウェイ SURE OUT ウェッジ です。

シャフトは N.S.PRO 950GH です。
ロフトは56度、クラブ長さは35インチ、シャフトフレックスはS です。

ちょっと変わった感じの、キャロウェイのウェッジです。
今はMACK DADDYのイメージが強いですが、昔からこのようなタイプは見られました。
最近のキャロウェイアイアンやウェッジは、軟鉄の印象もありますが、このウェッジのようにステンレスの印象も強いです。
このウェッジは『ステンレス感』が強く出ています。
一目で分かりました。
私は軟鉄が好きですが、ステンレスタイプを好まれる方にとって、たまらない魅力があるのではないでしょうか?

『SURE OUT』という名前なので、バンカーに特化したウェッジなのかな?と思いました。
バンカーから易しく一発で出るように・・・。というコンセプトの元、開発されたのかもしれません。
アプローチではなく、バンカーに特化したウェッジは、いくつかのメーカーから発売されているので、そういった類いのウェッジなのだろうと予測を立てました。

小ぶりなタイプではなく、やや大型な印象があります。
繊細さというよりは、大らかさといいますか、いい意味での鈍感さをもっているように感じられました。
『大船感』のあるウェッジ・・・。といったらいいでしょうか?

ウェッジでは珍しい、ポケットがあるタイプです。
初めてというわけではないですが、かなりの少数派といっていいように思います。

ポケットの深さも、かなりあります。
これからは『ポケキャビアイアン』だけでなく、『ポケキャビウェッジ』も流行るのでしょうか?

トップラインの厚さは平均的です。
最近のウェッジはソールやフェース面だけでなく、トップラインに工夫が見られるものが多くなりましたが、このウェッジはそんなタイプではありませんでした。

ソール幅は、かなりワイドです。
楕円形に近い、珍しい形状です。
『卵形』といっていいかもしれません。
ストレートタイプやテーパータイプはよく見ますが、このようなタイプは、かなり珍しいです。
珍しいですが、これにもメーカーの狙いがあるのではないでしょうか?

独特なソール形状です。
この工夫を見て、ソールが滑りやすくする為の工夫なのだろう・・・。と思いました。
ソールが滑るときの『スピード感』をイメージさせます。

ネックの長さは、ウェッジとしては少し短めです。
アイアンの長さならば普通ですが、ウェッジとしては物足りない長さです。
ソール幅もそうですし、このネックの長さを見ても、高重心にするのではなく、あえて重心を低くしているように見えます。
私にはあまり魅力的に見えないのですが、どうしてもロングネックに苦手意識があるという方には、親しみやすい長さなのかもしれません。
ネックの長さもそうですが、この独特な形状も印象に残りました。
グースタイプはよく見かけますが、それだけではない、独特な形をしています。
私はこの角度の位置から、そのクラブの『色気』といいますか、独特な魅力を感じることがあるのですが、今日は全く感じませんでした。
このウェッジに対する『興味という風船』が、少しずつしぼんでいっているように感じられました。

ソールがかなり丸いです。
これだけ丸いのも、あまり見かけないような気がします。
なかなかイメージが湧かないウェッジだな・・・。と思いながら見ていました。

フェース面の、ほぼ全てにスコアラインがあります。
これも、かなり珍しいです。
最近では、テーラーメイドのウェッジを思い出しますが、かなりの少数派といえます。
私はあまり魅力を感じないのですが、世界的人気メーカーであるキャロウェイやテーラーメイドが採用しているということは、それだけ高い人気があるということなのでしょうか?

フェース面にミーリングは見られなかったのですが、かなり綺麗で整っています。
もっと大味でチープな感じなのかな?と思いましたが、そんなことはありませんでした。
フェース面を指で触れてみると、適度なザラザラ感があり、エッジが立っているように感じられました。
角溝が禁止になって、フェース面が『つるつる』するウェッジが多くなりましたが、今は結構ザラザラ感があって、指が止まるタイプのものも増えてきています。
このウェッジもそんなタイプです。
これは、かなり工夫されたウェッジだぞ・・・。と思いました。

装着されているグリップはツアーベルベットタイプで好感がもてます。
ウェッジには最適なグリップです。
キャロウェイのロゴもカッコいいです。
昔から思っていたのですが、キャロウェイのロゴは何故『C』ではなく、『V』なのでしょうか?
あまり気にする必要はないと思いますが、今日も気になったので、書かせていただきました。

ボールを前にして構えてみると、正直あまり魅力的に見えなかったのですが、苦手意識が芽生えることはありませんでした。
グースタイプですが、少し『出っ歯』タイプになっています。
私にとって、イメージが出しづらい構え感ですが、昔からこういうタイプも経験してきました。
このウェッジの顔をまじまじと見るというよりは、少し引いて距離を置く感じで見ていました。
『俯瞰』で見る感じに近いかもしれません。
テンションがあがるということもなく、淡々としていました。
最初見たときは、大味で大顔な印象をもったのですが、こうして構えてみると、それほど大顔感はなく、ボールとの大きさのバランスがとれているのが、ちょっと意外でした。

フェースを開いて構えてみたのですが、邪魔するところがなく、自然でした。
ソール全体の丸さが利いているのかもしれません。
開きやすいウェッジは大好きですが、何故かこのウェッジはいつもとはちょっと違う印象をもちました。
試打を開始しました。

『打感』は、まずまずでした。
形状などは意外なところがいろいろとありましたが、この打感については、予想していた通りでした。
厚みで押していくタイプではなく、薄い感じの打感です。
堅いとは思いませんでしたが、ウェッジに欲しい絶妙のソフトさは感じられませんでした。

球はとてもあがりやすいです。
少々薄めに当たっても、上手く拾ってくれました。
『少しの出っ歯』が上手く作用しているのかもしれません。

『スピン性能』は高いです。
これはちょっと意外でした。
打つ前はスピンがほどけるタイプではないかと思っていたのですが、違いました。
フェースがしっかりとボールに食いついてくれました。

『安定性』は高く、大らかさがあります。
シビアさを感じさせない、『オートマチックタイプ』のウェッジです。
こういった大らかなタイプのウェッジを発売するのは、さすが海外メーカーだな・・・。と思いました。
合理的といいますか、フィーリングよりも違うものを追い求めているように感じられます。

『距離感』は、最初の数球はちょっとばらついてしまったのですが、次第に合わせることができるようになりました。
『ターゲットの円』をいつもよりも、少し大きめに設定して運びました。
このウェッジのもつ大らかさを活かす感じで、あまりシビアすぎないほうがいいのかもしれません。

『操作性』は突出した感じはありませんが、普通に開閉を使って遊ぶことができました。
ただ、フィーリングが合いづらいところがあったりして、細工をしたいとは思えませんでした。
細工をしようと思えばできるけど、本来はあまり細工をして使うタイプのウェッジではないような気がしました。
『敏感さ』を感じなかったからなのかもしれません。

ソール形状など、かなり外見が個性的ですが試打してみて、一番印象に残ったのが、『スピン性能の高さ』です。
意外なほどスピンが利いて、ボールがよく止まりました。
これくらいスピンがよく利いてくれるのなら、実戦でも役に立ちそうです。

気難しいタイプではなく、かなりの大らかさがあるので、高いスピン性能と共に、活躍してくれるウェッジといっていいのではないでしょうか?
『イージー&ハイスピン』タイプのウェッジです。

高性能なウェッジだな・・・。と思いましたが、正直購買意欲が刺激されることはありませんでした。
それは素材などもありますし、外見やフィーリングなど、私が求めているタイプではないからです。
あくまでも私の好みによるもので、このウェッジが劣っているとは全く思いません。
むしろ機能的で実戦向けなウェッジだと思います。

私はアイアンだけでなくウェッジも軟鉄しか使いませんが、軟鉄よりもステンレスのほうが優れている点といえば、なんと言っても『耐久性』です。
これはステンレスが大きく勝っています。
ウェッジはクラブの中で、かなり消耗が激しいので、耐久性が高いと長く使っていけるメリットもあります。

しかしデメリットも存在します。
それは『微調整』がしづらいということです。
軟鉄は簡単にロフトやライ角を、その人に合うように調整できますが、ステンレスは難しいです。
無理矢理やると、クラブが折れてしまうかもしれません。
それは素材によるもので、性質が大きく変わってきます。
だから、ピンのアイアンのようにネックに大きな凹みをもたせる必要があると思うのですが、ピン以外のメーカーに見られないということは、ライ角の調整などをピン以外のメーカーが想定していないということになるのでしょうか?

フィーリングなどもありますが、この調整の難しさという点が、私がステンレスを選ばない最大の理由です。
ロフトピッチやライ角がとても大切なのは私が身をもって体験しているので、どうしてもステンレスは購入対象になりません。
だからといってステンレスが優れていないということにはならないですし、最初からぴったりとマッチしていれば、調整する必要がないので、まさに『手の延長』として機能してくれるのではないでしょうか?
今日は、キャロウェイの面白いウェッジに出会いました。
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