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2019年03月03日
ダンロップ スリクソン Z-FORGED アイアン

今日は、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは ダンロップ スリクソン Z-FORGED アイアン の7番 です。

シャフトは ダイナミックゴールド D.S.T. です。
ロフトは33度、クラブ長さは36.75インチ、シャフトフレックスはS200、シャフト重量は112g、キックポイントは中手元調子 です。

惚れ惚れするほど美しいスリクソンのニューアイアンです。
一時期、スリクソンはマッスルバック(900シリーズ)を発売していましたが、最近見なかったので、もうやめちゃったのかな?と残念に思っていました。
そう思っていた矢先、このアイアンに出会ったので、私のテンションは一気にMAXにまで駆け上がりました。

こうして角度を変えて見ていても、そのあまりの美しさに見とれてしまって言葉が出てきません。
しばらく見つめていました。
いい目の保養ができます。
ゴルフクラブは打つ前に、まず目で楽しみたいと私は思っているのですが、今日はそれができました。
私にとって、とても贅沢な時間です。
ゴルフクラブを試打していて、最高に気分のいい時間でもあります。
山登りなどをしていて、その自然の風景に心を奪われることがありますが、逆に人間が造り出した物の美しさというものもあります。
自然美に対して、人工美とでもいったらいいでしょうか?
昔からゴルフクラブには、この人口の美しさが備わっています。
人間では造り出せない自然の美しさがありますが、逆に人間だからこそ生み出せる美しさもあります。
自然の美しさは主に太陽があがっている昼間にしか見られませんが、逆に人が作った美しさは夜に輝きを増します。
以前行った、長崎県の稲佐山から見る夜景の美しさは、今でも心に強く刻まれています。
時を忘れさせる美しさがあります。
私はこれまで、たくさんの素晴らしいクラブのおかげで目の保養をすることができ、日頃の疲れが吹っ飛び、心を癒すことができました。
幸せなゴルファーです。

マッスルバックアイアンですが、いわゆる『フラットタイプ』ではなく、真ん中部分が横に少し削られているようになっています。
あのPRGRの伝説の名器TR900フォージドアイアンを思い出しました。
美しいなぁ・・・。カッコいいなぁ・・・。今日は、このまま持って帰れないかな・・・。などと考えていました。

昔のアイアンからすると、この7の位置も変わっていますが、もうすっかりお馴染みになりました。
コースでもバッグから抜くときにとても見やすい位置です。
これまでの『定位置』ではなく、より実戦的で使い勝手がいいようにメーカーが配慮してくれているのだと思います。
昔はどのメーカーも、刻印の位置はほぼ一定ですが、今は色々な位置で見られるようになりました。
刻印の位置だけでも、個性があります。

トップラインの厚さも適正です。
何とも言えない、いい雰囲気があります。

ソール幅は狭いです。
美しいソールではありますが、この狭さに親しみづらさを感じられる方は多くいらっしゃるかもしれません。
それだけ、今はワイドソールが受け入れられるようになりました。
今のアスリートモデルのアイアンでも、ここまで狭いのは、なかなか見られません。
重心の高さを感じさせるソール幅ですし、こういう『ナローソール』を見ると、上から打ち込みたくなります。

ソール幅は狭いですが、ソール形状には大きな工夫が見られます。
この部分が、昔のアイアンと今のアイアンの大きな違いです。
ソール形状がまるで『二分割』されているように、リーディングエッジ側とトレーリングエッジ側で大きく削られています。
これはダンロップのアイアンによく見られる形状です。
上から打ち込んでも刺さらず、『スルッと』いう感じで、上手く滑ってくれそうです。
抜けのいいアイアンが多くなりました。
フェアウェイは勿論、ラフでも力を発揮してくれそうです。

ネックの長さは適度にありますが、ロングというほどではありません。
むしろ昔のアイアンからすれば、かなり短いといえるのかもしれません。
このようなネックの長さも、昔と今では大きな違いが見られます。
マッスルバック=ロングネックという方程式は成り立たなくなってきています。
ロングネックを敬遠されている方も、これくらいの長さであれば親近感をもちやすいのではないでしょうか?

フェース面には細かなミーリングのような工夫がされています。
ミーリングといっていいのか分かりませんが、細かな模様のように見えます。
フェース面を指で触ってみたのですが、特にザラザラ感などはなく普通です。
しかし、これにもおそらく大きな理由があるのだと思います。
『フライヤー抑制』というよりは、雨の日のラウンドで水滴を切りやすくしているのかな・・・。などと考えていましたが、本当のところは分かりません。

装着されているグリップはツアーベルベットです。
まさに最高のコンビです。
ヘッドだけでもすごくいいのに、アイアンに最適なグリップのひとつである、ツアーベルベットが挿してあって、さらに好感度があがりました。
ソフトというだけでなく、何とも言えない『しっとり感』があります。
SRIXONのロゴもカッコいいです。

ボールを前にして構えてみて、そのあまりの美しさ・構えやすさに胸がときめきました。
恋に似た感覚・・・。といったらいいでしょうか?
胸がドキドキしてしまいました。
スリクソンのアイアンなので、構えやすいのは想像できていたのですが、その私の予想をはるかに上回る顔の良さです。
これまでもスリクソンのアイアンには魅了されてきましたが、ここまで深く心を打たれたのは記憶がありません。
昨年試打したZ785も構えやすかったですし、前のモデルのマッスルバックも構えやすくて好感を持っていましたが、このアイアンはさらにその上をいっています。
とても凛々しくて男前なアイアンですが、『小顔』というほどではありません。
むしろ、ちょっとだけ大きく見えました。
セミラージサイズとまではいきませんが、マッスルバックの中では、やや大きい部類に入るような気がします。
整った顔のアイアンを使いたいけど、小顔はどうも不安がある・・・。という方も、このアイアンの顔は好感をもたれやすいのではないでしょうか?
私の目尻は下がりっぱなしで、口角は上がりっぱなしなのですが、胸のトキメキが止まりません。
このアイアンに恋しちゃったのかな?と思えるほどでした。
逃がすイメージも出しやすいですが、どちらかといえば『中立的』なタイプのように見えます。
プラスのいいイメージばかりが浮かんできて、マイナス的なところは皆無でした。
試打を開始しました。

『打感』は素晴らしいです。
マッスルバック特有の厚みのある打感が、私の両方の掌を喜ばせます。
絶妙なフィーリングが、しばらく後を引く感じです。
この厚み感・くっつき感があるから、マッスルバックはやめられません。
今はアイアンも飛距離が求められるようになって、弾き感のあるアイアンも増えてきましたが、そういったアイアンでは絶対に出せないフィーリングです。
弾き系アイアンのフィーリングが好きだという方もいらっしゃると思いますが、私は断然、このような厚みがあってくっつく感じの打感が好きです。
『情報量の違い』もあります。
ディスタンス系のアイアンでは、打感だけで感じ取れるものは限られてくるのですが、このような昔ながらのベーシックなタイプだと色々なことを伝えてくれます。
ディスタンス系が2だとすると、このアイアンは10といったところでしょうか?
それくらい、大きな違いがあります。

『球のあがりやすさ』という点では、明らかにタフなアイアンです。
ユーザー層が、かなり限られてくるように思います。
ある程度のHSがあり、上から打ち込んでいきたい方に合いやすいのではないでしょうか?
そうする為に、あえてソール形状を工夫しているような気がします。
『横からはらう』という言葉のイメージでは、なかなか上手くは打てないような気がします。
ネックの長さは昔に比べると短く見えたのですが、『重心の高さ』ということでいうと、今のアイアンの中でも、明らかに高いほうだと思います。
高重心アイアンを使い慣れておられる方には、何の苦労もなく普通に打っていけると思いますが、低重心タイプのアイアンに慣れておられる方には球があがりづらくて、かなりハードに感じられるかもしれません。

『安定性』という点でも、マッスルバックらしい、正直さがあるので、ミスに対しての寛容さを求めておられる方には合いづらいところがあるかもしれません。
しかし、このアイアンには『抜けの良さ』があります。
ソールが工夫されているので、素早く抜いていけるという大きな利点があります。
このアイアンは完全にマニュアルタイプですが、『滑りやすさ』『抜けの良さ』では、『オートマチックタイプ』です。
インパクトから先が抜けずにブレてしまい、球筋が安定しない・・・。といったことにはなりにくくなるのではないでしょうか?
いわゆる『イージー系』のアイアンではありませんが、この抜けの良さを武器に切れ味鋭いショットを連発していけそうです。

『飛距離性能』は普通です。
このようなタイプで飛距離を求めすぎてしまうと、難易度のほうが勝ってしまうように思います。
上からとらえてしっかりスピンを掛け、グリーンを上から攻めていけるタイプのアイアンです。
手前からコロコロと転がして乗せるというタイプではなく、『キャリーで勝負』していけます。
アイアンに飛距離性能を求めておられる方には、物足りない部分があるかもしれませんが、縦の距離感を大切にし、しっかりとスピンを掛けたい・・・。という方にはとても魅力的なアイアンといえるのではないでしょうか?
砲台グリーンでもしっかり止めてくれるイメージが出ました。

『操作性』は最高レベルで、まさに『自由自在』といった感じがします。
自分の持ち球の曲線で勝負していけるアイアンです。
微妙なニュアンスも出しやすく、まさに『手の延長』として機能してくれます。
強いグースタイプのアイアンを好まれる方には扱いづらいかもしれませんが、ストレートネックを好まれる方であれば、ドローヒッターの方でもフェードヒッターの方でも合いやすいのではないでしょうか?

寛容さを前面に出した易しいアイアンではないですが、このアイアンのもつ『クセの無さ』も大きな魅力です。
『透き通った感じ』といったらいいでしょうか?
自分のショットの成否を曇ることなく、クリアに伝えてくれるアイアンです。

正直なタイプのアイアンなので、構えづらかったり、どこか違和感があると、さらに難易度はあがってしまいます。
構えやすいアイアンであることは絶対条件ですが、それにしても、このアイアンの男前度は群を抜いています。
これまでのモデルを基準にして、メーカーがさらに磨きをかけているのではないでしょうか?
細かなところまで・・・。まさに『ミリ単位』で仕上げられているのではないでしょうか?

今は美顔で構えやすいアイアンはたくさんあります。
一時期に比べ、形が整ってきているので親近感がもてるようになりました。
そんな構えやすいアイアンでも、何故かあまり心が動かないといいますか、試打してそのままスーッと通り過ぎてしまうアイアンはたくさんあります。

しかし、このアイアンは違います。
最初パッと見たときから惹かれるものがありましたし、実際に構えてみて私のハートを鷲掴みにしました。
ビビッとくるものがあり、釘づけになりました。
どこがどう違うのだろう?と自分自身で考えてみたのですが、言葉では上手く表現できません。
あくまでも感覚的なことなのですが、すごく魅了されました。
これまでのスリクソン顔のアイアンは『スグレモノ』が多いですが、その中でも、このニューモデルは群を抜いています。

『構えやすさ』や『全体的な雰囲気』なども最高レベルですが、打感や操作性も秀逸です。
まさに目で楽しみ、手や耳、身体全体で楽しめるアイアンといっていいでしょうか?
球を操る楽しさも味わえるアイアンです。
正直さはありますが、工夫されたソール形状が大幅に難しさを軽減しているので、シンプルで男前なアイアンが好きだという方には是非試していただきたいです。
これまでのスリクソンのアイアンは勿論ですし、最近のマッスルバックの中でも一番気に入りました。

ここ最近のスリクソンはどちらかというとドライバーやFWなどのウッド系の印象が強かったのですが、この優秀なアイアンに出会ったおかげで一気に逆転です。
やっぱりアイアンもいいものを作るな・・・。と思いながら、このアイアンに惹かれていきました。
次から次へと球を打っていったのですが、楽しくてたまりません。
このまましばらく打ち続けたいな・・・。と思い、予定の時間と球数を大きくオーバーしてしまいました。
なかなか返却する踏ん切りがつきませんでした。
購買意欲が強く刺激されたのは勿論ですし、また何度でも楽しみたいアイアンです。
このアイアンを借りて、夜寝るときに枕元に置いておけば、きっといい夢が見られるだろうな・・・。と思いながら、後ろ髪をひかれる思いで、練習場を後にしました。
スリクソンの極上マッスルバックアイアンです。
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