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2019年02月10日
バルド TTX FORGED アイアン

今日は、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは BALDO TTX FORGED アイアン の7番 です。

シャフトは N.S.PRO MODUS3 TOUR 125 です。
ロフトは34度、クラブ長さは36.75インチ、シャフトフレックスはS、キックポイントは手元調子 です。

久しぶりに出会った、バルドのアイアンです。
バルドのイメージはとにかく、『カッコいい』につきます。
これまで、ドライバーからFW・UT・アイアン・ウェッジを試打してきましたが、どれもカッコいいものばかりです。
このアイアンも、そのカッコ良さが継承されています。

オーソドックスなハーフキャビティアイアンです。
今はポケットタイプや中空タイプのアイアンをよく見かけますが、このアイアンは少数派となっているハーフキャビティです。
ゴチャゴチャしたところもなく、すっきりしています。
色々なパーツが組み合わさった機能的なタイプを好まれる方にはシンプル過ぎるところがあるかもしれませんが、私はこういったタイプが好きです。
質感も良く、見とれてしまっていました。
軟鉄らしい、柔らかそうな雰囲気が伝わってきます。

トゥ側

ヒール側
ソールのトゥ側とヒール側には、大きなウェイトがひとつずつ配置されています。
これが、このアイアンの最大のウリではないでしょうか?
こういったタイプは初めてではないですが、やはり珍しいです。
近くでよく見てみたのですが、数字が刻印されていなかったので重さは分かりませんでした。
このウェイトの意味は容易に想像できます。

ソール幅は、今のアイアンの中では平均的なほうだと思いますが、昔のアイアンからすると、やや広めな感じがします。
ソールのウェイトもそうですが、見た目がカッコ良くてシャープなアイアンでありながら、『昔ながらの高重心』ではなく、『今風の低重心』を目指して開発されているのかもしれません。
今はかなり研究が進んでいるので、カッコいいけど気難しくないタイプのクラブが増えてきました。
大らかでカッコいいクラブがアイアンだけでなく、ドライバーなど他の番手のクラブでも見られます。
この角度から見ていても、何ともいえないいい雰囲気があり、カッコいいな・・・。と思いながら見ていました。
雑な感じとか、チープさは全くありません。
早くも、私の目尻は下がりっぱなしです。

リーディングエッジは微妙に削られていました。
ここはメーカーによっても、大きな違いが見られるところで、最初から大きく削られているものもありますし、逆に全く削られていないものもあります。
このアイアンは『微研磨』といったらいいでしょうか?
控えめな削りに見えますが、元々削られていないものが多かったので、これくらいのほうが長く使っていけるのかな?と思うところもありました。
いわゆる『使い減り』しないタイプのクラブで、流行にも流されません。

彫りは浅く、標準的なハーフキャビティです。
ポケットタイプのような重心が深いアイアンを好まれる方には、馴染みづらい部分なのかもしれません。
こうして見ても、かなりソール部分が大きく膨らんでいるので、重心が低そうな感じがします。
『えぐった』部分の重さを全て、ソールにもってきているようです。

トップラインの厚さは標準的です。
厚いということはなく、かといって薄さもありません。
よく見られる厚みです。
私は厚すぎたり、丸みがありすぎたりするものは苦手に感じることが多いのですが、このアイアンのトップラインは好感が持てました。
構えたときに、いいイメージが出せそうです。

バックフェースのトゥ側には『TTX』の文字がありました。
このアイアンの名前にも使われていますが、TTXとはどういう意味でしょうか?
おそらく、何らかの意味があると思うのですが、BALDOのクラブにはあまり接していないので、よく分かりません。

FORGEDの文字が際立って見えます。
今はアイアンだけでなく、ドライバーなどでもよく見かけるようになりました。
色々なアイアンを試打していると、
「えっ?このアイアンもフォージドなの?」
と思ってしまうアイアンに出会うこともありますが、このアイアンは『フォージドらしいフォージド』です。
昔ながらの『本格派』といった雰囲気があります。
アイアン好きの私にはたまらない魅力をもっています。

フェース面には、とても綺麗なミーリングが施されていました。
今はアイアンにミーリングが無いものが圧倒的に多いので、珍しいような気もしますが、こうすることで大きなメリットもあるのだと思います。
フェース面にミーリングがされているクラブでも、フェース面全体にある物もあれば、このアイアンのようにスコアラインの部分だけにミーリングがある物もあります。
どれがいいのかは一概にはいえませんが、すごく手間がかかっているようです。
メーカーによっては、このフェース面の扱いがとても雑でチープに見えてしまう物も少なくないですが、このアイアンは違います。
すごく丁寧に作られているのが分かります。
少ないロット数で勝負する、地クラブメーカーの品質の高さといったところでしょうか?
フェース面を指で触ってみたのですが、適度なザラザラ感がありました。
今は角溝が禁止されていますが、ミーリングでこれくらいのザラザラ感を出せたら、スピンも掛かりやすそうな感じがします。
以前も書きましたが、私はとにかくアイアンにはフライヤーを抑制する性能を求めているので、このアイアンには期待できそうです。
フェース面を見て、そのアイアンに好感を持てないこともあるのですが、今日はとても好感が持てました。
ステンレスタイプではない、軟鉄タイプの長所のひとつといっていいでしょうか?

ボールを前にして構えてみると予想通り、とてもいいです。
今では珍しい小顔タイプのアイアンです。
小顔でグースも小さいので、ラインもイメージしやすいです。
大顔タイプを好まれる方や、グースの強いタイプを好まれる方には、構えづらいところがあるかもしれません。
このアイアンはBALDOのアイアンですが、何となく『昔のホンマアイアンの顔』にも似ているな・・・。と思いながら見ていました。
いいイメージが湯水のように、こんこんと湧き出てきました。
ヘッドが大きすぎないので、ボールの大きさが際立ち、さらにいいイメージが鮮明になります。
試打を開始しました。

『打感』は、かなりいいです。
打つ前から期待していましたが、その期待に見事に応えてくれました。
軟鉄ハーフキャビティらしい、独特の厚み感と柔らかさがあり、フェースがグッとボールに食いついてくれる感覚がありました。
インパクトは一瞬ですが、そのほんの一瞬の間に、色々なものを伝えてくれます。
ソフトでありながらボヤけたところはなく、はっきりしていて、球の質感も感じられました。
改めてアイアンは、ボールを『ターゲットまで運ぶ』クラブなのだということを、このアイアンで打っていて感じることができました。
『乗せて運ぶ』といいますか、このアイアンの場合は『食いつかせて運ぶ』感覚といっていいのかもしれません。

『球のあがりやすさ』も適正です。
イメージした通りの出球の高さで飛んでいき、7番アイアンらしいキャリーを稼ぐことができました。
今の高機能アイアンはとてもよく出来ているので、それはとても素晴らしいことだと思うのですが、構えたときに出球の高さが合わない・イメージしづらい・・・。という物が少なくありません。
打っていて何かもどかしさを感じることもありますが、このアイアンは頭で描いた通りの打ち出しの高さがあるので、親近感をもちました。
ソールにある2つのウェイトがよく効いているのだと思います。
タフさは感じず、球もよくあがってくれました。
上から潰す・・・。というよりは、やや上から(斜めから)はらう感じのイメージで打っていきたい・・・。という方にも、易しく感じられるのではないでしょうか?

『安定性』という点でも、同じようなタイプのハーフキャビティアイアンの中では、かなり優れていると思います。
この安定性でも、2つのウェイトがよく効いているのは間違いないです。
インパクトでボールに負けてしまったり、ブレたりすることがなく、しっかりと前に送り出してくれる感覚がありました。
マッスルバックは確かに打感がいいけど、インパクトのときにどうしてもフェースがブレる感じがして、球筋が安定しない・・・。難しい・・・。という方は少なからずいらっしゃると思います。
また、同じようなハーフキャビティを使っておられる方にも、そのように感じられることはあると思います。
このアイアンは、そういった方々に是非試していただきたいです。
これまでの悩みが解消され、見た目以上の易しさを感じられる方もいらっしゃるのではないでしょうか?
『感性モーメント』という言葉が今でもゴルフ雑誌に登場しているのか、私は知りませんが、このアイアンはハーフキャビティアイアンの中では、その感性モーメントが、かなり高いのは間違いありません。
インパクトから先が安定していてブレにくいので、球筋も整いやすいです。
フルキャビティやポケキャビ・中空タイプとはまた違う、安定感をもった易しさを、このアイアンはもっています。

『飛距離性能』は普通ですが、今のアイアンの中では明らかに飛ばないほうだと思います。
今はアスリート系のアイアンでも飛ぶタイプが増えてきていますし、7番アイアンとは思えないほどの飛距離をもつ物も増えてきました。
そういったアイアンが、今では主流といえるかもしれません。
このようにナチュラルなタイプは、あまり見かけなくなりました。
アイアンで少しでも飛ばしたい・・・。という方には合いづらいかもしれませんが、アイアンは『飛ばし』というよりは『正確に刻む』ということを重要視しておられる方には、魅力的なアイアンといえるのではないでしょうか?
左右だけでなく、縦の距離感の合いやすさも抜群です。

『操作性』は、なかなかいい感じでした。
安定性が高いですが、インテンショナルなショットにも対応してくれました。
ヘッドがやや重いタイプなので、すごく敏感に反応する『ハンドルの小さいタイプのアイアン』とはちょっと違うように思いますが、左右にも上手く反応してくれました。
ただ、私は安定感のほうを強く感じたので、どちらかといえば『セミオートマチックタイプ』という認識をもちました。
小顔で大きすぎない、男前のセミオートマチックタイプです。

久々のBALDOアイアンだったのですが、やはりいいな・・・。と思いました。
BALDOというカッコいいイメージを崩すことなく、易しさも組み込まれていて、かなりいい感じに仕上がっています。

打感が柔らかくていいな・・・。フェースがブレにくいな・・・。出球の高さも自然だな・・・。などと感じながら打っていたのですが、フェース面の食いつきがいいので、コースでもすごく活躍してくれるのではないかな?と思いました。
先ほども書きましたが、私は昔からフライヤーに悩まされていて、大事な場面をよく失敗をしてきました。
なので、フライヤー対策は私には大きなテーマなのですが、私の未熟な技術のせいで、克服できていません。
今でもたくさんのアイアンを試打しますが、このアイアンのように丁寧ではっきりとしたミーリングのあるアイアンにはなかなか出会えません。
『プレーンな感じ』といいますか、何もされていないものが殆どです。

それだけ手間が掛かるのだと思いますし、ルールにシビアな部分なので、手を加えづらい・・・。というところもあるのだと思います。
いわゆる『作り手側の都合』になってしまうのかもしれませんが、ルールに違反しない範囲で、できるだけのことをしてくれるメーカーには感謝したいです。
このアイアンのミーリングが、実戦でどれだけの効果を発揮してくれるのかは実際に試してみないと分かりませんが、すごく興味をもちました。

アイアンに飛び性能を求めておられる方もいらっしゃると思いますが、私は『飛び性能』よりも『止め性能』を強く求めます。
そういったことからも、このアイアンはとても興味深いですし、好感を持ちました。
もし発売されているのであれば、このアイアンのウェッジも試してみたいです。

シンプルでカッコいいアイアンを使いたいけど、インパクトでフェースがブレて当たり負けするのは嫌だ・・・。という方には、是非試していただきたいと思いました。
このアイアンの易しさ・安定性の高さを感じられるのではないでしょうか?
このアイアンは見た目よりは易しいですが、それでも今の高機能アイアンと比べると正直なところもありますし、シビアに感じる方もいらっしゃるかもしれません。
いわゆる『易しさ最優先』で作られたアイアンではないですし、距離に物足りなさを感じる方もいらっしゃるかもしれません。
そういった意味では、今の大きなニーズには応えていないところもあるのかもしれません。
幅広い層に、大きな支持は集めにくいかもしれませんが、私はこういうタイプが好きなので、とても魅力的に感じました。

カッコいいアイアンですが、見た目以上の易しさがあって、ボールの食いつきの良さが際立つアイアンです。
イージー系も含め、今のアイアンの中で、ここまでの食いつきの良さを感じさせるアイアンはありません。
先ほども書きましたが、是非コースでも試してみたいです。
BALDOは知名度もありますし、人気も高いですが、まだ試打したことがない・・・。という方もたくさんいらっしゃるのではないでしょうか?
いいアイアンなので、一人でも多くの方が体感されるよう、全国隅々まで試打会を開催して欲しいです。
もし私の自宅近くで開催され、時間が合えば、私は必ず参加します。
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