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2018年11月18日
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一生手放せない一本
今日は、いつもと内容を変えまして、私のゴルフ人生における、一生手放せないクラブをご紹介させていただきたいと思います。
私はゴルフを始めてから、数えきれないほどのゴルフクラブを試打し、購入してきました。
初めて購入したのは、これまでも書いてきましたが、ホンマだったのですが、それ以外にもたくさんのメーカーのクラブも愛用してきました。
どれも私にとって大切な存在で、私のゴルフライフを豊かなものにしてくれました。
これまで私が使っていたクラブの殆どは、友人たちが譲ってほしいと言ってきたので、大切に使ってくれるなら・・・。という条件付きで、無償で譲ってきました。
愛着のある物も多かったのですが、あまりにも数が増えすぎてしまったということと、友人たちにゴルフを楽しんでもらえれば・・・。という思いからそうしてきました。
しかし一本だけ、どんなに求められても、お願いされても譲れなかったクラブがあります。
それは私にはなくてはならない存在ですし、今でも心の支えになり、感謝しています。
そのクラブは

キャロウェイ ビッグバーサ スチールヘッドIII フェアウェイウッド の5番 です。
このブログを長く読んでくださっている方でしたら、ホンマやミズノを予想しておられたかもしれません。
確かにホンマやミズノには深い思い入れがあり、これまでたくさん助けられてきました。
しかし、違うメーカーのクラブです。
海外メーカーのキャロウェイです。
しかも、ドライバーやアイアン・ウェッジではなく、フェアウェイウッドです。
ドライバーやアイアンを試打して記事にアップする数と比べると、フェアウェイウッドは少ないような気がしていますが、決して軽視していません。

シャフトは JV STEELHEADIII オリジナルカーボン です。
ロフトは19度、クラブ長さは42インチ、シャフトフレックスはS、クラブ総重量は325g です。

キャロウェイのビッグバーサは、日本ではダンロップが販売していた頃から手にしてきていました。
ディープタイプ全盛のなかで、シャロータイプで孤軍奮闘していた記憶があります。
易しいのですが、それは決して軟弱な易しさではなく、しっかりとした易しさになっています。
ソール形状が独特で、あがりやすいのも特長です。

シャローなイメージをもっているのですが、今のFWは『超シャロー』なタイプが多いので、そういった意味では『適度な厚みがある』といっていいのかもしれません。
これまでもFWはたくさん購入してきたのですが、クリークだけを単品で購入したのはおそらく、これが初めてだったように思います。
このクラブはFWでの直打ちというよりは、ティショットでのレイアップを目的として購入しました。

ネックは、かなり短いです。
ほぼ『ゼロ』といっていいかもしれません。
今では見慣れた長さですが、当時としては画期的なものでした。
昔から、クラブの顔はもとより、ネックの長さは気にしていた部分だったので、最初は大丈夫かな?という思いがあったのですが、実際に打ってみて、すごくいいクラブだということが分かりました。
やはり実際に打ってみないと分からないことも多いです。

スルーボア構造になっているのも、キャロウェイの特徴です。
ここの部分を見るだけで、キャロウェイだと分かります。
キャロウェイはFWやドライバーだけでなく、アイアンなどでも、このスルーボア構造を採用してきました。
一時期は見られなくなったこの工夫ですが、最近はまた見られるようになってきました。
この構造が『いい悪い』というよりは、ファッションなどの流行のように『繰り返すもの』という解釈が合っているのかもしれません。
長く、色々なクラブに接していると、そのように感じることが多いです。
この工夫は何年か前に流行ったな・・・。というのが、今でも見られます。
その最たるものが、今は『クラウンのカーボンコンポジット』です。
多くのメーカーで採用されるようになりました。

ビッグバーサは『シャローの先駆者』のイメージがありますが、今のクラブはかなり薄い物が多いので、こうして見ると、『ディープ』なタイプといえるのかもしれません。
しかし、球はあがりやすいですし、気難しいタイプではありません。
昔は、これくらいの厚みがあっても、シャローに分類されていました。
今はとにかく、あがりやすいクラブが圧倒的に多いです。
それはボールの進化によるところが大きいと思います。
ボールの低スピン化が顕著になって、クラブもそれに合わせるように進化(変化)していっています。
ゴルフギアの進化はいつも、『ボールが先』です。
今のシャロータイプを好まれる方でしたら、この厚みは少し敬遠したくなるかもしれません。
しかし、私は最低これくらいの厚みが欲しいと思っています。
ティアップしたときはもちろんですが、直打ちでもライが良すぎて球が浮いているときがあります。
そういったときに気を付けなければならないのが、『ダルマ落とし』にならないか?ということです。
球が浮きすぎていても、難しいことはあります。
そういったときに適度な厚みがあると、対処しやすく感じます。
特にディープフェースだと、それが易しいです。
フェース面を縦に使えるからですが、シャローフェースだと、それができません。
球があがりやすいという長所がありますが、融通が利きづらいという短所もあります。
まさに『一長一短』です。
ディープフェースだからこそ、『ボールの芯』と『フェースの芯』が合いやすいように感じます。

見慣れた『キャロウェイ顔』です。
これは昔から変わっていません。
スルーボア同様、この顔を見てもキャロウェイだと分かるほどです。
今のゴルフクラブの多くが、顔の個性が見られなくなって、いい意味では整ってきているといえるのですが、逆の意味でいうと、独自性が無くなってきているといえるのかもしれません。
クリークらしく、かなり小振りです。
今のクリークはシャロー化のせいか、投影面積が大きくなり、スプーンとあまり見分けがつかないような物まであります。
昔のクラブは『顔の大きさ』も、番手ごとの区分がきちんとされていましたが、今のクラブはそれが少し曖昧です。
クラブの『ボーダレス化』が進んできているのかもしれません。

フェース面のデザインはシンプルです。
キャロウェイファンの方には、馴染みのデザインだと思います。

リシャフトブームが続いていますが、私はこのクラブだけはリシャフトしませんでした。
私には軽量感があり、シャフトも軟らかいのですが、そのまま使い続けました。
このクラブを『1ミリ』も手を加えたくはありませんでした。
なので、このように買ったままの状態にしています。

しかしグリップだけは消耗品なので、変えなければなりません。
使わなくてもゴムは硬化していくからです。
なるべくフィーリングを壊さないよう、グリップ選びにも気を使いました。
クラブのもつ雰囲気を壊さないよう、グリップ選びを慎重にしました。
これまでたくさん装着してきて、イメージに合わないな・・・。と思えば、わずか数球打っただけでグリップを変えたこともあります。

ボールを前にして構えてみると、懐かしいな・・・。と思いました。
このクラブは私の中で『殿堂入り』していて、今は実戦で使うこともないですし、練習場で打つこともありません。
それは、このクラブが気に入らないからではなく、全くの逆で『唯一』といってもいい、『代わりがない』クラブだからです。
私にとって大切で大切で傷をつけたくないですし、万が一にも壊れてしまったら・・・。という思いから、使わずに大切に保管しています。
同じスチールヘッドの、全く同じスペックを代わりに使っても、満足できなかったのは間違いありません。
もしシャフトが折れたら、交換すればいいじゃないか・・・。と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、それでは意味がありません。
このままでないとダメです。
先ほども書きましたが、このクラブを『1ミリ』でも『1ミクロン』でも動かしたくないという思いがあるからです。
クラブメーカーはたくさんのクラブを毎年のように発表していて、どれも自信作だとは思いますが、私たちユーザーのように、ここまで深い思い入れがあるかといえば、疑問符がつきます。
ゴルフクラブはゴルファーのゴルフライフに大きく関わってきます。
それが私にとって、このキャロウェイ ビッグバーサ スチールヘッドIII フェアウェイウッドです。
一本何十万円するようなクラブよりも、私にはこのクラブのほうが、はるかに価値があります。
値段はつけられません。

今日、久しぶりに試打してみたのですが、懐かしさがこみ上げてきました。
ああ、こういった打感だったな・・・。この打感を何度も味わったな・・・。と思いました。
ソフトさと弾き感が融合した打感といったらいいでしょうか?
キャロウェイらしいフィーリングです。

『音』も、独特の金属音です。
『キャロウェイ音』といってもいいと思います。
このクラブ以前から、よく耳にしてきました。
ビッグバーサが誕生したことにより、この高めの音が受け入れられたように思います。
私の周りでも、ビッグバーサの音に好感を持てない人が結構いたのですが、実際に打ってみて、その飛距離と易しさに魅力を感じ、だんだんと受け入れるようになりました。

球はあがりやすいです。
ティアップはもちろん、直打ちでも十分高さを出していけます。
クリークの特性を充分持ち合わせています。
ここが大きな魅力です。
今のボールの低スピン化にも、充分対応してくれる懐の深さがあります。
こういった『余裕のある性能』も、クラブ性能の重要な部分といえるのではないでしょうか?

『安定性』高く、最初から糸を引くようなストレートボールを打つことができました。
久しぶりに打ってみたけど、やっぱりいいな・・・。と思いました。
すごく易しいです。
このクラブの前では、何故か素直になれるような気がします。
私はフッカーで、フック系の球が自然なのですが、何故かこのクラブだけは、ほぼ真っ直ぐに近い球が打てます。
勿論、曲げようと思えば曲げられるのですが、このクラブの前では、まるで『純粋な少年』のようになってしまいます。
理由は自分でも分かりません。
スペックなど、数値だけでは決して測れないものがあるからかもしれません。

『飛距離性能』が優れているのは、いうまでもありません。
私は当時、この飛びに惚れて購入しました。
昔から、とにかくよく飛びましたが、それは今でも変わっていません。
今は飛距離性能に優れたフェアウェイウッドがたくさんありますが、この スチールヘッドIII こそが、その『元祖的存在』といえるのではないでしょうか?
ティショットはもちろん直打ちでも、このクラブのおかげで、ずいぶんと嬉しく楽しい思いをしてきました。
あがりやすさなどの易しさは勿論ですが、飛距離でも私を助けてくれたクラブです。
かなり前のクラブですが、相変わらず頼もしいクラブだな・・・。と思いました。

適度に小振りで、操作性も悪くはありませんが、できればあまり細工をしたくないクラブです。
やや『出っ歯タイプ』で、球を拾いやすいのも特長です。
これ以上『出っ歯』がきつくなると、逆に難しく感じてしまいますが、このクラブはちょうどいいところで抑えられています。

このクラブは大ヒットしましたし、昔使っていた・・・。とか、今でも持っている・・・。という方も多くいらっしゃるのではないでしょうか?
私は中古ショップには殆ど行かないのですが、ひょっとしたら今でも店頭で見られるかもしれません。
おそらく、かなりリーズナブルな価格になっているだろうと思います。
今のクラブが素晴らしいのは勿論ですが、昔のクラブでも最新クラブに見劣りしない優等生はたくさんあります。
長く使っていけるクラブが実は多いです。
私がゴルフを始めてまだ間もない頃の、かなり昔のクラブは『耐久性』が劣るものがありましたが、今は技術が上がり精度も高まってきているので、普通に使っている限り、壊れにくくなっています。
クラブの寿命というのは、そのクラブでもう球が打てない・・・。というのではなく、持ち主であるゴルファーがそのクラブに飽きてきたり、他のクラブへの浮気心がでてしまったときではないでしょうか?

何故、私がこのクラブにそれだけ特別な思いがあり、それがドライバーやアイアン・ウェッジではなく、フェアウェイウッドなのかというと、私の技術の未熟さにあります。
ドライバーからFW・UT・アイアン・ウェッジ・パターと、全てのクラブを練習するのが好きで、ほぼ毎日練習場に通い、全てのクラブを練習しました。
しかし、フェアウェイウッドが一番苦手でした。
一番というよりは『別物』といってもいいほど、極端な苦手意識をもっていました。
ティアップしているときは普通に打てるのですが、『直打ち』が全くできませんでした。
たまにいい感じで打てるのですが、確率が高くないので、実戦では使うことができず、パー5のセカンドなどで、実際はFWで打てばグリーンに乗る距離でも、7番アイアン等で極端にレイアップすることも多くありました。
私はもっとアグレッシブにいきたい・・・。という思いがずっとあったのですが、FWをもたず、アイアンで刻んでいる自分を、いつも『逃げている』と、自分自身を非難していました。
アイアンで確実に運んでいくので、スコアが崩れにくくまとまるのですが、私の中では消化不良といいますか、大きな不満が常につきまとっていました。
伸ばせるところで伸ばせない歯がゆさもありました。
それはまるで、しこりのようでした。
例え少し飛距離が出ても、いいスコアが出たとしても、FWが満足に打てない自分は一生一人前のゴルファーにはなれない・・・。という思いがありましたし、アイアンタイプが好きな私は一生苦手意識を払拭できないだろうと諦めかけていました。
一緒にラウンドしている人よりもスコアが多少良くても、FWが上手く打てない私の心の中はいつも敗北感でいっぱいでした。
その人にも、自分自身にも負けていました。

それでも諦めきれず、何とかしようとしていた私は練習場に行く前に書店に寄ってゴルフ雑誌を何冊か買い、練習場の打席にある椅子に腰かけて、その雑誌に載っているスイング理論やヒントなどを片っ端から試していきました。
家で読んだだけではすぐに忘れてしまうと思ったからです。
今でもおそらくそうだとは思いますが、毎週や毎月、雑誌には素晴らしいヒントがたくさん書かれています。
時には、その内容に矛盾を感じたことも少なくなかったのですが、有益な情報が載っていることも事実です。
私はその記事に救われたこともありますし、自分には縁の無い記事だな・・・。と素通りしたこともあります。
また、今はまだ必要ないけど、ひょっとしたらあと何年かしたら、この記事は役に立つかも・・・?と思ったこともありますが、その殆どはとっくに忘れてしまいました。
情報を頭に詰め込みすぎて頭が重くなるよりも、素振りなどをして、体を動かして自然な動きを身に着けたほうが、自分には早道だということに気づきました。

今でもそうかもしれませんが、その頃は『フェアウェイウッドは払うように打て』という記事がよくありました。
私もその記事に従って、払うように打ってみたのですが、なかなか上手くいきませんでした。
毎日毎日、来る日も来る日も同じことを繰り返し練習したのですが、いい結果に結びつかず、自分の技術の未熟さを嘆いていました。
あまりにも綺麗に上手く打とうとし過ぎてしまっていたのだと、今となっては分かりますが、当時はとにかく必死で原因が分かりませんでした。
練習場の打席でうなだれる日が続きましたが、ある日、昔観た『巨人の星』のエピソードを思い出しました。
巨人の星の主人公、星飛雄馬は青雲高校から読売ジャイアンツに入団し、最初は活躍しますが、次第に成績が落ちてきます。
抜群のコントロールとスピードボールが武器の飛雄馬でしたが、プロのピッチャーとしては小柄で、『球質が軽い』ということで、痛打されることが多くなります。
何とか打開しようと悩んだ飛雄馬は、あるお寺に座禅を組みに行きます。
座禅を組んでいたときに、和尚がそばに歩いてくると、緊張して体が動き、和尚から警策で肩を打たれます。
これはよく見られる光景ですが、そのときに和尚が飛雄馬に言った言葉が、飛雄馬を開眼させ救います。
それは「打たれまいとするから打たれるのだ。逆に打たれてもいい・・・。いやむしろ打ってもらおう・・・。と思うと、打たれなくなるものだ・・・。」というものでした。
その言葉は私にとっても衝撃的で、今でも忘れられない教訓となっています。
まさに『逆転の発想』といったところでしょうか?
その言葉がきっかけとなり、飛雄馬は大特訓の末、あの『大リーグボール1号』を完成させます。
元々、壁の穴を通過させて、家を訪れていた当時の川上監督を驚かせるほどの抜群のコントロールをもっていて、それを武器に、相手のバットに当てて、内野ゴロや凡フライなどを打たせて打ち取るというものでした。
相手バッターは対抗策として、構えたときにバットを揺らしたりしていましたが、飛雄馬の五円玉を使った特訓のおかげで打ち取ることができました。
しかし、生涯のライバルである阪神タイガースの花形満による、巨大な鉄球を使った特訓によって破られてしまうのですが、まさに魔球でした。
三振をとるのではなく、打たせてアウトにする・・・。しかも相手の意思にかかわらず(相手がバットを振らなくても打ち取れる)というのが斬新でした。
もちろん巨人の星はフィクションですが、昔の漫画やアニメには教訓となることがたくさん描かれています。
その中でも特に、巨人の星や一休さんには、色々なことを教わりました。
ちょっと説明が長くなってしまいましたが、そのエピソードを打席の椅子で悩んでいたときに思い出して、そうだ、これだ・・・。自分も試してみよう・・・。と思いました。
今までいい球を打とうとし過ぎていたのだということに気づくことができました。
私はゴルフを始めたときから、ミスの中で『ダフり』が一番嫌いでした。
ならば開き直ってといいますか、最初からミスするつもりで、ボールの手前をダフってみよう・・・。と思いました。
しかも『横からはらうように』打つのではなく、アイアンのように『上から打ち込んで』みることにしました。
高重心のアイアンでゴルフを覚えた私です。
上から打つのは『お手の物』『慣れっこ』です。
そうして打ってみると、『目からウロコ』といいますか、自分でも驚くようないい球が打てました。
ダフっているのですが、ソールがしっかりと仕事をしてくれ(うまく滑ってくれ)て、ダフったことを感じさせないような打球でした。
昔から『ダフると詰まる感じ』があったのですが、そうではなく、しっかりと滑ってくれるのでミスがミスになりにくいことに気づきました。
しかも、結構アバウトに打ってもいいところが大きなポイントです。
それまでのように、ヘッドをきちんと入れなければならないというのではなく、少しルーズな感じでいくほうが、いいことが分かりました。
これまではフェースでボールを正確にヒットすることばかりにとらわれていましたが、そうではなくて、『ソールを使う』ことが、ナイスショットを引き寄せてくれるのだと気づくことができましたし、その為にソールが広くなっているのだと、クラブの構造を理解することができました。
どれくらいダフるのが一番いいのか、自分なりの物差しを作ろうと思い、色々なところで試してみたのですが、私の場合はボールの右端のおよそ『一センチ手前』を目印にしてヘッドを入れていく感じが、ちょうどいいことが分かりました。
練習場はマットの上からなので、実際の芝やラフではどうかな?と思い、コースでも試してみましたがマット同様に、いい結果が得られるようになりました。
フェアウェイウッドの直打ちができるようになり、ユーティリティがさらに易しくなりましたし、『直ドラ』もできるようになりました。
横からはらうという方もたくさんいらっしゃると思いますが、私は横からはらうというイメージでは難しいので、ティアップされていない、地面から直接打つときは、『上からややアバウトにソールを使う』ということを今でもしています。

今のFWはかなりシャロー化が進んでいますが、このクラブのように『適度な厚み』があるから、上手くいったのだと思います。
今はかなりシャローなので、やはり『はらうように打つ』のが正解に近いのかもしれませんが、一般的に言われていることが必ずしも誰にも当てはまる正解ではないですし、人それぞれの正解があるような気がします。
練習でそれをつかみ自分のものにしていく作業が必要ではないでしょうか?
雑誌に乗っている色々な理論やヒントをそのまま受け入れるのではなく、自分なりにアレンジしていくとオリジナリティも生まれます。
磨かれたオリジナリティは、強力な武器になります。
合わない、自分には全く必要ない・・・。と思えば、それを受け入れないことも大切になってくるのではないでしょうか?
色々な理論やヒントは、『処方箋』のようなものかもしれません。
人それぞれ、病気の症状は違うので、同じ薬というわけにはいきません。
情報を入れ過ぎて却って混乱を招き、上達スピードを遅らせてしまうこともあるような気がします。
私はこれまで海外には何度か行き、その都度本屋さんに行って、ゴルフの本を探していたのですが、日本のようにたくさんのゴルフ書籍や雑誌が並ぶことはありません。
日本だけといっていいと思いますが、それでも海外のゴルファーがハイレベルなのはいうまでもありません。
もちろん、全くないというわけではないのですが、日本のようにたくさんはありません。
みんな実戦で技術を習得していったのではないでしょうか?

フェアウェイウッドの直打ちが上手く打てるようになってから、私のゴルフは劇的に変わりました。
これまで自信の無さから『安全策』を取っていたのですが、もっとアグレッシブに攻めることができるようになりました。
パー5での2オンが増えてイーグルを狙える回数が増えましたし、もちろんティアップしてのティショットでも大活躍してくれました。
スコアメイクには色々なものが必要だと思いますが、ひとつはっきりといえるのは、『ドライバーの飛距離』ではなく、『フェアウェイウッドやユーティリティの重要性』です。
もちろん、ドライバーの飛距離を伸ばしていくのは、私たちゴルファーにとって『永遠のテーマ』ではありますが、ドライバーは『そこそこ』で、フェアウェイウッドやユーティリティが得意になったほうが、スコアは作りやすいように思います。
昔よりも特に今はそのように感じます。
それを気づかせてくれ、私の苦手意識を払拭してくれた、このキャロウェイ ビッグバーサ スチールヘッドIII フェアウェイウッドは、私の大切な相棒であると同時に、師匠やコーチといった存在でもあります。
このクラブのおかげで、私のゴルフライフがパッと明るくなりました。
すごく大切なクラブなので、このクラブの『実働期間』はそれほど長くありません。
それは先ほども書きましたが、このクラブを傷つけたくない、万が一にも壊したくない、スペックを変えたくない・・・。という思いがあるからです。
私が普段使っているクラブからすると、このクラブは軽量タイプでシャフトも軟らかいですが、色々なことを教えてくれたので変えたくありませんし、今のFWと比べると、かなりしっかりしているほうだと思います。
私がこのクラブに出会っていなければ、今でもフェアウェイウッドに対する苦手意識が払拭できていなかったかもしれません。
私は苦しみ・悩んでいるときに、いいクラブに出会うことができて、本当に幸せ者です。
私にはこのFWが一生手放せないクラブですが、ゴルファー一人一人に、同じようなクラブがあるのではないでしょうか?
ゴルフをより楽しむ為には『クラブに惚れる』ことが重要だと思っていますし、ときには『尊敬・感謝』する存在であってもいいと思います。
そんな愛着のあるクラブで球を打つからこそ、一球一球を大切にできるのではないでしょうか?
日本には素晴らしいクラブで溢れています。
人それぞれ、好きなメーカーやブランドがあると思いますが、本当にいいクラブ(シャフトやヘッド・グリップ)がたくさんあって、迷ってしまわれる方も多いかもしれません。
そんなときは、『自分の直感』を信じてみるのもいいのではないでしょうか?
このクラブなら練習も楽しくなる・・・。と思えるものを選ぶのが大切ですし、クラブとの『縁』もあると思います。
人と人との縁があれば、『ゴルファーとゴルフクラブの縁』も必ずあると私は思っています。
私はこれまで、たくさんの素晴らしいクラブと縁を結ぶことができた、幸せなゴルファーです。
その素晴らしいクラブに私の未熟な技術が追い付かず、クラブに笑われているのではないか?と恥ずかしくなることもありますが、ゴルフが楽しくてたまらない私はどんどんのめりこんでしまっています。
今は、このクラブよりも高性能なFWはたくさんありますが、私の中では、このクラブこそが、私の中での『ベストワン』といいますか、『オンリーワン』です。
いいクラブはずっと色褪せません。
このクラブを、これからもずっと大切に保管していきます。
ゴルフクラブは保管されるよりも、実際に球を打って使ってもらったほうが幸せなのではないか?と思うところもあるのですが、このクラブだけは特別なので、球を打つよりも『心の支え』にしています。
先ほども書きましたが、色々なことを教えてくれた、このクラブは私にとっては師匠やコーチといった存在でもあります。
長くなってしまいましたが、次回からまた通常の記事に戻りたいと思います。
私はゴルフを始めてから、数えきれないほどのゴルフクラブを試打し、購入してきました。
初めて購入したのは、これまでも書いてきましたが、ホンマだったのですが、それ以外にもたくさんのメーカーのクラブも愛用してきました。
どれも私にとって大切な存在で、私のゴルフライフを豊かなものにしてくれました。
これまで私が使っていたクラブの殆どは、友人たちが譲ってほしいと言ってきたので、大切に使ってくれるなら・・・。という条件付きで、無償で譲ってきました。
愛着のある物も多かったのですが、あまりにも数が増えすぎてしまったということと、友人たちにゴルフを楽しんでもらえれば・・・。という思いからそうしてきました。
しかし一本だけ、どんなに求められても、お願いされても譲れなかったクラブがあります。
それは私にはなくてはならない存在ですし、今でも心の支えになり、感謝しています。
そのクラブは

キャロウェイ ビッグバーサ スチールヘッドIII フェアウェイウッド の5番 です。
このブログを長く読んでくださっている方でしたら、ホンマやミズノを予想しておられたかもしれません。
確かにホンマやミズノには深い思い入れがあり、これまでたくさん助けられてきました。
しかし、違うメーカーのクラブです。
海外メーカーのキャロウェイです。
しかも、ドライバーやアイアン・ウェッジではなく、フェアウェイウッドです。
ドライバーやアイアンを試打して記事にアップする数と比べると、フェアウェイウッドは少ないような気がしていますが、決して軽視していません。

シャフトは JV STEELHEADIII オリジナルカーボン です。
ロフトは19度、クラブ長さは42インチ、シャフトフレックスはS、クラブ総重量は325g です。

キャロウェイのビッグバーサは、日本ではダンロップが販売していた頃から手にしてきていました。
ディープタイプ全盛のなかで、シャロータイプで孤軍奮闘していた記憶があります。
易しいのですが、それは決して軟弱な易しさではなく、しっかりとした易しさになっています。
ソール形状が独特で、あがりやすいのも特長です。

シャローなイメージをもっているのですが、今のFWは『超シャロー』なタイプが多いので、そういった意味では『適度な厚みがある』といっていいのかもしれません。
これまでもFWはたくさん購入してきたのですが、クリークだけを単品で購入したのはおそらく、これが初めてだったように思います。
このクラブはFWでの直打ちというよりは、ティショットでのレイアップを目的として購入しました。

ネックは、かなり短いです。
ほぼ『ゼロ』といっていいかもしれません。
今では見慣れた長さですが、当時としては画期的なものでした。
昔から、クラブの顔はもとより、ネックの長さは気にしていた部分だったので、最初は大丈夫かな?という思いがあったのですが、実際に打ってみて、すごくいいクラブだということが分かりました。
やはり実際に打ってみないと分からないことも多いです。

スルーボア構造になっているのも、キャロウェイの特徴です。
ここの部分を見るだけで、キャロウェイだと分かります。
キャロウェイはFWやドライバーだけでなく、アイアンなどでも、このスルーボア構造を採用してきました。
一時期は見られなくなったこの工夫ですが、最近はまた見られるようになってきました。
この構造が『いい悪い』というよりは、ファッションなどの流行のように『繰り返すもの』という解釈が合っているのかもしれません。
長く、色々なクラブに接していると、そのように感じることが多いです。
この工夫は何年か前に流行ったな・・・。というのが、今でも見られます。
その最たるものが、今は『クラウンのカーボンコンポジット』です。
多くのメーカーで採用されるようになりました。

ビッグバーサは『シャローの先駆者』のイメージがありますが、今のクラブはかなり薄い物が多いので、こうして見ると、『ディープ』なタイプといえるのかもしれません。
しかし、球はあがりやすいですし、気難しいタイプではありません。
昔は、これくらいの厚みがあっても、シャローに分類されていました。
今はとにかく、あがりやすいクラブが圧倒的に多いです。
それはボールの進化によるところが大きいと思います。
ボールの低スピン化が顕著になって、クラブもそれに合わせるように進化(変化)していっています。
ゴルフギアの進化はいつも、『ボールが先』です。
今のシャロータイプを好まれる方でしたら、この厚みは少し敬遠したくなるかもしれません。
しかし、私は最低これくらいの厚みが欲しいと思っています。
ティアップしたときはもちろんですが、直打ちでもライが良すぎて球が浮いているときがあります。
そういったときに気を付けなければならないのが、『ダルマ落とし』にならないか?ということです。
球が浮きすぎていても、難しいことはあります。
そういったときに適度な厚みがあると、対処しやすく感じます。
特にディープフェースだと、それが易しいです。
フェース面を縦に使えるからですが、シャローフェースだと、それができません。
球があがりやすいという長所がありますが、融通が利きづらいという短所もあります。
まさに『一長一短』です。
ディープフェースだからこそ、『ボールの芯』と『フェースの芯』が合いやすいように感じます。

見慣れた『キャロウェイ顔』です。
これは昔から変わっていません。
スルーボア同様、この顔を見てもキャロウェイだと分かるほどです。
今のゴルフクラブの多くが、顔の個性が見られなくなって、いい意味では整ってきているといえるのですが、逆の意味でいうと、独自性が無くなってきているといえるのかもしれません。
クリークらしく、かなり小振りです。
今のクリークはシャロー化のせいか、投影面積が大きくなり、スプーンとあまり見分けがつかないような物まであります。
昔のクラブは『顔の大きさ』も、番手ごとの区分がきちんとされていましたが、今のクラブはそれが少し曖昧です。
クラブの『ボーダレス化』が進んできているのかもしれません。

フェース面のデザインはシンプルです。
キャロウェイファンの方には、馴染みのデザインだと思います。

リシャフトブームが続いていますが、私はこのクラブだけはリシャフトしませんでした。
私には軽量感があり、シャフトも軟らかいのですが、そのまま使い続けました。
このクラブを『1ミリ』も手を加えたくはありませんでした。
なので、このように買ったままの状態にしています。

しかしグリップだけは消耗品なので、変えなければなりません。
使わなくてもゴムは硬化していくからです。
なるべくフィーリングを壊さないよう、グリップ選びにも気を使いました。
クラブのもつ雰囲気を壊さないよう、グリップ選びを慎重にしました。
これまでたくさん装着してきて、イメージに合わないな・・・。と思えば、わずか数球打っただけでグリップを変えたこともあります。

ボールを前にして構えてみると、懐かしいな・・・。と思いました。
このクラブは私の中で『殿堂入り』していて、今は実戦で使うこともないですし、練習場で打つこともありません。
それは、このクラブが気に入らないからではなく、全くの逆で『唯一』といってもいい、『代わりがない』クラブだからです。
私にとって大切で大切で傷をつけたくないですし、万が一にも壊れてしまったら・・・。という思いから、使わずに大切に保管しています。
同じスチールヘッドの、全く同じスペックを代わりに使っても、満足できなかったのは間違いありません。
もしシャフトが折れたら、交換すればいいじゃないか・・・。と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、それでは意味がありません。
このままでないとダメです。
先ほども書きましたが、このクラブを『1ミリ』でも『1ミクロン』でも動かしたくないという思いがあるからです。
クラブメーカーはたくさんのクラブを毎年のように発表していて、どれも自信作だとは思いますが、私たちユーザーのように、ここまで深い思い入れがあるかといえば、疑問符がつきます。
ゴルフクラブはゴルファーのゴルフライフに大きく関わってきます。
それが私にとって、このキャロウェイ ビッグバーサ スチールヘッドIII フェアウェイウッドです。
一本何十万円するようなクラブよりも、私にはこのクラブのほうが、はるかに価値があります。
値段はつけられません。

今日、久しぶりに試打してみたのですが、懐かしさがこみ上げてきました。
ああ、こういった打感だったな・・・。この打感を何度も味わったな・・・。と思いました。
ソフトさと弾き感が融合した打感といったらいいでしょうか?
キャロウェイらしいフィーリングです。

『音』も、独特の金属音です。
『キャロウェイ音』といってもいいと思います。
このクラブ以前から、よく耳にしてきました。
ビッグバーサが誕生したことにより、この高めの音が受け入れられたように思います。
私の周りでも、ビッグバーサの音に好感を持てない人が結構いたのですが、実際に打ってみて、その飛距離と易しさに魅力を感じ、だんだんと受け入れるようになりました。

球はあがりやすいです。
ティアップはもちろん、直打ちでも十分高さを出していけます。
クリークの特性を充分持ち合わせています。
ここが大きな魅力です。
今のボールの低スピン化にも、充分対応してくれる懐の深さがあります。
こういった『余裕のある性能』も、クラブ性能の重要な部分といえるのではないでしょうか?

『安定性』高く、最初から糸を引くようなストレートボールを打つことができました。
久しぶりに打ってみたけど、やっぱりいいな・・・。と思いました。
すごく易しいです。
このクラブの前では、何故か素直になれるような気がします。
私はフッカーで、フック系の球が自然なのですが、何故かこのクラブだけは、ほぼ真っ直ぐに近い球が打てます。
勿論、曲げようと思えば曲げられるのですが、このクラブの前では、まるで『純粋な少年』のようになってしまいます。
理由は自分でも分かりません。
スペックなど、数値だけでは決して測れないものがあるからかもしれません。

『飛距離性能』が優れているのは、いうまでもありません。
私は当時、この飛びに惚れて購入しました。
昔から、とにかくよく飛びましたが、それは今でも変わっていません。
今は飛距離性能に優れたフェアウェイウッドがたくさんありますが、この スチールヘッドIII こそが、その『元祖的存在』といえるのではないでしょうか?
ティショットはもちろん直打ちでも、このクラブのおかげで、ずいぶんと嬉しく楽しい思いをしてきました。
あがりやすさなどの易しさは勿論ですが、飛距離でも私を助けてくれたクラブです。
かなり前のクラブですが、相変わらず頼もしいクラブだな・・・。と思いました。

適度に小振りで、操作性も悪くはありませんが、できればあまり細工をしたくないクラブです。
やや『出っ歯タイプ』で、球を拾いやすいのも特長です。
これ以上『出っ歯』がきつくなると、逆に難しく感じてしまいますが、このクラブはちょうどいいところで抑えられています。

このクラブは大ヒットしましたし、昔使っていた・・・。とか、今でも持っている・・・。という方も多くいらっしゃるのではないでしょうか?
私は中古ショップには殆ど行かないのですが、ひょっとしたら今でも店頭で見られるかもしれません。
おそらく、かなりリーズナブルな価格になっているだろうと思います。
今のクラブが素晴らしいのは勿論ですが、昔のクラブでも最新クラブに見劣りしない優等生はたくさんあります。
長く使っていけるクラブが実は多いです。
私がゴルフを始めてまだ間もない頃の、かなり昔のクラブは『耐久性』が劣るものがありましたが、今は技術が上がり精度も高まってきているので、普通に使っている限り、壊れにくくなっています。
クラブの寿命というのは、そのクラブでもう球が打てない・・・。というのではなく、持ち主であるゴルファーがそのクラブに飽きてきたり、他のクラブへの浮気心がでてしまったときではないでしょうか?

何故、私がこのクラブにそれだけ特別な思いがあり、それがドライバーやアイアン・ウェッジではなく、フェアウェイウッドなのかというと、私の技術の未熟さにあります。
ドライバーからFW・UT・アイアン・ウェッジ・パターと、全てのクラブを練習するのが好きで、ほぼ毎日練習場に通い、全てのクラブを練習しました。
しかし、フェアウェイウッドが一番苦手でした。
一番というよりは『別物』といってもいいほど、極端な苦手意識をもっていました。
ティアップしているときは普通に打てるのですが、『直打ち』が全くできませんでした。
たまにいい感じで打てるのですが、確率が高くないので、実戦では使うことができず、パー5のセカンドなどで、実際はFWで打てばグリーンに乗る距離でも、7番アイアン等で極端にレイアップすることも多くありました。
私はもっとアグレッシブにいきたい・・・。という思いがずっとあったのですが、FWをもたず、アイアンで刻んでいる自分を、いつも『逃げている』と、自分自身を非難していました。
アイアンで確実に運んでいくので、スコアが崩れにくくまとまるのですが、私の中では消化不良といいますか、大きな不満が常につきまとっていました。
伸ばせるところで伸ばせない歯がゆさもありました。
それはまるで、しこりのようでした。
例え少し飛距離が出ても、いいスコアが出たとしても、FWが満足に打てない自分は一生一人前のゴルファーにはなれない・・・。という思いがありましたし、アイアンタイプが好きな私は一生苦手意識を払拭できないだろうと諦めかけていました。
一緒にラウンドしている人よりもスコアが多少良くても、FWが上手く打てない私の心の中はいつも敗北感でいっぱいでした。
その人にも、自分自身にも負けていました。

それでも諦めきれず、何とかしようとしていた私は練習場に行く前に書店に寄ってゴルフ雑誌を何冊か買い、練習場の打席にある椅子に腰かけて、その雑誌に載っているスイング理論やヒントなどを片っ端から試していきました。
家で読んだだけではすぐに忘れてしまうと思ったからです。
今でもおそらくそうだとは思いますが、毎週や毎月、雑誌には素晴らしいヒントがたくさん書かれています。
時には、その内容に矛盾を感じたことも少なくなかったのですが、有益な情報が載っていることも事実です。
私はその記事に救われたこともありますし、自分には縁の無い記事だな・・・。と素通りしたこともあります。
また、今はまだ必要ないけど、ひょっとしたらあと何年かしたら、この記事は役に立つかも・・・?と思ったこともありますが、その殆どはとっくに忘れてしまいました。
情報を頭に詰め込みすぎて頭が重くなるよりも、素振りなどをして、体を動かして自然な動きを身に着けたほうが、自分には早道だということに気づきました。

今でもそうかもしれませんが、その頃は『フェアウェイウッドは払うように打て』という記事がよくありました。
私もその記事に従って、払うように打ってみたのですが、なかなか上手くいきませんでした。
毎日毎日、来る日も来る日も同じことを繰り返し練習したのですが、いい結果に結びつかず、自分の技術の未熟さを嘆いていました。
あまりにも綺麗に上手く打とうとし過ぎてしまっていたのだと、今となっては分かりますが、当時はとにかく必死で原因が分かりませんでした。
練習場の打席でうなだれる日が続きましたが、ある日、昔観た『巨人の星』のエピソードを思い出しました。
巨人の星の主人公、星飛雄馬は青雲高校から読売ジャイアンツに入団し、最初は活躍しますが、次第に成績が落ちてきます。
抜群のコントロールとスピードボールが武器の飛雄馬でしたが、プロのピッチャーとしては小柄で、『球質が軽い』ということで、痛打されることが多くなります。
何とか打開しようと悩んだ飛雄馬は、あるお寺に座禅を組みに行きます。
座禅を組んでいたときに、和尚がそばに歩いてくると、緊張して体が動き、和尚から警策で肩を打たれます。
これはよく見られる光景ですが、そのときに和尚が飛雄馬に言った言葉が、飛雄馬を開眼させ救います。
それは「打たれまいとするから打たれるのだ。逆に打たれてもいい・・・。いやむしろ打ってもらおう・・・。と思うと、打たれなくなるものだ・・・。」というものでした。
その言葉は私にとっても衝撃的で、今でも忘れられない教訓となっています。
まさに『逆転の発想』といったところでしょうか?
その言葉がきっかけとなり、飛雄馬は大特訓の末、あの『大リーグボール1号』を完成させます。
元々、壁の穴を通過させて、家を訪れていた当時の川上監督を驚かせるほどの抜群のコントロールをもっていて、それを武器に、相手のバットに当てて、内野ゴロや凡フライなどを打たせて打ち取るというものでした。
相手バッターは対抗策として、構えたときにバットを揺らしたりしていましたが、飛雄馬の五円玉を使った特訓のおかげで打ち取ることができました。
しかし、生涯のライバルである阪神タイガースの花形満による、巨大な鉄球を使った特訓によって破られてしまうのですが、まさに魔球でした。
三振をとるのではなく、打たせてアウトにする・・・。しかも相手の意思にかかわらず(相手がバットを振らなくても打ち取れる)というのが斬新でした。
もちろん巨人の星はフィクションですが、昔の漫画やアニメには教訓となることがたくさん描かれています。
その中でも特に、巨人の星や一休さんには、色々なことを教わりました。
ちょっと説明が長くなってしまいましたが、そのエピソードを打席の椅子で悩んでいたときに思い出して、そうだ、これだ・・・。自分も試してみよう・・・。と思いました。
今までいい球を打とうとし過ぎていたのだということに気づくことができました。
私はゴルフを始めたときから、ミスの中で『ダフり』が一番嫌いでした。
ならば開き直ってといいますか、最初からミスするつもりで、ボールの手前をダフってみよう・・・。と思いました。
しかも『横からはらうように』打つのではなく、アイアンのように『上から打ち込んで』みることにしました。
高重心のアイアンでゴルフを覚えた私です。
上から打つのは『お手の物』『慣れっこ』です。
そうして打ってみると、『目からウロコ』といいますか、自分でも驚くようないい球が打てました。
ダフっているのですが、ソールがしっかりと仕事をしてくれ(うまく滑ってくれ)て、ダフったことを感じさせないような打球でした。
昔から『ダフると詰まる感じ』があったのですが、そうではなく、しっかりと滑ってくれるのでミスがミスになりにくいことに気づきました。
しかも、結構アバウトに打ってもいいところが大きなポイントです。
それまでのように、ヘッドをきちんと入れなければならないというのではなく、少しルーズな感じでいくほうが、いいことが分かりました。
これまではフェースでボールを正確にヒットすることばかりにとらわれていましたが、そうではなくて、『ソールを使う』ことが、ナイスショットを引き寄せてくれるのだと気づくことができましたし、その為にソールが広くなっているのだと、クラブの構造を理解することができました。
どれくらいダフるのが一番いいのか、自分なりの物差しを作ろうと思い、色々なところで試してみたのですが、私の場合はボールの右端のおよそ『一センチ手前』を目印にしてヘッドを入れていく感じが、ちょうどいいことが分かりました。
練習場はマットの上からなので、実際の芝やラフではどうかな?と思い、コースでも試してみましたがマット同様に、いい結果が得られるようになりました。
フェアウェイウッドの直打ちができるようになり、ユーティリティがさらに易しくなりましたし、『直ドラ』もできるようになりました。
横からはらうという方もたくさんいらっしゃると思いますが、私は横からはらうというイメージでは難しいので、ティアップされていない、地面から直接打つときは、『上からややアバウトにソールを使う』ということを今でもしています。

今のFWはかなりシャロー化が進んでいますが、このクラブのように『適度な厚み』があるから、上手くいったのだと思います。
今はかなりシャローなので、やはり『はらうように打つ』のが正解に近いのかもしれませんが、一般的に言われていることが必ずしも誰にも当てはまる正解ではないですし、人それぞれの正解があるような気がします。
練習でそれをつかみ自分のものにしていく作業が必要ではないでしょうか?
雑誌に乗っている色々な理論やヒントをそのまま受け入れるのではなく、自分なりにアレンジしていくとオリジナリティも生まれます。
磨かれたオリジナリティは、強力な武器になります。
合わない、自分には全く必要ない・・・。と思えば、それを受け入れないことも大切になってくるのではないでしょうか?
色々な理論やヒントは、『処方箋』のようなものかもしれません。
人それぞれ、病気の症状は違うので、同じ薬というわけにはいきません。
情報を入れ過ぎて却って混乱を招き、上達スピードを遅らせてしまうこともあるような気がします。
私はこれまで海外には何度か行き、その都度本屋さんに行って、ゴルフの本を探していたのですが、日本のようにたくさんのゴルフ書籍や雑誌が並ぶことはありません。
日本だけといっていいと思いますが、それでも海外のゴルファーがハイレベルなのはいうまでもありません。
もちろん、全くないというわけではないのですが、日本のようにたくさんはありません。
みんな実戦で技術を習得していったのではないでしょうか?

フェアウェイウッドの直打ちが上手く打てるようになってから、私のゴルフは劇的に変わりました。
これまで自信の無さから『安全策』を取っていたのですが、もっとアグレッシブに攻めることができるようになりました。
パー5での2オンが増えてイーグルを狙える回数が増えましたし、もちろんティアップしてのティショットでも大活躍してくれました。
スコアメイクには色々なものが必要だと思いますが、ひとつはっきりといえるのは、『ドライバーの飛距離』ではなく、『フェアウェイウッドやユーティリティの重要性』です。
もちろん、ドライバーの飛距離を伸ばしていくのは、私たちゴルファーにとって『永遠のテーマ』ではありますが、ドライバーは『そこそこ』で、フェアウェイウッドやユーティリティが得意になったほうが、スコアは作りやすいように思います。
昔よりも特に今はそのように感じます。
それを気づかせてくれ、私の苦手意識を払拭してくれた、このキャロウェイ ビッグバーサ スチールヘッドIII フェアウェイウッドは、私の大切な相棒であると同時に、師匠やコーチといった存在でもあります。
このクラブのおかげで、私のゴルフライフがパッと明るくなりました。
すごく大切なクラブなので、このクラブの『実働期間』はそれほど長くありません。
それは先ほども書きましたが、このクラブを傷つけたくない、万が一にも壊したくない、スペックを変えたくない・・・。という思いがあるからです。
私が普段使っているクラブからすると、このクラブは軽量タイプでシャフトも軟らかいですが、色々なことを教えてくれたので変えたくありませんし、今のFWと比べると、かなりしっかりしているほうだと思います。
私がこのクラブに出会っていなければ、今でもフェアウェイウッドに対する苦手意識が払拭できていなかったかもしれません。
私は苦しみ・悩んでいるときに、いいクラブに出会うことができて、本当に幸せ者です。
私にはこのFWが一生手放せないクラブですが、ゴルファー一人一人に、同じようなクラブがあるのではないでしょうか?
ゴルフをより楽しむ為には『クラブに惚れる』ことが重要だと思っていますし、ときには『尊敬・感謝』する存在であってもいいと思います。
そんな愛着のあるクラブで球を打つからこそ、一球一球を大切にできるのではないでしょうか?
日本には素晴らしいクラブで溢れています。
人それぞれ、好きなメーカーやブランドがあると思いますが、本当にいいクラブ(シャフトやヘッド・グリップ)がたくさんあって、迷ってしまわれる方も多いかもしれません。
そんなときは、『自分の直感』を信じてみるのもいいのではないでしょうか?
このクラブなら練習も楽しくなる・・・。と思えるものを選ぶのが大切ですし、クラブとの『縁』もあると思います。
人と人との縁があれば、『ゴルファーとゴルフクラブの縁』も必ずあると私は思っています。
私はこれまで、たくさんの素晴らしいクラブと縁を結ぶことができた、幸せなゴルファーです。
その素晴らしいクラブに私の未熟な技術が追い付かず、クラブに笑われているのではないか?と恥ずかしくなることもありますが、ゴルフが楽しくてたまらない私はどんどんのめりこんでしまっています。
今は、このクラブよりも高性能なFWはたくさんありますが、私の中では、このクラブこそが、私の中での『ベストワン』といいますか、『オンリーワン』です。
いいクラブはずっと色褪せません。
このクラブを、これからもずっと大切に保管していきます。
ゴルフクラブは保管されるよりも、実際に球を打って使ってもらったほうが幸せなのではないか?と思うところもあるのですが、このクラブだけは特別なので、球を打つよりも『心の支え』にしています。
先ほども書きましたが、色々なことを教えてくれた、このクラブは私にとっては師匠やコーチといった存在でもあります。
長くなってしまいましたが、次回からまた通常の記事に戻りたいと思います。
コメント
No title
他に無い独自のデザイン、キャロウェイ代名詞のスルーボア構造、クリア層の厚さを感じさせる仕上げの良さ、何とも言えない青みがかった色、そして芯を食った時のあのチンという独特の音。
2018-11-19 22:11 kenniti URL 編集
初めまして!
golfdaisukiと申します。
この度は私の記事を読んでくださり、またコメントを寄せてくださり、誠にありがとうございます。
スチールヘッドIIIはいいですね。
記事にも書きましたが、すごく気に入っていて感謝しています。
私はこのクラブをずっと大切に保管しようと思っています。
これからも記事を書いていきたいと思いますので、お時間がございましたら、また私の記事にお付き合いいただけると幸いです。
それでは失礼いたします。
2018-11-19 23:34 golfdaisuki URL 編集
感想とリクエスト
いつも楽しく読ませていただいております。
tongaと申します。
今回の記事や以前のダイナミックゴールドのような、golfdaisukiさんの想いに触れる文章は、感情が伝わってきて非常に読みごたえがありますね。
ひとつ、リクエストなのですが、記事を書く際に試打され、購買意欲が刺激されたり、実際に購入に至ることもあるかと思います。
年に1度ほど、golfdaisukiさんのクラブセットの紹介記事など読みたいな、という思いがあります。
いろいろ打ってみたうえで、使っているのはこれ、という記事は非常に気になります。
ご検討よろしくお願い致します。
2018-11-20 09:47 tonga URL 編集
初めまして
golfdaisukiと申します。
この度は私の記事を読んでくださり、またコメントを寄せてくださり、誠にありがとうございます。
私の使用クラブについてリクエストを頂戴しているので、これまで私が購入したクラブなどをご紹介させていただければと思っております。
これからも記事を書いていきたいと思いますので、お時間がございましたら、また私の記事にお付き合いいただけると幸いです。
それでは失礼いたします。
2018-11-22 21:12 golfdaisuki URL 編集