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2018年10月07日
ブリヂストンゴルフ TOUR B XD-3C ドライバー

今日は、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは ブリヂストンゴルフ TOUR B XD-3C ドライバー です。

シャフトは FUJIKURA Speeder 661 EVOLUTION IV です。
ロフトは9.5度、クラブ長さは45インチ、シャフトフレックスはS、シャフト重量は67.5g、トルクは3.7、キックポイントは中調子、クラブ総重量は311g です。

とてもカッコいい、ブリヂストンのドライバーです。
そのあまりの美しさに、一瞬で心が奪われてしまいました。
以前試打したXD-3の姉妹モデルであることは想像に難くないのですが、この美しいブルーがとても印象的でマッチしています。
今は機能性や調整機能ばかりを重視して、デザインがもうひとつといったドライバーも見られますが、このドライバーは違います。
ブリヂストンらしく、カッコいいドライバーです。
カッコ良さには、『目を見張るほど目立つカッコ良さ』と、『派手さはないけど、シブくてカッコいい』の二種類があると思うのですが、このドライバーは前者です。
派手な色使いというわけではないのですが、『斬新なデザイン』が目を引きます。
料理は食べる前にまず目で楽しむのと同じように、ゴルフクラブも球を打つ前にまず目で楽しみたいと思っている私は、このドライバーにすごく興味をもちましたし、いい目の保養ができました。
2年前にXD-3を試打しているので、おおよその性能は想像できます。

ラージサイズでボテッとしている感じはなく、コンパクトにまとまっていますが、『ヘッドの厚み』があるので、ヘッド体積は結構あるだろう・・・。と思いながら見ていました。
最近はシャロータイプが圧倒的に多く、もう慣れちゃったところもありますが、この適度な厚みのあるヘッドに、私の目尻は下がりっぱなしでした。
先日試打したドライバーもいい感じではありますが、以前あったブランドViQやPHYZとイメージが被るところがあり、昔からのBSファンとしては、正直ちょっと物足りなさを感じました。
これも時代の流れで仕方ないのかもしれません。
しかし今日、このドライバーに出会うことが出来て、とても嬉しくなりテンションも一気に上がっていきました。
ツアステを継承しているのは、このようなタイプです。
『ハードルの低さ』で勝負しているブランドではありませんでしたが、以前ViQにツアーステージの名前が付いていたので、違和感がありました。

ネックの長さは適度にあります。
美しいクラブというのは、ここの部分から見ても美しいものです。
適度な厚みのあるヘッドとネックの長さのバランスが、絶妙に取れています。

ネックには調整システムが搭載されています。
これは前のモデルには見られませんでしたが、今は多くのメーカーが採用しています。
私は調整システムをそれほど重要視していないですが、今年出会った調整システム付きドライバーがとても素晴らしかったので、少しずつ興味を持つようになりました。

試打するのは、この『N』のポジションです。

ソールにはおなじみ位置にウェイトがひとつだけ配置されています。
前のモデルはヒール側にもうひとつウェイトがあったので、ここも大きな相違点です。
『8』という数字があったので、おそらく8gということなのだと思います。

XD-3CのCって、どういう意味なんだろう?と考えていました。
少し小ぶりな感じもするので、コンパクトのCかな?
それともカラフルのCかな?
キュートのCかな?などと考えていましたが、実際のところは分かりません。
ただの名前ではなく、おそらく大きな意味があるのだと思います。

とても美しいフェース面です。
昔もそうでしたが、今でも雑な感じであったり、チープさを感じさせるフェース面は普通に見られます。
しかし、このドライバーのフェース面はすごく綺麗で、丁寧に作られているのが分かります。
このフェース面は見るだけの価値があるな・・・。と思いました。
フェース面にはミーリングが施されています。
ここ数年のBSのドライバーにはミーリングが採用されているので、このドライバーはどうかな?と思いましたが、これまで通り採用されていました。
ミーリングの無いドライバーでも、凄い飛距離を誇るドライバーにたくさん出会ってきたので、必ずしもミーリングが無いとダメだとは思いませんが、BSがずっと採用しているということは、それだけ効果が期待できるということではないでしょうか?

ディープタイプのヘッドですが、昔からのドライバーを見てきた私はセミディープがしっくりきます。
しかし、今はシャローがとても多いですし、それらとは明らかに一線を画しているので、ディープといってもいいと思います。
シャロータイプを好まれる方は、この厚みのある形状に親しみづらさを感じられるかもしれません。
人によって好みが分かれるところだと思いますが、私はディープ系が好きなので、とても魅力的に感じました。

予想通りの、いい顔をしています。
今はシャロー系を発表していますが、これが本来の『BS顔』といっていいように思います。
最初違う角度から見たときは、小振りな感じがありましたが、こうして『顔』として見てみると、結構ボリュームもありました。
『430cc』とか『440cc』ではなく、もっと大きいような気がします。
BSもそうですが、最近のドライバーは『つかまえ顔』が多いですが、このドライバーは違いました。
ニュートラルタイプの顔をしています。

クラウンが、カーボンコンポジットされていることに気づきました。
この工夫も今は増えてきましたが、ブリヂストンでは珍しいような気もします。
多くのメーカーが採用しているということは、それだけメリットが大きいのは間違いありません。
見た目よりも、かなり低重心化されているのでしょうか?

装着されているグリップは、今のBSのニューモデルに装着されている物と同じです。
ソフトというよりは、ややハードなタイプですが、このグリップを好まれる方も多くいらっしゃるのではないでしょうか?
ドライバーには『ソフトさ』や『しっとり感』よりも、『滑りにくさ』『雨や汗などにも強いタイプ』を好まれる方もいらっしゃると思います。

素振りをしてみると、なかなかいい感じでした。
タイミングも取りやすく、不安なところはありません。
最近のBSドライバーは『ソフトスペック過ぎる』と感じることも多かったのですが、このドライバーは違いました。
シャフトに気を使わず、しっかりと振っていくことができました。

ボールを前にして構えてみても、とてもいいです。
すごく自然な感じで、リラックスできます。
精悍さがあり、整った顔をしているのですが、どことなく丸っこいところがあるのも、『BS顔』の特徴です。
円盤のようなタイプを好まれる方や、フックフェースを好まれる方は構えづらいところがあるかもしれません。
つかまりやすそう・・・。というよりは、いい感じで逃がしていけそうなところが、フッカーの私には魅力的です。
ただ、このドライバーは調整機能が搭載されているので、それを使えば、構え感も変えられるのかもしれません。
残念ながら、専用の工具が無かったので、今日は変えられませんでしたが、どのような感じになるのか興味があります。
ただ、おそらく今のままがベストのような気がします。
左へのプレッシャーは全く無く、気持ち良くインパクトを迎えられそうです。
フェードヒッターの方も、フェード系のイメージが出しやすいと感じられやすいような気もします。
つかまえ系の顔を好むフェードヒッターの方はつかまりづらそう・・・。と不安に感じられるかもしれませんが、『中立タイプ』を好まれるフェードヒッターの方には、満点に近い構えやすさといえるのではないでしょうか?
試打を開始しました。

『打感』はなかなかいい感じですが、ソフトというよりは、むしろしっかりと『球の重さ』を感じ取ることができました。
ボヤけたところはなく、適度なしっかり感のあるフィーリングです。

『音』は大きめですが高すぎず、インパクトが緩むこともありませんでした。
こもった感じの音ではなく、はっきりしています。
インパクトの強弱を、音で感じ取りやすいです。

『球のあがりやすさ』という点では、明らかにタフなタイプです。
ディープタイプということもありますが、低スピン性能に長けていて、叩いていけるといいますか、『叩いていくべき』ドライバーといっていいように思います。
性格の丸いドライバーではなく、明らかに尖ったところがあります。
なので、かなり好みが分かれると思います。
このドライバーの低スピン性能に好感をもたれる方もたくさんいらっしゃると思いますが、逆に球があがりきらずに飛距離を出していけない・・・。と感じられる方も多いかもしれません。
最近はディープなタイプでも、意外と打ちやすくなっていたり、逆にシャローでもしっかりとしたスペックのドライバーがあり、見た目だけでは分かりづらいこともありますが、このドライバーは『見た目通り』の性能です。
ネックに調整機能が搭載されてはいますが、幅広い層に対応しているタイプではなく、明らかにユーザー層を絞り込んでいるタイプのドライバーなのは間違いありません。
弾道はかなり抑えられていて、ライナー系に近いタイプです。
昔から、『ロフト9.5度(表示)』ドライバーでも、そうは思えないほどのあがりやすさであったり、弾道の高さがあったりするものが多くありましたが、このドライバーはかなりしっかりしていて『一桁ロフト』らしい弾道です。

『安定性』という点でも、正直さを感じました。
寛容だとか、大らかなタイプではありません。
スイングの精度が、そのまま弾道に現れやすいタイプです。
今はイージー系が多く、どこでヒットしたかも分かりづらい物もありますが、このドライバーはすぐに分かります。
打感や音で得た感覚と、実際の球筋や弾道がマッチしやすいので、ある意味『正直』といいますか、『伝わりやすい』ドライバーといえるような気もします。
ミスヒットすれば球は曲がりますし、『上下のズレ』に対しても、結構正直なところがありました。
打点をミスると、曲がるだけでなく、キャリー不足にもなりやすいところがあります。
イージー系のドライバーではありません。

『飛距離性能』という点では、低スピン性能が高く、しっかりと叩いていっても、『当たり負け』しないので、高いポテンシャルを感じましたが、これも好みがはっきりと分かれると思います。
キャリー不足で距離を稼げないという方も多くいらっしゃるかもしれません。
今のドライバー(特に大手有名メーカー)は、ひとつのクラブでなるべく多くのゴルファーに対応できるように『性格の丸い』タイプが多いですが、このドライバーは全く違いました。
ブリヂストンゴルフというよりは、『ツアステらしい』ドライバーといっていいと思います。
今は易しさが多く求められている時代なので、多くの支持は集めにくいかもしれませんが、昔からのBSファン(ツアステファン)の方にはたまらない魅力があるといっていいのではないでしょうか?
こういうタイプこそが、『BSらしさ』をもっているといえるような気もします。

『操作性』は、いい感じでした。
左右同じように反応してくれました。
今は曲げにくいドライバーも多いですが、このドライバーはよく反応してくれました。
一時期よく見られましたが、今は少なくなってきた『浅重心ドライバー』なのではないでしょうか?
浅重心ドライバーらしい『前の重さ』と、ゴツンとしたフィーリングが印象的でした。

今の流れに逆行した感じのドライバーです。
一昔前まで、よく見られたカッコよくてタフなタイプです。
この骨太なところが魅力的ですが、苦手意識をもたれる方も多くいらっしゃるかもしれません。

このドライバーは『9.5度』ということですが、もし『10.5度』もラインアップされているのであれば、是非そちらも試してみたいです。
また違った印象をもつかもしれません。
調整機能をフルに活用してみたくなりました。

今年出会った高性能なドライバーの中で、かなりポテンシャルが高くて凄いな・・・。と思えるものがいくつかあったのですが、それらに共通しているのは、『意外と易しくてハードルが高すぎない』ということです。
見た目カッコよくて所有感を満たしてくれますが、実際に打ってみてもある程度の大らかさもあるので、それが親しみやすさにもつながっています。
難しすぎないので、長く使っていけそうです。

しかし、このドライバーはそれらとはまた違った性格をしています。
先ほども書きましたが、明らかにユーザー層を限定していて、性格がとがっているところがあります。
しかし、裏を返せば、それに当てはまる方には、たまらない魅力があり、手放せない一本となるのではないでしょうか?
性格の丸いドライバーは確かに親しみやすいけど、少し不満なところがあり、『及第点』は取れても、『満点』およびそれに近い点数はなかなか取れません。
対して性格の尖った、はっきりしたドライバーは親しみづらさはあるかもしれませんが、バッチリ合う方にとって、かなり満点に近い点数を取りやすいのではないでしょうか?
まさに『表裏一体』といいますか、短所は長所になり、またその逆もあり得るということです。
ゴルファーとクラブがお互いをカバーし合ったり、お互いのいいところを共有できる関係が理想なのかもしれない・・・。と、このドライバーを試打しながら考えていました。

この美しいブルーに目を奪われ、いい目の保養ができ、実際に打ってみても、しっかりとしたスペックで気分よく振っていくことができました。
2年前に試打したXD-3よりも、明らかにこのXD-3Cのほうが、ハードなスペックになっていると思います。
あがりやすくはないですし、球を自然につかまえてくれるタイプではないので、スライスが出やすいという方もいらっしゃるかもしれません。
競走馬でいえば、性格の穏やかなタイプではなく、『じゃじゃ馬』的なところがありますが、それを上手く乗りこなせたときの優越感を味わえるような気もします。
また機会があれば何度でも試打してみたいですし、今年の優秀ドライバーたちとも打ち比べてみたいです。
それくらい、強烈なインパクトを残しました。
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