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2018年05月06日
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Orion Closer アイアン

今日は、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは Orion Closer アイアン の7番 です。

シャフトは ダイナミックゴールド です。
ロフトは34度、クラブ長さは36.75インチ、シャフトフレックスはS200 です。

Orionのとてもカッコいいアイアンです。
しばらく見とれてしまいました。
このアイアンのもつ、何ともいえない雰囲気にすっかり魅了されてしまいました。
今はアイアンも『ハイテク化』が進み、色々なパーツが組み合わさったり、形状が複雑になっていたりしますが、やはり、このようなベーシックなタイプには惹かれるものがあります。
アイアン好きの私のアンテナが、ピンと反応しました。

大きさ的にはノーマルなタイプです。
ラージサイズでもなく、セミラージでもありませんでした。
こうして見ていても、研ぎ澄まされた感じの男前なアイアンであることが分かります。
バックフェースの形状に凹凸があるので、一瞬キャビティかな?と思いましたが、これはマッスルバックといっていいと思います。
通常のフラットバックタイプではありませんが、このアイアンは新しい形のマッスルバックといえるのではないでしょうか?
今はマッスルバックも、様々なタイプが見られるようになりました。

彫りの深さは浅く、こうして見ると、ハーフキャビティのようにも見えるので、その境界線が曖昧な感じもします。
ただ、やはりマッスルバックのほうが合っているように思います。
この角度から見ても、やはり男前だな・・・。と思いました。
挑戦意欲が掻き立てられる男前といったらいいでしょうか?

バックフェースの中央付近が肉厚になっています。
いわゆる『凸型バックフェース』です。
『凹型』ではありません。
これは打感を良くする為の工夫だと思います。

トップラインは、やや狭めで、いい感じです。
シャープさがあって、とてもいいです。
構えた時に、いいイメージが出せそうです。

ソール幅は、昔ながらの『標準タイプ』ですが、今のアイアンの中では明らかに狭いです。
ワイドソールを好まれる方の中には、このアイアンのソール幅を受け入れられない方もいらっしゃるかもしれません。
他の角度からもそうですし、このソール幅でアイアンの性格を読み取ることができます。
懐かしいな・・・。と思う方もいらっしゃると思いますし、球があがりづらそうだな・・・。と敬遠される方もいらっしゃると思います。

ネックは適度な長さがありました。
こうして見ていると、結構重心は高そうです。
今のアイアンの中では、間違いなく『高重心タイプ』になると思います。
低重心タイプのアイアンを好まれる方には、合いづらいところがあるかもしれませんが、アイアンは昔から高重心タイプが活躍し続けています。
ドライバーの高重心タイプは全くといっていいほど見なくなりましたが、アイアンは今でも支持されています。
それはアイアンとドライバーとでは、クラブとしての機能の違いによるところが大きいからではないでしょうか?
このアイアンは最新モデルですが、とてもクラシカルなところがあります。
アイアン好きの私にはたまらない魅力をもったカッコいいアイアンです。

ホーゼルには、このアイアンの名前でもある『Closer』の文字がありました。
クローザーといえば、野球好きの私は『抑えピッチャー』のことを連想するのですが、このアイアンの場合はどうなのでしょうか?
また違う意味が込められているのかもしれません。

リーディングエッジは削られていました。
小さな削りではなく、はっきりと分かる削りです。

トレーリングエッジも削りが目立っていました。
こういったところを見ると、やはり最新のアイアンなんだな・・・。と思えてきました。
他の部分ではクラシカルなところがありながら、昔では見られない工夫も取り入れています。
昔のいいところを残しながら、今の新たな工夫を取り入れている・・・。という、まさに『温故知新アイアン』といっていいでしょうか?

フェース面にミーリングはありませんでした。
すごく綺麗なフェース面です。
仕上げがとても丁寧で美しいです。
工芸品のような美しさがあります。
ボールを打って痕を付けてしまうのがもったいないような気さえしてきます。
このフェース面を見ているだけでも、いい目の保養ができます。
思わず目尻が下がってしまいました。
フェース面の仕上げにも、メーカーによって大きな違いが見られます。
仕上げが雑でチープな感じのアイアンもあれば、このアイアンのようにすごく丁寧で気を遣っているな・・・。というのが分かる物もあります。
こういったところで、アイアンに対する、そのメーカーの『本気度』といいますか、『こだわり』『センス』というものが感じられます。
同じ使うなら、このような丁寧で美しいアイアンを使いたい・・・。と思うのは私だけでしょうか?

素振りをしてみても、いい感じです。
適度な重さとバランスの良さで、タイミングも取りやすいです。
初めて手にしたアイアンですが、もう何年も使い続けている相棒のような感じがします。
今はアイアンの重量バリエーションが、昔とは比べものにならないほど広がっています。
自分に合った、振りやすい重さのクラブを選べる時代になりました。
いいクラブがたくさんあるので、迷ってしまうこともあるかもしれませんが、それもまたゴルフの楽しみのひとつといえるのではないでしょうか?

ボールを前にして構えてみても、すごくいいです。
予想通りの構えやすさでした。
このアイアンを初めて見たときから、オーソドックスなタイプであることは予想できていました。
この雰囲気があるので、『異型』ではないと思っていました。
クセのない、素直な顔をしています。
しかし、今はクセのあるクラブも多いので、そういったクラブを好んで使っておられる方には、『クセの無さ』がまたクセにつながってしまうのかもしれません。
この構え感も、昔ながらのスタンダードといえます。
トップラインが真っ直ぐで逃がすイメージが出しやすいです。
スライサーの方や、丸みを帯びたトップラインを好まれる方にはあまり好まれないかもしれません。
グースの利きも弱いので、すごく構えやすいですが、グースタイプを好まれる方には、魅力的とはいえないかもしれません。
ラインもイメージしやすく、安心感があります。
大きさもちょうど良くて、ボールとの大きさの対比もいいです。
ワクワクしてきました。
試打を開始しました。

『打感』は、とても良いです。
何ともいえない、『球の乗っかり感』を楽しむことができました。
ディスタンス系の、薄くて弾く感じのアイアンでは、味わえないフィーリングです。
しっかりと乗ってくれる感じがあるので、コントロールするのに有利だと思います。

『球のあがりやすさ』という点でも、自然な感じであがりやすいです。
球があがりやすくなるような、色々な工夫はされていないようですが、このナチュラルさがいいです。
イメージ通りの打ち出しの高さと最高到達地点です。
ギューンと力強くあがっていく感じが頼もしいです。
自然な感じであがってくれますが、いわゆる『イージーなタイプ』ではなく、明らかにヒッター向けです。
タフに感じられる方もいらっしゃるかもしれません。
ハイテクなあがりやすさのあるアイアンではありません。

『安定性』という点では、正直なタイプで、マッスルバックの特徴を感じました。
シビアに感じる方もいらっしゃるかもしれません。
寛容さは、それほど持ち合わせていません。
大らかなタイプではありませんが、この正直さがまた魅力でもありますし、プレイヤーの『個性』といいますか『技量』をあげてくれることにもつながるのではないでしょうか?
どういうことかといいますと、いい意味で『ごまかせるようになる』ということです。
日頃マッスルバックやハーフキャビティなどの正直なアイアンを使い慣れておられる方でも、全て『芯』でとらえられているわけではなく、当然ミスヒットもします。
しかし、それを周りには感じさせない、ほんの一瞬の『修正力』といいますか、『対応力』が磨かれるようになると思います。
ミスヒットしても、一瞬でそれに対応できるフェースコントロールといっていいのか分かりませんが、球筋が大きく乱れないように工夫することができるようになります。
アジャスト能力が磨かれます。
周りで見ている人はミスしたと気づきにくくても、打った本人はそれをちゃんと把握していて、上手く対処できてスコアを崩さなくなります。
こういったことは、イージー系のオートマチックアイアンでは磨かれにくい要素だと思います。
どこでヒットしたか、把握しやすいのも、このような正直なタイプのアイアンの特長でもあります。
常に自分のスイングをチェックしていけるので、大きな不調にはなりにくいです。
ミスしたと本人は判っているのに、それが形となって表れないのは便利かもしれませんが、逆に怖く感じることもあります。
もちろん、クラブが易しくなるのはいいことだと思いますが、その易しいクラブを使い続けて、却って調子を崩してしまった・・・。とか、ゴルフが退屈に感じるようになって面白くなくなった・・・。という方もいらっしゃるのではないでしょうか?
もっとコントロール性を高めていきたい・・・。という方には、このアイアンはとても魅力的といえるような気がします。

『飛距離性能』という点では、ノーマルだと思いますが、今のアイアンの中では明らかに飛ばないタイプだと思います。
飛距離性能よりも距離感を大切にしたい方の為のアイアンといっていいのではないでしょうか?
『少しでも飛ばす』というタイプのアイアンではなく、確実に狙ったところへ『落とす』『狙う』ことができるアイアンです。
ロフトピッチを大切にしたい方のアイアンといっていいと思います。
今はアイアンのロフトがすごく立っていて、クラブによっては『2番手以上』の『ずれ』が生じています。
もちろん、それは飛距離ということになると思うのですが、それでいいという方もいらっしゃると思いますし、あまりいいことではないという方もいらっしゃるのではないでしょうか?
今はアイアンも飛距離を求められている時代なので、仕方ないと思いますが、どこかに重点を置けば、必ず違うところに歪みが出てしまいます。
アイアンが飛ぶ(番手ずらし)ようになって、他の短いクラブで距離を合わせるのが難しくなった・・・。という方もいらっしゃるのではないでしょうか?
このアイアンのように自然な感じならば、『番手の刻印』でいいな・・・。と思いました。
14本のセッティングで、おそらくアイアンだけが今でも『番手』の刻印がされているのではないでしょうか?
ウェッジやFW・UTやドライバーも、全てロフトが表示してあるのに、アイアンだけは未だにロフトが表示されていません。
それは『ゴルファー心理』というものが大きく関わっているのは間違いないですが、もし正直にリアルロフトがアイアンにも表示されるようになると、『飛ぶ』という感覚は薄まってしまうのではないでしょうか?
アイアンにもロフトが表示され、ロフトピッチ(基本は4度)でクラブセッティングすると、ゴルフがすごくシンプルに感じられるような気もするのですが・・・。

『操作性』は抜群です。
すごく敏感に反応してくれるので、こちらの意図がはっきりと伝わっているのが分かります。
いわゆる『ハンドルの遊び』が小さいアイアンです。
この反応の速さは心強いです。
『曲がりにくさ』『寛容さ』『直進性』で勝負しているアイアンではありませんが、反応がいいので、いわゆる『逆球』は出にくいです。
真っ直ぐではなく、自分の持ち球の曲線で狙っていけるタイプのアイアンです。
ラージサイズのアイアンは確かにスイートエリアが広いけど、球がつかまりきらずプッシュしてしまう・・・。構えづらくてイメージが湧かない・・・。などマイナスに感じられる方もいらっしゃると思います。
そういった方には、このようなノーマルな大きさのアイアンを試していただきたいと思いました。

試打していて、何となくですが、三浦技研のアイアンを思い出しました。
今度機会があれば、三浦技研のマッスルバックアイアンと打ち比べてみたいと思います。

このアイアンで球を打ちながら、『鉛筆書き』と『サインペン』の違いを感じていました。
どういうことかといいますと、ひとくちにアイアンといっても『鉛筆書きタイプ』と『サインペン(マジック)タイプ』に分かれるということです。
このアイアンは鉛筆(シャープペンシルも含む)タイプで、文字や線の『濃淡』を描くことができます。
鉛筆は『筆圧』で文字や線の濃さを書き分けていくことができますし、芯の濃さ(HやHB・2Bなど)を選ぶこともできます。
細くシャープなので、細かいところに書いていけます。
対して、ラージサイズのディスタンス系アイアンは『サインペン(マジック)タイプ』です。
サインペンは筆圧で線の濃さを書き分けることはできず、インクの濃さで決まってしまいます。
軽く書いても力を入れても同じ濃さです。
それはまさに『マジック』といえるのかもしれません。
手帳やノートなど細かいところに文字を書くには適さないですが、引っ越しの段ボールに中身を書くときには鉛筆よりも重宝します。
どちらもその場面において、使い分けるのが通常です。

私は小さい頃から、とにかく鉛筆で文字をたくさん書いていて、筆圧も強めでした。
『漢字の書き取り』もよくやっていました。
なので、私の右手の中指には、小さい頃からずっと『鉛筆ダコ』があります。
右手と左手で見比べても、大きな違いがあります。
これは小さい頃からですし、今でもよく手帳やノートなどに手書きしているので、このタコが消えることはおそらくないと思います。

このアイアンのようなベーシックなタイプは、鉛筆のように『色の濃淡』を付けることができます。
フルショットの時(色を濃くしたい時)には、強めの筆圧。
距離をコントロールしたい時(色を薄くしたい時)は、少し抑えめの筆圧のイメージ。といったらいいでしょうか?
鉛筆は、細かいところにも書き込んでいけるので、このようなアイアンの繊細さにもつながるような気がします。
オートマチック系のアイアンは、どのように書いても、インクの濃さは変わらないので、まさに『オートマチックタイプ』といえるかもしれません。
細かなところに書くのも適さないです。
それがいいところでもあると思いますし、やや物足りないところでもあるのかな?と思ってしまいます。
色を薄くしたいと思ってもできないですし、それは距離のコントロールがしづらいところにもつながるのかもしれません。
ディスタンス系のアイアンは確かによく飛ぶのですが、抑えて打ちたいと思っても、とにかくよく飛ぶので、縦のコントロールがとても難しいです。
少し距離を抑えて打とうと、短く持って打っても、ほぼ同じような距離まで飛んで行ってしまい、なかなか思うようにはいきません。
オートマチック性とは、『一種の頑固さ』のようなものかもしれない・・・。と思うことが、試打していてあります。
なかなか、こちらのいうことをきいてくれません。
鉛筆はナイフを使って、自分好みの角度や芯の形に削っていく楽しみもありました。
『芯の出し方』にも、こだわりがありました。
削った後はキャップを挿して筆箱に入れて、大切に保管していました。
鉛筆削りでは出せない、自分だけの好みの顔にすることができました。
サインペンはキャップを閉め忘れてしまうと、インクが乾いて書けなくなってしまいますが、鉛筆にはそういった心配はありません。
どちらも同じ筆記用具ではありますが、性格が大きく違うので、一長一短があるのだと思います。
ゴルフとは直接関係ないかもしれませんが、このアイアンを試打しながら、そんなことを考えていました。

やはり、マニュアルタイプはいいな・・・。と思いました。
『ショットの濃淡』を楽しむことができるので、一球一球が新鮮で飽きることがありません。
球持ちのいいアイアンなので、乗せて運ぶ感覚が出しやすいのもいいです。
今はウェッジにもキャビティタイプが登場している時代ですし、どの番手にも『易しさ』『寛容さ』に対するニーズが高いのは間違いありません。
ミスヒットに寛容で、とにかく真っ直ぐ飛ぶクラブが欲しい・・・。という方が多いのではないでしょうか?
そういったこともあるので、このようなタイプは敬遠されるところがあると思いますが、昔のマッスルバックよりは今のほうが、明らかに親しみやすくなっていますし、性能もアップしています。
技術も高まっているので、『目に見えない易しさ』があります。
素材も多様化し、精度も高まっています。

Orionというメーカーのクラブは、試打した経験が少ないのですが、ウェッジの印象が強いですし、このアイアンもすごく気に入ったので、さらに好感度が増しました。
基本的な性能の高さもありますが、美しくて精度の高いクラブを造るメーカーだという認識をもつことができました。
日本にたくさんある地クラブメーカーの優秀さを、今日も感じることができました。
球を打つのがとても楽しくて、予定の時間と球数をオーバーしてしまいました。
また何度でも試打したいですし、コースでも楽しみたいです。
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