Post
≪FREIHEIT THE-G Ti フェアウェイウッド | HOME | テーラーメイド M4 アイアン≫
2018年02月10日
RAZZLE DAZZLE CS-315W

今日は、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは RAZZLE DAZZLE CS-315W です。

シャフトは ダイナミックゴールド です。
ロフトは50度、クラブ長さは35.25インチ、シャフトフレックスはS200 です。

久し振りに出会った、RAZZLE DAZZLEのウェッジです。
手にした回数はまだ少ないのですが、かなりいい印象が残っています。
ウェッジに特化したメーカーといっていいのではないでしょうか?
ウェッジの練習が大好きな私は、このウェッジを見ただけでテンションがあがってきます。
この何ともいえない、いい雰囲気に思わず目尻が下がってしまいました。

正統派ともいえる形状ですが、所々工夫が見られます。
メッキタイプですが、サテン仕上げでピカピカ光らないのもいいです。
かなり高級感があり、見ているだけで目の保養になります。
これに加え、ノーメッキや黒塗りなどがあると、シブさが増してまたいいんだろうな・・・。と思いました。
見ているだけでワクワクしてきます。


キャビティバック構造といえるでしょうか?
かなり浅い彫りになっています。
『易しさの為』というよりは、デザイン性が強いのかな?と思いました。
個性的ではありますが、『愚』を感じさせないデザインで魅力的です。

ソール幅は少しワイドです。
ロフトが50度ということで、『ちょっとロフトの立ったAW』ということになるでしょうか?
アイアンのロフトが立ってきて、今は各メーカーウェッジのロフトの多様化が進んでいます。

ソール形状を見ていても、かなり複雑な感じがします。
ここまで複雑なのもなかなか見られません。
RAZZLE DAZZLEのウェッジを初めて手にしたときから、抜けがいいな・・・。と思ったのですが、このウェッジはそれがさらに磨かれているようです。
ウェッジは『ソールが勝負』といえるところがありますが、このウェッジは、かなり考えて削られているのではないでしょうか?
細かなところまで配慮されているように見えます。

ネックの長さは普通でした。
ロングというタイプではありませんでした。
私はウェッジでは、ロングタイプが好きなのですが、このウェッジはミドルといった感じです。
これくらいの長さが、今は主流といえるでしょうか?

トレーリングエッジが、かなり大きく削りこまれていました。
ここまで大きな削りは、なかなか見られません。
開きやすそうですし、開いたときの『あたり』が柔らかそうな感じがします。
ウェッジはボールとの打感はもちろん、芝(ラフなども含めて地面)とのタッチがとても大切ですが、このウェッジはそれがとても良さそうだな・・・。と見ていて感じました。
ウェッジの『お尻』を上手く使ってボールを優しく運んでいけそうなイメージが浮かんできました。
打つ前に、ここまで心が躍らされ、色々なイメージが浮かんでくるウェッジも、そうあるものではありません。
クラブによっては『遠目』な感じで、やや距離を置いて眺めてしまう物もあるのですが、このウェッジは近くでマジマジと見てしまいました。
何ともいえない惹きつけられる魅力がありました。

リーディングエッジの削りも、はっきりしていました。
芝に突っかかることなく、かなり抜けが良さそうです。
まるで何年も使い込んで馴染んできた形そのものといった感じです。

トップラインの厚さは標準的です。
薄くもなく、厚くもありませんでした。

フェース面にミーリングはありませんでした。
ミーリングは無いのですが、フェース面を指で触ってみると、エッジがよく利いているのが分かりました。
球の食いつきも良さそうに感じました。
このフェース面を見て、チープに感じることもあれば、丁寧で高級感を感じることもあります。
このウェッジは後者です。
アイアンとウェッジは似たような形状ですが、役目も大きく変わってくるので、フェース面の仕上げは、より気を遣うところといえるのではないでしょうか?
ウェッジにはウェッジに適したフェースがあるのだと思います。
ルールに違反しない範囲で、様々な工夫がされていると嬉しいです。
このような丁寧なウェッジを見ていると、早く球を打ちたくてたまりません。
丁寧さも、魅力といいますか『性能の一部』なのだと、改めて感じました。



こうして見ても、ソールの形状が独特でした。
中央部分が尖っていて、三角形のようです。
ソールの接地面積が少なくなって『抜けのスピード』が高まりそうな形状です。
あまり目にしない珍しい形状です。
昨年試打した BUCHI のウェッジを思い出しました。

ボールを前にして構えてみても、とてもいいです。
構えやすいです。
完全なストレートネックというよりは、ほぼストレートに近いセミグースに見えました。
今の主流ともいえるタイプですし、この形状に好感を持たれる方は多いのではないでしょうか?
セミグースタイプをいつも使っているという方はもちろん、ストレートタイプを好まれる方にも、このウェッジの構え感は親近感をもちやすいのではないでしょうか?
グースによる『遅れる感覚』が、このウェッジにはあまり無く、普通に打っていけばいいように感じました。
それほど小顔という感じはしなかったのですが、ボールとの大きさのバランスもいいですし、フェースに優しくボールを乗せてフワッと運んでいけるイメージが出せました。
出球の高さのイメージも出しやすいです。
ヘッドの据わりがいいので、アドレスが一瞬で決まりました。
ゴルフボールは、実際はとても硬いものですが、アプローチなど柔らかく打ちたいときは、縁日で見られる『綿あめ』のようなイメージを持ちたくなることがあります。
今日はそれが普通にできました。
クラブのもつ、いい雰囲気が、たくさんのインスピレーションを与えてくれているのかもしれません。

かなり開きやすいです。
トレーリングエッジの削りの大きさが関係しているのは間違いありません。
私はフェースを開閉して使うことが多いですし、微妙な開き加減で調整することも多いので、このウェッジは好感がもてますし、勇気がもらえるような気がします。
開きやすいウェッジにも、『三段階』とか『五段階』といった感じで、いくつかの段階があるように感じられることもあるのですが、このウェッジは段階が無い『無段階』に近い開きやすさがありました。
微妙なスパイスを利かせていけそうです。
50度のウェッジで、ここまで開きやすいのは珍しいような気がします。
アプローチウェッジはピッチショットを多用するので、そのイメージで試打することにしました。
試打を開始しました。

『打感』はとてもソフトです。
初めて見たときから、打感が柔らかそうな印象をもっていたのですが、その通りのグッドフィーリングでした。
この何ともいえない雰囲気と、フィーリングがマッチしていました。
『カツン』とヘッドを入れても、ボールに対して優しくコンタクトしてくれるフェース面だな・・・。と思いました。
ボールの乗りもいいです。
この『乗りの良さ』『接触時間の長さ』が、微妙な距離感やニュアンスを出しやすくしてくれます。

『スピン性能』は高いです。
ボールがよく止まりました。
高いスピンを掛けていけますが、ボールに優しくコンタクトしていけるのがとてもいいです。
『剛』ではなく、『柔』のウェッジだと思いました。
高確率で穏やかに寄せていけるウェッジといったらいいでしょうか?

球はあがりやすく、出球の高さも揃っていました。
イメージした通りの高さで運んでいってくれるウェッジだな・・・。と思いました。
今はアイアンに限らず、ウェッジのも色々な工夫がされ、複雑化している物もあります。
たくさんのパーツが付けられている機能性の高いウェッジもあります。
そういったウェッジもいいですが、このウェッジの『ワンピース感』といいますか、『ピュア』な感じが絶妙なあがりやすさを実現してくれました。
一口に『易しい』といっても色々とあると思います。
ミスヒットに対する寛容さやボールのあがりやすさが一般的な易しさといえるでしょうか?
対して『イメージの出しやすさ』やイメージを忠実に再現してくれる『再現力の高さ』も易しさにつながると思います。
このウェッジはイメージと直結しやすい易しさをもっています。
永く使っていける頼もしい相棒になってくれるウェッジだな・・・。と思いました。

『安定性』という点では普通だと思いました。
構えやすいのでラインも出しやすいですし、親近感も湧きますが、今の『イージー系ウェッジ』と比べると、それほど『オートマ性』は無いのかな?と思いました。
シビアな感じはしませんが、ラージサイズでオートマチックタイプのウェッジを好まれる方には、やや親しみづらいところがあるかもしれません。

『距離感』は、かなり合いやすいです。
初対面でしたが、もう何年も使い込んでいるような感覚でした。
出球の高さ・スピードのイメージが出やすいので、距離感が合いやすく、かなり『落としどころの円』を絞り込んでいくことができました。
ティショットのように、カップとの距離が大きく離れているときは方向性が大切になってきますが、アプローチやパッティングなど、カップが近いときは、方向性よりも距離感が大切になってくると思います。
微妙な距離感やニュアンスの違いによって、『OK』の距離まで寄ることもあれば、なかなか寄らずにシビアなパッティングが残ってしまうこともあります。
そういった点でも、このウェッジはかなり好感がもてました。
距離感が合いやすくスピンの利きも確かなので、アグレッシブに攻めていけそうです。

『操作性』は、かなり高いです。
今はウェッジもオートマチックタイプが出てきましたし、そういったクラブの人気も高いそうです。
しかし私はウェッジには『オートマ性』よりも『マニュアル性』を求めたいです。
大らかで大体な感じで無難に寄せていく・・・。というよりも、よりアグレッシブにこちらのイメージをクラブに伝えて寄せていきたいと思っています。
それにはフィーリングはもちろん、『開きやすさ』や『球の乗りの良さ』『確かなスピン性能』などが重要になってくるのですが、このウェッジはそれが高いレベルで実現できていました。
一球一球球を打つのが楽しくてたまりませんでした。

どのショットもそうですが、微妙な距離感やニュアンスが求められるアプローチでは、より『丁寧さ』や『繊細さ』を求めたくなります。
アバウトさがあると、不安に感じることもあります。
その不安がミスを誘うこともあります。
自信を持って臨んだショットで思ったような結果でないこともありますが、それは仕方ないと割り切れますし、次のストロークに全力を傾けられます。
しかし不安があったままショットをして、予想通りミスをしてしまうと、何で心の整理ができないまま打ってしまったんだろう・・・。と後悔してしまいます。
打つ前になるべくマイナスなことは排除しておきたいですが、このウェッジだとそれがとても上手くいくような感じがしました。
チープな感じで雑な仕上げのウェッジだと、気持ちが入りきらないこともありますが、このウェッジはすごく綺麗でいい雰囲気がありました。
感覚的なことなので、何といっていいか分かりませんが、クラブから伝わってくるものがありました。

ナイスショット(ビッグドライブや寄せワンなども含めて)は、ゴルファーとクラブとの共同作業だと思います。
どちらかが良くてもナイスショットは生まれません。
ゴルファーとクラブとの『阿吽の呼吸』といったらいいでしょうか?

すごく贅沢なウェッジだな・・・。と思いました。
初見から既に魅力を感じていましたし、実際に球を打ってみて、さらに魅力が増しました。
私はアプローチが大好きで、練習時間の殆どを割いているといっても過言ではありません。
なので、ウェッジには色々な細かいところにこだわるので、魅力的かそうでないかがはっきりしています。
このウェッジはとても魅力的でしたし、使っていて楽しいです。
バッグに入れていても嬉しくなる所有欲も満たしてくれます。
美しさだけでなく、実用性も高いウェッジです。
ただ、強いグースタイプを好まれる方には合いづらいように思います。
そういった方には違うタイプのウェッジのほうが易しく感じられると思います。
このウェッジにグースタイプがラインアップされているのか分かりませんが、グースタイプを好まれる方の為にラインアップされているといいな・・・。と思いました。
ストレートタイプ・セミグーズタイプ・グースタイプ。
どれが一番優れているということはなく、使う人の好みによって選べばいいのだと思います。
私は強いグースが苦手で、昔からストレートタイプを使ってきているので、グースが弱いタイプが好きですし易しく感じます。

今日もとても寒い日でしたが、このウェッジを試打しているのが楽しくてあっという間に時間が過ぎてしまいました。
予定の球数も大きくオーバーしてしまいました。
使い慣れているマイクラブは勿論、初めて試打するクラブでも、時々問いかけたくなるクラブに出会うことがあります。
それは年に何本も無いのですが、今日はその数少ない1本に出会いました。
耐久性の高いステンレス製のウェッジも素晴らしいと思いますが、改めて軟鉄の良さを実感し、楽しみました。
私はアイアンもウェッジも軟鉄しか買ったことが無いので、このウェッジに対しても購買意欲が強く刺激されてしまいました。
形状と素材の勝利といったらいいでしょうか?
魅力満点のウェッジでした。
このウェッジの試打を終えて、RAZZLE DAZZLEというメーカーに対する好感度がさらにあがりました。
あったか~い気持ちのまま練習場を後にしました。
コメント