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2017年08月19日
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カタナ VOLTIO NINJA アイアン シルバー

今日は、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは KATANA VOLTIO NINJA アイアン シルバー の7番です。

シャフトは Speeder 561 です。
ロフトは28度、クラブ長さは37インチ、シャフトフレックスはR、バランスはD1、キックポイントは先中調子 です。

高級感があって、とても美しいカタナのニューアイアンです。
カタナのイメージにピッタリですが、いつも同じデザインでなく、いろいろと変えてきているのに、その美しさを維持できているところが凄いです。
クラブはまず目で楽しみたいと思っているので、このような美しいアイアンは大歓迎です。
私が好きな軟鉄アイアンではありませんが、また違った魅力があります。
カタナといえば『ゴールド』のイメージが強いですが、このアイアンは名前の通り『シルバー』といいますかオーソドックスな色使いです。
ゴールドタイプを好まれる方もいらっしゃると思いますが、アイアンはゴールドよりも、このようなオーソドックスな色を好まれる方も多いのではないでしょうか?
何といいますか、飛ばす為のクラブであるドライバーは、ある程度の派手さがあってもいいと思うのですが、狙うクラブであるアイアンは、ある程度落ち着いたデザインのほうがいいのかな?と思います。
『KATANA』といい『NINJA』といい、オートバイを連想するのは私だけでしょうか?

形の整ったポケットタイプのアイアンです。
大顔というよりは、少し抑えた感じです。
とはいっても普通よりは大きく見えたので、セミラージサイズといっていいような気もします。
輪郭もシャープというよりは少し丸みを帯びていて、易しい雰囲気を醸し出しています。

彫りの深さはたっぷりありますが、ブクッと膨れていないところがいいです。
これなら構え感が邪魔されることもないだろうと思いました。
カタナのアイアンは、どちらかというと親しみづらい物が多かったような気もするのですが、このアイアンはいい感じがしました。

トップラインは少し厚めですが、気になるほどではありませんでした。
カタナのアイアンはどちらかというと、厚めの印象があるのですが、このアイアンは違いました。
今のアイアンの中でのスタンダードといっていいと思います。
細い感じではありませんが、細いのが苦手な方には『安心感を与えてくれる太さ』といっていいかもしれません。
太すぎたり丸みが強すぎたりすると、構えたときにイメージがボヤけてきそうですが、このトップラインだと全く関係無いだろう・・・。と思いました。

ソール幅はノーマルな感じです。
少し意外でした。
もっとワイドを予想していましたが、違っていました。
カタナのアイアンの中では、かなり狭いほうだと思いますが、私はこのソール幅に好感がもてました。
カタナのアイアンだからといって特別構えて接するのではなく、普段通りに接すればいいのだと思いました。

ネックの長さもノーマルな感じです。
トップラインやソール幅、そしてこのネックの長さを見ると、これまでのモデルとは変えてきているように思えてきます。
カタナのイメージも変わってきそうです。
カタナファンの方で、このようなノーマルな感じを求めておられた方は多いのではないでしょうか?

フェース面にミーリングはありませんでした。
ごく普通のフェース面ですが、光沢感があって美しいです。
こういったところも、カタナらしいといえると思います。
ただ少しだけ最終的な仕上げが少し雑かな?と思いました。
それは目立つものではなく、ごく僅かなところですし、気にするほどではないのですが、少しだけ粗さが目立ちました。
試打クラブなので、たくさんの方が球を打たれますし、どうしても汚れや傷などがついてしまいますが、この粗さはそういったものではありませんでした。
『最初の』といいますか、製造工程の仕上げでの粗さだと思いました。
もし私が最初にこのクラブを試打していても、この粗さは目に入ったように思います。
ゴルフクラブ(特にアイアン)は使っていけばいくほど、味のあるアイアンに変わっていくものと、『使い減り』するといいますか、使っていった実績が美しさではなく、摩耗や古さを醸し出してくるものがあります。
アイアンは大切に使えば『一生物』といえるクラブなので、できれば前者を使っていきたいと思うのですが、このアイアンは後者のように見えました。
新品のうちは良くても、だんだんと美しさが失われてしまうのではないかな?と思いました。
ただ、そう感じたのは、この試打クラブに限ってことかもしれません。
他の同じモデルのアイアンは、いい仕上がりになっているのかもしれません。
『たまたま』だったのかもしれません。
気にするほどでは全くないところだと思いますし、それよりも、この光沢感が際立っていました。
私は光沢感があるよりも、できれば全部が艶消しになっているほうが好きなのですが、この光沢感もカタナの特徴だと思います。
ピカピカの光沢感という感じではないのですが、晴れの日にコースでプレーしたら、角度によっては少し反射するかな?と思いました。

装着されているオリジナルグリップはソフトなフィーリングで好感がもてました。

素振りをしてみると、予想通りの軽量感がありましたが、これは予想していた通りでした。
装着されているシャフトも走る感じがします。
アイアンはドライバーと違い、『狙うクラブ』なので、粘るタイプのシャフトのほうが易しいような気もするのですが、メーカーがこのシャフトを採用してきたということは、ヘッドとの相性がいいということだと思います。
ヘッドは本格的といいますか、すごくまとまっている感じがしたので、もっと重量感があってもいいと思いましたし、スチールシャフトでも試してみたいと思いました。
しかし、あえてハードにしないのがメーカーの戦略なのかもしれません。
美しくてソフトスペックを維持し続けることが、これまでのユーザーの期待に応えることになるのかもしれません。
一時期、カタナはハードなスペックを発売したことがありますが、今は全くといっていいほど見られなくなりました。

ボールを前にして構えてみても、好感がもてました。
カタナのアイアンで、ここまですっきりした感じで構えられたのは珍しいような気がします。
初めてといっていいかもしれません。
これまでの『カタナ顔』のアイアンとは違っていました。
少し大きく見えますが、問題のない大きさでした。
グースも少し利いていますし、トップラインも厚く見えましたが、これくらいであれば全く問題ないと思いました。
易しさと構えやすさのギリギリで勝負しているアイアンのように見えました。
ある程度のシャープさを出しながらも、それが出過ぎてしまうのではなく、易しそうな雰囲気も残しているような印象を受けました。
いい意味でカタナらしくないな・・・。と思いましたが、とてもリラックスして構えることができました。
試打を開始しました。

『打感』は、まずまずでした。
予想していた通り、『反発系』の打感でした。
フェースにボールが長く『滞在』するのではなく、あっという間に飛び去ってしまうような感じでした。
『打感のロケットスタート』といったらいいでしょうか?
弾く感じが強いです。
打感も厚みがあるというよりは薄い感じで、『グッ』と乗る感じではなく、『ベシャッ』という感じでした。
こういう打感は、これまでも経験してきましたが、昔ではあり得なかった『新種の打感』といえるのかもしれません。

球はとてもよくあがってくれました。
『スタンディングロフト』を感じさせないあがりやすさです。
重心の低さはまずまずだと思いますが、深さが結構あるのかもしれません。
球の浮く力が強いといいますか、重力をあまり感じさせない感じがしました。
ワイドソールを好まれる方には狭く見えて不安に感じられるかもしれませんが、とてもあがりやすいので、試していただきたいと思いました。

『安定性』は、かなり高くイージーです。
ポケキャビらしいあがりやすさがあって、それがこの高い安定性にもつながっているように思います。
スイートエリアもワイドでした。
少々のブレには動じない安定感がありました。
私はこういった軽量タイプのアイアンは苦手に感じることも多く、最初のうちは打点がバラついてしまうこともあります。
今日も少しバラついてしまったのですが、それを感じさせないほどボールは真っ直ぐに近い軌道を描いて飛んでいきました。
かなりのラージサイズで、大きく膨らんだ感じのアイアンで、この寛容さなら普通だと思うのですが、これだけシュッとしていて高い安定性を実現できているのだから、優れたアイアンだな・・・。と思いました。
アイアンには高い安定性を求めるけど、できればオーソドックスな感じで構えやすいアイアンを使いたい・・・。という方にはとても魅力的なアイアンといえるのではないでしょうか?

『飛距離性能』はとても優れていました。
こういうタイプのアイアンですし、最新のアイアンなので、飛距離についてもかなり工夫されているだろうと思っていたのですが、その通りでした。
これまで何度も経験していながら、かなり飛ぶな・・・。と、その飛びの凄さに驚いてしまいました。
アイアンの番手毎の距離って何だろう?と改めて思いました。
昔では考えられない飛びです。
キャリーもしっかり稼げますし、私の感覚では完全に『5番アイアン以上』の飛びでした。
しかも、目一杯振るのではなく、軽く合わせる感じで、これだけ飛ばせるのだから、こういうディスタンス系のアイアンの人気が高いのも分かるような気がします。
アイアンの『番手感覚』は完全に崩壊してしまったといえるような気もします。
もはや『7』と刻印された数字は全く意味をなさないような気もします。
逆にこの『7』という数字はどういう意味があるのだろう・・・。と思えてきます。
そう思えるくらい、このアイアンの飛びは優れていました。
最新科学の力は凄いといわざるを得ません。

『操作性』という点では、オートマチック性が勝ってしまい、思うように大きく曲げることは難しく感じました。
構えたときにいい感じだったので、もっと曲げられると思っていたのですが、実際に打ってみると、なかなか大きくは曲げられませんでした。
構え感と操作性のギャップを感じました。
ただ、構えやすいのでラインは出し易しいですし、大らかさがあるので、その設定したラインから外れにくいのは大きな利点だと思いました。
私がフッカーだということもあると思うのですが、スライス系よりもフック系のほうが易しく感じました。
アイアンに限らず、球がつかまり過ぎるクラブは苦手意識が芽生えてしまうこともあるのですが、このアイアンにはそういったことは感じませんでした。

横の幅だけでなく、距離も操作しづらい感じがしました。
これだけ飛ぶクラブなので、なかなか『距離(前後)の調整』が難しいように思いました。
長所は短所にもなり得るということだと思いますし、逆に短所だと思っていたことが実は長所でもあり魅力的に思えることもあると思います。
普段なら少し短く持って落下地点を手前にしたいと思う場面でも、こういうタイプは多少短く持ったからといって、それがはっきりと結果に表れにくくて難しく感じることも多いです。
『飛ぶアイアン』ともいえますが、どのように打っても『飛んでしまうアイアン』といえる側面も持ち合わせていると思います。
それはこのアイアンに限らず、今の高性能なディスタンス系アイアンに共通して言えることです。
大らかに飛ばしていけるクラブであると同時に、微妙な調整は苦手といえるのかもしれません。

アイアンは方向もそうですし、『縦の距離の調整』が常に求められているクラブだと思いますが、そういったことは多少目をつぶらなくてはいけないのかもしれません。
しかし練習を積んで使い込んでいき、同じ時間を長く過ごすようになれば、自然に距離感も養われるのかもしれません。
このようなオートマチック系&ディスタンス系アイアンで距離感が養われれば鬼に金棒で、怖い物なしといえるような気もします。

いわゆるアスリートモデルのクラブの人気も一時期に比べ、復活してきたように思います。
昔は、マッスルバックなどは殆ど見かけなくなった時期がありましたが、今では普通に見かけるようになりました。
しかし、まだまだイージー系アイアンのニーズは高いと思います。
クラブには易しさを第一に求めていきたいという方は多いと思いますし、それに飛距離が加わっているのだから、今のクラブの高性能化は凄いといわざるを得ません。

このアイアンは、その今のアイアンの凄いところをもっていながら、とても美しくてシュッとしているところがすごくいいな・・・。と思いました。
よく飛んであがりやすくて曲がりづらいアイアンは、これまでもたくさん試打してきましたが、それらの多くは構えやすさなどフィーリングが犠牲になっていました。
しかし、このアイアンはそれがありませんでした。
打感は正直あまり好きではありませんでしたが、それはこのクラブの性質上仕方のないことだと思いましたし、改めて私は軟鉄アイアンがいいな・・・。と思いました。

カタナのアイアンは高級感もあって美しいけど、構えづらくてあまり魅力を感じない・・・。という方もいらっしゃると思います。
そういった方にはまず試していただきたいと思いました。
この軽量感などが気にならない方でしたら、全く問題なく使いこなしていかれるのではないでしょうか?
昔はアスリート系のクラブを使っていたけど、年齢を重ねるうち振りづらくなり、軽量で飛びに優れたモデルを探しているけど、顔の良さ(構えやすさ)には昔からこだわっていて絶対に譲れない・・・。
そういう方にも試していただきたいと思いました。

これまでカタナのアイアンを試打していて、何となく特徴をつかみきれないまま・・・。といいますか、親しみづらさを感じたまま試打を終えてしまったこともあったのですが、このアイアンは親近感をもって接することができ、予定の球数を打つことができました。
私がアイアンに求めているものと一致していないところもあるので、正直購入することはありませんが、これまでのカタナのアイアンの中では、とてもいい印象をもちました。
いい意味で、オーソドックスなアイアンだと思いました。
易しさと飛びと顔の良さという3つが揃ったアイアンです。
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